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ゆっくりと落ちてゆく心を計る砂漏の恋。 その後の二人を描いた「hello,again.」も収録。
よく分からなかった、何が刺さったのか。読後に泣いてしまって、でもその理由が頭では理解できなくて、なんでだろうと不思議。ラストシーンの栫の目覚めは、生誕のようだと思った。何度も読み返したくなる一冊。
現代ものながら設定は盛り盛りだけど、終始静かな雰囲気。嵐の心理描写を中心に、栫という強烈な存在が浮き彫りになっていく。嵐自身は芯がグラ付きすぎで心配になる。とはいえ、こう在らねば栫のそばにはいれないわけで。
栫は生い立ちの複雑さが描かれていたが、あの性質は後天的なものなんだろうか。確かに何かが欠けている印象で、実際に双子の片割れを失っている。でも元より栫の中にあるもので、禄朗がいたとしても、変わるのは表出のされ方だけなんじゃないかと思った。
最後の嵐の決断は、栫を引き受けたとか無償の愛とか、そういった捉え方をされないよう、嵐自身の言葉できっぱり否定していたのが良かった。思われなくても思い続ける、そこに他の誰の意思も、栫でさえも介在させない強さが見えて泣けた。
興味を惹かれたのは、嵐も手伝っていた砂時計屋の仕事。ガラス管から手作りしてる工房なんて、ちょっと憧れる。創作物の設定としても初めて読んだかも。
あと結城が別作品のキャラとは知らずに読んだが、栫が気に入る性格なのは伝わってきた。スピン元?の作品も読んでみたい。
BLとして見ると、恋心は嵐からの一方通行で、栫から何かが返ってきたと感じたのは最後の一言が初めて。嵐は栫が目覚める理由になれたのか、と感慨深い。この一言で、私の中で神作品になった。
伝わらないかもだけど「Hello, world!」と聞こえそうな感動があった。
一穂ミチ先生の未読をさらっているところです。
『雪よ林檎の香のごとく』のスピンオフだからこそ読み始めたわけです。
うんうん。
確かに、世界線は交錯するんだけど、私の知ってる嵐くんとは違うんだ。
知っている嵐くんは、スピン元の作品の志緒くんの妹、美夏ちゃんの素敵な文通相手で、憧れの優しいお兄さん。
そして、栫。
あ、栫はなんかそのままだったけども。
スピン元からの、ざわめく恋愛を思いながら読み進めると、違う。
なかなか鬱になるのよね~
繊細な、狂気。目眩がするような人の複雑な執着と無機質さ。
怖いけど、知らなきゃいけない、みたいな義務感に駆られて読み終わりました。
栫が、栫として人間性を形成するには十分説得力が有ったし、出会ったことで有る意味、救われた嵐くんがいるわけで。
色々、脳にずんと、気持ちに鬱と、清々する感覚を読後にもたらしてくれました。
だけど、栫には惹かれない。
嵐くん、すごいよ。
怖さが有りつつ、最後まで読ませるのは流石、一穂ミチ先生でした。
meet, again.はメタファーがとても活きた小説だとなんど読んでも思う。
繰り返されるシンメトリーの暗示(シャボン玉、蜜蜂と花の話、砂抜きされるあさり、栫の双子の弟)に対して、嵐と栫はそれぞれに歪で……まっすぐな嵐にもゆがんだ過去があり……決してシンメトリーにもアシンメトリーにもなれない。
人間のわかりあえなさ、というのがこの作品の大きな主題だというのが個人的な見解だ。唯一の理解者だった緑朗を失った栫はずっとひとりで生きてきて、だからこそ他者の心や感情をいともたやすく、無慈悲に踏みにじる。老若男女問わず身体の関係を持ったり、雪よ〜のりかに見せたようないちばん人を傷つけるやり方を選んだりする。
一方のが嵐は、自分の身にかつて起きたできごとから、『傷つける』行為にひじょうに敏感で繊細。
対極のふたりは歩み寄ることも、理解し合うことも、痛みを分かち合うこともしない、できない。それぞれに孤独なまま、会話し、身体を重ねる。
けれど、その距離があるゆえに葛藤する嵐は不憫だけれど一筋縄ではいかないくらい強い。栫と付き合える嵐が、いちばん得体がしれないと思うほどに。
どこまでも寂しく、透明なひとりとひとりの物語がときに心を捻じ伏せ、ときにデトックスになるとてもふしぎな小説だと感じた。
最近雪よ林檎の香のごとくに出てきた栫くんのスピンオフ。ストーリーは受け目線で進んでいきますが。
meet,again自体何年か前に読んでいて、最近読んだ雪よ林檎の香のごとくに栫くんが出てきたことで懐かしくなって読み直しました。雪よ林檎の~の志緒も思ったより登場してたんだなぁーとしみじみ。
いやー、栫くんのの壊れた感じ、いいですねーやっぱ。
一見誰にでも優しそうで、その実誰のことも受け入れてない上に、興味もない。ほんの暇潰しで人の心壊しに掛かるとか、無邪気な子供より質が悪いですね 笑
受けの嵐くんは強気で真っ直ぐ系。優しい‘良い子’感もなよなよした健気感も無くて好みでした。
病んでる攻め好きならお勧めです。
最初からやけに惹きこまれたことが印象深いです。
BLアルアルらしさがないというか…よく見るパターンではないというか…
特に攻めの栫。
砂のような男。
確かにそこにいて話し一緒の時間を共有していたはずなのに、離れるとそれは本当に形ある現実だったのか、夢じゃないかと思わせるような空気をもっている。
別にそれはオカルトじみた話では全くなく、あくまでそういった雰囲気を感じさせる独特な魅力…のようなものがよく出ていたと思います。
そして変わっていても、実はとてもいい奴…でも決してなかったところが、いい意味で裏切られ私は好感がもてました。
受けの嵐は砂時計職人の息子ということで、砂時計について知れたのも面白かったです。
素敵だな、部屋に一つ欲しいなと思っていても馴染み深い物ではないじゃないですか。
お話の空気感ともとてもマッチしていて良かったです。
世界最大の砂時計…とても興味深かったです。
読んですぐにググりましたよ、凄いなぁ。
琴ヶ浜と合わせて行ってみたいですね。
漠然とですが、この作品の空気感は忘れないだろうな、と思いました。
ふとした時に蘇ってきそうな…本棚に入れておきたいですね。
