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表題作花嫁いりませんか?

高橋王太,受様の友人から押し付けられたボディガード
天野流生,傾きつつある一族の庶子でイベント会社社長

同時収録作品夫達は雑談する

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

イベント会社社長の天野流生は、学生時代に恩のある友人・鷹取総一にはどうしても逆らえない。ある日、そんな総一から掃除洗濯料理運転手と、なんでも出来る器用なヤツだから「嫁」だと思って便利に使ってやってくれ、と高橋王太を押し付けられる。流生はそのうち、高橋のいる生活にすっかり慣れてしまい・・・。
(出版社より)

作品情報

作品名
花嫁いりませんか?
著者
黒崎あつし 
イラスト
高星麻子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
お嫁さんになりたい
発売日
ISBN
9784344821033
3.3

(6)

(0)

萌々

(2)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
20
評価数
6
平均
3.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

思い込みが見えなくさせるモノ

今回は受様の友人から押し付けられたボディガードと
傾きつつある一族の庶子でイベント会社社長のお話です。

受様のお家事情を絡めて2人の出会いからまとまるまでと
後日談として従妹の結婚式の様子を収録。

受様はやんごとなき血筋の名家の宗主が
愛人に生まれた子供です。

一時期は後継ぎとして扱われますが
正妻に男子が生まれると本家から追い出され
別宅での一人暮らしを強いられます。

そんな親族に遺恨しかない抱けない受様は
大学卒業後に起業したイベント会社が軌道に乗ると
養育費を一括返済して一方的に縁を切ったのですが、

受様の会社がマスコミにも注目され始めると
時代の波に乗り損ねて衰退の一途の本家の叔父から
受様を取り込もうとする誘いがかかります。

帰宅途端にかかる叔父の電話に
リアルな危機感を感じていた受様に
救いの手を差し伸べてくれたのは
シビアでクールな二つ年上の先輩でした。

彼は受様の本家同様名門の嫡子で
押し込められた名門校で苛められていた受様が
唯一頼りにしていた先輩でした。

三つ子の魂百までと言うか
彼に逆らえた試しのない受様ですが
彼が婚約したと知ってびっくりします。

出会って以来、
先輩が愛情や義理人情に理解を示す姿を
見た事が無かったのですから。

しかも
彼の親友として出席させられたお茶会で
婚約者だという男子高校生の傍らに立つ彼は
ひんやりと堅かった声まで穏やかで優しげな上、
屋敷の使用人達まで和気あいあいとしていて
色に例えるならピンク一色(笑)

帰り際には
礼と気遣いらしき言葉まで向けられた受様は
居心地悪さに笑顔までひきつりますが、
借りと思われないようにとよこした土産に
言葉も無くなってしまいます。

手土産は車一台…運転手付!!
この運転手が今回の攻様になります♪

親戚筋とのトラブルを知られていたらしく
攻様はボディーガードも兼ねていて
トラブル解決までは返品不可と
受様の都合は一切受け付けられません。

攻様は運転以外も家事全般得意だから
嫁でも貰ったつもりで連れていけ。

なんとも強引な先輩に押されて
受様は攻様を連れ帰るのですが、
攻様は常に離れるなと言われたからと
受様の会社にまで着いてきて
受様は気が休まる暇が有りません(苦笑)

こんな状況で攻様は
本当にトラブル解決の助けになるの?!

既刊『旦那さまなんていらない』に続く
黒川さんの花嫁シリーズ第三弾は
前作の攻様(本作の受様の先輩)宅の
使用人が攻様となって登場です。

攻様的には元々のご主人様に
婚約者と親し過ぎて邪魔者扱いされての
受様宅へのお勤めでしたが

紹介された受様は見た目が既に超好みで
接してみると性格も素直で偏見がなくて
年上なのに危なっかしくも有りと
守ってあげたい要素一杯のご主人様(笑)

受様は生立ち故に常に孤独に生きてきた為
ソレを当然と思っているところが有り
攻様の存在に徐々に慣れていっても
借りものだからとなかなか懐きません。

しかし
攻様の存在と今回のトラブルをきっかけに
自分の周りにいる人の違った面が見えてきて、
ある種閉鎖的だった受様の世界に
大きな変化をもたらす事になります。

黒川さんのお話の主人公は
一見変わった性格の人が多いですが
人と関わる事で変わっていく様が
とても自然に描ける作家さんなので

最後に受様が攻様とまとまるまで
大人なわりに天然で鈍いうけさまの言動に
ハラハラしながら楽しく読めました(笑)

続編短編は受様懐柔に利用された
従妹の結婚式の一コマを収録。
先輩カプも登場して短いながらも
ラブラブな後日談です。

本シリーズは単巻読み切りなので
既刊未読でも読めますが、
既刊の主役が新作の脇キャラとして
リンクしてしていますので
既刊を読んでいるともっと楽しいですよ!!

なので今回は先輩の恋物語である前作、
『旦那さまなんていらない』をおススメです。

2

『花婿要りませんか?』のほうがしっくりくる

2010年刊、『お嫁さん~』シリーズ3冊目。
前巻『旦那さまなんていらない』に登場した鷹取家の最年少の使用人・高橋くんが攻めに昇格するよー。
ちなみに彼は年下攻め。
聡一も脇役に回って話に絡んでくるので、そちらも読んでおいたほうがいいと思う。
聡一って随分とクセ者だったのね。
印象が変わってどう理解していいのやら。

大学生時代に流生(るい)は、恩人にあたる聡一に指示されるがまま若き起業家というポジションについた、という変わった経緯がある。
だがそこで自身が欲していた充実感を得た経験から、当時の聡一に若干振り回されつつも現在の自由な社風のイベント企画会社を立ち上げた、に至る。
聡一と繋がりがあり、流生のお目付け役とも言える"三賢者"なる会社の三人の古参社員もなかなか有能だが、彼らも多分くせ者だろうね。

この巻は何かと脇役達のくせ者度が高いのが目立つが、シリーズ全体に共通するアットホームな雰囲気は健在だ。
但し流生の実家?・天野家の一族は壊れているって言ってもいいレベルの病み様でヤバい。
既に流生が縁を切っていてもしつこく接触してくる強欲な叔父に、平気で周囲を自滅に巻き込む腑抜けた父親と、ろくなもんじゃない。

作中で唯一素直な好青年が高橋ってのも不思議なものだが、案外とポイントを押さえて動いていて流生のピンチを察する事ができるので頼もしい。
流生自身も、てんで女性を見る目がないし聡一には頭が上がらず仕舞いだし、パッとしないなぁと思ったが、『自分が可哀想って浸っている場合じゃないだろ!!』って気概には感心した。

それにしても流生ってば、幼少期から天野家や学校内で大概苦労してきたわりには、どこかしら坊ちゃん気質が抜けていなくて手がかかる男だ。
何かと流生の世話を焼くのが上手い高橋との相性が抜群ねのは大いに結構なのだが、彼はむしろ"お婿さん"のほうがしっくりくるんだけどね。
今時なら『家事全般に万能な主夫×仕事好きが高じて家事はからっきしなパートナー』ってのも大有りよ。

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