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暗い、重い、しんどい、と心理面にクリティカルヒット系でした。
【振り向かない相手を無条件に想い続ける】という、攻の吉川の健気でせつなすぎる行動が見ててつらいです。
そして教師である受の泉野がもの凄く嫌な奴なんですよね……。
自分はノンケなのに吉川の一途な想いに甘えきって、それを自分の寂しさを埋めるために利用し続けるんです。
ただ本当は吉川の事が好きなのに、保身や体裁を考えて他の人と付き合ったり結婚したりするっていうのが、何だか分かりすぎるだけに泉野を嫌いきれないというか……最後の選択がもの凄く好きだったりします。
弱りに弱り切った泉野が、ようやく見栄体裁全てを投げ捨てて、本当に身一つで新幹線に乗って吉川に会いに行く。
それも姿を見ることが出来ただけでもう十分だと引き返し、足を引きずりながら雪の中で家路につくこのシーンで、なぜかぼろりと。
読後感はすっきりはしないけれど、一筋の光が差し込んだ感じのラストで救いがあります。
木原さん大好きです。
このお話も、ダメダメで自分本位の受けを献身的かつ健気に思い続ける、執着攻。
こんなどうしようもない受けなんかやめて、新しい人を好きになっちゃえばいいのにと思ったラストでした(笑)
BLにはお決まりの流れというのがあるのは分かっていますが、この受けなら、幸せにハッピーエンドじゃなくても別れて孤独でどこにも帰る場所はない一人になってラストを迎えてもいいのではないかと思ってしまった唯一の作品です。
木原さんの作品はそんな登場人物が出てくる作品多いのですが、このお話の中では受けの自分本位さがとても際立ってしまって、受けの攻に対する「好き」という気持ちは、攻に執着されてるから、自分の置かれている状況上仕方なく好きだと思いこんでしまおうという感じに見えてしまって・・・。
たとえそんな状況でも攻が幸せならいいんですが・・・。
いや、こう思ってしまっている時点で木原さんの世界に引きこまれているのでしょう!!
うるっと来てしまったのが攻の「次に真剣になる人までのつなぎでいいから」みたいな流れの時のセリフでしょうか。
こういう状況大好きです!
私の萌え所は表紙にもある、手首の傷!傷跡や生傷好きなのでそこです。
深井さん挿絵で新装版?!があるのですね。そちらも出来ればゲットしたいです。
ユギさんのお名前がまだ漢字の靫ですよ。1999年て。
当時はどうだったんだよオヤジ受と思わずにはいられない。それも何の魅力もない、しょうもないもいいとこの枯れ枯れ教師、泉野。
攻の吉川が魅力的な男の子だけに、虚しさはひとしおです。
今でこそ、報われない攻パターンは木原さんのお家芸かなと思うのですが、当時はBLでこういうのって、センセーショナルだったんじゃないかなあ。
なんでこんなオヤジ、どこがいいんだよ?絶対なんか勘違いしてるよ吉川!って当の泉野自身も、吉川に言い聞かせたりしてるんだけど、恋は盲目というかなんというか。
もう私なんて「出たっ、木原さんちのダメ男!」って声に出して言っちゃいました。
いつまでたっても気持ちは一方通行なのに、健気だししつこくて諦め悪いしで、ほんとにかわいそうな吉川なのですが、これが報われるところまで行き着くセオリーが、お上手なんですよね~。
一気読みですもの。先が気になって途中でやめることができない。
オーソドックスな設定でも、やっぱり木原色が濃くて、忘れられないキャラとなってしまうのがスゴイとこ。
読み終えてもしばらくは、吉川と泉野が私の中に棲んでしまうのです。
99年の作品でイラストのユギ氏もまだ靫という漢字のPNだった頃の作品(ユギ絵狙いで入手)
この恋愛の不毛さ!あとがきで木原さんが、割とスタンダードで王道でしょ?っていわれてるけど・・・いや、王道じゃないから(爆!)
王道なのは生徒×先生っていうカップリングだけだからねwww
というのも、生徒の一途で健気で優しい根気強さがあればこそ。
先生に至っては、過去を引きずり女にこだわり、自分しか見てない、非常に困ったさんな大人なわけですよ。
最後だって、これは恋愛感情?ひょっとしてそうかもしれないけれど、ものすごーく依存した感情で、いわゆる普通に考えるところのまっとうな愛し合う恋人とはちょっと違うような。
でも、その過程を読むに至り、うんそうそう、この進行は木原作品なればこそなんだよね、うんうん、、とwww
萌え?と聞かれるとやっぱりそういう簡単な萌えじゃなくて、普通のノーマルな男が、相手が男に至る経緯とか、その痛すぎるほどの独りよがりの人間臭さが気に入った、というべきでしょうか?
高校生・隆一の父親の働く工事現場で自殺未遂をしようとした男がおり、父親はそれが放っておけず、自分がそれのせいで怪我をして入院している間、その男を家に通わせて家事をさせることにします。
その男とは隆一の学校の英語教師の泉野。
彼は隆一の付き合っている彼女に告白し、それを彼女の頼みで隆一が断りにいったという気まずい間柄。
実はそれが発端で噂が誇大され泉野は激しく傷ついてそれで自殺をしようとしたのでした。しかも手首には自傷の傷跡も。
最初は仕方なく家に入れた隆一ですが、彼の不器用さ、繊細でエキセントリックな面を見、彼がまた自殺するのでは?と心配になりつい彼を家に来るようにしむけていきます。
母と弟を事故で亡くし父子家庭できた隆一にとって、不器用でまずい食事ながら自分の後ろで家事をする誰か、一人でない誰かと食卓を囲むあたたかみ、そんな憧憬もありだんだんと泉野といるのが楽しくなるのです。
このⅠの部分では隆一の執着が強くなっていくさまが描かれますが、放っておけないという彼の庇護欲を刺激されたんだろうか?
隆一には彼女がいますが、その彼女に対してうんざりしている面も見せながら、そこに執着は全くない様子を見せます。
父親が発端ですが似た者親子なのかw
しかし、Ⅱにおいて泉野と再会した隆一は泉野との距離の取り方をきちんとわきまえて、彼の気持ちの良いようにしている、本当にできた年下ワンコなんですよ♪
こんないいやつどうしてあんなくらい泉野がいいんだろう?って本当に思っちゃいますよ。
とにかく泉野という先生です!!
この人、高校の時に現国の先生と付き合って結婚まで考えたのに振られた。という過去を持っていて、どうもそれを引きずっているのです。
女子高生に告白したのもその先生に似ていたから。
自殺未遂するほどの彼は、隆一の家で本当は彼女が噂を流した本人だと聞いてまたエキセントリックになって超ショック状態に陥ります。
その後もⅡにおいて、それに近い行動を起こしたりするのですが、彼の周りには人がいないような気がします。
人のつながりが希薄。他人に関心がなく、自分基準。
隆一に先生と生徒の恋愛はない、とか言っておきながら、自分はどうだった?
その後も実は結婚詐欺みたいのにひっかかりそうになるのに、女性を信じて大丈夫?と忠告する隆一を責めている。
そのくせ激しく自分で傷ついて、隆一にそばにいてほしいとか思ったり。
とにかく自己中心的でわがままでエゴイストなんです。
だけど自分でそれがわかってなくて、いつも自分は悪くないと思って他を攻める。
で、自分がどうしようもなくなると死のうとする。
はっきり言って、最後彼は生まれ変わったのかもしれない。
隆一が自分に必要だったことを思い出す。思っていたんだけど、ありえないと思っていた。
でもことごとく失敗し、何もかも無くしたから彼に残されたのは隆一しかなかったんだよね。
40近い大の大人が、やっと、、、本当にダメダメな大人です。
ここまで泉野を落とすとは。。。さすが木原音瀬だった。と思ったのです。
三十路のくたびれた高校教師と素直でイケてる高校生。
常識的に考えて、どう転がってもこの高校教師には惚れられない。
なにがよろしくて青春真っ只中、まぶしいほどの男子高校生がダメダメな男に惚れるのか…。
それは同情なのか?事故なのか?
悪趣味にもほどがある!という年下クン。
これは一種の「共依存」なのだろうか。
何もできない、不器用きわまりない年上がいるがゆえに、寄り添う自分の存在理由を見出しているのか?
無意識のうちの共依存が見え隠れしてうすら寒い。
木原先生作品は時として絶望的な未来を予言しているかのような終わり方をするわけですが、
これもその典型ではなかろうか。
切ないというにはあまりに暗い読後感を残す作品だった。