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2009年発表の紺野キタ先生の短編集。
「日曜日に生まれた子供」
な〜んにもできない、しかも病弱な貴族と執事のお話。
いつも通り熱を出して倒れたローランド(中年)。
目覚めた後呼び寄せた執事のウォルターを見て「若返った!」と騒ぐが、何のことはない、元々の執事ウォルターの息子のエリックが、腰痛で休みを取った父の代わりに働いていたのだった。
…という冒頭から、エリックが前の職場を辞した訳、エリックの出生の秘密、などがスルスルとほどけて…
何もできない無能の人のようなローランドですが、彼は人の心を優しく包むことができる人、なのです。
「オリーヴの小枝」
「日曜日に〜」続編。
他の貴族と不倫中のローランドの妻・アリスが気まぐれに訪れる。
アリスとは政略結婚で特に愛はなく、何を言われても何をされても穏やかにやり過ごすローランド。
だがエリックには…
イブニングプリムローズの茂みで毛布にくるまっての愛の告白が萌えます。
「森の郵便配達人」
ファンタジー。
ある冬の日に北風が拾ってきた人間の子供。
森の世界の住人は、人間の世界にまた捨ててこい、と言うけれど、心優しい「森の番人」が育ててくれて。
だが森の世界では、何か役割がなければいけない。だから手紙を運ぶ仕事を始めた少年。
だがある日、境界に若い娘が迷い込んで…
『ここにいたいなら 必要とされる理由がなくては』
厳しい掟だなぁ。素敵なファンタジーなんだけど、シンと冷えた読後感。
「先生のとなり」
おじBLの秀作!
物語は花見兼同窓会のシーンから始まります。
駆けつけてくる中年男性・直也は、目で担任だった平坂を探す。そして隣に座り飲みすぎないようにだの、ボタンが掛け違えてるだの、寒いからコートを貸すだの、周りの友人たちからもからかわれるくらいとにかく世話をやく。
だが実は2人は恋人…
直也は、逆上がりができなくて泣いた6年生のあの日からずっと平坂先生が好きだったんでしょうね。
今中年と老年の2人となって、直也の先生への想いはまだまだ燃え盛っています。
「いずこともなく」
「昼下がりの…」
百合ものです。エロは無し。
寮のある女子校が舞台です。私は好きな話でした。
「ねゆきの森」
「森の郵便配達人」その後。
少年は、人間。
だから森の住人たちと生きる時間が違うのです。
ちっとも変わらないヤドリギや番人の中で、自分だけが容貌も変わり衰えていく。
でも番人さんは最期の時もおまえを照らす灯となろう、と言ってくれるのです…
どのお話も面白くて読み応えあり!
年の差、ファンタジー、おじBL。特に「先生のとなり」はおすすめ!
私が紺野キタ先生にはまった最初の作品。
説明文にもあるように、珠玉の作品集だと思います。
キラキラした宝石のようなお話がつまっています。
表題作はじめどの作品にも優しい暖かさが感じられます。
「森の郵便配達人」は特にファンタジー好きならお薦め。
私の一番好きな作品です。
絵も優しくて世界観にぴったり。
こんな素敵な作品をありがとうございます。
「日曜日に生まれた子供」
執事いいです。身分差とか、なんというかゆったりな中に色々な思いが詰め込まれててきゅんっとしました。
「先生のとなり」はその後同人誌でいくつか書かれていて、面白い展開になってます。
先生、とっても可愛いです。
あと百合は余り読まないのですが、というかまさか入ってるとは思わなかったので読んでみてあれ?っと思ったのですが、百合もたまにはいいな~と思いました。
【日曜日に生まれた子供】【オリーブの小枝 前編・後編】
イギリス貴族の主人と執事とのお話。主従関係の恋はいいですねぇ。
互いに想いあってるのだけど、主人である自分の誘いに拒めないだけでは?と思い悩む主と、主の友人や妻(別の男の愛人となって別居中)への嫉妬を分不相応だとして隠す姿。
「好き?」と聞かれて「お慕いしております。」と応えるこの言葉の上下関係が萌えます。
【森の郵便配達人】
ファンタジーもの。森の住民たちが暮らす世界へ人間の捨て子が拾われて森番に育てられるお話。
【ねゆきの森】
拾われた子供はすっかり年を取ったが、森の住民たちは全く変わっていない。人間と森の住民たちとの違い、時間の流れ方、やがて来るであろう別れの日、そういったものを漂わせた切ないお話でした。
【先生のとなり】
中年とおじいちゃんという組み合わせ。以前に読んだ時はそのおじいちゃんぷりにびびったのだけど、だいぶ目が慣れたとでもいうべきか。
小学校6年生だったとある夏の日、担任ではなくひとりの人間であることを意識した時のエピソードがいいです。
【いずこともなく】
寮で暮らす女の子同士のお話。最初読んだときはいつ男が登場するんだろう?と怪訝に思いながら終わってしまったという。。。早く気付け、私。これはBLではなく百合だ。
友情の範囲を超えない程度の思春期の女の子たちって感じで淡かったので読めました。
「日曜日に生まれてきた子供」
お屋敷の主でるローランドが目を覚ますと、そこには若返った執事のウォルターがいるのです!というのは、ウォルターの息子であるエリックが、ウォルターが休暇中に来ているのです。二人は主人と執事という身分差のある関係の中、すごく静かに関係が展開していきます。読んでいて、とても静かな気持ちになれる話です。
「せんせいのとなり」
「逆上がりができなくて、大人になって困ること」という直也の素直な質問が結構ぐさりと来ました。平坂は、子供のうちはまだ心が剥き出しのままだから、傷つき、大人になれば隠すのが上手くなると言うのですが、本当だなーと妙なところでしみじみ来てしまいました。
かつての直也も今は中年、そして平坂先生はおじいさんとなって、今は半同棲状態です。どんな無防備な姿もさらけ出せる関係っていいなーとこれも読んでしみじみです。
他にも、「森の郵便配達人」や「いずこもなく」も収録しているのですが、この「いずこもなく」は、百合を描いたもので、紺野先生の意欲作なのかなと思いました。
古参の執事の息子と主人。
洋モノなんだけど、この作家さんのあっさりした絵と、
キャラの天然っぽさでほんわりした作品です。
年下の執事がベッドの中では下剋上。いいですねぇ~。
(この作品のキャラはそういうタイプではないですが)
名前ネタも萌えます!!(≧∇≦)
もう1つは、同窓会での先生と生徒。
めんずとゆーかおじらぶ?
いいねいいね~\(^▽^)/
こちらは特に何気ない小話?なんですが、ちょっとした秘密が切なさと色気を匂わせます。
日曜日~もそうですが、どちらも大人の男性の可愛さがあってすごくいいですぅ。
オヤジ好きにはたまりません~(この作家さんが描かれると、おじさま、って感じでそれがまたかわゆし。)
後半半分は、百合なので苦手な方はご注意です。