俺は、お前が……すこぶる好ましい……ッ

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表題作お花屋さんに救急箱

九条夕焼
23歳,花屋
大野木甫
31歳,K医大附属病院リハビリ科医

同時収録作品意地っ張りのベイカー

深谷知彦
27歳,理学療法士
大野木遥
22歳,コッペパン専門店店主

その他の収録作品

  • 円卓の医師
  • あとがき

あらすじ

花店店主の九条と、「お試し中」の恋人関係となった医師の甫。自他共に厳しく生きてきた甫は、九条に癒され愛され尽くされて、甘やかされる心地よさを教えられた。少しずつ心を近づけていくふたりだったが、九条のかつての片思いの相手が現れたことで、すれ違いが生じ始める。生真面目な甫は思い悩んだあげくに…。

作品情報

作品名
お花屋さんに救急箱
著者
椹野道流 
イラスト
黒沢要 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
シリーズ
お医者さんにガーベラ
発売日
ISBN
9784829624661
3.5

(16)

(2)

萌々

(5)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
55
評価数
16
平均
3.5 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数7

一歩ずつ確かめるように関係を深める二人が、とてもいい

表題作「お花屋さんに救急箱」を読んで、おや?と思いました。作中に救急箱は一度も登場しませんし、花屋の九条を医者の甫が手当てするような場面もありません。うーん…と考えて、思い至ったのは、救急箱で手当てするのは深刻ではない軽いけがということ。甫は九条を想うがゆえに、昔のバンドの相方とやり直すよう勧めて、九条の心を傷つけてしまいます。でも、そんな九条を癒したのも甫の不器用で正直な告白。二人にとって、終わってみれば些細で微笑ましく、でも忘れられない思い出になるような、擦り傷のような出来事が、タイトルに込められている気がしました。強引な解釈かもしれません。かなうなら、椹野さんにお聞きしてみたいです。

銭湯での九条の愛情あふれるからかいに、真っ赤になったり珈琲牛乳を拭きだしたりする甫。堅物な男にはそのバリケードを笑って崩してくれる恋人が必要なのだなあと思います。でも、九条も実は余裕たっぷりだったわけではなくて、甫の恋人に本採用されたくて日々努力していたつもりだった、と明かす場面では、一途で健気な想いが伝わってきました。危機を乗り越えて、晴れて正式な恋人となった二人の「対等」なセックスが、新鮮で微笑ましいです。
一歩ずつ確かめるように関係を深めていく二人のやり取りは、理屈っぽく言葉遣いも丁寧です。そこに二人らしい穏やかな情熱が滲んでいて、たまらなくいいなと思います。

「意地っ張りのベイカー」は、深谷と甫の弟・遥の馴れ初めを描いています。こちらは先の二人よりだいぶ率直で若い感じです。

あとがきに、「働くおにいさんブログ」が期間限定でプランタン出版のサイトで公開されている、とありました。発売から9年たちますが、なんと今も継続されていました!本作の4人が日替わりで、その日の出来事を綴っています。ほっこり、楽しいです。

1

お花屋さんが好きです

「お医者さんにガーベラ」の続編。
今回は、お花屋さんの夕焼の過去がかいま見えるお話でした。
夕焼の元思い人、冬州の登場に動揺しつつも夕焼ためになるならと身をひこうとする甫。
相変わらず不器用な甫と今回はちょっと余裕がなくなっていた夕焼を取りまとめたのは冬州でした。意外といい人?(笑)
表題作の他に遥と知彦の出会い編「意地っ張りのベイカー」4人でご飯「円卓の医師」違うようでよく似た兄弟の甫と遥。
甫を挟んでの遥vs夕焼に気をもむ知彦と全く気づいていない甫のエピソードに笑ってしまいました。
知彦の苦労はまだまだ続きそう。

2

弟CPの方が好き。

前巻のレビューにも書きましたが、もともとメインCP(九条×甫)のキャラクターがどちらもあまり好きじゃないんですね(個人的な好みの問題です)。それでも、前巻よりは2人ともよかったとは思いました。

前巻の続編的な表題作よりも、雑誌掲載作の知彦(甫の部下)と遥(甫の弟)CPのストーリーの方が、私はよかったです。てっきりこちらは丸ごと『知彦×遥』だと思ってたので、そういう意味ではちょっと残念でした。

最初のうち遥が、あまりにも人見知りでガチガチだったのが驚きでした。どうやったら前巻みたいなキャラクターに繋がるのかと不思議だったんです。
そして、4人の中でいちばん苦労性なのは、間違いなく知彦だと思います。全部含めてこのCPの2人は好き。

でも私が一番吹きそうになったのは、4人で中華料理屋でお食事するSSのラスト。好物のカニを食いはぐった知彦です(でも誰にも気づかれないところがまたヒドイ)。

1

続編で思いが形に

続編も柔らかい雰囲気のままでいいですね。         
前作では攻め様の年齢に見合っていない冷静さと
包容力みたいなものが前面に出ていましたが、            
続編ではやっぱり年相応の感情の発露が垣間見えて
なんとなくしっくりした感じがしました。             
そして受け様が年上らしく攻め様を変な方向性で
道を指し示そうとしている姿は真面目な受け様の
相手を思いやる気持ちが伝わってくる展開でした。
でも攻め様にしたら、愛されていないのではと思う内容。

この作品の受け様は一見すると女王様に見えるけど
実は思っている以上に真面目で封建的なお人ですね。
それが同性と恋愛するのですから本来はかなり凄い事です。
前半で二人が銭湯へ行くのですが受け様のセリフに
思わず昭和の匂いを感じてしまいました(笑)

弟カップルのお話も可愛い感じでステキでした。
兄とはちょっとだけ違う意味での不器用さで流石兄弟と
思えるところもあって面白いです。

初めて4人での会食(弟の開店祝い)での受け様を巡っての
九条と弟遥君の戦いには思わず笑みが浮かびました。
お兄ちゃん大好きな弟が兄を取られるって感じで
九条を牽制してる様子やいつも大人な態度な九条の
ジェラシーが入った遥への応酬も新鮮で良かったかも。
最後までほのぼのと楽しませてくれる1冊でした。

2

ほんわか

全体的にほんわかとした、可愛らしいお話でした。

表題作は、お試し中の恋人、大野木(受)と九条(攻)のもとに、九条の昔の想い人・冬洲がやってきてどうしましょうというお話。
こちらはちょっと、冬洲の諦めが良さすぎるかなぁ?とも思ったんですが、2人がラブラブになるにはさほど重要じゃないのかなぁということでとりあえず納得。
2人のエチシーンは攻め様の九条が萌えました…。
丁寧なエロさ。ツボでしたw

知彦×遥のお話が2章目。
こちらはなかなか丁寧なストーリーで、読みやすかったです。
ちょっと遥の豹変ぶりが好みじゃなかったんですけど。

ふわふわしていていい雰囲気でしたが、ちょっとまったりし過ぎた感じがしたので、神にはしません。

1

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