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表題作静かにことばは揺れている

綾川寛二,34歳,ロハス系会社社長子持ちやもめ
白瀬乙耶,32歳,ゲイの音叉セラピスト

同時収録作品静かにことばは揺れている

降矢信仁,グリーン・レヴェリー社員
斎藤弘,プロデューサー

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

リラクゼーション系サービス会社『グリーン・レヴェリー』の社長・綾川寛二は、音叉セラピストの白瀬乙那から突然キスされる。妻を亡くして以来、息子の寛(ひろい)のために女装をしてきたが、綾川はゲイではないと伝えると、白瀬は勘違いを詫びてくれ、なぜか寛も交えて友情を育むようになるのだが…。妙に色気のある白瀬が時折見せる翳りが気になる綾川。次第に白瀬に惹かれていき、白瀬のそのつらい過去を知った時、綾川の出した答えは…!?
2009年発売『心臓がふかく爆ぜている』のスピンオフ!全編書き下ろし!
(出版社より)

作品情報

作品名
静かにことばは揺れている
著者
崎谷はるひ 
イラスト
志水ゆき 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
心臓がふかく爆ぜている
発売日
ISBN
9784344820579
3.5

(50)

(12)

萌々

(13)

(18)

中立

(6)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
20
得点
172
評価数
50
平均
3.5 / 5
神率
24%

レビュー投稿数20

良い作品です!

仕事、子育て、家庭環境の問題。それぞれがしっかりと書かれた作品です。
でも、重すぎず幸せな気持ちになれるお話です

最初は綾川のオラオラな感じや見た目に引きましたが、なぜ彼の周りには良い人たちが集まるのか、それを感じさせるように、徐々に人柄や優しさを書く崎谷先生が素晴らしいと思いました。
白瀬の色気には、私もクラクラ!
丁寧語で返すのが、たまりません!
途中、何でそんなに頑ななんだ?!と、モヤモヤしましたが、そこもしっかりと納得できる書き方で、ホント満足です。

BLに、子どもが出てくる話は、少し苦手意識がありましたが、表紙の寛くんにキュンとして、あの口調にやられました(笑)

すべてひっくりめて、ハッピーエンドな作品は、ホントに読み終わって幸せになれます。
エロさもあり、本番してなくても、鼻血噴きそうになりました。やっぱり白瀬が妖艶だからかなぁ。
最後にちゃんとできたことも、私的に満足です。

2

評価がわかれるのも納得

新作熱望&色々疲弊してたんで、絶賛崎谷さん再読中。

この作品の評価が人によってわかれる理由としては、子持ちとかトラウマとか死別した奥さんのこととか、そういうところなのかな~と思うのですが・・・
過去のどの方のレビューを読んでも共感してしまえるあたり、やっぱり私の中にもプラス要素とマイナス要素がけっこう激しめに隔たって両立してしまっているんだな、と。

マイナス要素。私の個人的な見解だと、始まり方・・・。
乙耶が綾川=女装社長=ゲイと勘違いして誘ったところ、そのあと逆に綾川がダウンして介抱してくれた乙耶に「わかんないけど、おまえとならやってみたい」「女は無理。彩花と比べてしまうから」というところ。どうしても納得いかなくて。
一番最初に読んだとき薄い違和感をまず最初に感じてしまい最後まで引きずった気がします。

それから綾川と乙耶のこの組み合わせならもっと濃厚なあれこれとか、欲しかったな~と。
レーベルの関係などあるんでしょうけど、私の中では『崎谷作品=胃もたれ直前まで追い上げられるような濃厚さ』と『荒んだ日々のなかに突然現れる甘さ』が魅力なので、その部分では消化不良だった気がします。

あと私は綾川の『愛した人が他界した悲しみ』より今の環境の幸せ加減が勝ってしまってると感じてしまったんです。時間も経過してるし、優劣の問題じゃないとは思うんですが、人の良さとかも必要以上に描写されている気がして。

乙耶のトラウマや辛い過去もそう。そんな簡単に誘ってしまうんだ~という身持ちの軽さが帳消しにしてしまった。うまく言えないけど、登場人物の性格を最後まで『あれ?なんか違う?』という感じで掴みきれなかったことが残念でした。

あとせっかくこのシリーズなのだから、もっと日常の生活を描いて欲しかった。乙耶が癒しを与えるシーンがもっと欲しかった。崎谷さんの作品の日常描写は大好きなので。弟の話のボリュームが原因かな~。

ただ、悪いヤツ倒して一件落着な感じは嫌いではないので、そこは楽しませていただいたし、短期間にそんな覚悟を!?とは思ったけど「あいつが女だったらとっくに籍いれてる」「あれは俺のだ。よけいな心配しなくていい」というセリフとか男らしくて崎谷作品に出てくる攻めの良さは感じさせていただいたので、そのあたりを頭の中で繰り返して補完しながら読み進めた感じでした。

でもそうは言いながら、結構読み返してしまうあたり、やっぱり盲目的な崎谷ファンなのだと自覚したところでしたが(笑)

まぁ、疲れたらまた読み返すと思います^^

2

昨今のBL事情‥

実は、この作品、図書館で借りました(驚愕)。
今日び、BLって図書館に置いてあるんですね。びっくり‥。

さて、「グリーン・レヴェリー」シリーズ2作目。
女装やもめだけど実はイケメンの社長綾川のターンです。
4年前に亡くなった奥さん一筋だった綾川が、
たった一度した浮気が原因で、
女性には食指が動かなくなったからと言って、
じゃあ男ってなるのはどうなんだろう??
↑もっとも、綾川本人も同じこと言ってますが‥。

あと、個人的にひっかっかっちゃたのは、
口説き始めた途端、それまで丁寧語だったのが、
相手を「おまえ」呼ばわりしだしたことです。
名前を呼び捨てとかは、全く気にならないのですが、
突然の「おまえ」呼びは、ちょっとな。
「豹変」って感じで。
もしかして、わざと狙ったのかもしれないですが。
あまりの違和感に数ページ戻って読み直したくらいですから。


3

子連れ物

グリーンレヴェリー2作目です。
1作目で目立ちまくっていた綾川が主役で、寛も小学生になったころのお話です。

1作目でも思ったんですが、このシリーズはなんだか設定に無理がある気がしてなりません。そのせいでいまひとつ共感しづらいのです。

綾川は彩花ひとすじなはずが、たった4年で白瀬に恋をしてしまう。これが、男一人で子供を育てる苦労から押してくる白瀬にほだされたというのならまだ納得も行くんですが、あれだけ熱愛していたはずなのに、と思うと???でした。
子連れ物では重要な寛のキャラも微妙。

何より許せなかったのが、動物園で寛が迷子になるところ。トイレに行くといった寛が戻らないことに30分も気付かない大人二人には、ドン引きでした。いくら恋していても、それは大人としてあり得ない。

そういうところに少しずつ冷めてしまって、今一つ萌えませんでした。

子連れ物はちゃんと子供を大事にしてくれないと安心して萌えられないですね。年なのかなぁ。

1

じわじわ温まる愛情

面白かったです。

恋愛物というよりは家族物。一瞬で燃え上がる恋よりじわじわ温まる愛情の方が好きなので、より楽しむことができました。受にいたっては攻を理想の男として崇め、父性を求めているふしがあります。

攻がまたかっこいいんですよ。淋しさを胸に秘めて生きているタフなお父さん。半身だった奥さんを亡くしてもう二度と完全な自分になれないであろうことを自覚しつつ、奥さんの忘れ形見である一人息子と会社を守るためだけに生きています。

受は男性としての尊厳を奪われてしまった哀れな人です。失われた命を悼んでひたすら善行に励む様はまるで出家者のようです。でも、人間だから幸せになりたいわけで。憧れていた攻から差し伸ばされた手をおずおずと取る姿に胸がキューンとなりました。

崎谷作品は辛い経験をして色々なことを諦めかけていた人々が恋することで幸せになろうと頑張ってみる話が多いですね。

3

周りはホモいっぱ~い

スピンオフなど、周りの男子達が幸せになっていく設定好きにはお勧めですw

受け様は家庭事情がかなり可愛そうな方で
かなり苦労してきたのか年齢からしてもしっかりした人だったのですが・・・
まあボロが出てきたら、強気な感じの様で・・・つかめないキャラです

攻め様は、息子の為に女装していましたがそろそろ辞めようかとしています
社長設定なので仕事面ではシビアでつかみどころがないような感じですが
出来る男ではありますが、どこかの英国紳士的なきっちりタイプではありません

受け様、攻め様共にもともとノンケです

とにかく、仕事の内容とかがきっちり書かれており読みごたえがあります

3

攻めが男らしい

なんか、いつもと雰囲気が違うなー、と思ったら攻め視点でした。他にもきっと攻め視点の作品はあるのでしょうが私が今まで読んだ崎谷作品は多分全て受け視点だったので、なんだか新鮮でした。
攻めも男気のある方で良かった(^^)恋愛がうまく進まなくてぐるぐるしている様子がなんだか可愛らしかったです(笑)受けの過去が露わになったくらいから、ガッツリ男らしさ全開だったのもステキでした。こう、と決めたら潔かったですね。どなかたかも書かれていたんですが、私も最近ここまで男らしい攻めには出会えていなかったので、ここらで出会えて良かったです(笑)
受けの過去については…これはまた判断難しいところですねー(^_^;)
いまどき、あーゆー習わしの家もあるのか?と思うけど、多分あるんでしょうねぇ。
しかし、祖父の独断と偏見には呆れちゃいました。
300年も続いてる老舗だからこそ、バカボンボンな弟みたいなのに任せちゃダメなんじゃん。それを全部自分の鶴の一声で決めちゃって、それが発展する采配ならともかく自爆って(汗)
経営手腕はすごいのに、人を見る目がないんじゃ先が危ぶまれますね。
乙耶には、これを機会に幸せになってほしいなぁ。まぁ、この親子なら大丈夫そうですけどね(≧∇≦)

しかし、寛のしゃべり方が日曜日の某国民的アニメの3歳児のようでしたね(^_^;)
最後まで疑問だったのは、なんで寛が初対面からあんなに乙耶に懐いたかなんですけど…最後の方にちょろっと書いてあった、ライジンピンクに似てるから、が事実なんですかね?
できればもっとちゃんとした理由が欲しかったけど…それでも十分面白かったです。
さらに心臓〜カプも沢山出てきたので、嬉しかったです☆
内容的には萌え×2よりの萌えなんですけど、弘がちゃんと幸せそうだったので、オマケで萌え×2で。

3

『グリーン・レヴェリー』シリーズ2作目。

う~ん、1作目のレビューにも書きましたが私はこのシリーズは好みじゃないんですよね。でも(次作も合わせた3作の中では)これがいちばんマシ。
シリーズとしては『グリーン・レヴェリー』からは離れますが、スピンオフの最新作『吐息はやさしく支配する』が一番(というより比べ物にならないくらい別格に)よかったです。

乙耶(受)は好みが分かれるキャラクターだろうな~と思いましたが、私はまだ大丈夫ですね。『薄幸・健気受』も『ネガティブ・自虐受』もまったく平気。この乙耶が、すごく好きなタイプかと言われたらそれは違いますが。

ただ、ラブ以外の部分がちょっとうるさすぎたような気がします。綾川(攻)の亡くなった妻・彩花や乙耶の家庭関係ですね。ちょっとくどいよ、と感じました。

私はもともと『子持ちBL(シングルファーザーもの・その他)』自体にあまり惹かれないので、寛(綾川の息子)はどうでもよかったですね。というか、この寛のキャラクター自体がどうも気持ち悪かったです。言葉遣いだけじゃないですよ。

綾川がしっかりして『男』なんですよね。本音を言えば、綾川は妻一筋でよかったんじゃないかと思うんですが(彩花は別に好きではないんですけどね)、そこに目を瞑れば、作品としてはまあ悪くはなかったです。前作よりはまだいい。

ただやっぱり乗り切れないなあ、このシリーズ。なんでだろう。

3

スピンオフの良さ

崎谷さんはシリーズ作品を多く出していらっしゃるのが
特徴かなと思っています。
根本は崎谷作品ともいえる流れがある上で、
各シリーズでの世界観があって、面白いです。

正直言いまして、
このシリーズは個人的には、1冊目カプの方が好きです。
あらすじについては、割愛しますが、白瀬のトラウマが、苦手でした。
あまりに、辛すぎるんですよね。それが、崎谷作品ともいえるのですが。
勧善懲悪は、スカっとするのですが、あまりにかわいそう過ぎて、
しんどくなります。

それでも、読ませてくれる崎谷作品はすごいな~と。

3

崎谷作品にしては軽い文章




×

Y.K/Myu
さらりと読めました。最後まで読み終えると綾川の男らしさに惚れずにはいられません。白瀬も本当に綾川に出会えてよかったね、と心の中で呟いてしまいました。隙のないキャラクターの組み立て方は本当に崎谷先生のすごいところ。受が暗い家庭環境なのはよく描かれますが、今回の白瀬は自分が痛んでしまっていることも理解できないほどの繊細さでしたが、無骨な綾川と寛に出会い、家族のあたたかさを知るという場面がとても感動的でした。「僕は綾川さんの子どもになりたかった」の台詞は一生忘れられないくらい衝撃的でした。…が、崎谷先生の本来の文体の艶っぽさや、泥臭く描くことのできる描写力はあまり生かされてなかったように思え、少し残念でした。

1

なんだかなあ・・・。

あらすじは他の方が書いているので割愛。

ストーリー云々より受けの乙耶にまったく萌えなかったために純粋に楽しめませんでした。

まず、崎谷作品に時々いるトラウマ持ちだけど健気で優しい純粋無垢な人間、というタイプが嫌いです。そんなのいるわけない。人間味がまるでない。

私は気が強くて男前な受けが好物なのですが、健気受けも決して嫌いではありません。むしろ好きな部類です。ただしそれは「芯が強いタイプ」の健気受けです。
乙耶は確かに理不尽に虐げられても優しさを失わない、という点では芯が強いと捉えることも出来るでしょうが、私にはただ単に諦めているだけのように感じました。

あと乙耶のように自分の美貌に自覚が無くて「僕なんか・・・」ってタイプも嫌です。ある意味嫌味なキャラだと思います。

極めつけが「彩花さんの次でいいから好きでいていいですか」にドン引き。既出ですが本当に質の悪い女みたいです。というか思考回路も言動も女そのもので非常に萎えます。せめて「綾川さんの中の彩花さんには敵わないかもしれないけど、綾川さんを好きな気持ちは負けてはいないと思う」くらい言えないの?

第一綾川の性格ならこんなこと言われたら否定するでしょう。自覚は無いかもしれませんが綾川に否定してほしくて言ったのでは?と思えて仕方ありません。

正直とてもがっかりした作品です。先ほども言ったように乙耶は性別こそ男ですが中身は女そのものです。綾川が乙耶を選んだ理由は女は彩花が一番で女相手には勃たなかったけど、男の乙耶には勃ってそれで気になったから、ですよね。

好きになったのは中身込みで、なんでしょうが、正直言って「身体が男なだけで中身は女」な乙耶で良いなら女でいいじゃんと思ってしまってそこも萎えポイント。「女相手だと勃たない」設定にまるで説得力が無い。彩花ぐらい男らしいタイプだったら良かったのに。

はっきり言って乙耶みたいなキャラが相手なら、綾川には彩花一筋でいてほしかったです。BLでメインのキャラより女キャラのほうが好きだと思った作品なんて後にも先にもこれだけだと思う。

つか最初のほうのお仕事描写長すぎ。中盤からもう乙耶の仕事のことなんて空気なんだからいらないでしょう。ページ数使うならもっと重要な部分に使ってほしい。誰も突っ込まないの?

4

子供を使うのがちょっと・・・

読み終わってまず思ったのが『子供をだしにして好きな男に近づいて見事モノにした女じゃん』でした。

これはBLなんでもちろん受けは男性なんですけど下心アリまくりのうざい女みたいで嫌でした。

あと余計なエピソードが多いし長いと思います。
① 綾川の亡くなった妻の話。
② 白瀬の実家の話。

この二つにかなり時間を割いてきます。はっきり言って必要ないんですよね。この分を二人の恋愛時間に使ってほしかったです。

寛君も二人に都合良く働いてくれます。でも子供ってそんな簡単に他人に懐いたりしませんよ。大人が望む通りに行動するのが気持ち悪いです。

バツ一子持ちの人が再婚するときによく言う『子供も懐いてるし。』をわざわざBLの世界でやらなくてもなぁ・・・。

一気に現実に返って覚めてしまいました。BLはファンタジーなのに。

BLに求めているのは男同士の恋愛なのでそのほかの無駄な部分は必要最小限に納めてほしいです。

正直綾川の女装もいらないんじゃないかと思いますが(理由もいまいちだし)、志水先生の描く美形の長髪が見れたのでいいかなと。

色々言いましたが綾川の『お前の上で腰振らせて。』にちょっと萌えたので評価は中立です。


3

おおっ!綾川がメインだった!

女装社長・綾川寛二×音叉セラピスト・白瀬乙耶です。

「心臓がふかく爆ぜている」のスピンアウトなんですが、前回と同様で、はっきり言って音叉セラピーとかって、さっぱりわからないので今回も「最後まで読めるかしら?」と思っちゃいました・・・(^^ゞ
しっかり最後まで読ませていただきましたがww

しかし、乙耶くんは薄幸すぎると思います・・・何も悪くないのに、何考えてるだ!乙耶くんの祖父と弟は(`Δ´)
でも最後はハッピーエンドでよかったと思います。

あと寬がいい子すぎて泣ける・・・。ただしゃべり方がサ○エさんのタ○ちゃんみたいで、なんだかなぁ~と・・・(^^ゞ
それにいくら綾川が齋藤の性癖を寬に教えているとはいえ(ぶっちゃけ6歳に教えるってどうなの?って思ったり・・・)自分の父親が同性の乙耶くんと付き合ってるって知ったら、今はよくても後々なんかありそうな気がします(^^ゞ

ただ、個人的な意見ですが、綾川は、ただのアクセントの強い人でいてほしかったかもしれません・・・(^^ゞ
いや・・・別に乙耶くんがダメというわけではないんですけど、アクセントの強い人か、せめて彩香一筋でいてほしかったなぁ~って思います(-_-;)

2

スピンアウト

リラクゼーション系の会社を営む綾川は、訳あって子持ちの女装社長としてお茶の間でちょっとだけ有名な存在。
最近やっとそんなイロモノ路線から離れ始めた綾川が、仕事で出会ったのが音叉セラピストの白瀬だ。
接待の飲み会の後、突然キスして迫ってきた白瀬に綾川は自分はゲイではないと告げる。
以降友人としての関係を続ける二人だったが、綾川は白瀬の純粋さや、息子に見せる楽しそうな表情に惹かれていき……

子持ち女装社長×訳ありセラピスト。
世間からはイロモノ扱いされているけど実際は男気あふれる社長が、クールビューティな見た目に反して不器用で情の厚いセラピストを落とすまでの話。
ほどほどに現実感のあるキャラクターたちの恋模様は安心して読めるし、応援したくもなるけれど、今まで亡くなった妻一筋だった綾川が唯一白瀬だけには……っていうにはちょっと説得力が足りないかなあという気はしないでもない。

しかしある意味こんなにまっとうにオトコらしい攻は久しぶりに見た気がします。
中盤以降、腹をくくった綾川は本当に男前。
無茶苦茶な環境で育ってきた白川を息子ともども幸せにしてあげて欲しいです。

2

あのプレイが登場ー!

帯『ほんとにさ。俺のもんに、なれよ』

ノンケの綾川[攻]を、ゲイと勘違いしていた白瀬[受]は出会って直ぐにキスを仕掛けます。
しかしノンケだと気付き、大人らしい対処でお互い無かった事として仕事上での付き合いを続けます。
綾川には息子が居て、ちょっとした切っ掛けで白瀬はその息子の面倒を見る様になります。
しかしこの子が可愛い~、BLに出てくる子役的子供はこの位素直で可愛いのが読んでて嬉しいなあ。
その子が白瀬にやたらと懐き、白瀬も心底から子供を可愛がります。
そうした経過もあって綾川と息子、白瀬の3人で過ごす時間が増えて行く内に次第に綾川は誰にも行った事のない話を白瀬に話してしまったりして。
亡くなっているので出てはきませんが、この作品においての綾川の亡き妻の存在はかなり大きい。
そしてエロですがなんと素股が登場!!素股ですよ!素股!!!ばふー!
白瀬の腿にアロマオイルをたらし、そこで綾川が素股ーー!!!
今回のエロポイントはズバリ素股なのではでは!!

綾川は前作よりイメージが柔らかくなった印象。
最後は3人が疑似親子的関係に~、微笑ましかったです。

2

諦めの所以

今回は子持ちやもめのロハス系会社の女装社長と
攻様に憧れているゲイの音叉セラピストのお話です。

受様に誤解で迫られた攻様が
受様の内面に惹かれて結ばれるまで。

攻様はリラクゼーション系の
総合サービス会社の会社を経営しています。

元々は幼馴染と妻と三人で
雑貨店から始めた会社だった上
総合プロデューサーの幼馴染が
顔を出す事を渋り続けた為
攻様は妻亡きあとに始めた女装のまま
社長として奮闘してもきました。

しかし
恋人を得た幼馴染はアロマセラピストとして
表舞台にも積極的に出るようになり、

母を慕った息子を落ち着かせる為と
話題づくりの感のある女装の機会は
減りつつありました(笑)

都内に販売店舗も増え、
アロマテラピー講座や講習会の評判も上々で
年々業績も伸ばしていますが
攻様は更に目新しいモノが欲しいと思います。

そんな時、幼馴染から知人だという
音叉セラピーなるモノを紹介され、
まずは社内での講習となります。
このセラピストこそ今回の受様になります♪

受様は幼馴染の元同僚で
真面目で誠実そうな印象ですが、
講師としての態度は堂々としたもので、

水晶と音叉を打ち鳴らして
ストレスを消すと言う受様の施術に
懐疑的らしい攻様を実験台にするほど
したたかな面も見せてくれます。

こういう相手と仕事をするのは
意外におもしろいかと思った攻様ですが、
慰労を兼ねた懇親会で積極的に
アプローチをされて困惑してしまいます。

どうも幼馴染のゲイ友らしい受様は
攻様の女装をご同類ゆえと思ったらしく
誤解が解けてからは改めて
仕事相手として頭を下げられます。

引き際をわきまえた受様とあたり障りなく
上手く付合っていこうと思う攻様でしたが

息子と行ったデパ地下で
偶然はち合わせした事をきっかけに
息子が受様に妙に懐いてしまい
私的にも付合いを始める事になります。

やがて攻様は
受様を本気で欲しいと思いはじめますが
受様は全てを委ねてはくれなくてません。

そんな中、
攻様は久しぶりに呼ばれたTVの収録で
受様の身内らしい男に
意味不明の難癖をつけられてます。

受様の隠している過去には何が有るのか?!

『心臓がふかく爆ぜている』のスピンオフ。
前作の受様の親友の恋物語になります。

前作も受様が過去におったトラウマで
ウダウダとしていましたが
本作の受様は生立ちから既に
トラウマ満載のクダクダな過去持ちです。

攻様と出会う事で
全ての原因となった弟との関係に
完全に終止符が打たれてるまで
次々と問題が現れて
どうなる事かとハラハラの連続!!

受様が幸せな暮らしを
手に入れられてホントに良かったです♪

攻様視点な為に受様の追った傷の
本当の重さは判りませんが

傷つけられても
その原因となった人物を疎まず
その状況を受入れ
前向きに進んできた受様が
優しくあれる事に彼の強さを感じました。

こんな受様だったから
攻様も目が離せなくなったのでは?

最初のとっかかりから
最後まで二転三転した展開と
受様の真意が見えない点が
ちょっと読み難いかもですが、
厚さによる食わず嫌いは勿体ないですよ。

今回は職業柄ですが強気な女装攻で
和泉桂さんの『宵待の戯れ~桃華異聞~』は
いかがでしょう。

1

こっちの方が好き

「心臓が~」のスピンアウトですが、私としてはこっちの方がおもしろかった。

前作の受けの弘みたいな、後ろ向きなトラウマ引きずりタイプの受けって、崎谷作品にはよく出てくるけど、実は、この手の受けはあんまり好きじゃない。
後ろ向きにグズグズグズグズ言っていても、ある日過去を振り切って前向きに生きるようになってくれれば良いんだけれど、そこまでの悶着が、長々とズルズルズルズルされると、読んでいて結構つらいものがある。
でも、この作品、視点が白瀬ではなく、綾川の方にあったおかげで、全体に随分と前向きだし、寛クンのかわいさや健気さにも助けられて楽しくガンガン読めた。
悪役も最後にちゃんと退治したし、めでたしめでたしで、よかったと思う。

2

嫌な奴には容赦ない……

他のレビュアーさんもおっしゃっている通りです。
容赦ない(゜゜;)
これも一種の“勧善懲悪"でしょうかねf(^^;

さて、私は、前作も結構好きだったので、今作も期待して読みました!
今作の受け、乙耶は、前作の斉藤とは違った意味で「めんどくさい奴」です。“容赦ない”トラウマの数々……恐れ入ります。
また、前作の斉藤が、清純ななりで、実は経験豊富だったのに対して、初見のビッチ!?という印象に反する純情受けでした〃

攻めの寛二は本当にいい人で、寛くんはかわいくていい子!

ボリュームもあり、読み応えのある満足の一冊でした。

3

癒し。

子供が出てくるBLは多々ありますが、やっぱり好きですね~。

BLでは、以前結婚していて子供もいるのに、その後ゲイになるというような展開も多くありますが、このお話の寛二と乙耶のように異性がだめになる要因も、実際に色々あります。

なので、そこからお互い意識し出して……という関係は好きです。

作中、乙耶の抱えているトラウマがこれでもか!っていうほど出てきますが、ホント、崎谷さんの書く’嫌な人間’の描写は容赦ないなーと思います(笑)

続き出ないかなぁ。

2

何だかやっぱりモヤモヤ

はっきり言って、自分には前作が今一つでしたのでこの作品はどうしようか悩みました。
亡くなった妻・彩花を深く思い、それ以上の女性はいないと思っている、息子・寛の為に女装までする会社社長・綾川。
結局のところ、彩花以上の女性とは恋愛できないから男性なんだ。
亡くなった彩花はそんないい加減なと怒るだろうが、でも乙耶で勃ったから女性は辞めて男へ鞍替えする。
結局はそうなんだろうな~子供も懐いてるし、自分も守ってやりたいと思ったし、、、
ハッピーエンドに落ち着いてはいますが、やはりそういう感じはどうしてもぬぐえなかったかな?

崎谷作品では仕事の描写がとても詳しくされていて、それが興冷めを誘う事が間々あるのだが、今回も冒頭いきなりそのシーンが出てきてうんざりしてしまった。
しかし、その後はほどほどに落ち着き冒頭だけですんでよかったとほっとしたのでした(?)
今回受け人物となる白瀬乙耶は、音叉セラピストで、「彩」である斉藤のゲイ友でもある。
彼が仕事の契約で関係してくるのだが、いきなり綾川にキスして誘う部分、ゲイと平気でカミングアウトする部分、綾川をノンケではないと間違えたとはいえ、すわ!ビッチ受けなのか!?という感想。
その後も、グイグイと綾川に絡み家の中まで入り込んで、綾川の息子・寛が最初のきっかけとはいえ、綾川狙いが丸見えではないか?
と、まるで「えー、そんな私、」とか草食を装い、イイ人を装う、肉食系女子のような印象を抱いてしまったのでした。
彼等がくっつくきっかけも、まるで女子のそれと全く同じ展開で、まあ、綾川がノーマルな人だけどゲイに免疫がある人(斉藤のこと)なんで勢いというものもあるかもしれないとは思ったのですが・・・

後半、怒涛のように乙耶のトラウマが、問題が次々と明かされていきます。
しかし、前半でそれとなく匂いはあったものの、これでもかー!な登場に後付け感を抱いてしまい、乙耶という人間が見えなくなってしまいました。
トラウマから女性がダメになり、かといってそのトラウマを受け入れてもいるようで、しかし本当は弱いんだよ。
誰かが守ってあげないといけないんだよ。
最初の誘惑も意図的ではないんだよ、みたいな・・・
子供への対応とか、綾川への対応とか、、何だかよくわからない人でした。
綾川の攻め視点なんで、乙耶のことが今一つわかりにくいのかもしれないですが、何だかなー、、
しかし、崎谷作品の悪い人というのは徹底的に嫌なヤツを貫いてますよね。
今回もとんでもないヤツが、女性も、登場して情け容赦ないな~と、ちょっとそこは楽しかったですww

追記:乙耶は遊び人でもなくて本当は真面目で純情で恥ずかしがりで頑張り屋で、でも恋にはあらがえない人だというのはわかりました。
2人の恋愛も多分、恋だの愛だのとこだわらず人間を見ている感じでリアルに近いんだとおもいました。
 で も・・
やっぱり勃っちゃったから乙耶なんだ、としか思えなかったのデス(ションボリ)
ドラマティックやロマンチックを求めているわけではないのですが、自分的にこの二人の組み合わせというのが萌えきらなかった~~!!
というのが正直なところかもしれません。

9

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