表題作僕の大切なひと

天然ギャルソン・千影
魔性のゲイ・小野

作品情報

作品名
僕の大切なひと
著者
よしながふみ 
媒体
漫画(コミック)
サークル
大沢家政婦協会〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
シリーズ
西洋骨董洋菓子店
発売日
4

(3)

(1)

萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
12
評価数
3
平均
4 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数3

これ・・・『アンティーク』に収録しても良かったんじゃね?っていうお話。

『僕の大切なひと』
“僕”っていうのは千影なんでしょうね。
じゃあ“大切なひと”っていうのは誰なんでしょう?

千影の母が亡くなり本格的に橘家に世話になるくだりが
描かれています。

千影という人物は、ドジでバカでおひとよし。
でもそんな千影に、誰もが癒されている。
千影にとって、橘や小野やエイジも大切な人だし
DVな父親さえも大切なんでしょうね・・・
ちょっと酷い話なのにどこかハートウォーミング
まさに『アンティーク』な1本でした。

おまけに『ひとりでできるもん。』と題しまして
千影×小野の激しいセックスシーンが入ってますv

4

関係の歴史、関係のこれから

「西洋骨董洋菓子店」同人誌その10。

「西洋〜」の同人誌全14冊のうち、特別なものを上げろと言われたら
「永遠はありますか?」とこの「僕の大切なひと」を選ぶ。

「永遠はありますか?」は、小野を主役としたこの同人誌の山場というべき一冊。
橘と小野という、どうしようもない苦しさを抱えた男達の話だ。



一方のこの作品では、一連の話の流れから少し離れ、
橘と千影の少年時代が描かれている。
千影の母が亡くなり、彼の身の振り方をどうするか?という話が起きる。
別れた父は、既に新しい家庭を持って千影を引き取りたくないのがありあり。

他の方も書いていらしたが、これは本編の中にあってもいいエピソードかと思う。
しかし、逆に同人誌の流れの中で、これが登場する意味というのもあるのだろう。
憤って千影を庇う14歳の橘も健気だが、この頃から千影は天使なんだなぁ。
彼らの特別な結びつきや、彼らを育てた橘の両親の人となりがよく分かる話だ。

時は今に戻り、そんな父とすっかり仲良くつきあっている千影に
納得がいかず不機嫌な橘。
そして、千影には家族がいないと思っていたと呟くエイジの頬に
「どうしよう」と手を添える小野、と、それにとろけるように微笑むエイジ。
エイジの存在は、アンティークの救いであり希望だ。



後半の「ひとりでできるもん」は(タイトルがまたw!いや一人Hの話じゃないよ?)、
千影と小野のHだけと言っても過言ではない話。
事後、パジャマのボタンを掛け違えている千影に、根気よく教える小野。
さっさと自分でやってしまった橘とは、違う関わり。

実は今回同人誌をまとめて最初から読む機会を得る以前、
この一冊だけは読んだことがあった。
その時には、この「ひとりでできるもん」は
単なるサービスHにしか思えなかったのだが、
通して読んでみると、それだけじゃあない。
(そういう意味や、単に作者が書きたいというのもあるだろうけれど!)
違う関係が生まれ、それぞれの違う面が生かされていく……あるいは育ち直していく……

そんな日常の一コマでした。

3

こういう時って・・・どうしたらいいんだろう・・・

またまたよしながふみの前書きが笑える。
『自分のマンガじゃなけりゃ 千影のちんちんで橘をひーひー言わせてやる所なのですが・・・』
ああそうなんだ、よしながさん的には千影×小野ではなく千影×橘だったのかと。
好きで描いてるんだと思っていたのだが、自分の作品だと同人誌ですら儘ならないものなのか。

今回は橘と千影の少年時代のお話。
鼻っ柱の強い橘少年(14歳)、口だけは当時から達者だった。
そして本編ではあまり明らかにされなかった、千影のバックグラウンドが描かれている。
これを読むと千影がただのお馬鹿さんじゃないことが、よく解る。(お勉強は出来ないんだけども)
そして心根がきれいな人というのは、こういう人の事を言うんだな言うのもよく分かった。

しかし今回、私の心に満塁ホームランをぶちかましてくれたのは千影でも橘でも小野でもなく・・・エイジだった。
家族との縁が薄いエイジは、千影の家族の話を聞きながら少しだけしゅんとしてしまう。
しかしそんなエイジの姿を見ても、小野はどうやって彼を慰めればいいのかわからない。
わからなくて思わず手のひらでそっとエイジの頬に触れてしまうのだが・・・その時のエイジの嬉しそうな顔ったら。
あんなに可愛い表情は後にも先にもないかと思う。
ぜひぜひ確認してみて欲しい(*゚ー゚)
それもそうだがこのやり取りひとつ取っても、小野がどれだけ人との係り合いに希薄だったのかが分かる。
やはりこういう人間には、千影やエイジのようなストレートにぶつかってくるタイプがお似合いかもしれない。

ところで毎回言っているのだが・・・千影と小野の濡れ場がオマケ的に扱われているのは、私の気のせいではないような。
個人的にはどちらでも良いのだが、なくても十分読めるのだから、まあいっそナシでも良いんじゃないのかな、なんて。

5

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