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非BL作品になるのね!「equus」も合わせてぜひ
出落ち、あるいはやったもの勝ちのネタかもしれませんが、なかなか思いつく方もいないのでは。
馬を描く画力も必要ですし、ともすれば笑いだけになってしまう要素を、感動にも繋げられるえすとえむ先生の凄みを感じます。ケンタロウシリーズで世界観をコミカルに伝えた後の短編もいいんですよ…
えすとえむ先生が"やったもの"になってくれてよかった〜
細かい馬ネタも面白い。ケンタロウが住んでいるコーポ カバージョのカバージョは、スペイン語で馬です。まんまやん
数ある生き物の中からなぜケンタウロスを…と戸惑いながら読んだんですが、なんでしょうこのしっくり感は。犬猫を除けば、やはり人間と最も密接に関わってき動物は馬だからかもしれない、なんて思いました。厳密にはケンタウロスと馬は別物なのだけれど。人間社会に溶け込もうと必死で働く彼らが本当に存在しているように思えてくるんですよね。
そして、とても愛おしくも感じました。一生懸命な表情と、必死に上半身を追いかける馬半身に、応援したくならざるを得ないのです。スピード違反で捕まるのはご愛嬌。私事で恐縮ですが、射手座なのでより親しみやすかったのかもしれないですね(笑)。もちろんえすとえむ先生のタッチも大きな要因だと思いますが、ケンタウロスだったからこそどこか懐かしい絵本を読んでいるような気分にもなれました。
以前読んだ、えすとえむさんのケンタウロスものBL「equus」がとても良かったので、非BLのこちらとどう違うのかな?と手を出してみました。
「equus」はとても美しい装丁でうっとりするのに対して、こちらの表紙はまさにギャグ漫画というノリですね。内容も「equus」は切なく耽美でエロティックな物もあったのに対して、こちらの一冊は前半の「健太郎」シリーズはしんみりする箇所はあるものの基本的には明るくさっぱりとギャグを交えながら、そして後半の四つのお話はギャグ無しで社会進出を果たしたケンタウロス達を描いています。
冒頭に登場するのは「健太郎」というサラリーマンケンタウロスのお話。
非BLだけど、先輩(人間)が結構面倒見が良くて、ケンタウロス後輩の汗を拭いてあげたり(背中とか手が届かないので)していて、ついBL視線で読んでしまう。
取引先に寿限無並みの長さを持つケンタウロスが登場します。恐らく彼は1000歳は超えていると言う健太郎。そんな長い名前省けばいいのにという先輩に対して健太郎はこう説明します。
皆きっと大切な人からもらった名前で、人間と関わる以上、人とは別れなきゃいけないけど、名前はずっと持ってられる…。
人間とケンタウロスの寿命の違いについては「equus」でも描かれていて、equusのエピソード(二つ)で泣いた記憶があるだけにこの健太郎の説明も胸に来るものがありましたが、あくまで「はたらけ、ケンタウロス!」はしんみりさせられるものの明るく笑える方向でお話を持っていってくれる。そして先輩がケンタウロスの生態に疎いらしく、まったく悪気はないんだけど馬と同一視した勘違い発言を繰り出してて笑えます。
この他、ラーメン屋をやりたい青年と蕎麦屋修行をするケンタウロス、靴工房の息子とそこで職人として働くケンタウロス、トップモデルのケンタウロス、メッセンジャーケンタウロスが登場します。
非BLという事で基本友情の範囲で収まっていますが、それ以上の感情があると思うなぁって思いたくなるような組み合わせばかりで萌えます。特に靴工房の二人は結婚式にケンタウロスが靴工房の息子をさらって逃げる話でして、二人でその後靴を作りながら生きていくのですが、老いていく人間といつまで経っても容姿が変わらないケンタウロスが対で描かれていて、やがて迎える日を想像すると切なくなります。
この作家さんの「equus」気になるけど、ケンタウロスBLってどうなの??って方は、こちらから読んでみるのもありかと。
表題作(4話構成)とあと幾つかの短編が入っていて、すべてケンタウロスと人間の男同士の友情モノ。
中には友情以上な関係のお話もありますが、いわゆるラブストーリー的なものではなく、男同士の絆の物語という感じです。
笑って読めるもの、うるっとくるもの、元気がもらえるもの、色んなタイプのお話が詰まっていて、1冊読み終わる頃にはきっと「ケンタウロスいいわ〜♪」ってなるはず。
どのお話も主役2人の関係性に萌えます。
表題作はこのままリーマンBL展開しよう?って言いたいくらい先輩(人間)と後輩(ケンタウロス)の息の合った関係にニヤニヤしてしまいます。
靴職人の話は「equus」に収録されている作品群と比べても遜色ないくらいしっかりBL。
好きなのはモデルケンタウロスのお話。
人と違う下半身(馬の部分)は人の足に差し替えるのが当たり前と言わんばかりに撮った写真をフォトショで修正してしまう人間達の中で、ケンタウロスとしての自尊心と人間の足への憧れに揺れるファッションモデルのケンタウロスが、ありのままの姿を美しいと言ってくれるデザイナーに出会うお話です。
アナと雪の女王じゃないけど、自尊心を持ち続けることの難しさと、手放さないことの大切さを教えてくれます。
ケンタウロスって馬の首から上が人間の上半身なので、馬の4本足に加えて更に手も2本あるんですよね。
なのでカバン持ったり名刺渡したり手でごはん持って食べたりは出来るんですが、お尻の方までは手が届かないから汗かいたりしたら先輩に拭いてもらってるケンタロウ(表題作の主人公)がかわいいです。
サラリーマンの嗜みとしてデオドラントもちゃんと持ってるんだけどそれも自分で出来なくない?先輩にやってもらってるのかな?(萌)
トイレ事情には触れちゃダメよと注意書きがあるけど、お風呂事情も同じくらい気になります。
美術手帖でえすとえむさんのイラストを見て興味が湧いたので読んでみました。
5人のケンタウロスを主役にした短編集です。
BLではないのですが女子との絡みがほとんどないので、エロのないBLという感じです。
健太郎回では、会社の先輩の手土産に笑い、ケンタウロスの名前の付け方と寿命に驚きました。
靴職人回では、映画の卒業を思わせるシーンに「おおっ!」と萌え、ラスト1ページ前の最後のコマにヒヤッとしました。
モデル回のケンタウロスは美しかった。
笑いあり、萌えありで、もっといろいろなお話が読みたいなと思いました。
描き下ろしもすごく良かったです。