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何人もの方がおっしゃってますが、本作はまさに "大人の童話" ですね。
素晴らしかったです。
農家BLでもあるし、プラス近未来・ファンタジー・古き良き日本、etc. のエッセンスが上手く融合していてARUKU節が炸裂してます。
空想上の生き物やミニブタがめっさ可愛い。
BLとしても私は「この後2人はどうなるのかな・・・」と想像して楽しむのが好きなので、大満足です。
最初は暴言を吐く攻めが全然好きになれませんでしたが、受けがもう・・・優しすぎるんです。
なので攻めよ、許す!(←何様?)
そして周りの人々も、その優しさに触れたことで心が浄化され、さらに他者に優しくなれる。
まさに作中で起こる善意の上昇スパイラルを、ぜひお読みになって身をもって体験していただきたい。
2011年の作品なので、パースがかなり・・・ているうえに顔が果てしなく長い頃の絵柄で、妹が男にしか見えなかったりするんですが、やっぱり私「スクールナイト」や「キラキラセブン」などの ARUKUさんのえrなしBLがとことん好きです。
絵柄が理由で今まで手を出せずにいたんですが、本当に読んで良かった。
同じように避けてた方にぜひ読んでいただきたいです。
ラ○ュタを思い出しました。
あと、受けがちゃんと男っぽい男性なのが良い!
初めて読んだ当時、なんかよくわからなかったんですよ。
急にファンタジー?
急にお父さんたちの話?(顔が同じで混乱)
とか思ってしまって。
でも最近のARUKU先生作品を読むにつけ、本作こそがエッセンスの原型的な作品のように思えるようになりました。
自分より誰か、の優しいチロリ。
チロリが好きでたまらないのに嫌な事ばっかり言ってしまうアキラ。
星を離れた仲間を待つ「先住者」。
「赤色」を盗む土悪魔。
次々落ちて死ぬ鳥たち。
悲しみを吸い取る魔女。
村祭りと毛むくじゃらの神様。
土地を買収して無理矢理開発を進めようとしているアキラの父・タロウ。
タロウの叶わなかった恋…
色んな不思議が織り込まれて、切ない色、哀しい色、優しい色、いとしい色…美しい布のような物語。
ところで初めて読んだ当時に萌評価を入れてしまってもう変更できません。
今の評価では神寄り「萌x2」で。
読み終えた後、あーついに終わってしまった、と思うほどこの世界に入り込んでしまいました。
本作は、ARUKU先生お得意の童話のような異世界ファンタジー。雰囲気としては、明日屋、昨日君が死んだ、に似ています。あの世界観が好きな方なら、BL要素少ないですが楽しめると思います。
虹色村で暮らすチロリが、本当に良い子で良い子で、チロリを想うアキラも小学生みたいな態度がまたいじらしくて前えます。2人の距離は最後までほぼ変わりませんでしたが、(アキラは父親の過去を知りさらに好きになったかな?)この距離感がまた可愛いなと。祭りでアキラがチロリを抱きしめて、その後無職になったアキラをチロリが抱きしめてまた抱きしめられて、の流れでさすがにチロリも祭りの時のお面の正体、アキラの恋心に気が付きそう。ゆっくり進展していきそうな2人です。
ジーンが亡くなってタロウが稲穂で佇むシーン、あの痛々しいモノローグが泣けました。
可愛い動物や不思議な生き物がたくさん出できて癒されます。こんな世界あったらいいなぁと思える素敵なお話でした。
BLという分類に収めてしまうのはもったいない。
推薦児童文学に推したいくらい素晴らしい。
道徳の授業って、今も小学校でやってるのかな。
あるなら、サブテキストにも推したい。
人が住む4つの惑星のうちのひとつ。
そこにある虹色村に住むマッシュルーム農家の”チロリ”の話です。
相棒の小豚・ボブと慎ましく暮らすチロリは、1日のほとんどを人のために使います。
一人暮らしのおばあさんを始め、困っている人や悲しい思いをしている人がいたら、全部自分が引き受けてしまう、損な役割ですが、そこを「損」と思わないんだなあ。
いつもチロリを「バカ」呼ばわりして、嫌なことばかり言う幼馴染みのアキラは、そんなチロリに好意を抱きつつ、チロリがピンチのときは駆けつけてくれる存在。
だけど話は複雑で、アキラの父親は虹色村の再開発計画を推進している、いわば村民の敵で、アキラ自身も地上げ屋のようなことをしている、言うなればロミオとジュリエットのような立ち位置です。
全体を通してチロリがブレないんですよ。
どんなことがあっても、自分より他人のしあわせを中心に考える。
ARUKUさんの作品を読んだことがある方なら、この作品を読んでいる間、何度も思ったはずです。
「どこに落とし穴があるんだろう」と。
わたしもずっと心の準備をしながら読み進めていました。
いつチロリが村の人たちに利用されてボロボロになっても、それこそ濡れ衣を着せられて村から追放されるような目に遭っても傷つき過ぎないように身構えて読んだ結果。
落とし穴、ありませんでした。
善良な人間がその善良さゆえに裏切られる。
純粋な人間がその純粋さゆえに利用される。
ARUKUさんの作品では、こういう「悲しくて受け入れ難いけれど、でも現実」というものが扱われることが多いので、チロリの存在が何かのアンチテーゼのはずとか、豚は何のメタファーだろうとか、深読みに深読みを重ねたけれど、何もなかった。
そして付け足すと、チロリとアキラにも何もなかった。
アキラの妄想ではいろいろあったけれど、現実では片想いのまま。
アキラの父・タロウとチロリの父・ジーンの回想の部分の2人がアキラとチロリそのものなので、一瞬「ん?アキラに婚約者!?」と混同してしまいました。要注意です。
落とし穴も恋の進展もないけれど、森の奥で見つけた置き去りの巨人、赤いものばかりを盗む土悪魔、村を見守る大きな木が最後につけた実、お祭りで出会った神様、苦しみを集める魔女など、チロリが出会ったひとはみんな、チロリの優しさに触れて、チロリに何かを残してくれたり、味方になってくれたりする。
伝えなかった恋を忘れるためにアキラの父が進めた無謀な開拓計画では、アキラもチロリの味方になる。
チロリの優しさがひとを集めて、ひとを癒す。
本当にあたたかくて、楽しい作品でした。
時間があるときに、お茶でも淹れてゆっくり味わってほしい。
そんな1冊です。
ファンタジーでしょうか。
第4の地球のお話です。
設定や世界観が外国のファンタジー映画のようでこれがBLであることを忘れ物語に夢中になります。
チロリが村で様々な存在と出会い助けたり色んなお礼をもらったり。
暖かな交流にほっこりしたりどうにもならないことに心を痛めたり。
チロリがとってもいい青年でお金にならないことをするなとか、損なことばかりしているとか言われても困った人や悲しんでる人を放っておけません。
最初からちょくちょく出ていた虹色村開発計画がアキラの父のどうしても一生消えない片想い、行き場のない愛情の行く末だったんですね。
村民達にとってチロリはみんなの子供同然なんですね。アキラの祖母の知恵とアキラのおかげでチロリが村長になってチロリは村の危機を救います。
チロリとアキラの父に他にどんなやりとりがあったのか。
そして会社を辞めたアキラがもしかしてチロリと住んでいるのか?とても気になります。
せめてアキラの想いは届いて欲しい!