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表題作蒼穹の剣士と漆黒の騎士

狼炎、少数民族アフリ族出身の騎士団長
ユーゴ、翼を持つ鳥人の長

あらすじ

翼を持ち空を自由に駆け回る、鳥人族の長・ユーゴ。
国との協定により、騎士達とともに敵と闘うユーゴは、いつも自分を睨んでくる騎士・狼炎のことを忌々しく思っていた。
だが、実は狼炎の部族ではユーゴのような容姿の鳥人間を神と崇めてており、彼には恋心を抱かれてたことを知り……

作品情報

作品名
蒼穹の剣士と漆黒の騎士
著者
夜光花 
イラスト
山岸ほくと 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
蒼穹の剣士と漆黒の騎士
発売日
ISBN
9784344819429
3.7

(34)

(4)

萌々

(17)

(13)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
127
評価数
34
平均
3.7 / 5
神率
11.8%

レビュー投稿数8

異種族恋愛

大国の支配する国の中で生きる少数民族の攻と受。
攻は褐色の肌と独特の慣習を持つ民族、受は鳥と人とのハーフで羽を持つ民族。
気位が高く見た目も美人な勝気受は、鳥人族を率いる長です。
その辺のBLによくある、女性と見紛うような……までは同じ設定ですが、なんといっても男らしい受です。
見ていていっそ清々しいくらい、男らしい。
攻も寡黙で少し強引で、萌えツボが刺激されました。

ストーリーもリンクス得意の2段組でみっちりガッツリ。
ファンタジーの中でも、これは結構冒険したなー……というような設定です。
霊長類と鳥類のミックスである鳥人たちのこどもは『たまご』で、しかも年に二回の『発情期』以外はものの見事にその気になりません。

BLとしてどうよ……?

という感じなんですが、オヤクソクの媚薬も登場し、ちゃんとBLしてます。
ただちょっと残念なのが、ラストが急ぎすぎた感があるというか、もうちょっとじっくり読んでみたかったので、上下巻で出してもよかったのになーという感じ。
寿命問題なんかについては深くは掘り下げられていなかったので、そこまで切なさは感じませんでしたが、今後ふたりはその辺をどうするのかな……と想像して少しだけ胸が痛みました。

1

久々にホロッときました

なぜか今週はファンタジー祭りとなっております。
苦手なはずなのになあ。
視点は受けで三人称です。
しかし夜光さん、騎士団の名前ってもう少しどうにかならなかったのでしょうか。
あざみ、黒百合、薔薇って…(苦笑

*********************
受けのユーゴは戦場の鷹という異名を持つ、鳥人族の長。
寿命は30前後という短命な種族ではありますが、矢撃に優れ、さらにユーゴは一族では珍しい細身の剣で戦う麗人。

攻めは黒い悪魔と呼ばれる狼炎。
少数民族出身で、黒百合騎士団副団長。
一族の慣わしで常に兜を被ってはいるものの、強い視線と精悍な容貌の武人。
*********************

舞台はセントダイナ国カルバナ。
鳥人族はそこでセントダイナ国への居住を認められる代わりに、他国との戦闘時には共に戦うと約定を結んでいます。
しかし、ユーゴ自身は人間を一部の者を除き毛嫌いし、自分の内側へ入れることを厭っていました。
そんなユーゴが最も立腹しているのは狼炎で、戦場で必ずユーゴを守るように剣を振るうことに自尊心を傷つけられています。
そんな狼炎の隠された気持ちを知っても理解に苦しむユーゴでしたが、そんなふたりに転機が訪れます。
しかし、その転機は鳥人族の悲劇と同時に起こってしまいます。

夜光さんはファンタジーになってもやはり攻めは執着系(苦笑
ただ、狼炎はヘタレワンコ系で、なかなか可愛いです。
大きな体で好き好き光線(ユーゴには通じてませんでしたが)ダダ漏れです。
鳥人族は短命ということもあって、好き、愛してるという考えよりも子孫を残すことに重きを置いています。(特にユーゴは)
それはDNAに刷り込まれたようなもので仕方ないとも言えますが、ただ狼炎がユーゴへ「俺はお前のものだが、お前は俺のものではない」と淡々と言葉にするのが、部族の民たちの先々までを両肩に乗せているユーゴへの気遣いであったと思います。
鳥人族の悲劇は本当に心を締めつけられました。
短い生を嘆かず懸命に生きる彼らはとても尊かったのに。
登場人物を悲劇にあわせて涙を誘う手法は、BLに限らず書籍もドラマもゲームもハッキリ言って姑息だと思っているのですが、ストーリーの流れで無理がなくとても良かったです。
ユーゴの寿命はあと10年くらいだということですが、ふたりならその10年が100年に感じられるような生き方が出来るのだろうなあと読後悲観的にならずに済んだのは、ユーゴのキャラクターによるものが大きかったと思います。

最後に、鳥人と聞いて、最初某シミュレーションゲームを思い出しました(苦笑
これを読んだら久々にやりたくなってしまいました。

1

魅力的な世界観

人気の夜光花先生、初読み。
初読みで、いきなりファンタジーという変化球にいってしまったのは、
単なる巡り合わせの問題だが、この世界観はかなり好きだった。

背に羽を持つ少数民族、鳥人族の麗しい長ユーゴ。
天使のような美貌ながら、弓と剣の腕に優れた強く闘う男。

一方、そのユーゴを神のように崇める少数民族アフリ族出身の騎士団長・狼炎。
常に黒ずくめの装束に身を包み、顔を隠している。

ユーゴは最初自分をじっと見つめてくる狼炎に敵意を感じ
反感を持っているが、やがて真摯に自分を大切し戦士として有能な彼に惹き付けられていく。
このユーゴが美しく男前だけじゃなく、種の特徴として発情期がある!
というところがなんとも美味しい設定。

少数民族の苦難と生き延びる為の知恵、
上に立つ者の矜持と孤独、
隣国との関係や宮廷に渦巻く陰謀、
物語を一挙に動かす竜の存在……と、
LOVE中心ではなく、BL要素のあるファンタジーという作品だった。

鳥人の寿命の短さという設定から、
彼らの行く末は甘いばかりじゃないことが容易に想像できる。
物語はハッピーエンドだが、そんな想像がふくらみ切なさが残る……


4

さすが夜光花さん

夜光花さんのファンタジーものです。ファンタジーは世界観に入り込むのに時間がかかるので、個人的に読む優先順位は低いんですがこれは面白かった。ファンタジーでもちゃんとエロかったです(笑)

一番の萌えポイントは、受けのユーゴが性的なことに無知なのにつけこんで、攻めがいたしちゃう所です。ちゃっかり初めてを頂いちゃう。「これが精液っていうんだよ」って教えてもらうレベルで見た目は20歳だけど中身はまるっきり子供なんです(性的な部分に関してだけで他はしっかりしてるんですけどね)。たしかにファンタジーにしなければ犯罪かもってレベルです。受けは鳥人族の長で金髪・オッドアイ・羽根つきで見た目はまるっきり美しい天使、中身も無垢な天使ちゃんです。

ユーゴは攻めに半ばだまされた感じで操を奪われちゃうのに、「初めて契った相手とは生涯添い遂げなければいけない」って一途というか鳥の本能みたいに思ってしまう所がまた可愛らしいです。発情期は年に2回、卵を産むためにだけするって感じで性に関しては本当に動物的な考えの受け様だったのです。淡白だったのにすっかり攻めにエロい体にされてしまいました。

攻めもユーゴの鳥人の長という立場をわかっていて、「俺はお前のものだが、お前はオレのものではない」なんて切ないセリフを言っちゃうようないいヤツなのでお似合いだと思いました。

ストーリーもしっかりしていて、命を落としてしまうキャラもいてグッとくる場面もあったのですが、やはり純粋な天使の身も心も奪ってしまう背徳感が最高でした。さすが夜光花さん、ファンタジーでも安定のエロさです。

1

普通にファンタジー作品として楽しめる

ファンタジー作品にBLが含まれるような内容でおもしろかったです。
夜光先生は文章がうまいので世界観に自然に入り込めます。
また、現実社会と世界観は違っても問題があるのはどこの世界でも一緒というか、陰謀があったり、王の不況を買ってはいけないだとか、他民族とうまくやっていく為のノウハウだったり、そういう所は同じなのでスッと内容を把握する事が出来ました。

今回の受は鳥人です。人間の容姿に鳥の羽がついている感じで受のユーゴはとても美しい人です。山岸ほくと さんのイラストのユーゴはキレイで皆にモテモテなのも納得です。
そしてユーゴは本当に中身もかっこいい。剣士としても強いのだけれど、長として人間として強いなぁと思いました。
最初は嫌っていた狼炎の事も受け入れた後は本当に後腐れがなく、竹を割ったような性格と言う感じで。責任感が強く、鳥人の皆を思いやる気持ちや他の種族ともうまく渡り合えるところなど、とても賢い人です。この美しさと賢さ、強さなど総合的に見て神に間違われるのも仕方がないかもーと思えます。
鳥人は寿命が短いのであと10年程度しか生きられないというのは切ないです、が、それは私が人間だからそう思ってしまうのでしょう。この物語の後、鳥人達がどうなったのか気になります。

夜光先生の作品はちょっと不思議な作品が多いですが今回はフルファンタジーで初挑戦だったようですが、とてもそうとは思えない出来でした。こういうのも時々また書いていただけると嬉しいです!

4

人間と鳥人との恋

面白かったです。
ファンタジーはあまり好きじゃないのですが、設定の面白さに引きずられるように読みました。
あと受けの性格のオトコマエっぷりも良かったです。

受けの種族(鳥人)は卵で子供を生むという設定にぶっとびました。しかも年二回の発情期以外には発情せず、寿命は30年という短いもの。
大空を飛び、真冬でも水浴びする。
そういうまったく違う種が人間と結ばれるわけだけど、そのわりに葛藤は少なかった気はします。これは受けの性格的なものが大きいかな。サバサバしててオトコマエで、私の好きなタイプの受けでした。

なにげに好きだったのが、人間の王女さまに思い出をあげるシーン。
求愛されて困った受けは、王女さまを連れて空を飛び真珠をプレゼントする。
うわーうわーいいなーと思いました。
ただ美しいだけじゃなく、男としてかっこいい行動がナチュラルにとれる受けに、そりゃあモテるわ!と思いました。

この後どうなるんだろう。
鳥人の寿命は短い。
受けが死んだあと、この攻めは生涯受けに操を立てるんだろうな…とか想像すると、それだけでキューンと切ない気分になる。

5

続き、できれば書いて欲しいですv

カタナカナファンタジーの世界です、(ただ攻めの名は漢字だ)。
とっつきは悪かったのですが、読み始めたら、ぐいぐい、読めました。
…つっこみどころがないわけではないんだけど、
そうか、夜光先生は宮廷内の陰謀とか、政治的?な部分に興味が起きるたちで、科学的なとこではないんだな、と納得しましたし。

あらすじは。
ゆたかな地方を治めている国があり、敵対し、交戦状態の国がある、
鳥人族たちはゆたかな国の地方の一部に住んでいて、
領土権を認めてもらいつづける為に、王国に協力し戦いにも参加する。
「ユーゴ」(受け)(見かけは金髪でほぼ天使そのまま…)は鳥人族の長であり、戦いも好きだ。
おなじように、地方の部族から戦士となってやってきている、「狼炎」(攻め)(こちらは黒髪のたくましい人間)がおのれをかばおうとするのに、イラついてたまらないのだが…。

---「狼炎」(攻め)にひと目ぼれされてたんですねえ~。
でもユーゴ(受け)にはそんなの、ぜんぜんわからない。
設定上、鳥人族!のユーゴは性交自体を「本来、卵をつくるためにするもの」と考えてるし、子供をつくらないのに、男同士で性交するコトも「ワカラナイ」…;丁度ドウブツのように、発情期に交尾する仕組みになっているユーゴは、美麗な見掛けなのに、愛って感情をまったくわかってないんです!

そして2人が結ばれるのに、小道具として媚薬が出てくるのですが、
媚薬を使って「いたしてしまって」さえ、さっぱりしてるっていうか、性格は変わらずユーゴのまんまで…性の愉悦におぼれつつもズレた、ハズした言動などをするのが、かわいかったvです。
これは~攻めはメロメロになってしまうよなあ。わかってなさかげん?;に、おぼれるの夜光先生はやっぱし無垢な受けが好きなのかなーともおもいました;)
カプの心情的にしっとりとしたやりとりはないので、そういったものを望まれる方には、向かないかと思います。
でも攻めの、一途さが嬉しい方には、そこそこいけるかも?
個人的には、愛をおぼえてユーゴがどう変わるのか?!できれば続きが読みたいと思いました。

3

先生初のファンタジー

…です。
夜光さんの商業作品はコンプ済みなのですが、確かに鳥人や龍が出てきちゃうような作品は初めてでした。
しかしまあ、元々ファンタジーなお話が多い気がする…ゲフンゲフン…作家さんですので、それほど新鮮な感じはしないかなーと(笑)

今回の受け『ユウゴ』は私の好きなタイプだったのでよかったですね~。
見た目は羽の生えた金髪の麗しい鳥人。
中身は戦いや体を動かすことが大好きな、カッとなりやすいけれども強気な男らしさがある剣士。
攻め『狼炎』は、大柄な体と褐色の肌、漆黒の髪。ドンと構えているようでユウゴの前では少し子どもっぽい感じもする騎士。
ユウゴは自分を庇うような行動を取る狼炎を忌々しく思っているのですが、一方の狼炎は初めからユウゴにめろめろです。むふふ。

ストーリーは一言でこうと言えませんが、『ベリーニ』という女がある理由で鳥人族を絶滅の危機に迫らせ、鳥人族の長である『ユウゴ(受け)』が仲間の仇を討つ、というのがメインのお話です。
ユウゴがベリーニに対して怒り狂っているところなんかがかなり面白かったなあ。こっちまでベリーニに殺意が芽生えました…。
どうやら私はファンタジーに飢えていたようで文字を追いながら鼻息を荒くしていた気がします。ああ、ファンタジーってたまに読むとどうしてこうワクワクするのだろう…!
ユウゴが普通に空を飛んだり龍を呼び出したりするので、それはないでしょ!って思ってしまう人にはおすすめしません。

ただ…。『ベリーニを追う話』と『ユウゴと狼炎の恋愛話』が同時進行していないのです。
どういうことかと言いますと、ファンタジーストーリーはそれだけで楽しめるけれども、逆に言えばそれだけでいい気がしてしまったというか…。
もちろんユウゴと狼炎の絡みシーンは数回ありますが、おまけ感が拭えません。二人の心理描写…特にユウゴ…が少なく、両想いになる過程が薄いために愛をそこまで感じられなかったのです。
狼炎のユウゴに対しての気持ちは台詞や行動で伝わってきても、ユウゴの狼炎に対しての気持ちは本当に恋人同士のソレなのかなあなんて考えてしまって…。

夜光さんの作品はこういうことが結構あるんですよねー。
恋愛(気持ち)は後から付けました、みたいな。絡みシーンは濃い作家さんですのでそういう面では毎度大満足なのですが(笑)
しかしそれは純粋にストーリーを楽しめているということでもありますし、この本もファンタジー好きにはたまらない作品になっていましたので、気にしなければ問題なく読めると思います。

なんだか余計なことまで話してしまいました…スミマセン。
ユウゴの見た目とギャップのあるざっくばらんとした性格は魅力的だし、BLだからといって女性が排除されているわけでもないし、読み応えのあるストーリーなのでおすすめします。
苦手な方の為に一応言っておくと、文章は上下に書かれてあるような二段作りです。(苦手なのは私だけか…?笑)

4

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