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表題作マナビノクニ

その他の収録作品

  • たのしいふゆやすみ
  • あとがき

あらすじ

ちょっと不思議な小宮山先生の塾に通う中学生――マキ、ミオ、やまもっち、ガワくん、シゲル。それぞれにハートの勉強に忙しくて…?
(出版社より)

作品情報

作品名
マナビノクニ
著者
四宮しの 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
発売日
ISBN
9784344823822
3.6

(20)

(4)

萌々

(7)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
70
評価数
20
平均
3.6 / 5
神率
20%

レビュー投稿数5

見分けるのはちょっと大変だけれど

 BL要素はあまり濃くないのでこのカップルにすごく引き込まれて萌えた!というのはなかったのですが、群像劇として、新しい出会いを経て人間として成長していく、自分の見ている世界を拡大していく物語としては、非常に良質な作品でした。こういう要素をBL作品に込められる四宮先生の発想とそれを描ききる才能は、BL界でも貴重なのではないかと改めて感じます。

 一見優しくて、ほのぼのしているだけのように見えるけれど、自身に何らかのコンプレックスを持っている人間に寄り添ってありのまま書き起こした心情描写が光っていて。きっと、登場人物の誰か1人は、自分と近しいなと感じられる人がいるんじゃないでしょうか。BLというジャンルにこだわらず薦めたいし、迷える10代の少年少女達には特に読んでみて欲しい作品だなぁと思いました。

0

ほんわかほっこり、みんなしあわせ

出てくるひとがみんな優しい。
悪いひとがいないって素晴らしい。

話の発端はシゲルがいろんなひとから、「自分じゃない自分」の目撃情報を耳にするようになったこと。
自分の知らない自分がいて、「自分の知らないところで世界が回ってるみたい」と思っていたところに、突然声をかけてきたトイプードルを抱いた見知らぬ人。
「塾に送ってやるよ」と言われて、シゲルが連れて来られた先は…。

小宮山学習塾は、小宮山が自宅でやっている個人塾。
人違いで連れて来られたシゲルは、そこで自分のそっくりさんのマキと出会います。
塾にはマキの他に、「派手な子」のミオ、小さいものを可愛がるのが好きなガワ、おっとりしている山本に、シゲルを連れて来た大学生の二見がいます。
シゲル以外は全員幼馴染というのも何か良い。

最初はシゲルとミオの話。
マキにべったりだったミオが少しずつシゲルと仲良くなっていくものの、ミオの会話メールもマキのことだらけ。
お互いが相手に良かれと思ってしていたことがすれ違って、ぎくしゃくしちゃう。
可愛い2人です。

お次は二見と小宮山先生の出会い。
自分のことで精一杯な両親と、母親が買ってきたくせに面倒を見ない犬のせいでやさぐれていた高校生の二見が、小宮山と出会ったことで変わっていく話。
死ねばいいとまで思っていた犬の散歩を始めて、次第にその散歩で小宮山の家へ行くのが楽しみになる。
この気持ちは何だろう?という、初々しくて辿々しい初恋かな?
年齢が明かされていないけれど、わりと年の差CPです。
生徒たちに冷やかされて小宮山が語った「好きな人」の話を、生徒たちから聞いた後の二見の行動を、のちに小宮山がやり返すのが素敵。

お次はおっとりした山本と、美化委員の糸田。
いつまでも何もかも知っているわけじゃないんだなあと、幼馴染たちの成長を受け入れつつ、自分もまた少しずつ変わっていくという少年期から青年への階段を登りかけている瞬間の心理描写が素晴らしい。
そしておっとりしてそうな山本が案外策士なのもいい。

4番目は「優しい王子様」に見られがちなガワと、あまり親しくない同級生の田端。
受験のときの思い出をずっと胸にしまっていた田端にとっては、王子様でも口の悪いガワでも、どっちでも良いんだねという話。

最後はマキの話。
みんな、自分の世界が出来始めて、ひとりだけ取り残された気分になるマキ。
みんなで行っていた夏祭りも今年は1人と思っていたら、年の離れた従兄弟のお世話を押し付けられて…。
山本の考えていたことともちょっと似てるけど、みんなそれぞれの世界が出来て、そうなることで自分の世界も広がっていくっていうマキの考え方が素晴らしい。

最後は数年後の面々が、クリスマスに小宮山塾に集まって来ます。
みんな、それぞれに大切な人を連れて…。

みんながしっかりと考えていて、それが的確に言語化されたモノローグが瑞々しいんです。
素敵な話でした。

0

優しく瑞々しい恋

ほのぼのとしたオムニバスで、それぞれがいろんなことを経験しながら恋をしていく、優しい物語でした。
登場人物が少し似ているので、最初はページを戻ることもあったのですが、特徴を覚えたら後は楽でした。似ているけれど性格は全く違うので。

ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー

どのペアもとても優しくて、若くて瑞々しい。心理描写が丁寧で、深く心に染み込んできます。

【シゲル×ミオ】
ミオの親友のマキオに似ているということからシゲルとミオは出会います。
この2人、一緒に成長していくようなカップルでした。恋を探り探りにぶつかりながらもしていく感じです。

【二見×小宮山】
年上受けに振り回されている二見のような構図がよく見受けられます。
少し浮世離れしている小宮山にせっせと世話を焼く二見、この2人の出会いが素敵で好きです。

【山本×糸田】
周りが恋していく変化がうらやましい山本。平凡?な糸田を見つけ、それからは彼にくっつくようになります。糸田は迷惑そうにしているのですが、邪険にはしない辺り...な感じです。

【有栖川×田端】
長髪な有栖川なんですが、見た目は王子様で中身は残念。
そんな彼に憧れ?を持っていた田端と交流することにより、どんどんと惹かれていっているよう。田端は小動物みたいで構いたくなります。

【冬馬×マキオ】
マキオはいつ恋をするの?!と思っていたら最後の最後でした。
恋というより家族愛のような感じですが、きっと将来は冬馬の頑張りにより恋になるのでは...と思わずにはいられません。

描き下ろしの「たのしいふゆやすみ」で彼らの数年後の話を読むことができます。
みんなそれぞれに成長していて、そして変わらずに傍にいます。この雰囲気がたまらなく好きでした。
ふわっと優しい恋のお話ぜひ読んでみてください。

1

ほのぼのボーイズライフ

中学生の幼なじみ4人組が恋してそれぞれの世界を広げていきます。

続編があれば、萌×2になりそう( ^ω^ )

シゲル&ミオ
料理上手な鍵っ子中学生シゲルは、人違いで連れて来られた塾で自分とソックリな少年マキや個性豊かな塾生達と出会う。マキにべったりな美少年ミオが気になるけれど、ミオはとっつきにくく、仲良くなれない。

温厚なシゲルと人見知りなミオの甘酸っぱい初恋物語。巻末の描き下ろしではシゲル×ミオっぽい。

二見&小宮山
家庭崩壊ぎみの家に帰りたくない二見は、元教師の小宮山の家に入り浸るようになる。

ミオ達が通う塾の先生と年下の恋人の馴れ初め話。二見の外見が小宮山に似てくるところがリアル。付き合ってるうちに服の趣味とか髪型とか似てくるんですよねーそのうち仕草も。

山本&糸田
一見優しそうだけど、ひねくれているやまもっちこと山本少年は、恋愛に興味がない。弟みたいに可愛がっていた幼なじみのミオが恋しているのも面白くないから、モテない糸田をからかって憂さ晴らし中。

好青年風ヤンデレとモテない目つき悪男くんの俺得コンビ。巻末描き下ろしではじわじわと迫り来る山本から逃れられない不憫な糸田(ノンケ)に萌えました!

有栖川&田端
自分より小さなものを愛でる長髪メガネ少年のガワくんこと有栖川は幼なじみのミオにイライラ。おデブでとろかったミオに王子様扱いされたことがいつまでも忘れられないけど、最近クラスメイトの田端が気になる。

やっぱり、ミオは幼なじみ4人組のマドンナ的存在だったんですね。皆に愛されていたミオがシゲルに恋したことでやまもっち、ザワくん、マキは外に目を向けるようになる。成長しても一途な田端にキュンとしました。

マキ&冬馬
恋してるんるん状態の幼なじみ達に疎外感を感じるマキは、小学生の従弟、冬馬とお祭りに行くことになる。

奔放な母親に振り回されて育った冬馬がすごく健気で泣けました。マキの包容力に萌え〜四宮先生いわくマキ×冬馬でも冬馬×マキでもどっちでもいいそうです。私はマキ×冬馬派!

0

雰囲気はかわいい

ちょっと不思議大人な小宮山先生の自宅塾を舞台にしたオムニバス。
全体に、ラブはあるけどエチ無し、匂い系じゃないけどBL未満なのは、登場する子達がまだまだ子供で、これから恋って何かを知っていくお話なので、全然問題ないんだけど、、、

ちょっと登場人物多すぎじゃないかと、、、

こういう地味っぽい絵も、かわいい雰囲気は嫌いじゃないけど、
ゴメン、見分け付かない。
おまけに、小学生から中学生、高校生って成長甚だしい時期の男の子を、ちゃんとそのお年頃で描いているので、体型変わる、顔立ち変わる、髪型変わるetc.etc.
髪色とほくろ?を頼りになんとかキャラを把握しようとしても、
高校生で既にある程度成長が止まっているはずのキャラの二見が、大学生になったら黒髪眼鏡キャラへと変貌を遂げて、名前でよばれてなきゃ同一キャラだって思えない、、、

お話のひとつひとつは、瑞々しくて、ほのぼので、なかなかいいし、
少年の成長を丁寧に誠実に描いているのはすごく伝わって来て、好感はもてるけど、
とりあえず、キャラが多すぎて微妙に読むのに手間取ったので、萌は1つで。

3

雀影

セルフつっこみ
そしてこの本も寝オチしまくり。
なんで?
私を眠らす波長かなんかが出まくっているの?

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