全部、あげるね。

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表題作龍と竜~銀の鱗~

高科次郎,ヤクザ  石神龍一郎,ヤクザ
石神颯太,13歳,中学生 乙部竜城,28歳

その他の収録作品

  • 龍と竜~甘露~

あらすじ

母を亡くし、兄にそだてられた寂しがりやの颯太は凛々しく美しい少年に成長した。颯太の義父の龍一郎は市ノ瀬組幹部。だから次期組長の次郎には子供の頃から可愛がって貰ってる。颯太の大好きな人だ。ある夜、颯太は兄・竜城と龍一郎のHシーンを目撃してしまう。驚いて家を出た颯太は次郎の家に転がりこむ。竜城のように愛されたかったから、颯太はキスを……その崎をせがんだ。しかし「興味本位で試すのは相手に失礼だ」と初めて次郎に頬を打たれてしまい…!?

作品情報

作品名
龍と竜~銀の鱗~
著者
綺月陣 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
龍と竜
発売日
ISBN
9784877249946
3.6

(32)

(10)

萌々

(7)

(11)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
12
得点
112
評価数
32
平均
3.6 / 5
神率
31.3%

レビュー投稿数12

No Title

シリーズ3冊目、めっっちゃよかった……!!!!!
歳の差ラブかぁ30以上の差は初めてだなぁニマニマ♡って思いつつ読んでたけど。
全部読んでみれば、思春期の心の動きとか親の気持ちとか家族の有り様とか生き様とか
なんかもういっぱい感じ入るところがあってすごい1冊だった。
颯太は現在13歳。いったいあと何年耐えるんだろう、次郎は(;´∀`)
このふたりの展開も気になるし、たっちゃんのマクロビカフェも(咲子も‼︎)気になるし、早く続きが読みたい。

0

幸せの根源の正体

 龍と竜シリーズの三作目です。
 前作までは竜城と龍一郎に焦点が当てられていましたが、本作は新たな主人公が登場します。
 竜城の弟の颯太です。前作の感想で将来有望と書きましたが、中学一年生にして早くも覚醒していました。

 颯太の独白から始まりますが重いです。
 物心ついた頃には母から存在を否定されていたせいで、母が不幸なのも、母が亡くなったのも、竜城が大学を中退したのも、全部自分のせいだと思い込んでいます。
 成長するとともに自分が邪魔な存在だったことを認識(誤解)したので、大人の顔色をうかがったり、大人が喜ぶ子供の振る舞いをしたり、カフェのオープンが目前に迫る竜城を気遣って授業参観があることを黙るという意地らしさがありました。
 しかし、颯太は大好きな家族に素直に甘えることができず、週の半分は家に帰らなくなっていました。そして、それがただの思春期や反抗期だけではすまされない決定的な原因があったのです。
 颯太はついに竜城と龍一郎の夜の営みを見てしまいました。颯太が四歳の頃(前作)から危なっかしい場面はあったものの、それ以降も暗くてよく見えなかったり、性行為は男女じゃないと成立しないという先入観で核心に触れるまではいかなかったようですが、中学一年生の夏休みの終わりに明るいダイニングで愛し合う二人の一部始終を見てしまったのです。
 颯太が感じたのは、汚いものを見てしまったという嫌悪感よりも、愛し合っている中に自分がいないことへの疎外感でした。龍一郎が今までかわいがってくれたのも竜城を愛していたからで、自分がいたから二人は堂々と愛し合えないのだと歪んだ解釈をしてしまいます。辛い幼少期を過ごした上に、多感な年頃ならそう思うのも仕方ないかもしれません。
 そんな中で、竜城に似ているとしか言われない颯太が、次郎に龍一郎似と言われて喜ぶ愛らしい一面もありました。かわいい。

 今の颯太にとって唯一の支えは次郎で、颯太が竜城たちの営みを見たあの夜、初めての自慰で想像したお相手も次郎でした。小さい頃からずっとかわいがってくれて、甘やかしてくれる存在だから自然と惹かれていったのでしょう。
 でも、現実的な話をすると、親の愛情を満足に得られなかった人は恋愛で補おうとする傾向もあるので、恐らくアダルトチルドレンに該当する颯太も、親子ほど年が離れた次郎を好きになることに全く抵抗がなかったのだと思います。
 だからと言って、颯太と次郎を否定しているわけではありません。
 人によっては、子供の一時の感情と思うかもしれないし、親子愛への憧れを恋愛感情と混同しているだけと思うかもしれない。そうだとしても、今の颯太は真剣に恋をしていることに変わりありません。
 しかも次郎は常識人なので、颯太を甘やかしはするものの叱るところは叱るし、誘惑されたからといって暴走するようなことはしません。誰でもいいわけではなく、次郎という人間を颯太は好きになったのです。
 だから、颯太との恋愛に及び腰の次郎とは違い、和巳や龍一郎や竜城までもがそれを否定せずに次郎の背中を押してあげるところが良かったです。これも次郎に人徳があるからでしょう。まあ竜城も和巳も釘は刺してましたけどね。
 次郎は文字通り愛して撫でて颯太を喜ばせ、二人は恋人になり、初めては大人になってからと約束したのでした。
 その後の颯太と竜城・龍一郎とのメールで不覚にも感動しました。龍一郎は本当にいい父親です。

 二人の進展の立役者となった和巳ですが、診察という名目で次郎と言葉遊びをしているように見せかけて、彼の言葉には重みがありました。
 この世で一番醜悪なものは恋愛感情と豪語する和巳だけど、自分たちのような悲劇が二度と起きないように、次郎を諭し、龍一郎に連絡し、颯太と次郎の心を結びつけたのでしょう。そんな和巳に幸あれ。

 そして竜城編ですが、颯太が十歳の誕生日の頃のお話なので、颯太編でさらっと触れた養子縁組の一件の真相が明らかになります。
 私は本作を読むまで、竜城はよく颯太に嫉妬しないよなと思っていました。
 颯太もかわいそうでしたが、竜城だって親に愛されなかったわけで、いくら龍一郎に愛されようとそれは親の愛情とは違います。
 だから、親(龍一郎)や祖父(組長)や叔父(次郎)や組の一員から愛される颯太を見て、嫉妬心は芽生えないのだろうかと思っていました。私なら嫉妬しそうなのでなおさらです。
 でも竜城は全くそんなことなくて、それどころか、大学へ進学した時に実家から逃げたことで颯太に負い目を感じているんです。竜城は悪くないし、そうさせた親が悪い。本来感じる必要のない罪悪感を、竜城も颯太もそれぞれ抱えてしまっているのが切ないです。
 竜城も颯太も、相手が幸せじゃないなら自分も幸せじゃない(救われない)という思考だと思いますが、そもそも相手が一緒にいることこそがお互いにとっての幸せなんですよね。
 颯太は竜城がいるから幸せで、市ノ瀬組の面々から愛される幸せも知ったし、竜城は颯太がいるから幸せで、龍一郎と愛し合う幸せも知った。
 本作の本質はそこだったのではないでしょうか。

 養子縁組の件も、竜城は自力で颯太を養えていないし自立できていないと思っているから、乙部姓で夢を叶えることにこだわったんですよね。この意地とプライドには共感しました。
 そして龍一郎、心中お察しします。颯太の機転がなければ惨めでしたね。怒りに任せてお風呂で竜城に乱暴するのは駄目なんだけど、正直萌えました。そして、竜城の夢を聞いて応援する姿がかっこよかったです。やっぱり龍一郎は懐が深いいい男です。
 あと、竜城の素性を知った上で味方でいてくれる咲子はとても貴重な存在だと思います。かつて咲子に淡い恋心を抱いたり、抱きしめたり手を繋いだりして甘える竜城に母性本能をくすぐられました。

 今回は恋愛面よりも家族愛を重視して神評価にしました。
 引き続き、~虹の鱗~を読みます。

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颯太の成長

~銀の鱗~
颯太が13歳になってます。思春期ということですが今までのお話からは予想外に母親のトラウマを引きずり大人の顔色をうかがったり、龍と竜城へ疎外感を感じたり、育ててくれた竜城へ引け目を感じています。
あんなに愛されて育ったのになぜ?

美少年に育ち魔性の少年に。そのせいか先生や同級生からも狙われます。

龍と竜城の現場を見てしまってからはますます疎外感を深め次郎の家に入り浸り、次郎にも特別な感情を抱いていて複雑です。昔から次郎は特別だったんですね。
次郎への気持ちが溢れ1度は叱られますが謎の医師黒崎の助言?と龍と竜城のお許しも出て次郎も押さえていた気持ちと向き合い、とうとう一歩を踏み出します。
颯太のお願いが必死な感じで、でも次郎はまだ早いと最後まではしてくれません。
何歳になったら許してくれるのでしょうか。
次郎が渋くて大人で、でも颯太のことになると大事すぎて別人です。超年の差ですね!
颯太にとっても次郎は無条件に自分を愛してくれて味方になってくれる一番カッコいい大人です。
二人の今後が楽しみです。
次郎のおかげで颯太は龍と竜城へのこだわりも解けて心から幸せに。幸せになって!
じろちゃんは魔法の言葉ですね、次郎限定の。
千歳飴!

~寒露~
竜城が相変わらず悲観的ですね、気持ちはわかりますが。颯太の成長にも寂しさを感じてます。
いつまでも贅沢に慣れず自立を目指し、今の贅沢な環境に馴染んだ颯太に距離を感じてたんですね。
龍と生きることで自分の人生をある意味で諦めていた竜城ですが夢を持ちます。
龍からの養子縁組の申し出も断って乙部竜城として成し遂げたいと。頑張れ!
あの颯太の誕生日パーティーで颯太は場の雰囲気を察してああいう行動に出たのか。あの頃にはもう銀の鱗の颯太になってたんですね。

まだ続きがあるようですが颯太と次郎、龍と竜城とカフェの夢はどうなるのでしょうか。

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うっ…どうしよう

ヤバイ!!!!! なんだか今回の次郎さんがカッコよく見えてきた(驚) メインは表紙の通り次郎さんと颯太。 颯太13歳に成長しています。 前作までの颯太を見てるとリューリューだったはずが、なぜかジロちゃん?!  前回からの成長途中が書かれてないので解りませんが、颯太にとっての欲しい愛情を次郎さんは無意識に与えてあげたんだと思う。 その愛情を守ろうといつしか特別な感情になってもおかしくないしね。 子供の成長は恐ろしいと感じつつもこの2人から目が離せなくなったのも確かです。  そして後半はこれまた颯太の誕生日。 今回は龍や次郎さんに加え彼達の父親である組長も参戦! 颯太にとってはおじいちゃんみたいな存在。 そして龍からのプレゼントが?! ひと波乱ありましたが颯太にとってはすごく大事なプレゼントになったと思います。

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小悪魔颯太、がんばれ

すっかり大きくなった颯太の小悪魔っぷり!すごかったです。

会話だけ見ていると恋人同士のいちゃこらにしか見えないやり取りには、ニヤニヤが止まりませんでした。年下小悪魔に翻弄されるオヤジ最高です。
思えば次郎との初対面のときからすでに素質ありだったし、次郎はと言えば口移しする龍と颯太にドキドキしてたし。半裸で次郎の膝に乗って口移しをせがむシーンがよかったなぁ。ど
周りに寄ってたかって甘やかされる颯太のセレブ生活も読んでいて楽しかったです。

しかし、かなりの年齢差なので颯太が思いを遂げるまで、次郎さんが枯れないか、それだけが心配です(笑)

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