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無二の王 ~坂の上の魔法使い(2)~

muni no ou

山坡上的魔法使

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表題作無二の王 ~坂の上の魔法使い(2)~

セロハンの王 アレット
魔法使い リー

その他の収録作品

  • リー様 怒る
  • 王家の血
  • 彼の地
  • 腕輪
  • 3つの願い
  • 新王の政
  • 無二の王
  • 接吻
  • リーの愛
  • あとがき

あらすじ

魔法使いが多く住む町・ゲルの外れの荒れ山に、魔法使いのリーと弟子のラベルは住んでいる。ある日、リーに恨みを持つ魔法使いがリーを襲う。リーの力によって事なきを得るが、冷静さを忘れ取り乱したラベルをリーはきつく叱ってしまう。自分を恥じるリーだが、ある助言によりラベルの成長を改めて感じる。そしえラベルの姿にリーはラベルの父であり、かつて存在した大国・セロハンの王に想いを馳せ――。
(出版社より)

作品情報

作品名
無二の王 ~坂の上の魔法使い(2)~
著者
明治カナ子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
ミリオンコミックス HertZ Series
シリーズ
坂の上の魔法使い
発売日
ISBN
9784813053392
4.6

(123)

(102)

萌々

(13)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
15
得点
573
評価数
123
平均
4.6 / 5
神率
82.9%

レビュー投稿数15

なんと味わい深いファンタジーなんだろう!!

BLとかそんな枠、もうどうでもいい!!!!!
そんな気分になってくる素敵に個人的ミラクル超絶技巧ヒットの作品。

『ちょっとグロくて暗くてでもほんわかした魔法使いの話で、できれば師匠と弟子が出てくるBL作品』←個人的にこんな作品あったらいいな~と思っていたんですが、なかなか無いんですよね。
ファンタジーは割とありますけど、この個人的ピンポイントで読んでみたい作品、しかもオリジナルBLで、となると意外とない!しかもジブリ風味で、となると更にない。
と思っていたら明治カナ子先生がやってくれました!生まれて来て下さってありがとうございます!

今回もタイトルからしてやばい。
タイトルと内容すべてが個人的な琴線にガツンと触れた。

前作でちらほら出てきていた王。今回はその王の話がメインです。
なんだ?リー様とどういう関係なの!?と気になっていただけに、謎が解けて良かったです。

なんと、なんと切ない二人でしょうか。王とリーの関係。
こんなに悲しい縛りがありましょうか。
王の想いを返すことが出来ないリーは、本当に苦しかったと思います。
それも、あんな形で想いを遂げさせた、かのように見せかけるなんて。
リーにはそれしか出来なかったけれど・・・。
王も、誤解したままで・・・。王の流した涙も、リーの流した涙も、あまりにも苦しく切なかったです。

そして最後に長年探していたリーの使役が見つかったと魚が報告してきます。
しかも何やらラベルが危ない!という展開。
おっと、これは次回も気になります!!

ところで、前巻で明治先生が絵柄が少し変わったという話をされていたのですが、
確かに線が多くなりましたね。
自分は漫画太郎さん風になってきたな、と思ったんですが失礼ですかね。
漫画太郎さんと言えば線が多くてキモイ暗いグロイ作風。ちょっと女子には厳しいタッチの絵ですけど、私は結構普通に読んでしまっていた人です。

7

物語の核心へと迫る第二巻

どうしましょう。もうタイトルが直球過ぎてデッドボール受けました…!
無二ですよ、無二!「世界中どこを探してもどこにもあなたの代わりなんていないんです私の王様」というリー様の気持ちがだだ漏れなタイトルです。
センスの良さにこれだけで吐血してしまいました。

もちろん表紙だけ見ても意味は分からないと思います。多分表紙はネタバレにはなっていない…はず。内容を読んであらためてタイトル・表紙を見返すと吐血します。もし内容を読まずにそこまで感じ取ることができた人がいたら、その人は明治先生マニアかエスパーです。

内容は前巻から時々出てきていた王の話になります。
リー様と王の関係がただならぬものだとは感じていましたが、この巻を読んで色々謎だった部分が解けました。
そしてラベルの出生の秘密についても明かされました。
ここの部分については非常に驚いたとともに心臓がギュっと掴まれるような切なさを感じました。
王家に縛られたリーにはどうすることも出来なかったのでしょうね。
ラベルの出生に関わるこの部分は王とリーの関係が描かれているので、お話の中では一番BLらしい部分なのですが、リーのほうに王家の縛りがあるために実際はBL的なお約束展開にはならず。あの後の読者を突き落とすようなショックな展開がもう…神です。

何だか前にも同じことを言っていしまっているのですが、とにかく最終巻まで一度通して全部読んでから改めて読み返すとまた色々な面が見えて来て面白いです。今回も読み返して改めて良いお話だと思いました。

7

ただ一人の王、ただ一人の魔法使い

町外れの荒れ地の坂の上に住んでいる魔法使いリー。
かつての主である、今はなきセロハン王から託された子ラベルと共に静かに暮らす日々。
物語は過去に遡る……

読み終えて、やるせなくて切なくて、あまりに心を揺さぶられてしまい、
涙がせき止められたように苦しくて、暫く3巻に進む事が出来なかった。

リーと王の出会いから別れまで、リーの本当の姿や彼が縛られていた苦しさ、
彼の使役や、王の「失望」の意味…が明かされていく。
お互いに無二の存在でありながらも、隔たりを越えられない二人。
せめて一夜だけとの切ない願い、でもそんな甘い展開を許さない厳しさ。
そんな二人の心の触れ合いに心が震える。

主従愛、禁断の愛、魔法や竜、
好きなモチーフや世界観……、なんていう感想をぶっちぎるパワーで鷲掴みされて、
物語はクライマックスヘ向けて加速していく……

*大洋図書の「無二の王」特設ページ
 http://www.bs-garden.com/feature/sakanoueno2/

7

無二の魔法使い

1巻でも少し触れられた、尊きお方(龍)の来訪をきっかけに、誰もが気になったであろう【リーと王子】の話がはじまります。
王子とは具体的に何者なのか、リーは王子にとってどのような存在であったのか、彼らの関係はどこまで進んでいたのか、そもそもリーと王子の間になにかあったとしてではラベルは一体どのようにして生まれたのか…練り込まれたお話が少しずつ開かれてゆきます。

のちの王となる、当時はまだ王子であったアレットの性格はどうしてあすこまで曲がらずにいられたのでしょう。
セロハンという国において、魔法使いが王家の下僕であることが幼いころから意識づけられているであろうに、なんら差別することがありませんでした。少しやんちゃな一面とそして好奇心が旺盛であったことが起因するのかもしれません。
そしてアレットの聡い一面こそ、リーを唸らせるところでもありましたし恋愛でなくとも人として仕えるものとして惹かれていく大きな理由だと思いました。自分の立場がなんであり、自分がゆくゆくは王として玉座に掛ける者であるからこそ、国のことを幼いころから考えていることもまた、リーが王子を大切にする一因であったのでしょう。

側を離れるなと命じて、はめられた腕輪。
いつでもすぐ側にあると感じられるそれ。忙しく常々共に在れないからこその腕輪。
パイを与えてくれる売り子とのやりとりを、いっそ嫉妬してくれればどれだけ良いか、と王子は思っていた…のかな。
このときのマキとリーの会話で分かったのですが、マキはリーを尊敬していた(敬うことが憧れと重なり、そしてその強さを知るからこそのちのちは畏れもあった)、でもリーは王子のことを気に掛けすぎているようにみえた(事実そうであった)、そして王子もまたリーだけに固執した……からマキは革命時に王子側ではないほうに進んで付いたのだろうなと。このマキの目、少し怖いです。
あと魔法使いは皆、みつあみであることがセロハンでの習わしだったのでしょうか。

あのときカヌロスがリーに王家の目を用いて命じてさえいれば、なにかが変わったのでしょうか。
リーとカヌロスの関係も、もっと密になっていたのでしょうか。
それならばラベルは生まれていませんし、カヌロスとゾラは巧くいきません。なにより、カヌロスがほんとうに目を使ってしまえば、それは彼の信念が曲がってしまう。どんなに焦っていても、あの時どれほど悩んだとしても、やっぱり彼は目を…そんな【してはいけないと分かっている】ことに使うわけが…ないんですよね。
そんな王だからこそ、リーにとっては無二の王。変えられない王、なににも代わらない王。

王が度々、未来のリーとラベルの暮らしの夢を語る度涙がこぼれます。あなたがそうなりたいと望んでいることを知ると辛くなり、叶えられないことが切なくてたまりません。
そして王がなによりも望んだ、リーとたった一度の夜を、遂げられなかったあのシーンでは、思わず声をしゃくりあげて泣いてしまいました。
だって誰が悪いわけでもないんです。リーは恋をしてはならないと命じられてそれに背くことはどうあがいてもできないし変えられない。カヌロスだってほんとうはいけないと分かっているからこそリーがそうした理由も理解してしまう。
本当はそんなつもりなんてなくても、本当はリーも想いに応えたくても、カヌロスだって問い詰めたくても、できないんです。
許されないから。はなっからふたりは許されない関係だから。
ふたりで逃げられもしない。なにもかもを捨てることさえできない。
王で、魔法使い。恋人になんてなれるわけがない。
箱に入って、無邪気だったあの頃。妃を娶ることを遠い先としていただろうあの頃。
リーと王子ふたりだけだった頃。たったひとりの魔法使いであった頃。
切ないです、カヌロスが満足そうに黒髪を見つめていたからこそ…。

だからこそ最後の少しおまぬけなラベルにはやはり救われます。
カヌロス王、あなたの子はこの作品一番の癒しですよ。

5

色々な謎が解けて、次への期待がふくらみます

1巻は魔法使いリーとラベルのほのぼのした日常風景と、
ちら見せしてくれたリーが仕えていた王との話。
とってもおとぎ話を全面出しした、絵本のようなタッチでつづれた絵とストーリーが、今回はBLらしさがいよいよ前面に出てきて、
そしてその話の奥深さにとてもとても感激しました!!

第二巻は、その王が王子だった頃の出会いの過去話が入ってきたことで、なにやら色々な憶測ができるようになりました。
リーがラベルはリーのうんちから生まれたんだ、なんてからかってましたが本当は王の子だったという事が1巻で触れられていましたが、
冒頭”尊きお方”というのがリーの元を訪れた時に発言した、ラベルがここにいる理由。
それがラストの展開と結びつくのです!!

王子アレットが母である女王の魔法使いリーに執着して自分の魔法使いにするが、それは段々と執着めいて、好きだが愛してるになってしまったんだと思うのです。
リーも賢い王子が、王になりと、その成長を見届ける過程で惹かれているはずなのに、恋をしてはいけないという言葉に縛られて、王の想いを聴き遂げることはできない。
とてもとても切なくて苦しい恋。
そして主従愛!

リーの昔の姿だとう使役は、リーの分身でもあるということですが、これもまた特別な存在のような気がします。
リーと王と使役とラベル。
一体どんな風に展開していくんだろう?
ああkな?こうかな?色々な推理を考えては次の巻がすでに待ち遠しい状態です。
できうれば、2年先などと言わずに、1年後にお目にかかりたいものです。
どうか明治さん、お願いーーー!!ww

余談的に、今回絵を見て色々思ったのですが、無国籍風のセロハン王国。
人々の絵は色々な絵画からヒントを得ているのかな?
王子の婚約者ベラの姿・・・ベラスケスの王女の絵にそっくりでしたw

4

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