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表題作禽獣の系譜

黒羽周次、黒羽靫正
木賊烈

あらすじ

突然の父の死により、北日本一帯を支配する木賊組のすべてが17歳になる烈の肩にのしかかる。
跡目をめぐって組では内部抗争が起き、幹部の多くが狂刃に倒れる。
重圧に潰されかかる烈の支えとなったのは、謎の多い若頭・黒羽周次の存在だった。
ところが周次は組を追われかけ、同時に烈自身にも組員の卑劣な欲望の手がのびる。
なすすべもなく蹂躙される烈の前に、ある決意を秘めて再び周次が現れた―。
閉鎖された特殊な世界に生きる男たち。
金を動かし、人を操り、より大きなもののために殉じていく。
彼らの名を“極道”という…。

作品情報

作品名
禽獣の系譜
著者
花郎藤子 
イラスト
谷地恵美子 
媒体
小説
出版社
白泉社
シリーズ
黒羽と鵙目
発売日
ISBN
9784592860532
5

(5)

(5)

萌々

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中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
25
評価数
5
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

紙版あとがき 孤独と寂しさの違い

何故か投稿蘭に書き込み可能なので、ここにメモ。

電子版を購入した後、挿絵を観たくて紙版購入。
ハードカバーの表紙の46サイズ。
二段組 290頁
紙版は絶版の中古本。
表紙の装丁画と中に一枚同じカラーの絵があるだけで、挿絵は紙版には無い。少し残念。
でも、電子版の鋭い目の烈より、こちらの俯いた烈のほうが、イメージと合っているように思います。
全てを果たした後、後追いを果たした、思いつめるタイプの烈。

列だけじゃなく、この作品に登場する全員が、埋められない穴を心に持っていて、
無意識に虚しさを他の事に没頭することで埋めようとしている。
電子版にはあとがきがない。
紙版のあとがきには、この作品に流れるテーマが書いてありました。
(存命中の著者なら、再発刊でも大体あとがきが付くだろうと思う。あとがきが無い理由を色々考えてしまう)

以下抜粋。
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寂しいことと孤独は異なる。
本当は違うのに、しかし人は時によってその区別がつかなくなる。
つかなくなって、結婚に縋ったり、宗教に頼ったりする。
本来は別の為にあるものに慰めを求めて、寂しさを癒そうとする。
寂しくない人間なんて、居やしないのに 人はその「幻想」を掴もうとする。
家族もその幻想の一つだ。
・・暴力を嫌うので、暴力について書いている。やくざを美化するつもりは毛頭ない
・・多分、寂しいから私は「寂しさ」を書くのだろう。
・・「やくざという生き方Ⅰ-Ⅱ」を参考文献とさせていただいた。
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