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ドント・クライ・マイ・ベイビー

don't cry my baby

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表題作ドント・クライ・マイ・ベイビー

ロッカー風外見のフォーク歌手 真人
商社課長 藤田

同時収録作品個人的な感情

上司の女房と不倫する会社員 沢村
仮面夫婦をしている課長 西垣

同時収録作品女房の恋

部長 川島
部下 三上

同時収録作品KING

その他の収録作品

  • ラブソング
  • おまけマンガ(描き下ろし・3P)

あらすじ

クールな仕事人間という周囲の定評の中、しかし人知れず言葉にできない心情的ギリギリ感を抱えながら日々を生きる藤田だったが、ある時、ある男とのオフィスの窓ガラス越しの出会いによって、そんな心のタガが少なからず外されるのを感じ衝動的にその窓清掃の男・小野を誘ってしまう…しかし結局、あと一歩を踏み出すことができず悶々と……窓清掃は仮の顔、その本文はせつない恋心を歌い上げることに人生を燃やすミュージシャンである小野は俄然、藤田に本当の自分を生きさせるべく熱くしみじみ奮闘するのだが―――!?
 時代遅れ上等!! 不器用かつピュアな男たちの恋の道行きをジンワリと描き、麗人誌上で大好評を得た表題作とその前編にあたる「ラブソング」からなる2部作他、ますます深みと味わいを増した傑作ストーリー5編を収録。そして実は隠れファン多し?赤裸々(?)パーソナル書き下ろしも必見の最新コミックス登場!!!

作品情報

作品名
ドント・クライ・マイ・ベイビー
著者
西田ヒガシ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
発売日
ISBN
9784812470497
3.9

(28)

(11)

萌々

(5)

(12)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
11
得点
111
評価数
28
平均
3.9 / 5
神率
39.3%

レビュー投稿数11

みんなのこれからが気にかかる〜

背広じゃない人も出てるじゃん‼︎…の短編集。

「ラブソング」
「ドント・クライ・マイ・ベイビー」
BLには窓拭きイケメンに心奪われるリーマンという1ジャンルがありまして…
ゲイを隠してるカタブツリーマンは長髪でフォークソングを歌う自由な男に惹かれる。
自由な男は自由すぎて、会社のすぐ外でもニコニコ話しかけてくるからつい素っ気なく嘘で遠ざけるけど、カタブツにも自由が伝染るのかもね。
カタブツはカッコよくて自由な鳥が大好きになったのだから。

「個人的な感情」
偶然上司の妻と遊んでしまったリーマン。だが浮気は黙認だという。なぜなら、旦那はゲイなの。
そこから上司のことが気になってしょうがない。だって可愛いじゃないか。
しかし誤解発生で…
本気で好きになったからまたぶつかっていく、というお話。
木の枝で男を打つシーンが好き!

「女房の恋」
冷めきった仲の妻と部下の関係を疑う部長。前の「個人的な〜」の別バージョンって感じ。
一見クールな部下だけど、実はケナゲでワンコ。なはず。

「KING」
中世ヨーロッパが舞台。
略奪で王になった男と、彼に両親を殺された後彼の召使になった王子のお話。
元王子は当然愛憎があるけど、現王は一貫してただ強さだけを追い求めている。
一転攻め込まれて奴隷に成り下がっても目力が全く衰えない王。
元王子はその姿に膝を折って忠誠を誓う…
BLと言っていいのかよくわからないけど、なんか演劇的です。

巻末のおまけマンガはいつも通り爆笑です。最高〜

0

泣かないで愛しい人

訳したらこんな感じでしょうか。表題作がとにかくいい!大企業のエリート課長らしき受けの藤田と藤田の会社のビルの清掃会社兼アマチュアフォーク歌手もやってる攻めの真人の恋。

強がりで大人ぶっている藤田の本質的な可愛さを見抜いている攻めの真人は本当にいい奴。藤田さんは絶対に心優しい彼氏をもう離したらいけないと思う。真人も一度はミュージシャンとしてメジャーにならなきゃと焦っていたけど、藤田がそんなことは全く求めていないということをわかってくれて良かったです。

ノンケと恋するのは苦しいと自分から別れを切り出しておいてやっぱり好きだから変装してライブを観に行く藤田の純情に泣けた。他にもヒゲが早く伸びることを密かに気にしていたり、年上受けだけど本当に可愛い人です。攻めがこの可愛さに気づいてくれる人で良かった。ラストがタイトルに繋がってるような終わり方で最高です。ミュージシャン本当に性格イケメンです。

他のお話は奥さん持ちのサラリーマンの話が二編。
表題作ほど純愛な感じではないけど受けは両方可愛いので楽しめます。

「K I NG」という中世の話はちょっと難解でしたが、おじさんが美青年に尻を攻められていた所が良かったです。おまけマンガはもちろんいつものように最高の面白さです。





0

男同士、というのを実感させる作品達

4カップル5作品の短編集です。

「ラブソング」「ドント・クライ・マイ・ベイビー」
表題作の二人です。「ラブソング」では藤田がギターを弾いて、小野真人に思いを伝えます。窓越しなので歌自体は聞こえていないというのがツボでした。続編では貧乏で売れない歌手だということをなんとかしようとする小野と、藤田が擦れ違うのですが…「だけど俺を捨てないで」と歌う場面で、胸がじんときました。この作品が一番好きです。

「個人的な感情」
「飛ばし屋」というあだ名を持つ上司・西垣の妻と浮気した沢村。しかし、西垣に惹かれてしまい…という話です。題が秀逸だと思いました。思わずニヤリとしてしまいました。

「女房の恋」
有能だけどどこか打ち解けない部下・三上をひょんなことから意識してしまう川島。でも妻と浮気をしていると思ってしまい…。前作に続き、冷めた夫婦の登場です。良好な関係だったら物語にならないから仕方ないですが、続くとちょっと切なかったりします。脇キャラででもラブな夫婦が出ていれば和むのですけど。

「KING」
中世ヨーロッパの話です。両親を殺され、王になった男に仕える主人公。殺してやると思っていたはずが…。

出会ったばかりなのに、平凡な上司だったのに、ただの部下だったのに、不遜な男なのに、何故か惹かれる…言葉や理屈じゃないものを絵で表現した漫画ならではの作品だと思いました。でも読んでも良く分からないと思う方もいるはず…私も上手に説明できません(汗)

男同士というのを互いに意識しているのが分かり、すごく良いです。男だからというプライドもあるし、男だから素直に言い合えるというのもあって…BL読んでいるなぁって気になる1冊でした。

リーマン好き、男っぽい社会人カップルがお好きな方にお勧めです!

3

なんかいつもより恋に落ちるのが唐突かなと感じる短篇集でした。

「個人的な感情」
合コンでお持ち帰りした女が上司の奥さんだった!帰ってきた旦那を見てビックリ。
夫婦どっちも喰っちゃう話なのですが。
一度の過ちで簡単に崩れ去る夫婦の崩壊が、哀しい。
やっぱり結婚って紙の上での繋がりなんだなぁ。
夫婦互いに自分自身を責め、相手をいたわり合ってるのもなんだか切なかったです。
BLなんだけど、夫婦の話でした。しみじみします。

「女房の恋」
部下に夫婦どっちも食われちゃった?と誤解して突っ走るアホなオッサン部長の話。
「個人的な感情」の旦那さんとは逆で、勘違いから妻を責め倒します。
おまえこそ浮気しとるやないか。責める資格なしじゃ馬鹿もーん!
賢明で部長に一途なワンコ部下が、夫婦崩壊の危機を救わんと
機転を利かせて嘘をつくのが切なかった。
そして妻も大人でした。
大好きな部長といっしょに温泉→勃起をみられちゃうのは最大の萌えシーンですねw

「KING」
これは唐突でもおk!
元王・現奴隷×新王
剣で脅しながら新王を犯す元王がエロすぎます。

0

あにきの短編集

表題作は売れないフォークミュージシャン(普段は会社の窓ふき)と会社員のお話でした。

個人的に音楽系は大好きなのでギターを持っている表紙を見た瞬間にキターと思いましたが、
流行り系ではなく、己を貫きすぎて売れない個性派系のほうだったんですね(笑)
自分の知り合いがまさにこの流行らない系ミュージシャンの人で、
読んでいるとその人を思い出しました。
こういう人たちの生き方って、すごいなと思います。
儲けと別次元で生きていますよね。
まさに音楽のために生きている人です。

個人的には表題作の攻め・真人のロン毛が好きな見た目設定で嬉しかったです。
ゆきずり・なりゆき的な感じで関係を持った二人ですが、受けさんのほうに何となくわだかまりがあり、二人の関係は進展しません。
しかし、受けさんは徐々にほだされて…。
会社の窓越しにスーツ姿にギターを抱えて、窓ふきをしている攻めさんに自分の気持ちを見せつける受けさんに笑いました。
この昭和な展開が最高です(笑)

他には不倫のお話や上司×部下、そして海外の古代ファンタジー(?)ものが入っていました。
それぞれの作品にアニキ節の詰まった一冊でした。

1

表紙が今風で(笑)

短編集もやっぱりいいですね。どれもこれも同じ人なんだけど(笑)ローマ帝国だろうが同じ顔。でも全然平気。
いいのそんなのどうだって。同じ俳優なんだもん。
ウディアレンやデビッドリンチみたいに、同じ俳優ばっか使う監督だと思えば。
いや別に、わざわざそんな風に思わなくても、ほんとにそこら辺は全然気になりません。
それが逆にものすごく不思議。
見た目は一緒でも、役柄が違うからかなあ。相手の組み合わせが違うからかも。
だからいいんだ、そんな分析はどうでも!面白いんだからいいの。
そしてめっちゃ色っぽい顔が、視線が、たっまらーん!
すごくワイルドでセクスィ~なのに、しみじみフォークシンガーって。
ギャップ好きな私ですが、そこはひとつもときめかない。(笑)
西田さんの描くワイルド系も大好きなんですが、そっちよりもストイックなリーマンが見せるはにかんだ笑顔や、空ろな表情には、萌え殺されかけました。
私、西田さんのほっぺにちゅううううって吸い付くワンコが好きなんですが今回ワンコは残念ながら、おらなんだ。
もうちょっと付き合いが進めば、表題作のワイルド小野君がソレになること間違いないんだけどな~。惜しい。

お馴染みのデフォルメした泣き顔や、今回は何度か出てきた感情を表す「プイ子さん」や「しょんぼりさん」「どてちん」など、ちょっとした隙間のギャグが好き。
もうこれは恋かなあ。西田さんなら、どんな作品でも好きなのかも、と一瞬思いましたが、逆ですね。やっぱり作品が面白いから好きなんです。
それにしても、今回のあとがきマンガは、いつにも増して読み応えがあって嬉しかったです。
スーツってトーンが大変なのねえ・・・じゃあ上着脱いでシャツ姿のシーンは楽かしら?なんて気になったりして。

5

ビバ

西田さんの作品。
けっこう読みつくしたな~と思ってたんですがまだありました。
さすがの実力を感じる一冊。好きです+.*(+・`ω・)9グッ

>>ラブソング
ギターを持てばいつもはけない弱音だって吐けてしまう。
言いたいことを歌に乗せて。
窓拭き×リーマンですね。
ちょっとお茶目な演出があいかわらずウマい。
「髪を下ろすとワイルドでいい」という受の言葉がありますが
本当になんか、かもしだす男臭ムワっと感じました。
かと思えば、昭和なつかしのwwwというギャップ。
ノンケで男なんて恋愛対象は初めてのはずなのに、受が可愛くて仕方ない。
一途でまっすぐなキャラクターが好きでした。
受も受で、オッサンと呼べる年に足を踏み入れてるんだろうな~と思うのに、妙に純粋で、ピュアで。
顔に似合わない行動をしてしまう。そんな一面にキュンとしてしまいました。

>>個人的な感情
合コンで出会って早速ベッドイン。
不倫という形はわかってた。ところがところが、その女の旦那ってのが厳しいことで有名な直属の上司。やれ、どーしたことか
そんなことを思っていたらなんと衝撃の事実。
その上司、なんとゲイ!?
最初の話もそうなのですが、ノンケが落とされていく瞬間というか、ノンケが嵌ったらほんとまっすぐにというのをすごく感じました。
こういうの嫌いじゃない。むしろ好き。
ノンケがあいてだからこそなゲイである受の言動。
そして今回は、嫁との関係がばれてしまったときの攻の表情がすごく好きでした。今後の展開は描かれなくとも言わずもがな。
直巳さん。かわいいです

>>女房の恋
さて、秘密ってのはなんなんでしょ(´∀`)ニヨニヨ
部長にほれた部下くんの片思いを描いたお話なのですが、この視線がなかなかに可愛くていいのですな。
2人きりで出張?!
ちゅぅか、部長、お風呂で(旅館の温泉)前かくして!
部長の股間、裸をみてオッキさせてしまう。
のぼせるまでお風呂出られないというかわいい後輩君がいかんせん可愛かった。珍しく若人受なのでちょっぴり新鮮感もあり。
若いってすばらしい。そんな反応されるとイヤでも苛めたくなるじゃないかw

>>KING
魅せられたってのはこういうことを言うんでしょうかね。
革命軍と王。滅ばされた国の王子は新たな王の奴隷となり~から始まるお話なのでありますが、今後、2人の関係が・・・すごく気になる感じなのです。
今後の話は期待できないんでしょうかねぇ。至極残念
けれど、世界観としてはこれまでのリーマンから逸脱して異色。
けれど、尻をいじられて感じる王がwwwwはぁはぁw
衝撃的でした。もちろんイイ意味で

2

西田東さんは、リーマン好きオヤジ好きにはタマラン!

西田さんの傑作短編集です。どの短編もハズレなし。
どこにでもいそうなフツーのオヤジやリーマンの恋愛を、コミカル&切なく描きあげてます。
もー、なんで私いつも、こんなに西田東さんの作り上げるキャラクターがこんなに愛しくなってしまうんだろう。
神に近い萌え評価です。

表題作が最高でした。
ロン毛で掃除屋でミュージシャンの明るいノンケのニーチャンと、有能だけど心にモヤモヤを抱えているゲイのリーマンのカップル。
偏屈そうでクールだったリーマンが、ニーチャンに癒され、惹かれ、笑顔を見せるようになる。窓越しの『LOVE』の落書きのシーンで、鼻水ふいてしまった。西田さん、こういうシーン、巧すぎるw
ラストでちょっと泣きました。素敵なツンデレを見せてもらいました。

話は変わりますが、西田東さんのあとがき、いつもめちゃくちゃ好きです。
絵は手抜きしまくりなんですが、中身が面白すぎて、いつもゲラゲラ笑ってしまう。
軽い自虐ネタをユーモアたっぷりに描かれてて。
ある意味本編よりも好きかもしれないw
漫画エッセイみたいのを書いてくれないかなー。
あの手抜き絵でも絶対に買いますw

4

大人の

BLファンタジーの中にリアルな苦痛を与えてくれるイイ作品と出会える作家さんです。
ゲイモノというにはもっとヒューマンドラマな部分が強くて、心情の深みと人生がのしかかってくる性欲と愛欲なんですね・・・。

表題作はとにかく堅実に生きる受が不確かな世界を自由に生きる攻に対して思いがけないアクションをとりつつ、内心の葛藤が端々に感じられ…萌えずにはいられませんでした・・・
なにこの受かわいい!
一般に言う姿形が可愛いというのではなくて 存在が 抱き締めてあげたい、放っておけないよ、アンタ な感じです(抽象的)
特にコミックスと同タイトルの話のラストが何回読んでも萌える・・・!!

BL、男同士だからこその不安とか醍醐味を感じられる一冊です。

表題作以外も一筋縄ではいかないサラリーマンとか更におじさんとかなおかつ復讐と服従が・・・!!

3

異才です、やっぱり

大根役者のようなセリフ、ちょっと適当に描いてません?って言いたくなるような絵柄、なのにどうしてこんなに面白いのでしょうか。
セリフが完結明瞭で分かりやすく、こっちの心に突き刺さってくるからでしょうか?
キッチリスーツのサラリーマンが時々崩れることによって親近感がわくからでしょうか?

表題作を含め4作がサラリーマンもの、1作が古代ヨーロッパ?もの、これが、下克上になりそこなったのかこの続きがあるのか、これこそ下克上というものなのかいまひとつ理解不能なところがあったので萌評価になりましたが、サラリーマンものは大満足。

表題作とその前作はキレると可愛い課長とノンケの窓拭きのお兄ちゃん(フォークシンガーでもある)のお話ですが、キュンとこさせて頂きました。
お兄ちゃんの懐の深さと、課長が「キレると可愛い」ところがポイントです。

あとの2作は妻が絡んでくるお話。
夫がゲイのパターンと夫がゲイに惚れられるパターンなのですが、それだけで展開がこんなに変化するんですね。
でも、妻はなんだか似た人たちだったな。

そして今回も、おまけまんがを楽しませていただきました。
ほんっと!西田氏の頭の中をのぞいてみたい。

時々出てきた表現、手書き文字「プイ子さん」が変に萌つぼでした。可愛い表現だ。

4

限りなく「神」評価に近い「萌」なのです。

サラリーマンと窓拭き歌手の、ぶきっちょで優しい恋愛。
パリッと音がしそうなクールな仕事人間藤田の、仮面が外れる瞬間がたまらんのです。
彼に萌心の本土を直撃されて、うっかり悶え死にそうになりました。

西田さんの作品には(特に恋愛に対して)不器用な人間が多く登場します。
ゲイでネコだと自覚しつつも仕事人間という仮面の下に、その性癖を押し殺してきた藤田もまたその一人。ある日窓拭き青年と出会ったことでその仮面が外れ、半ば発作的に青年を誘ってしまうんですが、二人の出会いの場面がとっても印象的でした。
スーツをかっちり着込みオフィスの中にいる無表情の藤田と、楽しげに半裸で窓を拭く金髪長髪&髭の真人。窓一枚を挟んで向かい合う二人は何もかもが自分と対照的なんです。
青空を背にしょった真人の肉体。藤田の心の箍が外れるこのシーンがとても好き。
とはいえ結局は冷静になってしまい逃げ出すんですが、この我に返るタイミングも藤田の性格をよく表わしてる。
ここで欲望になだれ込める性格なら、そもそも彼は自分の限界を感じるほどの鬱屈を抱えることもなかったはずなんですね。
女扱いされるのに過剰なくらい反応するのもきっと、(女になりたいわけじゃなくて)女のように男に可愛がってもらいたいという願望があるんだろうなぁと。
でも決して自分はそうなれない現実を藤田はよくわかっている。
諦めながら、熱望している。そこがせつない。

続く2話目、今度は真人に焦点を合わせています。
好きだから歌い続けてきたものの、真人には「将来が見えない」という理由で何度もフラれた過去がある。そして藤田の「ずっと続けるのか?あの仕事」という言葉。
藤田を失いたくない一心で真人がとる行動に……あれれ、心の汗が。
生き方が全く正反対のタイプの二人。臆病な藤田の不器用さと、そんな彼を可愛いという真人の優しさがじんわりと沁てきました。なんて素敵な二人なんだろう。
たった2話しかないとは思えない満足感でした。
でもおかわり!

いつも感じるのですが西田さんはストーリーの緩急が上手い。シリアスの中のコメディのさじ加減も絶妙。(おまけマンガも面白すぎる。)
特に短編はそれが顕著な気がするので、西田さんを未体験の方は、ぜひ短編ものから入ってみるといいと思います。

後の3作についても書いたのですが、文字数の壁にばっさり返り打ち。どんだけねちこく書いてんだって話ですがこれでも腹六分目……。
そ、そんだけ魅力的な作品なのでございます。

3

この作品が収納されている本棚

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