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表題作erotica

それぞれのキャラで
それぞれのキャラで

同時収録作品痛い靴

久我・営業部GM
日高芳紀・営業部・28歳

同時収録作品ストロベリー

館野・機械製造業会社会社員・
篠田・グラフィックデザイナー・

同時収録作品10×3

財津誠・弁護士・40代/菊池・舎弟・19歳
辻良典・小さな組の頭・30代

同時収録作品カルメン

桐生舜二・会社員・25歳
千歳仁志・会社員・27歳

同時収録作品クリスタル

狩野篤樹・取締役・27歳
芳原真人・秘書・30歳

同時収録作品書生の戀

その他の収録作品

  • afterword

あらすじ

弱みを握られ、脅され、ふたりがかりで辱められ――
支配するものがその立場を奪われ、悦楽に跪くとき…。
『10×3』をはじめ、書き下ろし含む全6編、密室、玩具、極道など、榎田尤利がこだわりぬいた極上のエロティック短編集。

illustration 今 市子、えすとえむ、円陣闇丸、鬼嶋兵伍、腰乃、中村明日美子

(出版社より)

作品情報

作品名
erotica
著者
榎田尤利 
媒体
小説
出版社
リブレ
発売日
ISBN
9784799711705
4.3

(152)

(96)

萌々

(31)

(14)

中立

(8)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
31
得点
654
評価数
152
平均
4.3 / 5
神率
63.2%

レビュー投稿数31

大事な1冊

私にとって人生で初のBL小説です
BLに関してはコミックス(商業・同人)1本でウン十年で来たワタシ…
小説の良さを知る機会を得た事で急速に興味が湧き、その興味の泉が溢れ、欲望に変わった事を素直に受け止めとうとう遅咲きの小説デビュー!

たくさんのアドバイスやリアルな声を伺いながら自身の嗜好と照らし合わせ辿り着いたこの1冊!

実物を手にした時の感動、忘れません
ツルっとした表紙の感触、読了後に改めて触ると「痛い靴」で久慈が手にして日高に履かせたエナメルの靴を彷彿させるような錯覚に陥り艶めかしさを覚えてしまう程の高揚感

どのお話しも想像力を掻き立てられる魅惑の世界
文字だけだからこその自由で広い世界がありました
そして最も自分的に驚愕だったのは『挿絵の力』です

元来コミックス派だという事も多分にあるとは思いますが1枚の画がもたらす力には心底自分自身が驚きました
各話冒頭の1枚限りの画のインパクトが始まりで、榎田先生が紡がれる文字の世界へと完全に誘ってくれます
想像力自体も凡庸な私にとっては挿絵は最高で最強の水先案内人でした

また、挿絵を担当されている先生も好きな先生ばかりだったのも嬉しい限りでした

小説のレビューは全くの不慣れなので完全に私の小説デビュー体験記のような内容になってしまってお恥ずかしい限りですが、、、
BL初小説を榎田先生の「erotica」にして本当に良かったです

文字だけなのに生きたセリフが自分の脳内で再生され、挿絵から膨らんだ彼らが自由に榎田先生のシナリオで動き回る自分だけの時間
とっても刺激的で至高の没入時間でした

普段読む小説でこんなにも挿絵の存在を意識した事がなかったので本当に新感覚でしたし単純に新しい世界を知れた喜びに包まれました

もし私のようにBL小説体験が少ない方がいらっしゃたら小説ならではの素晴らしさが少しでも伝わっていたら嬉しいです

この「erotica」はタイトル通り「官能であり性愛」がメイン
刺激的なフェティッシュな内容だったり少し倒錯的な世界などが好みな方ならピッタリだと思います
そして大事なのは所謂「官能小説」ではナイと思うという点(※)
一般的な官能小説の世界未踏の身分で比較はご法度かも知れませんが、この作品はあくまでもBL小説であり魅惑の大人の愛の世界だったと思えました
短編だからこその余韻も楽しめて満足感が高い1冊でした
文体もクセもなく流れるように自然にお話しが進むので本当に読み易かったです
(※)乏しい私の官能小説へのイメージにある淫語を多用したような内容ではないです、という事をお伝えしたい!と、同時に一般の官能小説が淫語だらけである、と一括りにしてはならない事も心得ておりますので不快な想いをされた方が居たら深謝します…。

ダラダラと長くなってしまいましたが…
とても素敵な御本に巡り合えて嬉しかったです
少しずつではありますが気になる小説もチェックしていきたいな、と思っています

2

読んでよかったー

今年発売された文庫版threesomeを読む前に関連作から読みました。
6作の短編集。私が読んだ榎田尤利作品の中で1番エロかった〜。
6つの短編集で趣の違ったお話でどれもよき。

①【痛い靴】SM・フェチズム
脅迫ネタのあの写真は誰がどう撮ったんだろ。
靴擦れで痛そうに変な歩き方になってる姿ってそそられるってスゴイ癖だわ。靴擦れで水膨れがたくさん出来ちゃってるのを想像するだけで痛そうだった。痛みと快楽と羞恥とごちゃ混ぜ。

②【ストロベリー】リバ!
私リバ大好き。イラストが腰乃先生。コミカルな感じに合ってる。勘違いから暴走してしまう。両視点が交互に描かれているので、どっちの気持ちも分かりながら読める。よきリバでした。表紙のイラストもショートケーキが描かれているので、この作品がモチーフですよね?中村明日美子先生の絵も楽しめて2度美味しい。

③【10×3】3P
待ってました、こちらがthreesomeの関連作
どんな関係性での3人なの?って興味津々。
顧問弁護士+舎弟(巨根)×ヤクザ若頭ですって!?
美味しかったです。
快楽主義の受けなので、途中からどハマりしてしまって快感の虜になっちゃってるのが堪りませんでした。初めてなのでお尻を守る為に巨根は今回はお預け。threesomeではどうなるのか気になるー。

④【カルメン】女装攻め
小さくて可愛い系の人って筋トレで男らしさを求めがちなのあるある。それよりもその人らしさをチャームポイントにしたらいいのに。
攻めは自分らしさを最大限に活かして私生活を楽しんでおられる。ドラァグクイーンの人ってカッコいいよ。年下だけど人生の経験値がありそうです。
リーマン姿の時と女装の時で性格変わってる感じした。人は外観って大事なんだろなー。

⑤【クリスタル】スカ(安心してください、小の方w)
シチュエーション物の様なお話。エレベーターに閉じ込められた2人。トイレが我慢できない、さてどうなる?こちら漏れそう、気持ちいい、恥ずかしい、悲しい、腹立たしいのせめぎ合いの心理戦でとてもスリリングでエッチでした。

⑥【書生の戀】純愛
交換書簡物と思いきや、ラスト驚きでした。
とても切ないお話です。そして少しファンタジー感もありました。戦争は絶対に起こってほしくない。(世界の何処かで起こっているのが悲しい)

私は心理的なやりとりがスリリングなお話がそそられた②、③、⑤が特に好きでした。

ここまでエロティックな榎田尤利作品は初めてでしたが、私の好きなお話でした。
先生!ありがとうございます!!!!
threesomeからこちらに戻ってくる方いてたら
大正解ですよ。
読むべし。

1

性欲もまた情なのだ

◆痛い靴
 その後の2人がとても気になった作品。サイズの合わない女性用の靴に無理矢理足を入れさせられ、窮屈に縮こまって悲鳴を上げる日高の足。男性にハイヒールを履かせて美脚を愛でるというシチュエーションはさほど目新しいものではないかと思いますが、久我はその靴擦れによってできた皮むけ、傷に色気を感じるという。最初は偏執的に感じたけれど、読み進めるうちになんとなく理解できてしまったり。日高がどんなに痛がっていても脱がせず、その痛がる様、泣き言を漏らして自分に縋り付く様、心底嫌なら投げ出してもいいのに、相手に従順な自分に倒錯した悦びを感じている様を愛でる、徹底された久我のサディズムの描写が素晴らしかったです。

◆クリスタル
 黒髪眼鏡でスーツをきっちり着込んだお堅い年上秘書に失禁させる、背徳。相手が普段隙を見せない人であればあるほど、恥ずかしいことをさせた時に興奮するのは人間の性で、そんな作品は山ほどあるわけですが。ただのギャップ萌えでは終わらせない榎田先生の構成力がまた素晴らしい。芳原が溲瓶扱いしてしまった花瓶の送り主を知って、真摯な愛が汚された悲痛さに切なくなったり。気持ちが通じてからは一転して年上の色気で篤樹を翻弄する芳原に、くらくらさせられたり。最近初めて「攻めフェラが地雷な人がいる」というのを知りましたが、自分は地雷じゃなくて心底良かったと思いました。自ら攻めの口に性器を運んで、美味しいでしょ?と言わんばかりにしゃぶってもらい、口内で射精する受けのエロさを堪能させてもらいました。

◆書生の戀
 ここまですべて文句なくエロエロでしたが、最後に昭和の文通恋愛を持ってきてさっぱりした後味に仕上げているのも粋ですね。もちろん、まったく色がないわけではなく、作家先生を一途に慕う学生の劣情がところどころに感じられます。紙切れ一枚で生死を左右する場所に問答無用で飛ばされるしかなかった時代。それまでお互い相手の反応を気にしながらのやりとりだったのに、最後に学生が先生に宛てた手紙には遠慮も嘘もない、彼の魂の叫びが書き殴られていたことに胸を打たれました。月並みですが、定期的にこういう作品を読んで、生きることの尊さ、歓びを噛み締めたいと思っています。

0

どれも性癖に突き刺さる良作

どの短編も面白かった!

まず、1つ目の短編
『痛い靴』

攻め、初めからチラチラ垣間見える執着がなかなかクセになる……
はじめから受けを落としに来てるのが伺えます

引き抜き、孤立、ストレスからの罠に嵌めて落とすまで

もう、最初から逃げようがなかったんでしょうね受け不憫……!

でも、こちらなかなかどうして攻めと対等な変態に育ちそう……そう思わせるラストで面白かったです!


2つ目の短編
『ストロベリー』

こちらリバでした
苦手な方もいるかもです

が、何というか攻めが受けにイタされた後、絆されちゃう懐の深さは気持ちいいくらい男っぷり上がりました!

何で受けがそんな暴挙に出たか、理由はまあ勘違いなんですけどどう勘違いしたのか読んでてすぐわかります

なので安心して読めるかな、ラブで終わるんだろうなって


3つ目の短編
『10×3』

このタイトルだけ意味がわからなかった……まあいっか……

続編も出ているようで読むのがとても楽しみです
攻め1の敬語が地味にクるし攻め2のがっつきっぷりも悶える
何より受けが男らしくて快楽に正直なのが良いです

そうよね、エッチって楽しまないとさ
どんな性癖でも本人達が楽しんで気持ち良ければなんでもいいよwwwって感じです

こちら続編もぶれずにずっと3Pらしいので期待してます!途中でどちらかとだけ、とか最後はどちらかとか求めてないのでwww


4つ目の短編
『カルメン』

受けが攻めを受け入れる心理描写が少し駆け足な気もしますが何と言っても睡姦未遂シーンが個人的には美味しかった!
盛り切った攻めの暴走具合、受けが寝ているからこその箍の外れ方!エッチシーンより楽しかったです


5つ目の短編
『クリスタル』

これ、一番好きでした
エレベーターに閉じ込められる攻めと受け
ありがちな設定ではありますが排泄シーンが素晴らしい

この後、花瓶どーすんのってハラハラはしましたwww
だって横置いてやっちゃったら倒れそうじゃんてwww

ま、そこは小説なんで深くは考えなくてもいいんでしょうけど

受けに裏切られたと思って攻めがイジメまくるのですが、もうまさに嫉妬と焦燥とそれ以外に受けを泣かせて興奮してるとことかね、鬼畜っぽいけど溺愛ですよこれ

根底に受けが好き過ぎて暴走してるのが丸見えで萌えます

で、誤解が解け受けが泣きじゃくるとこで形成逆転ですよ

文字通り尻にひかれる攻め

この、結局最後は受けに翻弄される所が良かった!
それがまた幸せっつうかね……

是非是非続きが読みたいです!


最後の短編
『書生の戀』

こちらは現代に至るまで往復書簡と小説、電報、メモで綴られる戀の話

これ、ひ孫さんが見つけてくれて本当に良かった
メモで泣いてしまいました

なんて純粋な気持ちなんでしょう
言葉って本当に素敵

一度も会うことがなかった曽祖父とその読者との戀
実らなかったけど清廉で美しくて……ああ、語彙が足りなくてもどかしい

どの短編も素晴らしかったです

最近作家さん買いしてるので他の小説を読むのも楽しみ!

短編集ならではの良さが詰まった本でした

2

からみつく言葉

threesomeを読みたくて、順番通りにと思い、こちらを手に取りました。
全6編の短編集ですが、1編1編がすんごい。
榎田先生、もともと好きなんですが、こんなに言葉が絡みつく感じだったっけ・・・と驚きです。erotic全開です。
評価は、言葉のねっとり度合で萌2 にしました。
挿絵は各短編の表紙だけで、全部先生が違うという、なんという贅沢(笑)
お話も本当に様々。どれか一つはドはまりするものがあるのではと感じます。
私は10×3と最後の短編にノックアウトされました。

1.痛い靴:2007年同人誌掲載。30P超。
  いい歳したできるおっさんなはずなのに、変態。
  そのおっさんに、1センチ小さいサイズのハイヒールを履かされる
  理不尽(怒)。イタイ靴、大っ嫌いなんです。
  なんですが、この話の続きを読みたくて読みたくてしょうがない。
  なんとかして攻めザマアにならなかったものか・・ととても思います。
  短編ならではの余韻というか、読み足りないもどかしさというか。
  
2.ストロベリー:書下ろし。45Pほど。
  リバもの。リバ、得意じゃないですが、
  これはプリンスちゃん(受)があまりに切なくてok!でした。
  リバされた方の寛大さにもほれぼれーというか、
  こいつらバカップルになる気がする。

3.10×3:書下ろし。50Pほど。
  これが読みたかった。多分threesomeにつながると信じてます。
  当短編から3P絶好調。そして予想を超えた受けでした。
  ヤさんなんですが、すんごくふっ切れていて潔い!
  threesomeが楽しみになりました!

4.カルメン:小説b-BOY 2009年掲載分。40P弱。
  ドラァグクイーンもの。すごく苦手でした・・・ムキムキまっちょさんに
  網タイツはダメ。ビジュアル的に超苦手です、先生ごめんなさい。

5.クリスタル:エロとじ♥2007年掲載分。35Pほど。
  これは、粗相エピがあるのでダメです。
  しかも止まったエレベーター内というシチュもだめ。
  わーん中村先生のとっても麗しい中表紙なのにー。

6.書生の戀:書下ろし。40P超。
  これがすごかった。実際の絡みシーンはないのにお互いへの想いが
  じゅわわわ と染み寄ってくる感触。この液体ババロアみたいな
  濃厚な、でもそこはかとなく透けて見える哀しみはなに?
  なんなの、このお話は! と読み終わった後、しばし呆然。
  読み終わった後、大好きな人を本当にぎゅうしたくなるお話でした。

あーすごかった。

3

エロの何たるか

短編集。
しかし、収録の6編はどれもこれも読み応えが重量級で、物凄く充実した読後感です。

「痛い靴」画:えすとえむ
冒頭の一編にこんな作品が来るのか、と驚きを覚えました。
一言で言うと、支配と陥落の物語。
心には恐怖と恥辱を。躰には痛みと快楽を。
靴……耐え難い痛みと、素知らぬ顔でそれを我慢する、それは女たちの多くが知っている感覚…

「ストロベリー」画:腰乃
初Hから1年の記念日のお話。
受けのシノが、攻め館野が結婚すると知って『したいことするんだ。今夜だけは。』と、館野を攻める。そう、リバですね。
初めて挿れられて『身体と心がバラバラでつらい』と思った館野が、泣きながら挿れているシノを見て許す気になる過程、そこをもっと読みたかった。そこが固定のちリバになるCPのキモだと思うから。

「10x3」画:円陣闇丸
先に「threesome」読んでますが、辻の来歴やら財津の3Pに対しての考え方やら、そういうのは「スリーサム」同様特に触れられてないのが拍子抜けしたかも。
それでも勿論、スリリングな状況での辻の感じ方は非常に扇情的で、こちらも1話めの「痛い靴」同様恥辱と生理的快感がキーになってるけど、財津は別に服従を求めてるわけではないのですね。逆に世話を焼きたがるような。
辻の女王的魅力は勿論、このねじくれた財津も興味深いです。

「カルメン」画:鬼嶋兵伍
小柄で可愛い系なのがコンプレックスのリーマン・千歳。二つ年下の新人・桐生はアメフト選手のようなイケメン。悔しい、羨ましい…
飲んだ後酔いつぶれて桐生の部屋に担ぎ込まれた千歳は、桐生に体を触られて蹴り飛ばすが。
なぜ「カルメン」というタイトルなのかが明かされる場面は中々ドラマですが、この作品は内容に対して少し尺が短いと感じました。千歳が桐生を受け入れる過程が駆け足過ぎです。

「クリスタル」画:中村明日美子
エレベーターの故障で閉じ込められた主従関係の2人。
社長の息子で27才の取締役・狩野篤樹と、篤樹の秘書で30才の芳原。
基本、何が起きるのかは想定内。こちらも言ってみれば恥辱系です。
篤樹は芳原を信頼していた。味方だと思っていた。それを裏切られたと思い込み〜の、暴挙。
排泄系なので地雷の方は注意ですね。
そしてキタ!下剋上〜!

「書生の戀」画:今市子
ラストこれですかー!
往復書簡形式での、一目会うことも叶わなかった手紙だけの恋、そして劣情。
これはズルい。これは巧すぎる。
時代考証がまた絶妙です。戦争、肺病、書生、通信の手間…
でもこれは断絶したどこかの誰かの話じゃない。何も始められずに引き裂かれたひいおじいちゃんのこころ。
SMっぽい物語が多かったけど、本作は手紙と日記だけ。でもその官能性は一番濃かったように思う。

2

どれも面白い

短編が集まった作品。
threesomeを読んで、すごく面白かったので購入しました。
threesomeのお話は『10×3』というタイトルで掲載されていました。
(やっぱ好きです)

1つ1つの話は短いのですが、どれも設定やキャラが良くて読みごたえがあります。
しかもそれぞれに違ったエロ要素がつまっていて楽しめました。
さすが榎田先生!
大満足です。

イラストも各作品1枚と少ないですが、それぞれ味があって良かったです。

3

一話一話が濃くていい

短編集ということで、読み応えが気になっていたのですが、気にすることなかった!!

0

短編のえろが盛りだくさん

全部で6つのストーリー入り。

eroticaというタイトルですから、H度は高いのですが、
1話目は、痛い部分も入っていて、ニガテな私には
ちょっと辛かったです(><)

他に勘違いカップルのリバ話。
これが腰乃さんなので、オモシロおかしく進みます。

そして私の一番のお気に入りが、あとに「threesome」
として一冊の本になる10×3。
組長さんというエライ立場(?)の人なのに
その人が2人に好き放題、良い様に愛されてますw
この会話がまた面白い。

他にもまだまだ入っていますが、
それぞれ短いのに、セクシーなお話がたっぷり入っていました。

1

珠玉のエロティック短編集

フェティシズムと愛欲と情と儚さに溢れた様々なエロスを堪能できました。
装丁やそれぞれの扉イラストも見所。
「痛い靴」は痛みとフェチ、「ストロベリー」は勘違いとリバ、「10×3」は極道と3P、「カルメン」はギャップと体格差、「クリスタル」は放尿と密室と下剋上、本当にどれも濃厚で読みごたえありました。
最後の「書生の戀」は手紙と日記と原稿という形式で綴られる間接的なやりとりにどきどき。昭和時代の作家と書生というしっとり耽美なエロスと、痛切な生と愛。
宝物にしたい一冊。

3

読みたいのは熱だった

最後の書生の戀がよかったです。

ほかのお話では様々なプレイがあってそれらももちろん面白かったです。
最後に身体の触れあいのないこのお話を読んで、丁寧に執拗に描写したHシーンよりも満足感において勝るなんて。BLに何を求めているのかを教えられてしまったような気がしました。
ダイレクトに個性が伝わりやすい絵と違って小説、しかもBLに限定してしまうと文体や言葉選び、表現もかなり限定されてしまうせいか、榎田さんの作品を読んでもあまり個性を感じないなと思っていました。もちろん私の読解力のなさ、読んだ小説の少なさによるところが大きいと思います。
これを読んで榎田さんの良さが少しわかったような気がしました。

2

はい。

 10×3、これが最悪でした。他の作品は最高です。
 私の地雷は、NL・ヘテロ・BLに女が混じるものなんですが、この話だけはちょっと地雷を掠りましたね。
 俺様系な受がワンコっぽいヘタレな攻(舎弟の方)に何か変なこと提案して(記憶から排除してるのでここらへん曖昧)、知り合いだか店のだかの女に筆下ろし的な事させる(直前で舎弟が逃げるので未遂っちゃ未遂だけど、モブ女にフェラはされてた)シーンには吐き気がした。ワンコ舎弟が可哀想過ぎるだろうが。

 この話を抜かせば素敵作品集でした。
 最初のヒールの話はエロかったし、リバの話は可愛かったし、最後の話は泣きました。

1

ウィットとエロスが詰まった一冊

「短編集」とあったので、榎田作品の試し読み的な感覚で読みました。

性愛がテーマの短編6作。SM・リバ・3Pなど、さまざまなシチュで性愛を描きながら、そこに登場人物たちの内面・人間模様を映し出した作品集です。
エロなしの「書生の戀」以外は、時にコミカルな文体で笑いの要素も挟みつつ、エロスもがっつり読ませてくれます。

「痛い靴」・「ストロベリー」の二作が、黒いハイヒールに赤いペディキュア、白いショートケーキに赤い苺と、鮮やかな色彩を印象付ける作品だったので、当初は全編テーマカラーを持った作品なのかと思ったのですが、必ずしもそういった一貫性で結ばれた作品群ではないようです。
すでに「性愛」という共通テーマを持つ作品集ですので、この上テーマで結ぶ必要はないんですが、そういうワンセットで眺めた時のお楽しみ、みたいなものもあれば、さらに楽しめたのかなとも思います。(あくまでオマケの楽しみとして)

私はBLのシチュではSMが好きなので、自分でもわかりやすく「痛い靴」が好きでした。
えすとえむさんの扉絵も、モノトーンのコントラストを活かした大胆な構図が素敵。
真っ赤なペディキュアを塗った足に、敢えてサイズの小さいハイヒールを履かせ、靴ずれを起こさせる…痛い上に羞恥プレイも兼ねてる新手のSM?これは斬新ですね。
足フェチがSになると、こんなことをしたがるんでしょうか?
でもたしかにあの痛みはSMチックかも。自分自身もパンプスの靴ずれの痛みを知っているだけに、ちょっとゾクゾクきたりして。
受け=Mは会社ではエリートだけどコミュ障の男、攻めはその上司。
会社では心を開けなかった男が、ハイヒールですっかりM性を開花させられ、攻めの前に全てを晒す…って、ちょっと方向性は違うけど、これもまた立派な自己の解放。カタルシス。この勢いでコミュ障も治るといいですね(笑)
狂った(でもちょっと滑稽な)世界に堕ちて行く二人を彩る、真っ赤なペディキュアと黒いハイヒール、大理石の床…赤と黒と白の鮮やかなコントラストに包まれた、視角的にもシュールで美しい作品です。

濃厚な絡みを描いた5作の後、トリは戦中期の日本を舞台に、作家と学生の淫靡な文通を描いた時代物「書生の戀」。この作品だけは異色で、プラトニックな悲恋物語です。
単体で読んだとしたらあまり印象に残らなさそうな作品ですが、この作品集の締めとして読むと、何か格別な後味が加わる気がします。
作中の二人がもし平和な時代に生まれていたら、或いは「痛い靴」の二人のようにSMを楽しんでいたかもしれない。自分の妄想の中に「先生」を嵌めこんでいく松岡にはSの素質があったかもしれないなと…
性愛に惑溺できるのも、平和な時代ならではですよね。

榎田さんを好きになれた一冊。今後とも追いかけたい作家さんです。

5

どれかひとつ、お好きなものを。

「痛い靴」 illustration:えすとえむ
上司・久我×部下・日高
SM ハイヒール

「ストロベリー」 illustration:腰乃
館野×篠田
リバーシブル

「10×3」 illustration:円陣闇丸
顧問弁護士・財津、舎弟・菊池×頭・辻
3P 極道

「カルメン」 illustration:鬼嶋兵伍
ドラァグクィーン・桐生×千歳
女装

「クリスタル」 illustration:中村明日美子
取締役・狩野×秘書・芳原
スカトロ

「書生の戀」 illustration:今市子
書生・松岡×作家・廿楽
純愛


まさに、エロティカ。

3

読むつもりはなかったのですが…

 元々この手の話はかなり苦手なので、手にする気はありませんでした(笑)

 しかし、たまには自分が苦手とか、好きではないと思っている作品に手を出すのもいいのかもという思いあり、読んだ1冊です。『書生の戀』以外は生々しいエロティックな雰囲気や行動ばかりで、これは正直好きになれませんでした。

 『書生の戀』では、廿楽の書いた『土蔵の蝶』を読んだという、松岡からの手紙から始まります。廿楽の作品に感化され、自分の書いたものを送った松岡と、作品を読んだ廿楽のやりとりが、廿楽の日記という形で明かさせていきます。

 松岡は、廿楽にあてた作品に自分の思いをぶつけている様に思いました。そして、作品に対して作品にどきどきしたり、戸惑ったり、心待ちにしたり、納得したりする廿楽が堪らなく好きでした。

 昭和13年から昭和20年まで、およそ7年間の文のやりとりをする間に、二人は一度も顔を合わせることはないのですが、なぜここまで切なく、堪らなく悲しい。
 直接の体の交わりがなく、エロティックな行動、雰囲気もないけれど、実はこの作品こそが結構官能的だったのではと思います。

 後日、昌琉の接吻こそが、余計官能的に感じられて萌えるのです。

 そして、最後のあとがきですが、死とエロスについて書かれているのですが、納得してしまいました。何でもバランスが大切なような気がした1冊です。

6

高級感ある1冊

やっと読めました。榎田さん作品ということで、
気になって購入したものの、後回しになっていましたが
最後まで面白いと思える短編集でした。
1作ごとにイラストレータが違うので、
その世界観が違ってくるのが興味深いです。

文庫本と違い、高いのがネックかと思うのですが、
高くて、凝った装丁だからこそ、この高級感ある
味わいがあるかと思うと、高くても仕方がないか~と
納得するしかないか。と思えました。

きっと作者さんの狙いだと思うのですが、
どの作品も、「もうちょっと読みたい!」という
ところで終わっているのが、もどかしい!

4

短編で読みやすいBL小説入門書

榎田尤利先生は人気な先生なだけあって
短編でも面白い作品が書ける稀有な存在でいらっしゃる。
挿絵も人気作家さんで固めてるので
表紙だけで欲しいと思わせたり
カバーの手触りとか、とにかく上質な感じだ。

でもこの作品、あくまでも入門書だと思う。
高級洋菓子店のスイーツを、ちょっとずつテイスティングしてる感覚。
「もっと食べたいのにもうないの?」そんな感じ。

榎田先生の世界観はこんな規模ではないので
あくまでも入門書なのだ。
食べたいなら、単品をちゃんと買ってね?みたいな感じ。

私は物足りなかったし、期待外れの印象が残ってしまった……。

3

本の装丁が素敵だった

榎田さんの本ってあまり読んだことがなかったのと、読んだ本は全て長編だったので短編集ということで購入をかなり迷いましたが買ってしまった(笑)
そして、やはり迷いながら読んでしまった感じで「痛い靴」と「書生の戀」はちょっと読みづらかった。
特に「書生の戀」はかなり難解だな~と感じました。
エロがテーマの短編集ということでしたが、読み終えると意外とあっさりしていたような気がします。
榎田さんの作品をもう少し読んでから再読しようかな~(笑)
この本は装丁がお洒落でした。
中村さんの帯がとても良かった。透明カバーが必要ですね♪

3

エロスという名の人間ドラマ

エロスの語源は言うまでもなく、古代ギリシア語の「恋」と「愛」の神、
のちにローマ神話のクピド(キューピッド)といっしょくたにされる神様ですね。
さて、このeroticaは単に劣情をガンガン盛り立てるというより、そうした原義的な「愛」や「恋」の形をセックスないしは性的興奮を用いて体現しているかのように思えるわけです。

ですが、出てくる人々はなにかと素直じゃありませんね(笑)
つまり…セクシュアルな行動っていうのは照れ隠しなのか!?
好きな人に好きといえない、あるいはそうコクるきっかけが見つからない
はたまた好きな子にいじわるしたくなっちゃう

形は違えど、とにかくひねくれすぎている人々が大集合です。

そうしたメンタル性がかなり強く出ているせいで、
どんなに過激なプレイを書こうと、いやむしろ過激になればなるほど
どこか奥ゆかしさを感じる「erotica」。
なるほど、「ポルノ」ではないわけですね。納得。

いや、そーくるだろーとは思ったんだよ…ギラギラニラニラ、エロいのを
期待してもよろしいんだが、読んでみると意外なほどにすがすがしい。

6

劣情を抑え込んだ敬愛

短編集だったので、気楽に読み始めました。
エロの濃い小説は、そのシーンがあまりに多いと途中で飽きてしまって、
けっこう流し読みしたり場合によっては飛ばしちゃったりするんですが、
これは色々盛りだくさんで、全く飽きませんでした。

私はどちらかといえば、SMもリバも3Pも女装も放尿の様な変態プレイも、
どれもあまり好きじゃないんですけど、この本は面白かった!
グロくないしエグくないし、
とにかくエロいんですが、文章力のせいか何処となく美しい。
なんか、新境地開眼させられちゃった、な感じです(笑)

全部で6作なんですが、前から5作の感想から言うと。
どれも甲乙つけ難い位おもしろかったんですが、
あえて選ぶなら私は「カルメン」が面白かったです。
桐生の筋肉質なドレス姿、私も見てみたい(笑)
ムキムキの桐生が小柄な千歳に夢中な様子が、微笑ましいですね。
攻が受を好きで好きでたまらない・・・がヒシヒシと伝わる話は、私の大好物です。

そして、最後の「書生の戀」。
これを読んで、もう「神」しかない!と思いました。

松本青年が、敬愛する廿楽先生に手紙と自分の小説を送った事から始まる二人の文通。
いつしかお互いを想い合うようになっていったと想像できる、
廿楽の日記と松本の手紙と小説。
実際に本心や愛を語り合うことは無いにもかかわらず、
少しずつ2人の心が近づいて行ったのがすごくよく分かります。
でも、実際に2人が(小説の中の2人も)一線を越える事は無く、
場面は現代に切り替わり、廿楽のひ孫が2人の軌跡を読んでいるシーンとなります。
そして、廿楽の日記帳にひっそりと挟まれてあった松本の最後の手紙。

もう、号泣もんです。
読み終わっても余韻が去らず、胸が痛みます。

榎田尤利先生の作品では「永遠の昨日」でも号泣しましたが・・・
短編でもこれほど心に残る作品を書ける作家さんはそれ程多くないと思います。

9

erotica… The erotica!

美しい表紙や装丁や挿絵陣が、豪華で贅沢な一冊。
書斎に飾って嬉しいBLでしょうか。

6編の短編のそれぞれが、違った雰囲気や文体で描き出されますが、
根底に榎田さんの確固たる世界観と、エロへの意志が感じられる一冊。
(afterwordでかなり語っていらっしゃいますけれど)

単にエロいだけではなくて、話として短くとも面白い。
だからこそ、「エロチカ」なのだと思います。

個人的には一番好きだったのは「クリスタル」かな。
挿絵だけだったら、えすとえむさんの「痛い靴」が素敵でした。
「ストロベリー」は可愛いリバ。
「書生の戀」と今市子さんの絵は、流石のベストマッチ。

「クリスタル」は、密室プレイ、スカトロ、主従逆転と、
多くの美味しい要素が盛り込まれていますが
ただの変態プレイ話ではなく、ちゃんとストーリーとして切なくもどかしい。
だからこそ、際どいプレイが香り高い(臭いじゃないよ!)エロになっているのだと思います。
カードが落ちて、サッと世界の色が変わる感じは素晴らしい。



   ・    ・    ・    ・    ・    ・



※追記: 小難しい話を語ってみる~「エロチカ」について

エロチカとは、ラディカル・フェミニズムの文脈から、
ポルノグラフィへの批判として使われるようになった用語だそうです。
差別的な価値観に基づく不平等な性行為を描写するポルノグラフィと違い、
エロチカは、人間的なセクシュアリティの悦びと
愛などの関係性を排除しない性表現である、と区別されます。

「エロチカ」と「ポルノグラフィ」は語源からして大きな差異があります。
「エロチカ」は「エロス」つまりは愛(=生そのもの)に由来し、
一方「ポルノグラフィ」という言葉は、「売春婦」や「女奴隷」を意味する「ポルノ」に由来。
したがって、ポルノグラフィの主題は相互的な愛情ではなく支配と暴力です。
それは男女間に限らず、同性愛であっても同様でありますが、
エロチカは積極的選択、自由意思、関係への熱望という観念から来ています。

最初は単にポルノグラフィーの駆逐を掲げていたフェミニズムの動きの中、
やがてエロティックなイメージによって得られる楽 しみを擁護し、
女性の手による「正しい性愛の表現」すなわち「エロティカ」 を創造しようという動きが登場しました。

BLにはエロが欠かせません。
女性の手による全ての人の為のエロティズム表現、ということでしょう。
BL万歳!! (パタッ。…と手が落ちる…、じゃなかった、ペコッ。←お辞儀)

21

リバが大好き

ウワサの本 読みましたよ。
全部素敵でしたね。
さすが!!
先生! わかってらっしゃいます。
かわいいエロでしたね。
もっとドギツイモノ入れてくるのかと思っていたので。
ちょっと残念。
イラストも素晴らしいです。
この本は 当たりです。
短編集もっと出版して欲しいなあ。
絶対読むのにな。
私は 『ストロベリー』が一番好きです。
リバップルっていいよ!!いいよ!!
もっとイッパイやっちゃってほしいです。
イチゴがかわいいプレイに はやがわり!!
面白かったです。

2

泣かされた!

素晴らしい!
文句なしに神評価です!


小説は大好きで、文学・歴史・ミステリーなどジャンル問わず読みますが、恋愛物の小説を買ったのは小学生の時以来です(笑)

普段BLは漫画派ですが、書店で装丁に惹かれて手に取り、イラスト陣の豪華さに帰ってすぐ注文しました。

ずっしりと重みのある贅沢な1冊。一気に読んじゃうのがもったいなくて、3日かけて噛み締めるように読みました。

短編集とは思えないくらい内容もつまっていて、最後の1話でもう完全に持っていかれました。まさかエロ短編集で泣く羽目になるとは。

私の拙い文章力では伝えきれないのがもどかしい!この話を最後に持ってくる榎田先生のセンスに脱帽します。人気も実力もある作家さんだなというのが分かる。
しかも各話ごとに文体を変えてませんか?すごいなぁ。

BL小説にハマりそうな予感。ここのレビューとかを参考に、いろいろ読みたいです。書店で手に取った自分GJ!

7

素晴らしい

他人が理解出来る恋や愛は存在しない。
そういった事を教えてくれる一冊でした。

初めてこの本を見たとき、題名から、もっとグデングデンとした、エロに特化した内容を想像していました。

ですが、この本はエロではありません。「エロス」を描いた本でした。
私は最初に粗筋を読む人間なのですが、今回は粗筋から入って正解の本。
榎田先生がこの本、また「エロス」について、どういう意図や考えを持って作品を産んだのかが分かります。
最初にここに目を通した為、第一印象とは全く違った期待を抱いて読む事が出来ました。

エロスを、私は初め、榎田先生は醜悪に描くのだと思っていたのです。
実際は、人間の心の優しさと暖かさ、不安、そういったものをエロスにのせて描いてくださいました。

エロスというものは、外野から見るといつも醜悪で、滑稽で、忌み難く、嫌悪されるものです。
人間が理性を忘れ、動物に近い感覚に陥ることは、傍から見ると恐ろしいものに違いありません。
「同性愛」も、傍から見れば畏怖からくる嫌悪は大きいと思います。
でも、きっとそれで良いのだと、理解する事も出来なければ、その必要も無いのだと。
そこには愛する者同士二人の世界で構成されているのだと、そう胸を張って言えるのだと読んでて思う事がありました。

エロスを理解出来ない人間は自分が愛されていないからよ!なんて子供じみた批判はしませんが、
エロスを「悪」とする人達には是非読んで欲しいなと、勝手ながらに思います。
貴方たちが想像する世界は、あまりにもチープで、酷く狭いものなのではないかと。


また、最初、「リブレ出版にしては珍しく知的な装丁で攻めて来たな」と思ったのですが。
ここにもエロスに対する、榎田先生の精神性の深さが表れていたのですね。
中村明日美子先生のことをBL漫画界で3本指に入るほど愛してますが、今回ばかりは、表紙に何も無くても良かったかなー...なんて贅沢な事を考えてしまうほど、素敵な装丁だと思います。
ただカバー下が何故手形なのかは意図が不明(笑)

エロシーンが読みたい方、愛の優しさを感じたい方、沢山の方にお薦めします。

--------ここから結構なネタバレ------------

個人的お気に入りは、「ストロベリー」と「書生の戀」。
とてもとても優しいお話です。
ただ一個、非常に贅沢なことを言わせて欲しい!!
書生の戀だけは、挿絵無い方が良かった......!!!!!
今先生の挿絵は、勿論文句ありません。美麗です。雰囲気も最高です。作品にピッタリです。
でも、本物の二人は、そして終盤に出てくる彼は、「書生」には会っていません。
そして書生もまた、「小説家」に会った事がない。
恋人同士がお互いを知らないなら、読者にも(容姿体格など)分からないままの方が、個人的にもっと感情移入しやすかったなー...と考えてしまうのです。
はい、贅沢過ぎますね、すいません........。

13

榎田作品初読み。

「今更?」という声が聞こえてきそうですが
「はい、今更ですが、初読みです。そして完璧やられました。」

あまりにも、文体が自然でテンポがいいので
引き込まれながらも、スルスルッと読み進んでしまう。

全然舌の肥えていない子供に、最高級の料理がふるまわれたら
食後、その子はどういう感想を述べるのだろう?
「あ~おいしかった! また食べたいな~」だろうか?

全然小説を読みなれていない、わたしはその子供のよう
「あ~おもしろかった! ぜひまた榎田さんの本を読みたい。」
率直にそう思うのだけれど、ここは~で…なんて正直全然語れる気がしない。

むだがなく、的確で、でもやわらかく、ちっとも気取ったところのない
その言葉たちを、
ひとつひとつのお話の、そのタッチの違い、魅せ方の違いの素晴らしさを、
わたしがどう表現したらよいのか、まるで分からない。
同じ日本語を使っているのだっけ?とさえ思ったりする。

でも、同じ日本人だから、感じられる
榎田さんが紡いだその言葉たちを
自分が母語で読めるのは、本当に幸せだと思う。

そして、その幸せをもっと感じたくて
子供のわたしはきっと、これからいっぱい本をむさぼるのでしょう。


11

素晴らしいの一言!!!!!

思わず、「Awesome! XD」とか「Amazing!!」とか叫んでしまいそうな短編集。

読んだ直後でも、何日、何か月か経ったとしても
レビューになんて出来やしません。
腹をくくって、想いのたけをぶつけさせていただきます。

短編だというのに、なんでしょうね、この愛とエロの詰め込みようは!!
何度でも読み返したくなり、その度に胸が震えます。

例えば「ちょっと苦手なシチュかも…」と思ったお話があったとしても、
榎田さんの筆にかかれば全てが愛にまみれていて
各話の読後がうっとりしてしまう魔法。

特に最後の『書生の戀』、“エロティカ”なのに泣かせられるってどういうことですか!
完全にやられました…。
肉体関係が無くとも、これほどまでにエロスを感じさせられる。
まいりました。

お値段がちょっとお高めだな、と躊躇している方がいらっしゃれば、
読んだらそんなお気持ちは無くなる筈です。
各話を素敵な表紙で飾って下さる豪華な漫画家さん方と、この榎田さんの筆力!!
私は書き下ろし以外の3作品が既読でしたが、
それでもこうして一冊にまとめていただいて、
新たに呻るしかない3作品を読めて身を震わせるばかりです。

ただエロいだけじゃない。
BLを愛する方々に、是が非でも読んで欲しいです。

ちなみに、ドラマCDというより朗読CDみたいになったら
二枚組だとしても予約してまで絶対買います!!
一言一句、榎田さんの文体そのままで
(変にいじると折角の榎田さん節が台無しになってしまいそう)
役はそれぞれの声優さんで…。
キャスト考えるだけでもわくわくしてしまいます。

6

エロに対してこだわりぬいた1冊。

Pet Loversシリーズで悶え、魚住くんシリ-ズに溺れた私としてはこの榎田先生の新刊は買わなくてはならないですよね。
買いました。
読みました。

………一気には読み切れませんでしたorz
だって重いんですもん!

6つの短編が集まった短編集で、
①「痛い靴」(ハイヒール) illust:えすとえむ
②「ストロベリー」(リバ) illust:腰乃
③「10×3」(お道具3P) illust:円陣闇丸
④「カルメン」(ドラァグクイーン) illust:鬼嶋兵伍
⑤「クリスタル」(放尿) illust:中村明日美子
⑥「書生の戀」(両片想い文通) illust:今市子
という(⑥を除けば)濃ゆい内容。
ひとつひとつに関係性がぎゅっと詰まっているので、じっくりゆっくりと味わいました。

全部読み終わった今、一言でこの本を表すなら「AV的展開のBL」。
短い中で行為まで達するためにはそうよね、そうなるよねって感じですが、普通のBLよりも行為に流されて気持ちよくなっちゃうのが早い気が…。
そんなビッチ受けも大好きだけどね!\(^p^)/


さて内容はさておき、この小説何がいいってまずは装丁ですよ。
白くすけるペーパーの表紙、中村明日美子先生のえろすたっぷりの帯。
開いた瞬間の鮮烈なピンクの遊び紙はあたかも唇からのぞく舌のよう。
本ってのはこういうのがあるから買っちゃうんですよねー。

そして次に挿絵を描いている漫画家の豪華さ!
この短編集の挿絵師の選び方はすごくいい。
そうよ、えすとえむ先生には「靴」よ!鬼嶋先生には「女装ガチムチ」よ!と唸らされる布陣。参った。文句ないです。
文体(口調)も挿絵に合わせて少しずつ変わっているように感じました。

こだわりぬいてる。すごい。

7

性愛の文学(芸術)作品

【erotica】その意味の通りの
短編集でした。

榎田先生の小説で
中村先生と腰乃先生のイラスト付きって…
もぅ買うしかない!

挿絵かと思っていた
イラストは扉絵のみです。
これが話とマッチしていて、
小説を読んでいるのに
イラストを描いた先生方の
漫画を読んでいるような
錯覚になりました。

特に腰乃先生が担当した
【ストロベリー】なんて
何度、扉絵を見たことか。

話の内容は他の皆さまが詳しく
レビューしてくださってるので省きますが…
必ずお好きなシチュエーションが
見つかると思います。

ヤクザモノや痛いコト、
ましてやス○○ロなんて
ダメな私でも
榎田先生の書く世界観なら、
受け入れることができました。

本の大半はエロエロで卑猥な
表現が多いのですが
最後に【書生の戀】を
もってきたのにはやられましたね。

プラトニックな戀(恋)、
愛する人と生きたいという
叶わなかった願望。

エロスがあるからこそ
人は生きていることを
実感できるんだと思いました。

タイトル通り
本当にerotica!

装丁もオシャレで
この値段を出す価値ありです。

<9/19追記>
榎田先生のブログで知ったんですが
本を開いた時に最初にある白い薄紙は
カバーの折り返し部分に
挟むそうですね。

表紙を捲るといきなり
どピンク!
というデザイナーさんの
狙いがあったようです。

4

スタイリッシュ

<erotica=性愛を扱った文学>
もしかしたら、この本はうっかり普通文学の顔をしたペーパーバッグにして書店の本棚に並んでいてもきっと何の違和感もないでしょう。
ともすると、ファッション雑誌の後ろの方にある小説のページにさりげなく載っていても違和感ないかもしれません。
<性愛>に焦点を絞った作品だから、そこにあれこれ色々な余分な飾りはないから、「あ、男性同士だったのね、気がつかなかったわ」というくらいに、しがらみがないのです。
エロティカという名前に惑わされ、そこに淫靡で淫猥な世界を想像すると、実にそこからは程遠い、スタイリッシュな性愛が表現されていました。
ここまで、シンプルに抜き出すと男性同士ということも気にならないほどに洗練される。
普段、エロエロだのハァハァだのと評している某レーベルが、いかに泥臭いか、表現の違いを思い知らされた一冊だったかもしれません。

【痛い靴】SM
靴擦れは思い出すだけでも、痛い描写ですが、嗜虐と被虐の思考のマッチング。
【ストロベリー】リバーシブル
コメディタッチだけに、許容範囲がとても広がる
【10×3】3P
腹黒×ワンコ×タラシ 究極の悦楽かも♪
【カルメン】女装攻め
マッチョコンプレックスと、ドラァグクイーンの組み合わせが絶妙
【クリスタル】スカトロ
大いなるスレ違いから生まれる誤解の果ての結末に。。。
【書生の戀】純愛
プラトニックほどに、辛いのです。

イラストはシンプルに扉絵しかないのですが、各作家さんのイラストが実に的を得たイラストで、たった1枚なのに雄弁に物語を語る。
この起用は成功ですね。
特に腰乃さんにおいては、シーンのコラージュで斬新♪
ドラァグクウイーンのカルメンは、たしか小b掲載の時、岡田屋鉄蔵さんの素晴らしいカラー挿絵がついていたはず!あれが再現されていないのが実に惜しいのです!

この<性愛>をテーマにした各短編において、どの作品にも共通するのは、それがどんな始まりであろうと、全ての登場人物がそれに熱中するのです。
そして恍惚の域に至る。
これぞセックスのもたらす快楽。
エロスに解説と飾りはいらない、むしろ一枚一枚それを剥いで生身を晒していく、その様がエロティックなのでしょう。
それの再現が、この小説達だったのです。
【書生の戀】は唯一プラトニックでした。
プラトニックだけに、内に秘めた情熱は計り知れない。
その出口を求めて身のうちを焦がしていく、それが生への執念となる、松岡青年の無念が伝わって、彼の想い残しを知った小説家の心にいつまでも残る彼の熾火。
これもエロスの世界なのかもしれないですね。

マジ、角川とか幻冬舎あたりから出てても遜色ないと思います。

17

好みのエロが見つかるかな

至極のエロス満載な短編集で、様々なシュツエーションでバラエティーなエロスを
堪能できる読み応え抜群の作品集でした。
榎田先生の作品を更に盛り上げるような豪華イラスト陣も加わった豪華な作品、
お値段は多少値が張るけれど、損はしない作品だと思いましたね。

クリスタルはエロとじで読んだことがあると思うのですが、その他の作品も
文学的なものから、ちょっと狂気を孕んでるような雰囲気のものや勘違いから
リバに及ぶカップル、筋肉モリモリなのに女装をしてるダンサーなど、登場キャラも
癖のある人物や普通のリーマン、女大好きヤクザさんなど、登場キャラも豪華です。
きっと好みのエロスが見つかるのではと思えるお勧めの1冊でした。

5

エロの宝石箱や〜(ネタバレ注意)

それぞれ趣向を凝らした、味わいの異なる短編集。

「痛い靴」(イラスト:えすとえむ)←以下挿絵敬称略
営業部GMの上司・久我×部下・日高
内容は、愛というより執着を抱いてる鬼畜の上司に陥れられる話。
シチュエーションとしてはSMです。
陥れて籠絡させるような展開が苦手な人は注意(自分はダメでした…)

「ストロベリー」(イラスト:腰乃)
機械製造会社勤務・館野×デザイン事務所勤務・篠田(注:リバ)
内容は、誤解・思い込み話。
オチは途中でわかっちゃうけど、それでもほのぼのできてキュンときました。
最後の一文が、微笑ましい。

「10×3」(イラスト:円陣闇丸)
組の顧問弁護士・財津、舎弟・菊池×頭・辻
内容としては、これも陥れられる話(だけど愛があるし、まぁいいか…と)。
シチュエーションは、ヤクザ、3P(タイトルは指の数)。
主人公が男らしくサバサバしてるので、後味は意外と悪くなかったです。

「カルメン」(イラスト:鬼嶋兵伍)
ゲイでドラァグクィーンの後輩・桐生×小柄コンプレックスの営業マン・千歳
ほんのりコメディ調の話。
少々気弱なところもあるガタイのデカい攻めと、小柄でツンな受けという組み合わせが、楽しいです。

「クリスタル」(イラスト:中村明日美子)
親の後ろ盾で取締役に就任した狩野×教育係でもある有能な秘書・芳原
こちらも、誤解・思い込み話(ややダークですが、ちゃんとまとまります)。
シチュエーションは、裏切られた怒りと嫉妬からの、羞恥責めです。

「書生の戀」(イラスト:今市子)
愛読者である書生・松岡×作家・廿楽
内容は、戦時中が舞台の、切ない話。
日記と、書簡と、習作小説の断片で構成されていて、この中では唯一SEXシーン無しです。
ラストの展開が、泣けます。

とにかくイラスト(各一枚だけど)が豪華です。
それぞれ内容に合った作家さんを選んでるなぁ…と思いました。
というか、各作家さんをイメージして書かれたのでしょうか…?
イラスト全部ステキなんですが、個人的には腰乃センセイが大サービスカットでうれしかったです。

11

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