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双子の兄弟です。兄の一と弟の千。
寡黙で優等生な一、チャラっとしているけど元気で明るい千。対照的な二人です。
千は兄の一のことが好きだけど、言ってはいけないとずっともやもやしてます。
そんな青春の一ページ、という感じのお話。
スケボーのイメージがある作者さんですが、こちらはそういうイメージからは少し違って、高校生の青春というテイストでした。
無口で表情もあまり変えない一ですが、悩みながらもぶつかってきたまっすぐな千に対して、最後デレるあたりがかわいいですね。
これはHなしで爽やかに終わるので良かったと思います :-)
乱暴に言っちゃえば。
「双子の両片想い」。
普段は仲良しグループでワイワイの弟・千乃介は、寡黙でストイックな高校球児の兄・一乃介が(心の中で)好きで好きで。
本当は友達よりも一だけでいい。一だけが絶対。そんな風に思ってる。
でも一は全然。
千は自分だけがそんなだ、と思ってる。やましくて浅ましくて。
一人でもがいてるんだけど。
だがしかし。
一だって千だけでいいのだ。
一は言わない。一は隠してる。それは、兄弟であること、家族であることの深さを千よりももっともっと感じてるから。
つまり…
多分千よりも前から、千よりも大きく。
一乃介も千乃介を、なのだ。
ただ、
一は「言ったら終わり」って深刻に思ってたみたいだけどね。
千的には、今までずっと大好きで、これからもずっと大好き、だから一生でしょ?という。
そのフツーな感じに一は救われたみたい。
兄弟ならではの子供の頃からの年月、一も千に寄りかかってたことが神様のいる森での迷子エピソードで語られるところなんかが独特で「トジツキ風」だと思う。
両想いになる双子だけど、エロなんて何にもなくて、でもそこがいい。
「猫耳眼鏡譚」
猫を助けた男の子がメガネ屋で借りたメガネをかけると、みんなに猫耳がついて見える…
…は可愛い設定だけど、ワルい先輩にイタズラされちゃうお話なんだよね…
「猫耳眼鏡譚(改)」
同じメガネ屋が、今度はケンカ男子に例のメガネ。
みんなに猫耳が見えたらもうケンカしないね。
二卵生双生児の兄弟の物語。血が繋がっているというだけで、なぜ想いを伝えてはいけないのだろうという千のモノローグが印象的でした。男同士であることよりも、兄弟であることを2人とも気にしてるんですよね。兄弟というのは一生続く関係なのだ、どんなに嫌でも子供のうちは同じ家に帰らなければならないし、大人になって離れたとしても、何かあれば他人ではいられない。長い目で現実的に見ていた一の言葉が重かったです。兄弟ものでもこういう台詞って、あまり聞かなかったかも。でも、その通りなんですよね。それでもいけるところまでいこうよ、という若さと勢いで、2人は一歩を踏み出してみる。最後まで恋人らしい甘さはありませんでしたが、千の能天気さとは裏腹に、兄弟ならではの葛藤が丁寧に描き出されていた作品でした。
トジツキハジメさんの作品は、この頃のが一番好きです。
最近のは何か…ゴツい。
BLとゆーより、ゲ○な気が…。
タトゥー描くのハマり過ぎな気が…。
と、話がそれました。
この本の感想ですね!
双子もの。
くっついてないとかにおい系とか感想がありますが、私はこれ普通にくっついてるじゃんと思うんですけど…。
千が一のこと好きなのはまあ作品全面に描かれてますからわかるとして。
一も千にベタ惚れじゃないですか、これ。
この二人の間には、誰も入れないでしょ~。
千が言うように、多分一生、お互いが一番なんだと思う。
あと表紙のデザイン好きです☆
表題作と、関連のない短編カップルの話、短編のオマケのような話の3本が収録されています。
千之介×一之介「千一秒物語」
1secondから6secondまであります。
千之介は一之介が大好き。でも一之介は双子の兄。バレたら嫌われる、でも触りたい。悩む千之介だけど、一之介だって…。
頑張れ若者!と思わず応援してしまいたくなった話です。能天気でまっすぐ好青年な千之介と、硬派っぽくて真面目な一之介が良い感じでした。子供の頃の回想が入っていたり、最強な母親が良い感じに雰囲気を変えたりしていて、重いテーマになりがちなところを、明るく楽しく描かれていました。愛し合っているなら大丈夫!という風な嘘くさいエンドじゃなかったのも良かったです。
彩家×瀬尾「猫耳眼鏡譚」
怪しい眼鏡屋が貸してくれた魔法の眼鏡は、人に猫耳と尻尾がくっついて見える眼鏡で…。この本の中で、唯一妄想じゃないエロがあった話です。
江見「猫耳眼鏡譚(改) 」
カップル要素なし。喧嘩した江見に、喧嘩はよくないと「猫耳眼鏡譚」の眼鏡を掛けらされた話です。そっか、猫耳眼鏡をかけると平和になるんだ(笑)
シュールだなぁと思ったのが、読み終えて直ぐの感想でした。千之介は人の頭の中をのぞける超能力持ちだし、猫耳眼鏡はモロ非日常的な話ですし。
でもそれが邪魔することなく、明るくて楽しい作品のスパイスになっています。この作者様の作品の中では、一番読みやすいと思います。他の作品ではちょっと合わなかった方にも、お勧めします。