海に沈んだ都市を舞台に紡ぐ、 “痛くて切ない”初期傑作が復刻!!

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表題作蒼い海に秘めた恋

オルソン・グレイ
29歳、有名な採掘師
ショア・ランカーム
21歳、特効薬開発の被検体

同時収録作品蒼い海に秘めた恋

エルリンク・クシュリナ
35歳、アストラン研究所開発室長、ショアの養父
ショア・ランカーム
特効薬開発の被検体

その他の収録作品

  • 碧い空に満ちる愛
  • 仔猫を飼う

あらすじ

大洪水により地表の九割が海水に覆われ、『水腐病(すいふびょう)』という不治の病が蔓延する世界――その抗体を持つ唯一の存在として、生体実験を受けてきたショア。ある日、決死の思いで逃げ出し訪ねたのは、海底都市に住む憧れの採掘師・グレイだ。身元不明のショアを優しく迎え入れてくれたけれど、研究所の出身だと知った途端、態度が急変!! 「嘘つきの卑怯者は出ていけ」と冷たく突き放されてしまい!?

作品情報

作品名
蒼い海に秘めた恋
著者
六青みつみ 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
蒼い海に秘めた恋
発売日
ISBN
9784199011740

ちるちる評価ランキング

58

4

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
2
得点
8
評価数
2
平均
4 / 5
神率
50%

レビュー投稿数2

No Title

六青先生の初期作品で未読だったので、手に取ってみました。受けはうん、健気テイストなんだろうな。攻めにちょっと惚れられなかったので、さくさく読みましたけど、中立寄りの萌にしました。本編250Pほど+後日談30P弱+あとがき+書き下ろし短編20Pほど。

不治の病の抗体を持つ人間として保護され、研究所で大好きなエルリンクの研究に協力してきたショア。特効薬が完成し、エルリンクに振り返ってもらうことも無くなり、学習用の記録映像で見かけとても印象深かった採掘士のグレイを訪ねていき・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
エルリンク(ショアを研究していた研究者)、研究所の面々(うーん・・・)、鉱石採掘現場で働く攻めの同僚たち諸々。エルリンクがなあ。

++攻め受けについて

鉱脈探すのに長けている天才採掘士。その天才的なところを実感するところは私はあんまりなく、カッコよさというものを感じられなかったので、ちょっと惚れられなかったでした。訪ねてきたショアをしゅっと受け入れる懐の大きさがあるのかと思いきや、冷たく突き放すところもあったのがダメだったのかも。

ショアは間違いなく健気なんだけど、寄る辺ない儚げな子供過ぎて、庇護欲保護欲の方が先にたち、惚れるって感じが無かったでした。弱っちい健気っこはあんまり得意じゃないんです、すいません・・

酷いのがエルリンクだよな。なんかなあ。一緒に居すぎてダメんなっちゃったんですかね。他に頼るところ無い子をほりだしたらあかんやろ。
一生悪夢にうなされろ、罪背負ってろ(# ゚Д゚)!って思います。

切羽詰まった感というか海の中の閉そく感というか。ドシリアスで、キラキラ楽しいとか美しくて目が♡とかが無くて、ちょっと残念でした。でも六青先生のお話ってそういうところあったよな、とも思うので、勝手に期待した私が悪い・・・

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読めば読むほどツラく、知れば知るほど涙が止まらない

あああ……六青むつみ先生の健気不憫受けの破壊力よ。胸がしめつけられる思いで読み続けました。

2005年発刊の方は未読です。およそ20年ぶりの新装版では、挿し絵がサマミヤアカザ先生になったのと、書き下ろしの短編が追加収録となってカムバック。
本編があまりにも切なすぎたこともあり、この短編があってこその新装版です。2人のその後を書いて下さった作者さんからの贈り物に拍手でした!

本編の内容は先にちょっとだけ触れたように、主人公・ショアの生い立ちや境遇、そして現在を生きるその過程においても不憫街道まっしぐらとしか言えません……!。゚(゚´Д`゚)゚。
なんなんスか……なんなんスか、この仕打ちはぁぁぁ……
中盤辺りなんてね、読むに耐えないのですよ。
養父の仕掛けた罠にハマり、唯一の心の拠り所であるグレイから冷たい仕打ちを受ける始末。養父のやり口にも当然怒りですが、グレイ…あんたは一番寄り添う側の人間なのに、何やっちゃってくれてんのかと。グレイがまさかこんな風にショアを追い詰めるとは思わなかったです。
ショアを愛するがあまり嫉妬心が抑えきれなくなって、また、ショアが大事なことを打ち明けてくれない苛立ちから、ショアを見限るような…更には追い詰めるような行動に出るグレイに腹が立ちました!!( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

こう言っちゃなんですが、すごく器がちっせぇんです。
ショアと養父の過去を知り、怒りたい気持ちは理解できますが、"違う"というショアの言葉を疑い、罵り、挙げ句の果てには仕事の配置転換で隅に追いやり、当てつけのように同僚と交際し始めたのをショアに見せつけやがる。はぁ?(怒)でした。
29歳の男がやる行動にしては、幼稚すぎて空いた口が塞がりません。怒りの気持ちがあっても、好きな人にやる行動じゃない。
ショアの過去を詳しく知らないぶん、"違う"の弁明が出来ない事情を知らないぶん、非常に心無いいじめに見えてしまって、私の中でのグレイ評価が著しく低下していきました……。

言わないんじゃない、言えないんだよ。
傷ついてツラいのはグレイだけじゃない、本当のことを言いたくても言えず、グレイに信じてもらえないショアの方が何倍もツラいんだよ。
グレイの行動1つ1つが、セリフの1つ1つが刃のように突き刺さっていくのを見届けるのがツラくて何度読む手が止まったか。
ショアの気持ちを思うと泣けてくるし、すれ違う2人の想いは深海の海底を彷徨うがごとくでした。

そんなグレイには、己がした行動を後悔するときがやってくる攻めザマァ展開で、思いっきり懺悔してもらいましょう。
全てを知ったグレイにいい気味だと思う気持ちが半分、ショアの覚悟に心が痛むのが半分……どちらにしても楽しい展開ではありませんが、グレイがショアの真相を知っていくシーンは一番の見せ場であり、一番の泣きスポットです。
こんなグレイでも、ショアを救えるのは彼だけであるのも事実。ショアを救うべく奮闘する彼の姿に希望を見出しながら、あるべき場所へと2人の気持ちが落ち着くそのときを見守りました。


悪役だと思っていた養父の彼なりのショアへの思いにはちょっとグッときました。だからと言って、彼がショアを傷付けたことは許されませんが。
色々とやり散らかしたグレイも、番外編ではすっかりショアに甘々なオニーサンと化してますし(笑)、色んな感情が渦巻くそんなストーリーでした。
彼らの未来が永遠に幸せであることの余韻にたっぷりと浸ることができて大満足です。

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