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みなさまのレビュー通り。
想像とは全然違う展開でした!
さんPが最後に出てくる、というレビューを見て
その覚悟はしていました。
「なにごとにも動じない」をモットーにする銀行お客様係の蔵野兄。
箱入りおぼっちゃまの天然無垢な聖也。
金髪タトゥーの自由人、蔵野弟。
聖也の教育係として関わっていくふたり、
聖也の抱える過去の傷と寂しさ、
兄の抱える弟に対する劣等感、
弟の抱える気づいてもらえない恋心。
えー?えー!ええっ!?
と思っているうちに、主人プラス兄弟の、独特な愛の形が出来上がりました。
途中までタイトルの楽園とはなんぞや、と思っていたのですが、最後まで読んで納得。
帯『僕の可愛い二頭の犬-』
この作品はネタバレしないで読んだ方が絶対面白いんじゃないかなー。
表紙やあらすじで、下僕攻2人にお坊ちゃま受かと思ってたらまさかの兄弟モノ!!
兄弟モノスキーとしては思わぬところでジャブをくらっちゃいました。
ガチ兄弟の破天荒な弟・賢司×生真面目な兄・悠介があるではないですか!
といっても主人公の悠介は、仕えるお坊ちゃま聖也の下僕で「ご主人様」呼びしてひたすらに仕えまくるので下僕・悠介×ご主人様お坊ちゃま・聖也でもあります。
弟は兄が好きで、兄はご主人様が好きという3P構図が出来上がる訳ですよ、わーいわーい。
鼻持ちならないお坊ちゃまの聖也が次第に少年らしさに目覚めていくのも可愛いし、兄の恋人を寝取ったりと嫌われる様な事ばかりしてきた賢司が、生真面目な銀行員な兄の悠介をずっと好きだったというのも萌えます!
一冊で2粒も3粒も美味しい素敵展開の話でした。
特に兄弟スキーとしては最後に、えええええ兄弟来た来たーーーって内心叫んじゃいましたよ。
あと、あとがきで驚いたんですが綺月さんは兄弟モノも本格的な3Pも書くのが始めてだそうで、えええええっってなりました。
綺月さんだったらてっきりもう当然書いてるものとばかり……これは目から鱗。
いやーー分からないものですね、びっくり。
表紙から色々想像していたんですが、いい感じに期待を裏切られました。首輪にリードというSMチックなスタイルなので、そういう話かなっと思っていたのです。ところがさにあらず、まるっきりSMではありません。
桂城バンク勤務の蔵野悠介(真面目・眼鏡)が、諸事情によりグループ総裁の息子・聖也(箱入り・美青年)のものとなってしまい、過酷な生活を強いられます。耐えかねた悠介は弟・賢司(奔放・金髪・タトゥー入り)を巻き込むことを思いつくのですが・・・。
多分にファンタジーな部分があり現実離れをしているものの、楽しく読めました。軟禁状態で育てられ、あまりに俗なことを知らない聖也くんを大人にするお話なわけですが、このお話の主人公は悠介でしょう。
聖也の態度にイライラハラハラしながらも突き放すことはできず、賢司の存在は気になるもののなかなか受け入れられず・・・そういう意味では、悠介が一人でグルグルしているお話と言っちゃってもいいかもしれません。
弟にコンプレックスを抱いている兄と、ずっと兄のことが好きなのに気付いてもらえない弟、恋すら知らないお坊ちゃまの三角関係ならぬ3P関係です。3Pになるまでが非常に長いのですが、聖也の成長が面白いのと悠介がいちいちグルグルするので、飽きずに読めます。
本格的なエッチは、ページ的にはほんの少ししか無いのですが、すんごく濃い。サンドイッチ状態ですからね。
このまま一生一緒なの?
綺月陣の3Pモノときたら、すんごい変態モードを期待してしまうわけですが
案外マトモです。ただし、心理面で非常にねじけています。
まず最初の感想。
これね、フランスの有名コメディ俳優、ピエール・リシャール主演の「玩具 le jouet」をもんのすごく思い起こさせるストーリー。
ってか、あの名作映画の日本語版がないってなんなのーーー!!!!
ワガママで人を人とも思わぬ金持ちのおぼっちゃまが「これ」と呼び捨てにする執事と触れ合うことで人間らしさを取り戻すというくだりはまさに。
お坊ちゃまの貴族性や階級社会的な構造からしても、ちょっと日本離れした雰囲気が漂います。
故・朝南かつみ氏の美しいイラストレーションとも相まって、洒脱で幻想的な作品。
聖也が途中からひどく可愛らしく見え、ガチガチのリーマン裕介が人間らしい感情に振り回されていくプロセスもなんとなく面白い。
三人三様に成長していくさまが見えるって、すごくいい作品だと思うんだが
はて? あれ??? これって3Pモノだよね?
そんなことを忘れるほどさわやかな人間ドラマでした。
強制異動で、グループ総裁の息子の世話役になった悠介。冷静沈着の悠介。
悠介の弟・賢司は、一見遊び人、敬語すら使えない。そんなふたりが、グループ総裁の息子・聖也の教育をして、色んな発見をする!