もっと俺を欲しがってくれ――

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表題作交渉人は愛される

周防組若頭 兵頭寿悦・33歳
交渉人 芽吹章・34歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

下町の交渉人・芽吹のもとにある依頼が舞い込む。それは何度も芽吹を危険に晒した男・鵜沢万里雄の父である鵜沢繁久からの依頼だった!自分の信念のため、迷いながらも鵜沢の依頼に応えようとする芽吹だったが!?
大人気、交渉人シリーズ登場!
(出版社より)

作品情報

作品名
交渉人は愛される
著者
榎田尤利 
イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
交渉人は黙らない
発売日
ISBN
9784813012375
4.7

(186)

(155)

萌々

(20)

(3)

中立

(5)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
27
得点
869
評価数
186
平均
4.7 / 5
神率
83.3%

レビュー投稿数27

ラストシーンが最高

交渉人シリーズ第6作目!
初っ端からエンターテイメント性に溢れた展開で、あっという間に読了してしまいました。
濃厚なのにスルスル入ってくるラーメンのような作品です。
コメディ要素あり、アクションあり、人情あり、LOVEありエロスあり…満足度高いです。

前作かなり辛い展開の末に元通りの2人に戻ったのですが、前にはなかった信頼感やさらにお互いへの理解を深めた関係になっています。
芽吹には芽吹の、兵頭には兵頭の立場や仕事があって譲れない物もお互いにある…そんなことを認め合っている2人が素敵でした。
もう何があっても2人の絆は固い、と思えました。

ラストの第3者目線の2人が幸せそうで…涙がじんわり出ちゃいました。

0

あの会話だけでも神!

前作で圧倒的七五三野推しになってしまい、正直テンションが上がらないまま読み始めた。今作はコメディ要素がいつも以上に強くなり、新キャラ桃子の何でもアリ感に、一体何を読まされているのか?と何度も目がテンになる。とはいえ大団円のラストは気持ち良く、感動もあって良かった。

芽吹と兵頭は順調なようで、エロもなんだかすんなり。だがそれより父と子のような七五三野と芽吹の会話の方が萌えるという困った状態。
そういえば久しぶりに芽吹の交渉術が見れて楽しかった。頭脳戦・心理戦というより屁理屈っぽく、相手の方が上手に見えたが、こういうシーンもとても好き。

クライマックスはヤクザものの定番で、芽吹をかばって兵頭が死にかける。ベタだろうが何だろうが、やっぱり泣けるもんは泣ける。その後交渉に向かう芽吹も、とてもカッコ良かった。

落ち着いてから回想で語られる周防組長と芽吹との会話は、これだけで神!と思えるくらい良かった。ああ、芽吹はそんなに兵頭が好きだったんだ、と衝撃を受けつつのラストの周防組長のセリフ。シリーズ通してのテーマに対する回答を、こういう形で示されるとは。これには唸らされたし痺れた。
七五三野推しだが、芽吹がそうなら仕方ない、兵頭との仲を応援するしかないじゃないかと思わされた。

退院後のラブっぷりも拗ねグレ芽吹が可愛くなくて可愛かった。兵頭はいつまでも芽吹を「先輩」と呼ぶんだな。そこがなぜか急に堪らなくなった。
エピローグも幸せそうで良かった。見ながらしみじみ浸れる表紙も大好き。

シリーズはここで一区切りになるのかな?全体を通して思ったのは、もっと早く読めばよかったってこと。今ではパターン化されてしまった点も多くあり、発売当時に読めばもっと新鮮に感じられて興奮しただろうと思った。何か悔しい。

0

兵頭と鵜沢、高校時代はつるんでたよね。

鵜沢組、行く末心配してたけど、やっぱりこうなりましたか。
高校時代、兵頭と鵜沢はつるんでいて(仲良くはなかったかもしれないけど)同じ人を抱きたいと思ってたくらい似たところがある2人だったのに、いつからこんなに向かう先が大きく離れたんだろう。

マリオの中に良心があると信じたい。

終盤、兵頭が芽吹をかばった時、芽吹が腹立たしかったし兵頭の愛の強さに涙出そうになった。
こんなに真っ直ぐに芽吹を愛してる兵頭がやっぱり好きだ!

親分さんって全然出てこないなーと思ってたら最終巻で出てきましたか。やっぱりかっこいい親分さんだったな。
芽吹はこれからも事件に巻き込まれそう。交渉人の仕事関係だったり、兵頭のヤクザ関係だったり。
これからもチームで力を合わせて、そして兵頭がサポートして解決してくのかな。

本当に素敵な作品です。大好き。

0

甘めの回

前々作、前作とつらいターンだったので、今回は普通に甘め。

事件の方は、鵜沢の父が瀕死で、息子をどうにか救って欲しいという依頼を受ける話でした。息子のまりおはUSBメモリがらみである幹部のところに監禁されているが、抜け出して薬を手土産に中国にとぼうとする。これを察知した芽吹は、まりおを預かっていた幹部の姪の助けを借りつつ救出に。でも芽吹をかばって打たれた兵頭が入院して、自分も大けがを、というストーリーです。

冒頭は、結婚式で花婿をさらいに(代理人として)くる話が入っていたり、そこに列席していた幹部の姪に一目惚れされたり、この姪がトラック女郎?だったりとコミカル要素もあり。

最後は、冒頭のゲイカップルがあらためて挙げた結婚式に参列したメインカプのふたりが、そこでいちゃいちゃするところでエンドです。

退院後、兵頭家に居候してひたすらだらしなくしている芽吹がらしい感じです。

0

どM

100冊記念でもう一冊この後に出てますが、一応この巻でひと段落だそうです。
一区切りにふさわしい巻でした。
どM芽吹抱えているものはそう簡単には無くならないみたいだけど。
これからも周りに助けられながら兵頭と二人で乗り越えていくんだろうな~と。

二人の期間限定な同居も面白かった。
お部屋の綺麗さから兵頭の細かさはなんとなーく予想していたけど、芽吹のアバウトさには笑ってしまった。
ふたりのほっこりした日常生活も垣間見れて嬉しかったです♪

コミカルな入りからエピローグのエセ牧師視点で二人を眺めるってのがなんともじんわりきました。

1

終わるの!?

そんなことどこにも書いてないじゃん。
不安になりつつ「交渉人は休まない」を読んだら、はい書いてありました(号泣)
いまだにBL小説ランキングで1位なのにー!?
だから、たまに新作を出してくださると信じています。切実に願っております。

今回の作品は座木への組織についての熱弁が良かった!!
仕事でつまずいたらこれを読み返そうと思いました。

交渉人シリーズ、本当におもしろかった!!
…エロがとてもエロかった!!

3

心が痛い

あー、泣いちゃいます
このシリーズ大好きなだけに最後のしんみり感は良くもあり、あぁ...終わるんだなぁという予感をとても感じさせました。そしたら、休めないなどあるので作者様の中でももしかしたら気が向いた時に書いてくださるのではないでしょうか???
交渉人シリーズファンの皆様で、作者様にラブレターを送りましょう〜

4

終わっちゃうなんてヒドイ!!

あーもう、自分が愚かすぎて立ち直れない。。。記念で発売された、「休めない」を今読み終えたところで、この「愛される」が完結編だと知りました。。。もっとずっと続くものだと思ってたからちょーショック。。。たしかに最後の場面、とっても綺麗でしたもんね、文章も挿絵も。これで完結するんだという感傷と、もっと兵頭と芽吹に良かったね、って思いながら読みたかった。。。続きがあると思ってたから、中途半端な感情移入してた。。。もう一度一巻から読んでやる!!あと3巻くらいは続くと思ってたのに〜

3

教会にいる二人の挿し絵が美しい

電子にて。
前回のシリーズ4、5で山場を迎えた感があったので、今回はちょっと落ち着いて読めました。
兵藤の舎弟達がコントやってるようで楽しいw癒されるわ~。
それにしても芽吹サン、命がいくつあっても足りないんじゃ…(汗

兵藤と芽吹は、事件を解決するたびにより強い絆で結ばれて、今やお互いが身体の(魂の、かな)一部になってて良い関係だなぁと思いました。
シリーズ1で勢いでエチしちゃった頃からは考えられないくらい、二人は想い合ってて強く結ばれてます。
そんな甘々な二人を見れるのがすごく嬉しい!
ニヤニヤが止まらないですw

2

終わってほしくない

交渉人シリーズ完結編。ついにきてしまいました。

天敵の鵜沢万里雄の父親からの依頼。
芽吹はやっぱり引き受けてしまいますよね。
だって、芽吹はドМですから!

ただ今回ばかりは芽吹もやり過ぎだった気がします。
銃を向けられている万里雄の前に飛び出すなんて無謀です。
そしてその上をいっていたのがやはり兵頭。
そうなるよね。だって先輩が大好きな兵頭ですから。

血だらけの兵頭を前に茫然とする芽吹が痛い。
自分の腕を差し出すからと親和会に立ち向かう芽吹が痛い。
兵頭が必要不可欠な存在なんだと自覚し、兵頭を失う恐怖におびえる芽吹がせつない。
こんな風に信頼しあい求め合う二人も素敵だなと思います。

最後の同居生活のお話は笑えました。
ラブラブじゃん!

3

ラスボス、鵜沢万里雄

‥ラスボスにしては小者感満載ですが。
もしも、「交渉人シリーズ」のキャラで人気投票したら、
1票も入らねぇんじゃねぇ!?ってくらい
下衆野郎な万里雄ですが、
最後の最後まで人騒がせなおバカさんです。

どうやら、一人称で進むお話が私の萌えないポイントらしく、
ストーリーはおもしろいのに萌えられない(泣)と
ストーリーの魅力と「萌(評価)」のギャップにもやもやしました。
が、シリーズ全体の評価ということで、今回は「神」で!
特に、「~嵌められる」は、
一人称だからこその緊張感だったと思うので。

生活臭満載のものとチャペルでのワンシーン
シチュエーションが正反対の後日談もよかったです。

1

2年と少し。

前に発売されたこのシリーズ最終巻。今現在、さらに最新刊の記念本が出ているわけですが、今になって購入し読むに至りました。交渉人シリーズは読んでいたものの、前作までで何となく満足してしまい安くなれば買おうかなくらいに思っていました、が、最近自分の中で榎田先生祭りが開催されたので勢いに乗り読破しました。
芽吹が兵頭と双璧になってくれたら、っていう周防のモノローグがよかった。
兵頭の片腕の芽吹なんてかっこよさそうだ。
ほかにもたくさん、ああ読んでよかった、読書の醍醐味みたいなものが詰まってるなあと思える箇所がありました。
記念本も遠からず購入してしまうでしょう。

2

瑠偉

実は私も、安くなったら買おうかなって思ってましたが、黙らないを安く手に入れ読んでしまったら・・・ハマりました、ついうっかりと、んでもって今買おうとしてます。
スウィパーが取り寄せみたいで後に。
安価になるのが待てない!!(安価は半額以下だといいのになあ、無茶か。)

揺れる光の中で教会の長椅子で寄り添う二人

頁を開いた時、ときめいてしまいました。

兵頭と芽吹が寄り添っていてきっとこれは教会の椅子だなぁって・・・・。
もしかして結婚!??
と、はやる気持ちを抑えつつ読みました。

今回もまたまたいいキャラがでてきましたよー。
桃子・・・・・女気のあるいい女じゃないですかぁ~。まぁひと波乱してくれるものこの子ですがこの子がいたからこの話が一癖も二癖も味がでてくるんですけどね。

芽吹がケガをしない時ってないんですかね?毎回毎回出てくる鵜沢に怒れる兵頭・・・・。
いつもどんな時も冷静な芽吹、、、、兵頭が目の前で別の男を抱いていた時ですら隙をみせなかったのに兵頭が傷ついた時失う怖さに震える芽吹が愛おしかったです。

ラストの牧師からみた二人の視点がすごくほっこりほっこりしました。
これのイラストを最初にもってくるなんていい仕事してやがるぜぇ~。

そういえば!なんと・・・・えだ先生の100冊?記念が交渉人の最新作だったような・・・
みんなに愛される芽吹が帰ってくるよーーー。
今回も芽吹はやらかすのかな?? 早く会いたい~。

3

ウェストミンスターの鐘と誓いのキス

とある結婚式。突如乗り込んで意義を唱えたのは、交渉人の芽吹。
そして略奪したのは、花嫁・・・ではなく、花婿でした!
マッチョな花婿にお姫様だっこされての逃走劇は、コメディです(笑)

今回、芽吹は余命わずかな鵜沢繁久に、真和会に監禁されている息子の万里雄を、
解放するよう交渉して欲しいと懇願されます。
――ちくしょう。どう拒絶しろと言うんだ。
  あと一ヶ月でこの世からいなくなる人の頼みを、どうやったら無視できる?
大嫌いな、二度と関わりたくないと思っていた万里雄を助ける依頼を
不本意ながら引き受ける芽吹。本当にお人好しと言うかなんと言うか・・・(笑)
でも私は、そんな芽吹が大好きです!

今作で登場した新キャラの桃子は、真和会幹部座木の姪っ子。
件の結婚式に参列して、花婿略奪珍騒動で芽吹に一目惚れ(笑)
このお嬢様がまた、大人しいだけのご令嬢じゃなかったんですね。
自分の意見はしっかり持ってて、優しくて凄く良い子です。
そして柔道黒帯で『乗り物』に興奮して、菅原文太ファンのトラック姉御で(笑)
私は、すっかり桃子ファンになってしまいました!
いかしたデコトラに、私も乗ってみたい(笑)
そして座木との万里雄解放の件の交渉が難航する中、芽吹を助けて大活躍します。


前巻の環の一件で、大きな山を乗り越えた芽吹と兵頭。
その時二人が手にしたもの・・・
どれだけ傷ついても諦めない、互いの手を離さない、そんな覚悟。
今回はそれが伺える話でした。
特に後半の盛り上がりは、ジェットコースターの様にハラハラドキドキ。
芽吹を庇って撃たれた兵頭はどうなるのか!?
そして芽吹の座木との交渉の行方は!?
いつもズッコケな芽吹が、すごくかっこよかったです!!芽吹最高~♪

もちろん、いつもの笑どことも満載で(笑)
芽吹と兵頭の夫婦漫才はますます磨きがかかってるし。
芽吹の「痔」を真剣に心配したり、桃子とお見合いさせられた事を知って、
兵頭と桃子とどちらがマシか(どちらにしても暴力団関係者なので)真剣に考える、
七五三野のお父さんっぷりも、相変わらず笑えました。
周防組の舎弟達に至っては、ヤクザと言うよりお笑いグループの様になってます(笑)

最後の古い教会のシーンは、静かで、そして感動的でした。
正に「芽吹と兵頭、二人の愛は永遠に」といったエンディングです。

本当に、大好きなシリーズです。
私にとっては、何度も繰り返し読んでしまうBLの一つです。
今後も芽吹達に出会えることを、強く期待しています。

8

シリーズ7番目

この巻は・・・、すさまじい笑いで幕開けましたw
「諦めない」辺りの胸苦しさはどこへやら・・・な感じ。
芽吹さんが、結婚式をあんな風にしてしまうなんて~。

そしてその結婚式にも出ていたヤクザさんの姪っ子。
これもまた爆笑してしまいました。
なんて個性的な女性なんでしょうか!

途中からは、いつもの芽吹さんの正義感(笑)に、
またハラハラドキドキでした。
そしてそして!今回も、変わらずキヨが超のつくほどカッコ良かったですw

全巻通して、ホントに面白かったです。
一応の終わりだけれど、これからも書くと仰っているようですし、
既に決まっているものもあるようなので、またまた楽しみです♪

3

交渉人は、愛される


相も変わらず素敵な表紙を開くと、扉のカラーイラストに目を奪われます。
幸せそうに微笑む彼らは、教会で何を誓ったのでしょうか。

【交渉人シリーズ】はこれにて一段落。
ボロボロになってまで自らの信条を貫く芽吹に、身体を張ってまで彼を守る兵頭。
初期の段階での兵頭は、ただただ芽吹に執着しており、愛は感じられたものの、こうして身を挺して彼を守ることはなかったでしょう。
兵頭が芽吹を守るのは当たり前、そりゃあ愛しちゃってるもんと思えるのも、ひとえに彼らが築いてきた絆の強さを知っているから。
全作を通して、二人の愛情はよりおおきく、より強固になったように思えました。
そして、芽吹が自らの感情に素直になることによって、二人の愛のおおきさが等しくなったようにも感じました。

本作での芽吹は相変わらず捨て身の交渉をしておりますが、座木相手に啖呵を切るシーンでは今までにない彼をみることができます。
そして、芽吹本人が極道者にとって大切だと言っていた相手のメンツを守るために両腕を持っていってくれと差し出すシーン。
兵頭のために。
兵頭のもとに早く向かいたいがために。
芽吹の愛はここまで成長しているのだと感じると同時に、お互いのためになら何だってしよう、という姿勢の二人に鳥肌が立ちました。
まさに、破滅の愛。
もしも芽吹の両腕がなくなっていたら、彼はこの先一生兵頭を抱き締めることができなかったし、扉絵のように手を取り合うこともできないようになっていたでしょう。
そう思うと、座木サンが理性的な方でよかったと、本当に、本当に、強く思いました。

お話としては、彼らの愛が対等になったところで幕は下りました。
はじめは流されていただけだった芽吹も、少しずつ自らの感情を理解し、おおきな試練を乗り越え、兵頭への溢れんばかりの愛を自覚する。
そんな芽吹以上に彼を想っていた兵頭は、何度も何度も諦めた想いを遂げるために行動し、自分の思い通りにならない芽吹に時には悲しみながらも、やっとの思いで彼の愛を手に入れました。
芽吹のことは兵頭にしか支えられないし、兵頭の隣には芽吹しか立つことができない。
今回、この長いお話を読みきって、つまりはそういうことなんだなと納得させられました。

この素晴らしい作品には“神”評価が相応しいと感じたため、全作に、そしてこの完結編に、迷うことなくこの評価をつけさせていただきました。

長い作品です。
とても、長い作品です。
そして、ツライ展開に胸が痛くなり、読むことを止めてしまおうと思われるかもしれません。
だけど、その全ては二人が結ばれるためにあり、この作品には必要不可欠な展開なので、どうか目を反らさないでじっくりと読んでいただきたいです。

一人でも多くの人に、この素敵な作品が読まれますように。

7

大団円

紆余曲折、艱難辛苦を乗り越えて、タイトル通りの大団円でした。
めでたく、バカップルの誕生です。
毎度、毎度、傷だらけになる芽吹を男は黙って(笑)見守り続けた兵頭に拍手を送りたいと思います♪
最後まで残念だったのが鵜沢(怒)彼は救いようのないバカなので儚くなってしまっても良かったのに・・・きっと、ほとぼりが冷めた頃、またふたりの邪魔をしにくるに違いない。
あと、小冊子とキヨとトモの番外編が残ってますが、いつかまたふたりの活躍が見られることを祈って・・・「神」評価を捧げたいと思います。

3

前回、大きな山を越えた2人の関係は

穏やかに安定してます。
2人の言動の端々に、どれだけお互い想い合っているかが伝わってきます。
きっと、今後どんな大きな波風があっても2人の関係は揺るがないのではないかと、
そう思える1冊でした。

そして、期待に洩れず今回も芽吹は体張ってます(笑)
医者にまで「もうちょっと慎重な人生を送ってください。
周防組の人たちよりここに来る頻度が高いですよ。」とあきれられてしまう程。
相変わらずボロボロになってます。

今回のお話は、芽吹の交渉相手が真和会幹部という事件としては大きな物ですが、
前回の様なイタイ内容ではなく、全体にテンポよくコミカル、笑いどころ満載です。
新キャラの桃子も良い味出してます。私は結構好きかも!

それにしても兵頭、どれだけ芽吹の事が好きなんだか(笑)
とうとう体張って守っちゃいました。
そして芽吹も、自分の兵頭に対する気持ちを認め、それを態度に出しています。
まだ言葉では伝える事は出来てませんが・・・

だけど、2人の間にどれだけ強い絆が出来ても、
兵頭やヤクザの若頭。
芽吹は民間の交渉人。
お互いの立場や仕事がかみ合う事は無く、言い争いは絶えない。
それでも・・・

自分の仕事を全うしそれぞれの領域を持つ事で、
この先どれだけ波乱万丈が待ち構えていても、どれだけ傷ついても、
諦めない。お互いの手を離さない。そんな覚悟が2人の間に感じます。
ただ単に甘いだけの恋人同士では無い所が、私はすごく好きなんです!
これぞボーイズ・ラブ!!

最後の、第3者目線で語られた、芽吹と兵頭の2人のシーン。
なんとも言えない暖かさと静けさが、すごく良かったです。
シリーズを締めくくるに相応しい美しさだと思います。
本当に、これで最後なのは本当に淋しいです・・・

もっともっとこれからの2人の話を読みたいと、心から思います。

8

また次回

榎田さん自体、最終回とは完全に言えない~との言葉を信じて
というか、この先もこの二人はずっとこんな風なんだろうな
そう素直に思えるラストでした。

物語の始まりは、結婚式。
まるでクマな新郎を花嫁から奪い去る交渉人www
お姫様抱っこから始まるストーリー。
前回が重かっただけに、今回は!?なところからの読み始まり。
囚われた鵜沢奪還大作戦☆てなわけで
また鵜沢かよ!!とちょっとツッコミを入れてしまったものの
最後まで面白いお話でした。

なんだかんだでな
兵頭、あんたどんだけ芽吹がすきゃねんていうな。
しみじみ思ってしまったのでありました。
メロメロの、とろとろの、脳髄溶けるくらい好きなんだろうな
と思うとね。うん。よかった。よかったよ。

帯のことば。
最初は兵頭の言葉と思っていた。
だけれども~の真実。
自分の気持ちがわからないと言い続けてきた芽吹が~
な気持ちの成長と、自分の中の兵頭の位置、そして今
いつかまた、この二人に会えればいい。そう思う最後でした。
ありがとうございます。

それにしても、このシリーズ。
榎田さんてエロいイメージなかったんですが、
エロいよね(・∀・)ワタシ、もぅ、お腹いっぱいです。

4

とうとう最終刊…

BLアワード小説部門一位おめでとうございます!!

ユウリ先生の大ファンになるきっかけが『交渉人シリーズ』でした。

最終刊なのがほんとに寂しいです。

まず透明感のある見開きのイラストに胸キュン!!

芽吹と兵頭の絆の強さを見ましたっ。

最後まで読み終わってから見開きを見返した時、涙が…

一生涯愛するであろう作品です。








3

互いに譲れぬモノを超えて

本作は関東屈指の指定暴力団の二次団体の若頭と
元検事で元弁護士で現ネゴシエーターのシリーズ第六弾は
シリーズの最後を締めくくる完結巻となります。

受様はヤクザとなった攻様と再会して以来
時に反発したり、協力しあったり、妥協ながら
辛い過去を乗り越えて攻様と生きる事を選びますが

今回は前回の依頼でも受様を苦しめ
攻様とも因縁のある男の父からの依頼を引受けた事で
攻様との直接対決にまで発展するお話となります。

受様は
あらゆる折衝事を交渉する民間の交渉人です。

お話の発端は
結婚式から花婿をさらって欲しいという依頼でした。

まぁ、
受様らしいお仕事の一端かなって感じなのですが
この依頼に関わった事が後々本筋となる依頼の解決に
大きく関わる事になります。

もちろん、最初は
そんな片鱗なんかは全く無くて依頼自体も
単発で見ても結構込み入った事情を抱えたモノなので
受様のお仕事ぶりとシリーズ常連人物の紹介を兼ねた
軽い前振りって感じですね。

そんな受様に次にもたらされた依頼は
余命幾許もないヤクザの組長からの
息子を助けてほしいという依頼でした。

件の息子は受様にとってばかりか
攻様にとっても天敵な男で心情的にも困難さからも
本当は断りたかった受様ですが

交渉人としての自らの信念と
死へと向かう依頼人への思いから
結局は依頼を引受ける事になるのです(苦笑)

件の息子は前回の詐欺事件で
主犯の男の協力者だった男で
その絡みで敵対組織に狙われているのですが

しかも彼は
そもそも受様を組み敷きたいと狙う輩で
攻様にとっても天敵な存在なのですよ♪

依頼人の頼みを遂げるため
懸命に動く受様ですが

義理と人情と誇りと矜持と上下関係と
金勘定と権力が複雑に絡み合ってシノギを削る極道と
まともに交渉する事自体が無謀というモノなのですが
それでも受様の気持ちはブレません。

果たして受様は依頼を完遂できるのか?!

本シリーズは
受様の楽観的な性格とテンポの良い会話に加え、
恋仲になった攻様との公私に渡る駆引き等、
笑いのツボが満載な軽くてノリノリなシーンと

依頼の解決に至る過程では
現実と理想との狭間で身悶えながらも
信念を曲げることなく進む重めでシリアスな展開が
無理なく調和して楽しめる事が最大の魅力ですよね。

攻様との関係を流された一過性のモノでは無く
彼に対する気持ちを認めた受様ですが
攻様の極道としての生き方もその世界観も
本来の受様の価値観では相いれないモノです。

それぞれの立場からギリギリの妥協点と
スレスレの駆引きを繰り広げます。

受様が依頼を完遂するまで
ラブラフもハラハラもドキドキも超満載で
とってもとっても面白かったです♪

局面に立たされた人が選ぶのは
自分なのか、他人なのか。

その選択は本当に心からのモノなのか、
偽善ないか。

自分の選択に迷いは無くても
時に立ち止まり、時に逡巡し、時に引きかえして、
挫折したらその選択をとったことすら
悔やむ時が来るかもしれません。

それでも受様なら自分の信念を曲げることなく
交渉人として生きていくのだろうなと思います。

またこんな素敵なお話に巡り合える事を
楽しみにしています♪

今回はヤクザな攻様と弁護士のカップルで
早水しおりさん『この愛にひざまずけ』をご紹介します。

5

ほんとに終わり?

前作で完結だと思い込んでいたもので、この作品が出たと知って嬉しいというよりも、驚いておりました。
だってあんな大きな事件があって、それを見事に幕を降ろし、芽吹と兵頭がしっかりと愛情を確認しあって、これぞハッピーエンドという終わり方だったんだもの。
でも、現実のことのように、人生続いているのです。フィクションだってわかってても嬉しいなあ。
ひょんなことから話がどんどん転がって、とんでもないことになっていく。
どうすんの断るよねえ?いやあなたはきっと断らないか。と何度心の中で芽吹に話しかけたことか(笑)
あまり出番はなくとも、とてつもなく存在感のある兵頭、別にいなくてもいいようでいてやっぱピリッとスパイシーな七五三野、けっこう口数多めで嬉しかったキヨ、ほんの少ししか出てこなくて寂しかったトモ…もうこの人達のこれからを読むことはないのかなあ…。
相変わらずなドタバタな感じだったはずなのに、事件が起こってからの怒涛の流れに、読み手も一気に巻き込まれて流されていくこの感じが大好きです。
冒頭で出てきたエセ神父が、最後の語り手となるラストシーンには、このシリーズの締め括りとしては、あまりにも静かで厳かな雰囲気に、涙してしまいました。
もっと賑やかに華やかに終わるかと思ってた。勝手に。
気になっていた古い写真がどんなものだったのか、それを最後の最後に教えてくれるそのワザも、さすがでございます。泣くから。ほんとにもう。
で、私のあの涙はなんだったの?となりそうな気もしないでもないんですけどね(笑)
ケロッと続きが出そうな感じ…否めません。


3

いつかまた彼らに出会えるといいな

花嫁に騙されて結婚しそうになっている恋人を助け出して欲しい。
そんな依頼を受け、見事花婿奪還に成功(ただし花婿にお姫様だっこされて退場)した交渉人、芽吹彰。
彼の元には相変わらず個性豊かな人物たちが集う。
中でも一番強烈なのが泣く子も黙るヤクザの若頭で、恋人の兵頭だ。
お互いに強い絆で結ばれた二人だったが、片やヤクザ、片や正義の交渉人。
今までにも対立することはあったが、今回は少し様子が違う?
その依頼は病床にある鵜沢組組長からもたらされた。
組長の息子で芽吹の天敵でもある万里雄の救出。
しかも現在万里雄の身柄を確保しているのは兵頭で……

大団円に向けて突き進む最終巻。
序盤の花婿奪還のエピソードは痛快でした。
仕事を巡って対立する二人。
相変わらず無茶をする芽吹のドMっぷりと優しさは筋金入りかも。
色々色々あっても愛があるから大丈夫。
そして彼らには力強い仲間たちがいる。
今回も暴走お嬢様の桃子ちゃんとか、エセ神父の正吉くんとかの存在感が素敵なんだなあ。
もちろん前からの仲間たちの存在感も見逃せません。

ラスト、あえて別視点から語られる静かなラストシーンにはじんわりしました。
もっともっと彼らの話が見たいなあ。
ちっちゃいのとおっきいのも気になる。
いつかまた彼らに会えるといいな。

榎田先生、お疲れ様でした!!


5

芽吹はドM。

前半はコメディタッチで榎田さん独特の文章立てで笑いまくりました!
でも中盤あたりか事件が勃発し出してそのまま怒涛のラストへと話しが進んで行きました。
泣いてしまいましたね。
最終巻ではないけれどとりあえずの完結?いつか続きが出るかもしれないけれど、今の所は予定なしという事みたいですが、これがラストだと言われてもすごく納得の行くとても素晴らしいシリーズになったと思います。

涙あり笑いありと、いろんな事件を織り交ぜながらいつも榎田さんの作品を読んで思うのが本当に文章立てと言葉が素敵ですよね。メリハリや展開の運びがすごく上手いですよね。

冒頭は結婚式で始まります。語りは桃子という女性です。特に仲がいいという訳でもない知人の結婚式に母親に頼まれて出席したのですが、はっきりいってこの知人の事は嫌いみたいですね。
そこに現れたのが花嫁を連れ去る?ためにやって来たのか?『その結婚に意義アリ!!』的発言をしたのが、交渉人芽吹の登場です。
でも映画とちょっと違うのが、連れ去るのは花婿って事です。しかも連れ去るのではなく、芽吹は花婿にお姫様抱っこで式場を後にします♪と言っても、この花婿が兵頭っていう訳ではないです。お仕事です。

でもこの数ページでも十分面白かったです。似非神父相手に詰め寄っていた芽吹。ちょっと気の毒だった彼ですが、でもちゃんとラストには救われてます♪そこが榎田さんのちょい役の登場人物を大事に扱っている所ですよね~♪特にこのシリーズではそのあたりにいつも素敵なサプライズで楽しませ貰っています。
そして本題に突入して行きます。今回の依頼人は今まで何度も嫌な思いをさせられて鵜沢の父親だったのです。しかも依頼内容が監禁されている鵜沢を開放するという事。
もちろん最初から断るつもりだったのですが、餌として見せられたのが芽吹の両親の写真だったのです。その写真がどんな写真だったのかは、ラストに判るのですが・・・。
断るつもりの話しだったのですが、心優しい、人のいい芽吹が入院中で、しかも余命いくばかもない鵜沢の父親の頼みを断れるはずがないんですよね・・・。
とキヨに説明してるのですが、この鵜沢が今捕まっているのが周防組だったんです。

どんな手で兵頭に交渉しようか考えてもどうも上手くいかないですね♪そして兵頭のマンションへ・・・。
今の二人は本当に信頼というもので結ばれてラブラブですね♪
なので余計に上手く交渉が行くわけがないんですが、『考えさせて下さい』という台詞とともに、10日ぶりに会う二人はそのまま愛の営みへ・・・。
しか~し!朝起きて見ると、鵜沢は他へ監禁場所を移されてしまったのです。まぁ当然ちゃぁ当然ですね。
芽吹にしたら良かったのか?悪かったのか?判りませんけれど、次に宅されたのが、真和会の幹部の座木だったのですが、彼は一筋縄では行かない相手でした。どこから攻めるか?と考えながら、唯一の座木のウィークポイントの姪の桃子から攻めるか?と考えたのですが・・・。でもトイレに行った時に彼女と遭ってここで仕掛けるか?と悩んでいる時に向こうから話しかけてきました。
そう!彼女こそ冒頭で語りをしていた桃子だったのです。

とここまででも結構書いてしまったのですが、この桃子がこの後結構活躍してくれます。
鵜沢を開放するように交渉するのはかなり手こずってしまいます。

コメディタッチの部分で一番私が気に入ったのが、芽吹を交えての兵頭の部下との反省会!!あれはもう大笑いでした。最初から最後まで笑いっぱなしでしたね。あのうちわがいい!!私も欲しい♪

そしてラスト・・・。すごく感動的でした。血だらけで座木達幹部がいる所に鵜沢を連れて行き、開放を交渉する所は本当にすごく良かったです。良かったって言葉ですませないぐらい!!
そして意識のない兵頭に語る芽吹・・・。泣けました!

そして一番最後の所で最初に出て来た似非神父と逃げた新郎の話しが出て来て、両親の写真がどんな素敵な写真だったか・・・。

今回は二人の絆も確認できたし、芽吹の両親のお話にも触れてすごく素敵なシリーズでした。
最後に芽吹はドMだということもはっきりしまいたし♪

でもまたこの二人のお話を読みたいので、是非甘々で笑いのお話待ってます♪

4

大団円?

長かった交渉人シリーズ。ようやく、一区切りつきました。
当時奈良さんの挿絵の小説は全部あつめていて、これもその一つとして買った記憶が懐かしく思い出されました。こんなに続くとは。こんなに愛しいキャラクターが沢山生まれようとは。そのときは想像しませんでした。

評価は少し厳し目で萌2。
いままでずっと一緒に長く楽しんできた身としては神でも良いのですが、1小説としては展開に甘い部分が多々あるので。
ギャグ場面やキャラ同士のやりとりは毎度ながらリズミカルで流石、というところですが「交渉人」という立派な題名がついていることからも分かるように、一応は心理小説というジャンルですから。

交渉部分では巻が進めば進むほどに爪が甘い部分が目立っているのでそこが残念です。
テンプレ展開では無いのですが、肝心のシーンで緊張感が足り無い。BL小説なのでそんな前代未聞の展開を期待しているわけでは無いですが、でも他でもない榎田先生ですから。もう少し頑張って欲しかったです。BL小説の枠からは出れなかったかなあと(面白さ的な意味で)。
キャラクターありきの小説になってしまっている。

読者的にはあまり感じない芽吹の交渉術が実力以上に極道たちの間で評価されてしまっているのがどうも引っかかります。彼の根性だけは伝わってくるのですが。

でも1巻当初からのファンなので。ここまでこれたのはとても嬉しいです。
この小説の定番になっている第三者目線のおわりかた、今回もとても良かったですね。

本当にうっとりするような他人の恋愛シーンは誰にとっても幸福になる。

兵頭、芽吹、そしてチーム芽吹、お疲れさまでした!また会える日を願って。


さいごに、色々と囁かれる奈良先生の挿絵ですが。
今回、また印象が変わりました。表紙からも分かるよう描き方が随分と。まあ。
でも以前よりはだいぶ良くなったかな?
1巻から振り返って、兵頭の鋭い顔は戻った気がします。芽吹は随分とコミカルな顔になってしまいましたねえ。1巻の知的さはどこへやら。
構図は変わらず美しいです。
少し前まではこの激変に戸惑っていたのですが、最近慣れました。

ここで描くことでは無いかもしれませんが、絵の変化に対する評価は奈良先生も充分承知しているでしょうし、その上で絵柄を貫いているのは、私は逆にプロ根性を感じました。
あまりにも短期間で変わり過ぎているので、それ相応の理由があるのでは、と思っています。(あまりに個人的で身勝手な妄想ですが)

7

このためにあったのね

交渉人シリーズの、一応の完結編。
本編シリーズの前2作の、あんなにシビアでつらい物だった展開は、ここへ、こうやって着地するために必要な助走だったのね。

まあ、助走にしては酷い道のりだったし、
飛んでからも着地するまでにえらくボコボコになっちゃったけど、、、。

兵頭には兵頭の、芽吹には芽吹の、それぞれの生きる道には、どうしたって、互いに相容れない物があって、譲れない物があって、それでも、心の底から、お互いを愛してる。
芽吹が自分でそれを認めるまでの道のりの紆余曲折は、それこそ、拉致監禁暴行の血みどろの物だったけれど、自分の心の中の闇も含めて、それでも、心の底から兵頭を愛している。

ラストの短編が、また、なんとも素敵。
カラー口絵は、この短編のための扉絵。

この「芽吹きファミリーの話には、またいつか、どこかで会いたいな。

4

定年後の駄目夫に、世話焼きオカン

いよいよ今巻で一段落。
それにふさわしい内容とあいなりました。
相変わらず芽吹の詭弁は冴え渡り、いつも思うのですが榎田さんが文章を作っているんじゃなくて、本当に交渉人・芽吹という人物が存在して思う通りに喋っているんじゃないか?って
作者さんはイタコなんじゃないだろうか?って思うのですよ。
扉のカラーイラスト、、ラストのシーンなんですけど教会での二人の絵。
今までの絵の中で一番素敵ですっ!!!
今回、また奈良さんの絵が変わったような気がするのですが・・・兵頭に色男の欠片もありません@@!
いつもギロっとしている三白眼もありません。
病室の無精ひげの伸びた兵頭のイラストに・・・
でも、ラストのバスルームでのイラスト・・・1巻目の初めてのエロシーンイラスト以上の色気と切迫感とですごくよかった。

「嵌められる」「諦めない」この一連の事件後、二人の絆はより強まったと思うのですが、というより、巻を進めるごとに芽吹の気持ちの輪郭のはっきりしないものがだんだんと形を作っていったと思うのですが、この巻でそれがはっきり形として、外へ放出寸前のものになったのだと思えました。
恋人なんだから協力してやれよ~なんて思うのは前作もそうだったのですが、そこでよりはっきりしたのは、兵頭には彼の守るべき組という存在が。
芽吹には芽吹の彼が遂行すべき仕事が。
ヤクザと交渉人という相容れない互いの仕事に、恋人という関係をはさみこまないシビアな関係は、自分には好ましいものです。
今回も、勿論そうでした。
ラストのラストでさえも、兵頭が動いたのは周防組長の命が、彼が動いたからこそです。
しかし、その最大の危機にはやっぱり守りたい存在、相手を想う気持ちが優先して動いたことに安堵と共に感動がありました。
鵜沢を確保に向かう場面から、芽吹がボロボロになって自分の仕事をやり遂げるシーンまでの一連は息をもつけないハラハラのシーンの連続で力がこもってしまったものです。
兵頭の大きな愛と、それに応えようと精一杯の力を振り絞る芽吹の姿だったと思います。

芽吹は言葉で相手をやりこめてしまうけど、それは決して相手を理不尽に陥れるものではなくて、狐につままれたようなとも言うが、相手に不快を残さずに治めるから、だから彼は許されて愛されるのかな?
そして、一人でがんばっているけれど、それが皆わかるから放っておけなくて皆が集まる。
そんな頑張りの荷をおろして、ただのワガママなガキに戻れるのが兵頭の存在で、
兵頭には、そんな頑張っている芽吹を甘えさせてやりたいという彼にとっての恋人という存在も含めた、本当の意味での唯一の家族と言う存在になっているのかな?と思っても見たり・・・
七五三野もお母さん兼お父さんの役割をしてくれているし、サユリさんもお母さんだし、キヨは頼りになる友達?トモはやんちゃな弟?芽吹はそんな家族に囲まれているんだなとシリーズ通して思えました。

今回、芽吹に一目惚れしたヤクザの姪っ子、桃子さんがまさか!?の存在感でとても楽しませてくれました。
舎弟~ズの愉快な場面もww
そんな点で、とてもシリアスもあったけど前作よりは軽いいつものノリでたのしませてくれる部分がとても救いでした。

ラスト近く、周防組長に芽吹が自分の事を語ります。
心の闇について。
自分がこのシリーズの中でとても心にひっかかっている部分をチラ見せしてくれたような気がします。
あんな、死人のような学生時代、友人を亡くし、色々打ちのめされた出来事が多いはずの彼が、いくらふっ切ったからとはいえ、こんな明るいポジティブな面で生きられるはずがないと、常々思っていたからです。
ここで、一段落した後、第二シーズンとして、また新たな彼等の姿を見せてもらえるのを首をなが~くして待っていることにしましょう!!

できうれば・・・兵頭と芽吹の温泉旅行SSが早いうちに見たいですっv

10

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