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前作にチラッと出ていた箱入り息子が主役のスピンオフ系の作品です。
シリーズと言っても続編的なものではないので、単品で読まれてもOKな作品で、
1作目が出た後にスピンオフ作が出て、更にスピンオフのように、スピンオフシリーズ
なんて感じの作品で、今回主役の箱入り息子さんは、無自覚で亡くなった母親みたいに
なってしまう事を恐れるあまり、初めて好きになった相手に、恋人ではなくて、
遊びの相手になってなんてお願いしてしまう天然系の受け様なのです。
その受け様に好かれちゃうのが、30半ばのゲイで、遊び人と言われる攻め様。
物心ついた頃から受け様の両親は別居同然で、そんな両親をみていたから結婚や恋愛には
どうしても消極的で、母親が亡くなってからは、母親の残した近所づきあいの為の
利益度外視で趣味的なお店を母親に頼まれた事から大学を辞めて一人で切り盛りしてる、
店は自宅の裏にあって、母親が亡くなってからは、店と母屋を往復するだけの
ある意味引きこもり状態の受け様。
そんな受け様を小さな時から、家の顧問弁護士としても心を許せる父親的な存在として
慕っている人物が、仕事の仲間だと言う攻め様を伴って店に来たことで、
受け様は攻め様につかの間見惚れ、後に一目ぼれだった事に気が付くのですが、
生まれて初めて恋した相手が、節操のない困った遊び人だと教えられる。
そして、受け様は天然さんならではの発想で、攻め様から遊び相手にしてもらおうと
頼み込むが、あっさり断られ、それも後が怖いからと言われた事で母が父親に執着して
逃げられてしまったような怖さを攻め様が自分に感じたのかと意気消沈。
それでも、初めての恋に、わき目もふらずに一生懸命攻め様が傍に来てくれる道を模索。
自宅で起きたチョットしたトラブルを理由に攻め様と一時的に同居する事になる。
全ては受け様の描いたシナリオ通りなのですが、受け様は恋は盲目状態なのです。
それでも、やっぱり恋人では無く、遊び相手だと、攻め様とやっとむすばれたけれど、
攻め様の気持ち云々を考える前に、遊びで自己完結しちゃう受け様は本来切ないです。
でも、受け様の天然ぶりや、攻め様の大人のやんちゃ的な性格のせいでシリアスに
なり過ぎない作品になっていました。
執着しすぎて相手を束縛して嫌われる事を怖がる受け様と、束縛される事を嫌い、
ひらひら気の向いた時に誰かと抱き合い気軽な付き合いをしてきた攻め様との
本気の恋のゆくへを、受け様の異母弟のトラブルなどを盛り込んで描いた作品で、
今までのスピンオフ作品の中でも読みやすい感じでしたね。
「お嫁さんになりたい」のスピンオフシリーズの5作目。
このシリーズは、私としては、好きだったりそうでもなかったりと、やや波があるように思います。
今回は好きな方かな?
まさしく箱入り息子な受けの佑樹が、攻めの十和田の気を引こうと、四苦八苦しているところは、単純に可愛くてほんわり。
自他ともに認める遊び人の十和田も、キャラとしては面白いんですが、何だかちょっとパットしない感じも…
(最初から自制したり、あんまりモテている描写がなかったから、遊び人っぽさが薄かったのかな?)
お互いに本気ゆえに一歩が踏み出せない焦ったさは感じました。
メイン以外では、五百川と十和田のやりとりやら("むっちゃいい笑顔"がツボww 底知れぬ力を持つ五百川さん!)、
このシリーズではお約束の、ゲストキャラ登場のシーン好きです(王太がオイシイとこ取りだったり、流生もちょこっと♪)。
さて、次作は誰がメインかな?
今回初登場の佑樹の弟・哲矢か、はたまた大穴で五百川さん!?笑
「お嫁さんになりたい」からのスピンオフシリーズ、しかも5作目という事を全く知らずに手に取ってしまいました。
多分、スピン元から順に読んだ方が良いのでしょうね。
しかし。コレ、初めから読んだら多分5作目までたどり着かなかったかも、なんて思ってしまった。
なんともツボに合わない…
本作は、一言で言うと。
『遊び人が清純な受けに出会って、真実の愛に目覚める!』
みたいなお話です。
おぼこい受けは嫌いじゃありません。
遊び人が受け一筋に変貌する展開も好みです。
だけど…
本作の受けは何とも現実味がないというか…
余りにも世間から隔絶していて、深窓の令嬢をはるかに超えていて。
は〜?夢の女ってこーゆーの⁇みたいな反感すら感じる。
一方遊び人の攻め。
こっちもイマイチ好きになれないタイプなんよ…
受けと初めて寝る時、ちょっとまだ遊び人スタイルが抜けてないよーな。
そんな風に読めてしまって。
また終盤事件が起きるのですが、これもなぁ…安いんだよな…
まあ、はじめに受けに対して感じてしまったイマイチ感を引きずっております。
挿絵の美しさに星一つ上乗せします。「萌」で。
黒崎さんはとても好きな作家さんなのですが、
このシリーズも、好きで読んでいるのですが
好きであるからこそ、逆に
私としては、「もうちょっとで大好きなシリーズになるのに!!」
と口惜しくなるシリーズでもあります。
今回も、大好きな展開目白押しなので、楽しめたのですが、
微妙に私のツボの「芯」からずれているのが、残念でした。
資産家で世間知らずな佑樹は、ゲイで遊び人であるという十和田に恋をしてしまう。
しかし、佑樹は亡くなった母親の生き様から、自分は恋をしないと
決めて生きていました。
そこで佑樹は、人生に1回の遊びをするのも良いのではないのかと思い当り、
十和田に遊んでほしいと伝えることになります。
一方、十和田は、佑樹のことは好みではあるのですが、
軽く遊べる相手ではないと思い、断ることにします。
その後、ちょっとした事件から、2人は同居することになり。。。
という展開です。こういった作品は、
遊びでいいや。から、遊びじゃ嫌だ!という
心の変化がとても、魅力的ですね。
黒崎さんはそれなりに好きで、なんだかんだ言いつつ結局は作家買いもしているんですが、中でもこのシリーズはどうも今ひとつです。まあ私は、黒崎さんのルチル文庫は好きな作品の方が珍しいんですが。
このシリーズは、最初の『お嫁さんになりたい』が、突っ込みどころという意味では断トツじゃないかというくらいなんですが、それでもいちばん(というより唯一)好きです。正直、あとになるほど興味がなくなって行くんですが、これはその中ではまだマシでした。
とにかく、キャラクターが『遊び人、でも実は結構いいヤツ(遊び人にも理由があって云々)』と『箱入り天然過ぎ美人受』というものすごくわかりやすくテンプレートではあるけれど、それは別に悪くないんです。
ただ、ストーリー(特にラブ面)もありがちでさら~っと読んであっという間に終わった感じ。
逆に言えば、すごく読みやすいんですけどね。余計なことを考えずに、安心してあまあまに浸れます。
なんというか、キャラクター2人ともがどうも嘘くさくてあまり魅力を感じなかったので(キライじゃないんですが)、Hシーンは斜め読みというより飛ばし読みでした。好きになれないキャラクターのHはかえって苦痛なんです。
あと、他の黒崎さん作品のレビューでも書いていますが、私は黒崎さんが同じ表現・言葉を繰り返ししつこく使われるのが苦手です(回数の問題ではなく、その言葉自体が)。
今作は『むっちゃいい笑顔』でした。佑樹(受)の保護者的立場で、十和田の上司・五百川の不機嫌を指すものなんですが、初出時のように台詞ならともかく、地の文でも終始そのままなのがすごく気になります。
文章はきちんとしてる方だと思うのに、この『癖』だけはなんとも安っぽくてもったいないと感じてしまうんです。正直、好きじゃない作家さんならそこまで気にしません。次から読まなきゃいいだけですから。でも好きな作家さんだから(新作が出たら読みたいから)こそなんとかならないかと思ってしまう。
ただ、このシリーズは高星さんのイラストがホントに綺麗で素敵です。