やっぱり自分は幸せになれない、いいことはいつだって長続きしない、そう思っていた──

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表題作花片雪

椹木恭介,40手前,元ヤクザ,スナックマスター
春日柊也,23歳,元ホストの前科持ち

その他の収録作品

  • 幸せの時間
  • あとがき

あらすじ

男好きのきまぐれな母親の下、寂しく育った春日柊也は、大人になる頃には、誰も信じることができず、人を傷つけてばかりの毎日を送っていた。そして、罪を償っていたとき、元ヤクザの椹木恭介と知り合い、ふたりはいつしか恋人として一緒に暮らすようになっていた。けれど、本物の愛情がどんなものか知らない柊也は、椹木の愛情や信頼を信じたくても信じきれずにいた。そんなとき、柊也はある事件に巻き込まれてしまい…!?
(出版社より)

作品情報

作品名
花片雪
著者
英田サキ 
イラスト
山田ユギ 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
たかが恋だろ
発売日
ISBN
9784813012238
3.9

(51)

(19)

萌々

(14)

(15)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
16
得点
199
評価数
51
平均
3.9 / 5
神率
37.3%

レビュー投稿数16

コミックスの続編

愛想尽かし、たかが恋だろ、をコミックスで読んでいたのですが、実はこれが関連作だとは知らずに手に取りました。

読み進めるうちに「あれ?この主人公CP記憶にあるんだけどなぁ」と思いながら読んでました。後書きを見て、あ!そうだ、コミックスで読んでたんだ、と分かりました。

今回のお話は、椹木と柊也のラブラブ?がベースにあります。椹木のヤキモチが年上の攻めなのに可愛くて萌。柊也を理解しているが故に警察には出頭させられない情。
お父さん、、、って言うとそれまでなんですが、何だか40手前よりももっとオヤジっぽい気がしちゃいました。でも良い男なんですよねぇ。

久しぶりにコミックスも読み返してみようと思いました。

0

柊也と椹木恭介

関連本の読み順
①「たかが恋だろ」・・刑務所に入る前の椹木恭介。主人公は、義弟の泉巳。
②「愛想尽かし」・・ 椹木恭介と柊也の馴れ初め。刑務所時代。『たかが恋だろ』のスピンオフ
③「花片雪」 ・・ 「愛想尽かし」のその後。柊也は素直になっている

電子版には挿絵が無いので、萌2。ユギ先生の挿絵を楽しみたかった。
暫く治療の為休業していたユギ先生が、元気になって活動復活。嬉しい。

文体は、コミックに合わせているのだと思う。淡々と綴られている。
コアな著者なら気になる文調の変化かもしれませんが、私は嫌じゃない。

柊也の幼馴染と、刑務所に入る前の売りの仲間との痴情のもつれから、金銭トラブルに発展したあげくの殺人事件に柊也が巻き込まれる。
幼馴染の自殺をとめる為に、数年ぶりに故郷に帰る柊也に付き添う椹木。

2010年発刊、景気が良かった頃の、侘び寂びBLは、味わい深い。
ツッケンドンだけど、愛情深い椹木。
帰る家の無い捨て猫のような柊也を家に招き包み込む椹木恭介は、映画に出てくる高倉健のイメージ。不器用だけど暖かくてカッコイイ。
脳内変換して、ドラマチックな場面を想像しながら読了。
椹木恭介と一緒なら、柊也は幸せになれると思う。

1

アニキ最高

”たかが恋だろ”→”愛想尽かし”と、一気にここまできました。
そして、”花片雪”が一番好きでした!!!

”たかが恋だろ”でアニキ(椹木)のかっこよさに痺れて、”愛想尽かし”の存在を知り、”やはりスピンオフあるよね!”ときて、その流れが小説で完結してて最高でした。ユギ先生のコミックも最高だったんですけど、小説だとより詳細に登場人物の心理描写が読めるのでいいです。そして、同じシリーズを、漫画から小説へつなげていくという手法、めちゃくちゃ素晴らしいです。また是非やってほしい!!(やってるの知らないだけだったらすみません)ただ、ユギ先生と英田先生って最高のタッグだったんだなぁと、今更ながらに思ったのでした。リアタイじゃなくて悔しいけど、でも読めたから満足です。

やはり、英田先生の描く極道いいです。もはや、こういう人物像はオールドファッションなのかもしれませんが、だからこそいいんです(様式美?)。アニキの親友の羽隅が可愛くて好きでした。羽隅⇔椹木の関係性もたまらん…。。いいんですよ、こいつのためなら!と思えるくらいの恋…ではなく濃い友情も尊いです。

”愛想尽かし”から恋人になった2人が家族になっていくような過程だったと思います。柊也が今までの人生を清算することで成長していくのですが、アニキの存在が彼の心の持ち方を変えているんですよね。大切な人がいるパワーって尊い。辛いことがあればどんな立場でもしんどいけれど、支えてくれる人がいることといないことでは捉え方とその後の人生が違うんかもなと、柊也という人物を通して普遍的に大切なことが見えてくるようでした。

表紙がアンニュイなので、ちょっと悲しかったらヤダなと思ったのですが、その予想を裏切る楽しい作品でした。また、羽隅とチビの存在は癒しでした。そして、何よりユギ先生の描く2人が色っぽくて眼福過ぎて、、、腹上死ってハピエンなのかもな、という気持ちで読了しました。本作の出版からだいぶ時間は経ってますが、、そろそろ誠と愛編があってもいいんだけどね、と夢見てます。

1

愛し愛されること

コミック「愛想尽かし」の続編。(同時発売)

前作にて恋人になった椹木x柊也のふたり。
元ヤクザで世間の表も裏も知り尽くした大人の男、椹木。スレた野良猫のようだった柊也も、椹木に愛されて満たされて、前向きに真面目に変わっていく。
そんな毎日の中、7年ぶりに幼馴染みで子供の頃いつも助けてくれた匡和に会う。そして事件に巻き込まれ……
これまでの柊也なら、また椹木に迷惑をかけたくない、と姿を消すところだけど、椹木の『お前の顔が見たい。』という言葉を聞いて家に戻り、何があったのかを全て話す。何があってもお前を見放さない、と言う椹木。
この展開、いいなあ。
もちろん事件には柊也は無関係で、椹木との生活も脅かされません。でも、事件に伴って、色々な人達との色々な関わり、過去のしがらみ、今考えていること、これからへ進んでいくこと、これら全てが人間ドラマとして展開されます。ここが素晴らしくイイ。
素直になれなかった弘登も、男の方が大事だった母親も、匡和も、みんなそれぞれに理由があり、それぞれに生きていた。
英田サキさんの作品は、ヤクザや警察などの設定も多くどちらかというと硬質でドライ系な筆致だと思います。でも、この作品ではもっとウェットで情のある人間臭さが感じられて、私にはより好ましく感じられました。
特にラスト、食事中に柊也が泣き出すシーン。
『全部が悲しい。全部が辛い。全部が怖い。全部が苦しい。全部が切ない。』けれど、気づかないまま生きているより、はるかにいい。……

英田先生。先生は実は人情物、合ってると思います。是非書いてください!

「幸せな時間」
事件後、柊也は花屋さんのバイトに採用が決まる。柊也は店長さんに自分が刑務所に入っていた事を話してその上で雇ってもらえた事を喜ぶ。
どんどん昔の無気力さや自暴自棄さを捨てていく柊也が愛おしくてならない椹木です。Hシーンあり。

3

文章に違和感

コミック「愛想尽かし」の続編小説。
前作はすみませんな評価になってしまいましたが、小説だと印象も変わるかもしれないと思い挑戦してみました。

ストーリーとしては、
椹木の恋人になった柊也が、ある日昔の知り合いに再会。
そのうちの一人が密室で死亡し、その部屋で眠っていた柊也に殺人容疑が・・・
という英田さんお得意のミステリっぽい展開です。

まず、文章に違和感が。
柊也視点のためか?
地の文の言葉遣いが、いつもの英田作品のそれより口語的というか、若干子どもっぽい気がします。
柊也のキャラクターに合わせて意図的にちょっと稚拙な文章にされているのかもしれませんが、個人的には苦手な文体でした。
また、彼が何かに気付いたり、人の言葉を理解したりする速度もワンテンポ遅く感じられ、ちょっと読み辛かったです。

椹木は前作同様、見事な保護者ぶり。
たまにヤクザ時代の名残りとして迫力や怖さも見せてくれますが、基本的にはすっかり柊也のお父さん的ポジションに収まっちゃった感じです。
エロシーンの台詞もやけに陳腐で、いつもの英田作品ほど洗練されてないなぁと思ってしまいました。

更に、椹木による昔の柊也評にも違和感が。
百年くらい生きているような疲れた顔をした、場末の娼婦のような隠微な男?そうだっけ??
失礼ながら、ユギさん絵の柊也にそんな色気は感じなかったし、言動もただの子どもにしか見えなかったのですが・・・
上記のつもりで描かれていたのだとしたら、残念ながらそれを表現しきれていない気がします。

面白かった点は、
椹木が警察を追い返すシーンと、スクロールに疲れるシーン、羽隅と猫のエピソードくらいでしょうか。
事件物としては登場人物が限られているためすぐ犯人の予想がついてしまうし、
柊也の成長物語としても、相変わらず椹木におんぶにだっこで、前作のパターンを踏襲している感じでした。

自分の好みの問題も大いにあるかと思いますが、文章にもストーリーにも終始ちぐはぐ感を抱えたまま読了してしまいました。

5

その前に文章が。。

2冊のコミックス「たかが恋だろ」、「愛想尽かし」から続くノベルとして読んでみました。著名な作家さんながら初読み。ユギさんのコミックスの印象からの流れもあって、自分の中でかなりハードルが高かったのか、びっくりするくらい萌えどころのない内容でした。。。

といいますか、まず文章が内容の箇条書きのようで、これがあの!?と驚きつつ何とか読み進め、最後までその印象が翻されることなく終わってしまいました。ストーリー運び、心情の描き方、何をとっても。。。心のトラウマに対する人物の感じ方も、なんだか安易に感じてしまいました。

設定自体は、登場人物のキャラもしっかりあって、お話しの流れもよいと思うんです。サスペンスも好きですし。ただ、読んでて全然頭に入ってこない。

エロ方面に関しては、描写自体はあるんですが、私の萌えどころは皆無でした。なんか、全くエロくないといいますか。いや、オヤジ好きなんですよ、すごく。英田さんの高評価作品はエロ少なめが多いようなので、ひょっとして苦手にしてらっしゃるのでしょうか。

これから、他の高評価作品を読んでみたいと思います。個人的にはまらないというわけじゃないことを祈りつつ。

4

やっぱり椹木がかっこよすぎる

脳内で山田ユギさんの絵で再生されてました。
「愛想尽かし」のその後のお話です。

椹木の愛し方がすごい。若造にはできないオヤジならではの包容力ですね。オヤジの良さに開眼しました。でも、こういうことができるのは椹木ならではでしょう。いい男はオヤジになったらもっといい男になるってことかな?
無口であまり表に出さないのに、椹木の愛情が濃くて甘くて、ほんっと大人。そっけないんじゃなく、ちょっとした表情やセリフに色気がにじんでて、うっとりしました。

お話は柊也視点で進み、過去の話などの分量も多く椹木が登場する場面はきっと思ったよりも多くはないのですが、全編通して椹木のたっぷりした愛情に包まれている感じが漂っています。オヤジゆえのちょっと乾いた、懐の大きいたっぷりとした濃い愛情が随所に感じられるので、悲しい過去話の痛々しさをやわらげてくれていました。

椹木視点で語られる「幸せな時間」は、何気ない日常のラブラブ。幸せな二人が読めてよかったです。

0

やっぱり小説の方が

言葉を使って語り尽くされる小説の方が、じっくり味わえるなぁ。
特にこの作品は、今まで深く自分の境遇を考えたくなくて、流されるままに生きてきた柊也が、椹木を愛することで、初めて自分自身と向き合って、前向きに進もうとするお話だから余計にね。

この本、積み本の中から発掘したので、コミック版の前段がどうなっていたのかほとんど覚えていないのだけど、と分それほど印象に残るような感じじゃなかったような、、、。
でも、この小説版の方は、俄然おもしろい。
それは、柊也が、自分が今何をどう感じていて、どう思っていて、どうしていきたいとしているのかを、自分の言葉で考えて、自分の頭の中で言葉にして、理解する過程が語り尽くされているから。
たとえ、自分の心で感じたり、頭の中で考えていることと、口に出してしまった言葉や態度が裏腹になってしまっても、そのことについて、反省して、自分の方からちゃんと非を認めてあやまる、その過程が言葉になって語り尽くされているから。
そして、愛する人とのセックスが、どれ程幸せで,感じちゃうかもたっぷり語り尽くされているから。
これだけしっかり語り尽くす小説、実に濃厚で読みごたえありました。

3

完璧な感じがちょっと…

わたしが真面目に読んだ、初めてのBL小説がこの本。

もっと以前に、すきな作家さんがイラストを描いている小説を買って
斜め読みしたことはあるのですが、途中で脱落したり
どうにか最後まで文字を追ってもよく分からなくて(多分、読み方が悪いと思う)
「もう漫画のみでいいや!」となってしまっていたのでした。
ですが最近、
小説の方がすき♪という方も結構多いことを知り、再度挑戦を決意☆
適当に読むのはやめて、メル友さんにお薦めを聞いてみたところ
「たかが恋だろ」と「愛想尽かし」のコミックを持っているなら、と
こちらの本を紹介してくれたのでした。

先に漫画を読んでいただけあって、登場人物も雰囲気もすんなり想像しやすく
とても楽しめたのですが、
ふたりの関係が深まったせいか、心情が詳しく描かれているせいか
小説になると、柊也と椹木の印象が少し変わったように感じました。
柊也はより幼く見えましたし、
椹木は少し柔らかい印象になり、より完璧な年上の恋人になったように感じました。
それが正直、自分の男性の好みとズレていたのか、
話としては面白かったのですが、ふたりのラブラブ具合も微笑ましかったのですが
わたしとしては、ちょっと萌えきれなかった…のでした。

万人受けしないのを承知で言うと
椹木はとても素敵だけど、なんだか完璧な優しい男すぎて面白くない!
相手が柊也じゃなくて、もっと大人で女王様系とかだと違うかもだけど。
でも相手は柊也なので、もうちょっと、冷たかったり、意地悪だったり、の方が…
って、ああ、やっぱり単にわたしの好み的に、
かわいい柊也がいじめられてるのが見たかったのかな、失礼しました…。

そういうCPは、BL界にはきっといっぱいいると思うので
これからは漫画だけでなく、小説の中でも探せるかと思うととても楽しみです♪

小説の楽しさを教えてくれた本♪ということで、萌評価にします☆

6

攻のかっこよさ

「愛想尽かし」(漫画)の続編です。
柊也の過去の関係から、事件に巻き込まれるというものですが、
とりあえず、攻めである椹木がかっこよすぎです。

漫画の続編ですので、絵と気性/性格がマッチしており、
カッコよすぎです。オヤジだからこその包容力!!
生きてきた環境、過去のせいで、不器用にしか行きれない
柊也を鳥かごに入れて愛でるのではなく、
1人で生きれるように見守る愛し方。

本当に、素敵です。惚れちゃいますね。
「愛想尽かし」をお読みいただいた後、是非、ご一読ください。

0

椹木かっこよすぎ

『愛想尽かし』の続編です。

渋くてかっこいいです、椹木の兄貴。
言動の数々がいちいちツボにきてたまりませんでした。
最初のエッチの場面良かったなー。
出来上がったカップルのラブラブなエッチに萌えを感じるのってあんまりない私なんですが、萌えました。
受けの視点から描かれるんですが、このときに受けが感じてる瞬間的な幸福感がひしひしとリアルに伝わってくるんですよ。組み敷かれ、自分が先にイッたあとのけだるさの中で揺すられて、相手がイクのを待っている。そっと観察している。てかこの感じ、女ならみんなよくわかる幸福感じゃないでしょうか。
カレーを作るシーンも良かったです。
椹木にじゃれついてる柊也はまるで大木から生えてる雑草みたいだなと。
実際雑草みたいな柊也なんだけど、椹木はその雑草を心から可愛いと思ってて、大切にしている。
絶対に見捨てない、揺らがない、穏やか。
椹木の渋い魅力はイケメンオッサン攻めとして必要な要素すべてを兼ね備えてます。完璧です。

事件については、もうちょい柊也がはやくその可能性に気づいて葛藤して欲しかったかなと思いました。読者が作中人物とまったく同じ手がかりを与えられてる場合、読者が解ってることを登場人物がなかなか気づかないのって、ミステリとしては上手くないので。柊也はお馬鹿だけど、そういう意味での馬鹿さのないキャラだし。あくまでもミステリ的には、という話ですが。

弘登のキャラはとにかく切なかったですね。
彼を主役にすえて物語を作ったら、ものすごく涙をさそう悲劇が一本できそうだなって思いました。究極に報われない愛のお話。
英田さん、そういう系統の話も書いてくれないかしら。
ハピエンもいいけど、たまにはそういう話も読みたいです。悲劇も大好物なもんで。

2

匿名さん

BLのHを男女間の、しかもリアルなモノに例えられると何か萎えるのは…私だけじゃないはず。分かりやすく説明しようとしたのは分かるんですが

信じる強さを持つ為に

今回は元ヤクザ幹部で今はスナックのマスターと
顔と身体で稼いでいた過去を持つ元ホストのお話です。

受様が巻き込まれた元売り仲間の殺人事件の顛末と
解決後の2人の様子を描いた後日談を収録。

攻様の店「ボヌール」は間違っても
おしゃれなバーでも料金が安い訳でもないのに
圧倒的に女性の常連客が多い店です。

昔の男に軟禁されたせいで
勤務していた運送会社を首になった受様は
攻様の店を手伝っています。

渋くて格好良い40前の独身マスターは
無口だけど若い男には無い包容力があって素敵と
女たちの間で評判になっているに違いないと
睨んでいる受様は

本当なら攻様の隣で働いていたいのですが
勤務先を見つける事が攻様と同居する為の
唯一で最低限の条件だったのです。

受様は同棲相手の恐喝容疑の共犯として
服役した刑務所で攻様に出会いました。

夢も希望もなく投げやりに生きてきた受様は
偶然のきっかけで攻様に再会し
攻様に拾われて昔以上に惹かれていっても
叶うはずがないと何も期待せずにいました。

紆余曲折の果てに
攻様の恋人になれた受様ですが、
自分が攻様にとって相応しい存在だとは
どうしても思えずにいました。

そんな時、
売りをやっていた時の仲間が
子供の頃にいつもかばってくれていた
幼馴染みとバツタリ再会します。

しかしその再会から
攻様の関係に少しづつズレが生じ、
受様は攻様と義弟との関係まで
邪推してしまいます。

結果的には誤解と判りますが
居た堪れなくなった受様は攻様宅を飛び出し、
呼び出された元の売り仲間の部屋で
飲み明かす事になるのですが、

翌朝目覚めた受様が見た者は
元売り仲間の変わり果てた姿だったのです!!

いったい誰が?何のために?!

本作は英田さんとユギさんのコラボ作で
コミックス『愛想尽かし』の続編になります。

本作のみの評価なら『萌』ですが
『愛想尽かし』からの流れが有っての
本作という事で『神』評価としました。

前作は攻様視点で
2人がまとまるまでのお話でしたが

本作は受様視点で
攻様との出会いを含めた過去を交えながら
受様が巻き込まれた殺人事件を軸に展開します。

追い詰められるとすぐ逃げだして
苦しくなると自暴自棄になる受様。

受様自身の弱さを誰よりも知りながら
可能性を信じて時に励まし、
時に厳しい態度で突放してでも自立を促す攻様。

別れを切り出した恋人に
高額な手切れ金を吹っ掛ける事で
引き止めようとした結果
殺されてしまった売り仲間。

受様の家出をに罪悪感を持ち続け
どこか受様に似ていた男を構い続けた結果
彼との付合いに疲れはて
彼に手をかけてしまった幼馴染。

売り仲間と幼馴染の関係は
受様が陥っていたかも知れないと感じさせる
危険性まではらんでいて
最後までハラハラさせられました。

人は一人で生きているつもりでも
見えなくても感じられなくても
必ず誰かに支えられて生きています。

人を恨んで生きるよりも感謝して
幸せにしてもらうのではなくて
幸せにしたいと望めるようになりたい

この受様の言葉に
共感出来る人で有りたいと思います。

人は何度でもやり直せると思います。
何度立ち止まっても、休んでも良い、
前に歩き出す強さを忘れないでいたいですね。

続編は事件後、
事件の解決に奔走してくれた
攻様の友人であるヤクザの組長にお礼のと
カレーを御馳走するお話になります。

本編の重い最後がふわっと軽くなった様な
ほっとする短編になっております。

コラボ作品は
まだ読みたい~と思ったところで
終わった方が良いが多いのですが、
更なる続編を期待したいです♪

本作は単刊でも読めますが
山田ユギさんの『愛想尽かし』を
ぜひ一緒に読んで欲しいです。

4

いいな、どんな自分も理解してくれる恋人って。

【愛想尽かし】からの続編です。
【愛想尽かし】は、刑務所で出会った2人があれこれあって同居に至るまででしたが、
この【花片雪】は、柊也の辿ってきた辛い過去と、恋人同士になってからの椹木ならではの柊也への愛情を、柊也関連で起きた殺人事件に絡めて表した巻でした。

その椹木ならではの愛とは・・・
もちろん柊也との恋愛があってこそなんですが、椹木の柊也への想いは恋人のソレだけではなく、もっと深く広範囲なのです。
(年齢差があればみんなこうってわけじゃないですもんね??)

苦い過去に纏わった殺人事件に巻き込まれた柊也に、椹木は、なりゆきを強く問い質します。
正義感が強い椹木のことだから、羽隅が「?」と思った様に、シロなら毅然としていろと出頭させるだろうに、自分の経験や知識と柊也の弱い部分を考え合わせて敢えて逃がすのです。
この時、柊也がクロだったとしても、柊也の1番良い様に椹木は動き、経過推移によって出頭なり自首なりさせたはずです。
(緊急避難や過剰防衛や酩酊状態なり情状酌量もあるからね)
冷静に判断する大人の愛情です。
刑事ドラマでよくある「うちの子(うちの人)に限ってっ!」「可愛そうに」なんて一切無くて清々しい程です。

そして、もう1つ。
親子程の年齢差があるからの「恋」だけでは難しい「導き」。
椹木が柊也の盾になれなくなった時を考えて、柊也に手に職を付けるように勧めること。
愛する柊也との分かれ(現世でも彼岸のでも)を考える事はとても辛いけど、柊也の為なら、うとまれる覚悟の上で出来るのです。

上のどちらも、柊也にとって耳の痛い性分の弱さを、椹木は敢えて口にしています。
これに対しての柊也は、落ち込んだりはあっても、言い訳せず素直に受け止めているのです。
(柊也の一途で健気なところが可愛いです!)

そしてニヤケ部分。
椹木による、柊也の為の、柊也だけ達かせるセックス、
好い~=^,^=ゞポリポリ
「トシで回数やれない;」なんて言ったり、嫉妬したりで、椹木兄貴の可愛い部分もちゃんと書かれています。

この攻めにしてこの受けありの2人の強い結びつきが羨ましいです。
恋人にして親であり師であり・・・椹木兄貴って!
【愛想尽かし】では≪見守り愛の帝王≫だったのですが、
この巻では≪導き愛の神≫≪滅私愛の権化≫でしょうか。

英田先生とユギ先生、続きはあるのですかっ?!
まだまだ続きを見てみたいです!

2

そしてその後は

コミックスからの続編ですね~
それだけに、コミックスを読んでないと解かりにくいネタがちょこちょこあったような気がします。
お話は、二人が一緒に暮らし始めて両想いから~なお話。
いろいろな男と寝てきたものの初めて人を好きになった受。
そして、その受を好きになり、受け入れた攻。
さてさて、、なところであります。
なんといいますか、前半の攻が凄く好き。
マンガのときも思いましたが、大人の男っって感じがすごくいいです。
受をイカせて、満足させておいて~のプレイ。
や、BLの世界ありそうであんまり当たらないんですよね。
ヤキモチを焼いたり、なんだかんだで独占欲つよかったり。
そんな攻がなんともツボでした。
受は受で、攻が好き~な表現うま。でした。
文章の、ちょこちょこある書き方というかなんというか
が、妙にツボ。
ただ、個人的なことでアレなんですが
殺人事件~とかのネタがまったくもって興味がわかず。
対外BLってラブで完結してしまうとそこで満足してしまうところがあるのですが・・もう少しラブっぽいところも見たかったかな。

3

ねぇ、ミニドラマって何分くらい?

コミックス「愛想尽かし」の続編にあたるこの小説。
柊也の視点でコミックス版での出来事もさらってあるので読みやすかったです。
というか、やっぱり自分的には小説読む方が好きだな、というか。
絶対的に文章の方が情報量が多いわけで。
そこに綴られる文章に魅力を感じるですね。
もちろん、コミックスはコミックスで視角的にうったえられる部分もあるわけですし。
まあ、単純に自分が英田さんの文章が好きなだけかもしれませんが。

その後、2人で暮らす日々。
一緒にはいるけれど、ちゃんと「独立」して生きれるようにときっちり仕事を見つけることを要求する椹木。
そして、椹木に助けられてようやく前を向いて生きて行こうと思えるようになってきた柊也。
そんな時、昔の知り合いに偶然再会し…。

今回は事件なしかと思ったらやっぱり事件はあったのですが。
この事件もなんだかせつなかったです。
ひねくれ者スキーとしては弘登のことも嫌いにはなれません。
むしろ好きかもしれません。
最近は斡旋の方をメインにしていたというような記述にも、もしかしたら恋人への配慮があるんじゃないかな?とか深読みしてみたり。
それまでの恋とは違う何かがあったのではないかとか。
彼らの関係はせつない幕引きになりましたが、何も知らずに恨むよりも本当のことを知れてきっと彼だって嬉しかったと思います。

さて、メインのお二人さん。
順調に育んではいるようですが、まだ柊也の方が幼いというか。
すぐに感情を沸き立たせてしまって、あとでぐるぐる後悔しちゃうというか。
素直になりたいと思っているのに素直になりきれなくて。
それでも、随分と素直になっている部分もあるのですが。
それぞれがお互いのことを想っているが故にぶつかったり遠ざかったり。
でも、どこか柊也は甘えただったり。
それを大人の男・椹木が支える。
もうさすがの包容力でした。
この人の言葉に何度泣きそうになったことか!
言葉のチョイスが絶妙というか。
事件の後、電話した時の言葉とか。
その後、警察に行くと言った時の言葉とか。
大の大人が懇願するような。
そんな言葉の数々に胸が締めつけられて締めつけられて…。
本当に柊也のこと大事なんだなぁというのがヒシヒシと伝わってきました。

「幸せな時間」
こちらは椹木視点。
日常のささいな幸せみたいなお話。
羽隅のイイヒトっぷり?も見れて楽しかったです。

というわけで、これが全員サービスのミニドラマCD(応募者負担1600円)になるわけですが。
ねぇ、ミニドラマCDってどれくらいミニなの!?
30分くらい?
それとも15分くらい?
せっかくのステキなお話なのにダイジェスト版みたくなっちゃったら勿体ないなーと思うのですが。
そこはじっくり作って下さると信じてますが。
でも、きっとあっても30分くらいだよねー…。
それでもやっぱり今から楽しみすぎるんですが。

2

もうひとつの柊也の運命

『愛想尽かし』のその後のお話を柊視点で展開されるお話。
いや~、やっぱり椹木兄ぃが魅力的すぎて、彼の語る言葉の一つ一つ、そして彼のとる態度、惚れないわけがない!っていうくらい見事に慈愛にみちていました。
そして、柊也の3歩下がって2歩戻る~じゃないですが、椹木を想って取る態度が、過去の荒んで諦めていた時代の柊也でない考え方によって起きる態度がかわいらしくて、椹木の子供みたいw
互いに抱く些細な嫉妬さえもそれぞれのキャラ的対応でかわされていて、それも魅力ですw

冒頭、仕事終わりに寄ったラーメン屋でかわされる会話。
あれは女子でもおちます!何気ない兄ぃの言葉ですが、メロメロになります。思わず自分が柊也になったつもりでうっとりしてしまいました♪
そしてこの二人が甘い!
このまま二人が幸せな暮らしを続けていけばいいのに・・というところですが、その帰りに柊也が売りをしていた頃に世話になった弘登と、その連れで幼馴染みで初恋の相手・匡和に再会することで、柊也が事件に巻き込まれるのです。
弘登が殺害されたこと。。。
この事件を見て、ああ~この弘登は、柊也のもう一つの運命だったんだ!と思ったのです。
以前の柊也と同じように、流されて、こすからく楽をしようと生きてきた弘登は、柊也に似ています。
もし、柊也が椹木に逢わないでいたら、弘登の運命は柊也の運命だったかもしれないのです。
その相手に幼馴染みで、初恋の相手だったという匡和をもってきている部分、柊也の過去も見せますし、彼のものの考え方というものも見せてくれるという部分もあり、いい登場のさせ方だったと思います(本当!うまいな~)

そういった二組を対比させる手法が何気にとられている為に、椹木の良さがとてもとても引き立つのです。
彼は、柊也に愛しているとかそういう具体的な愛の言葉を与えているわけではないのですが、愛しいものを守ろうとする姿・姿勢でその気持ちは充分にわかります。
泉巳も登場させて、その感情とは柊也に対するものとは違うんだよ、と大人の言葉で語り、そういう彼を信じることで柊也は椹木への信頼を、愛を深めていく。
いちいち挙げるときりがないので挙げませんが、椹木のセリフは本当にいい!
ハートを打ち抜かれます。
こういうセリフを言わせても臭くない、椹木のキャラ作りをする英田さんの力量を垣間見ました。

自分が兄ぃラブなので、ひいきめかもしれないですが、それでも兄ぃの優しさに溢れた、柊也が幸せになる為に努力するお話はとても素晴らしかったです!

6

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