BLコミック&BL小説、業界最大級の品揃え!
数時間で一気に読み終えてしまいました。
そうせざるをえない凄い作品……もしも知らない方がまだいて、ほんの少しでも興味を持ったなら読んでほしいと切に願うよ。
シリーズものだからCOLD SLEEPからね。
新品で買ったのに気付かないうちにどこかに擦ったみたいで汚れてしまったんですよね。
綺麗なものを手元に残しておきたいと思いもう一冊注文しました。
それくらいどんな終わりであれ大好きだと確信をもてる作品です。
一体二人にどんな過去があったのだと気になりすぎていたところがこの巻でスッキリできます。
が、あまりに予想外というか想像もできなかったアレコレに絶句しました。
アルアルと思えるネタがなく話の深みが凄いです。
引き込まれないわけがない。
いてもたってもいられず次巻に手を伸ばしたのですがあまりの展開に震えを通り越して具合が悪くなりそうです。
まだBL作品を読み始めて日は浅いですが、こんなに心揺さぶる作品は初めてでとても、動揺しています。
二人が行き着く先を早く見届けたい…!!!
透をかばって負った怪我が癒え退院した藤島に、透は恋人として暮らしたいと告げますが、藤島はどうしても透の気持ちに応えることができません。その理由が藤島視点の回想で語られます。
藤島の母の歪んだ愛情、自身の忌まわしい出自、透との出会いと悲しく壮絶な別れ。
名のある家に生まれ、母の操り人形のように生きてきた藤島にとって、父が母への当てつけで引き取ってきた幼い透は、藤島が初めて自分から愛したかけがえのない存在でした。自らの過ちがきっかけで透を失ってしまった藤島は、数年後、事故で記憶を失った透を守るために全てを捨てて透と暮らし始めたのでした。
贖罪の気持ちが大きすぎて、自分の本心に気付けない藤島が痛々しくてたまりませんでした。透が自立したら自分は妻と子の元に帰るのだと嘘をついてまで、透を自分から遠ざけようとした藤島。本当はずっと透が好きだった。でも愛されてしまったら、いつか記憶が戻ったとき透に捨てられてしまうのが怖い…。まっすぐで賢い透が藤島の本心を引っ張り出す場面が、息をするのが苦しいほど切なくて。藤島をあやす透の優しい言葉に救われます。「泣くよりも、好きだって言ってよ。笑って、俺のこと好きって言って。」記憶が戻っても、こんな風に藤島に優しくしてほしいけれど…無理なのでしょうね。
本当のことが話せなくて泣いてしまった藤島を、透がケーキを買いに走って慰める場面もすごく好きです。ケーキが二人をずっと結びつけてくれたらいいのに。短編「赤い花」で、透が手作りした純白のケーキを手づかみで食べさせ合う場面が微笑ましいです。
愛があればきっと困難に立ち向かえると信じて、次巻を読みたいと思います。
前作に引き続き、タイトルの意味がどうしても気になっています。
少年時代の藤島にとって、幼い透は光のような存在だったように思います。タイトルのLIGHTは、透のことなのではないか…。COLD LIGHTは、文字通りだと蛍光や燐光などの熱を発しない冷光のことだそうです。記憶をなくす前の透が冷たく暴力的だったことがCOLDに暗示されているのか、今の透と藤島のはかなげな恋愛関係を燐光に例えたのか。幼かった透が藤島の家で作っている藍色の浴衣を見て「夜の終わりの色だ」と言ったことも強く印象に残っており、夜が終わる前の一瞬にさす光のことなのかと思ったり。もしかしたらいろいろな意味を含んだLIGHTなのかもしれません。
黒川・谷口が透・藤島とどうかかわるのかいまだ分かりませんが、このほのぼとしたカップルが次巻で透・藤島の相談相手や避難場所的な存在になればいいなと思います。
『COLD SLEEP』に続くシリーズ2作目。『COLD SLEEP』は麻生さんが描かれたコミカライズ版のほうを読んだので、こちらでは原作を読んでみました。
『COLD SLEEP』で謎だった部分がこの巻で解明されていきます。
透の事故の莫大な慰謝料をどうやって藤島はねん出したのか。
藤島が恐れている、『透が自分を嫌う理由』はいったい何なのか。
そして、二人の関係は。
母親に支配され続けた藤島と、邪険にされ、時に虐待すら受けていた透。孤独な二人の間に生まれた相手への想いと友情に思わずウルっとしました。
したのだけれど。
なんというか、私の地雷満載で読み続けるのがしんどかった。
子どもを虐待する親。
そして、嫌がる子どもへの性的な行為。
地雷なんです、この二つが。でもそれらがないとこの話は進まないわけで。
藤島のお母さん。人間のブラックな面をあそこまで書けるって、木原さんのすごさを改めて感じた。
ただ、前作で健気で好きなキャラだった藤島への感想がこの作品で変わってしまったのがなんとも残念でした。
やっぱさ、子どもに手を出しちゃだめだと思うのよ…。
でもまあ、それはいい。彼の孤独を埋め、すべてを受け入れてくれる透を心から欲してしまったのだろうと思うから。
けれど、自分の私欲のために会社を切り売りしたらそれはあかんと思う。それは『透への深い愛情』ということで片付けたらだめなんじゃないのかなと思ったりしました。
終盤、やっと結ばれた二人に安堵しましたが、これってまだ続編があるんですよね。甘い空気にしておいてからの痛い話。うん、なかなかどうして一筋縄でいかないのが木原作品故か。
「COLD SLEEP」に続く2作目。
藤島と透の二人の生活が始まります。
透は自分に親切にしてくれる藤島のことがどんどん好きになり、特別な関係を求めてきます。
一方の藤島は透との過去の苦い思い出から、心をひらききることができず葛藤しますが、透の明るく素直な性格についに付き合うことを決心。
二人の初々しく甘い日々がなんかだ平和すぎて木原さん作品としては逆に不安に感じてしまいます(^_^;)
そして本作でも幼少期の二人を苦しめたあの母親が登場します。
んーこの母親はやはり苦手です・・・。
帯にはシリーズ最高の甘さとあり、退院した藤島と寄り添う透に期待値は上がります。
それでもどうしても受け入れる事が出来ない理由。
前作の謎が明かされ、知る喜びに読み進めるスピードはどんどん早くなります。
歪な家族とその代償に連れてこられた透。
抑圧されて育てられた藤島とは違う純粋さで無防備に藤島を慕う透に、性的なものを感じ始めた事から降りかかる更なる苦しみ。
歪んだ家族の破綻していく様に、そのグロテスクさに、昏い闇が霞のようにまとわりつく。
孤独という底に引きずり込まれる怖さがありました。
その分透と藤島の睦まじさが刹那的で美しく、頼れる者がいない絶望により痛ましさが感じられます。
母親に修羅を見、その自己愛に振り回され続けた藤島の葛藤。
今まで大きな感情に飲み込まれる事なく、言いなりだった自身の不甲斐なさに後悔し決断する姿に大きく揺さぶられます。
家族との別離、母親との対峙など過去に対する贖罪だけでは言い表せない決別の想い。
与えられたくないと自己完結していたものが、愛される事で強くなりたいと祈り願う姿が読みきった後、心に明かりが灯るような穏やかさに包まれます。
そして書き下ろし「little Wish」「赤い花」にて甘さが。
先に苦みを存分に味わったせいか、多少の乙女思考も目を瞑ってしまう程飢えていたスイートさが染み渡ります。
他「NEW YEAR SNOW LIGHT」
ゆっくりと進展している黒田と谷口。
特別な事もなく谷口と一緒にいたいと望み続ける姿が「頑張る」と返事する言葉に詰まっていて、本編とは違う微笑ましさにホッとしました。