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いつかやさしく抱かれる日がくるのだろうか――
短編集と知らずに作者&表紙買いしました。
表題作とあと1つ以外はファンタジーものでした。
クスッと笑えたり少し切なくなったりしながら、どのお話もふんわり余韻の残る読後感で良かったです。
先生の初単行本なのでしょうか。
短編6本。
妖精や悪魔が登場したり、1年のうち4日間だけウミウシが人間に化けて恋人に会う…など不思議なお話がありましたが自然に読めました。
表題作のラスト、とその続編「俺のこと好きなくせに」のいきなり同棲するつながりがよくわからず唐突な感じがしましたが、伏線はあったし、行間で読ませるてことかなと解釈いたしました。
甘さと切なさの中に、ほんのり苦さもあるバラエティに富んだ1冊だった。
透明感のある絵がきれいですね。
妖精がテーマの小作品集
夢が有って、可愛らしいお話ばかりでした。
この作品は、どれも可愛らしい心の触れ合い、すれ違いを描写する内容で、BL要素の毒が薄い。恋愛シーンはほぼ無いです。
パンチが弱いと言うのかもしれませんが、ホメオパシーだと、毒は弱いほど効きます。
同様に、この作品の余韻は長く効果が続いて、日常のふとした時に思いだしてしまいます。良い大人の童話でした。幸福感が薄いと感じる寂しい時に読むといいかもしれません。
神評価。
自分の為の読後メモ。
①「キミの傍でやみくもな夢を見る」
②「俺のこと好きなくせに」
藤田しのぶは、ふつうの恋がしたい
でも選ぶ相手、声がかかる相手は危ない変わり者ばかりで、怪我が絶えない
二歳上の矢け崎君は、藤田の幼馴染。いつも藤田君を心配していた。
「球がないところでswingしている」
③「セトのお店のお客様」
妖精が住む町。
セトの夢は、妖精が住む町で店を持つ事だった。
セトの幼馴染、ホテルの責任者が、セトをスカウトに訪れる。
セトには、特別なお客様=妖精が居る。・・多分妖精の恋人。
ここで一番偉い人にしてあげる しあわせにしてあげる
おまえに幸せになってほしくて・・・でもそれは 俺がつくるんじゃないんだな ここにあるんだな
・・と気づいてスカウトを諦める。
④「さみしさスパイス」
お弁当はカレー。
好きな子が傍に居て そのこに好きな飯つくってんだ、こんな幸せなことはないよ。
--あなたが帰ってくるまで、もつ?ていうか、帰って来る?
入院する間のお弁当を待つ人の為に作る話。
⑤僕と猫と悪魔と日常
良い種を持つ人、大蔵陸の話。悪魔は臭いで分かる。
24才の誕生日以降から悪魔が求婚に出現する。
ゲイであることを隠して、お見合い。
悪魔がいうフリを装う事に違和感を感じる大蔵。
⑥「空のサウダーデ」
七色に光る雲の話。
街はずれに住むおしゃべりなオジサンは、もうひとりの料理上手なおじさんと一緒に住んで居る。
オジサンたちは、恋人同士だった。
ルカの失恋。
此の世で一番たいせつなものを探したい
と、出て行ったルカ。
⓻ 4/365 恋人
一年で四日だけ、人の形を得て合いに来る恋人、ひかりを待つ人、大和の話。
ひかりは島に住む人。
ヤマトは旅に来てひかりと出会った。
ヤマトは、・・記憶を失って、人から淡水魚に戻れない
・・ひかりはウミウシの精。
淡水魚と海の生き物は共存できない、そのために人に化けて逢瀬していた。
短編集なのですが、
ファンタジー色強めの一冊のなっております。
表題作は現実的なお話です。
私はこれが一番気に入りました。
男運が悪い藤田はいつも悪い男に引っかかり怪我をしている。
そんな藤田の面倒を見ているのが幼馴染の矢ヶ崎です。
いつも冷たい態度の矢ヶ崎が本当は藤田をとても心配しており、
少しの変化にも気付くくらいよく見ているのです。
本当は少女漫画のような恋がしたいと思っている藤田ですが、
なんど失敗しても凝りません…
キスマークを付けて欲しいと思っていたり、
かなり乙女思考な藤田が憎めなくて可愛いかったです。
矢ヶ崎はツンデレという感じで、
いざという時は恥ずかしげもなくハッキリ伝えてくれる。
とても短いけど可愛いお話で、
もっと続きが読みたいと思いました。
他の短編はファンタジー作品が多く、
好き嫌いが分かれそうですが私は面白いと思いました。
全部で6組のカップルのお話が収録されています。
そのうち3つはファンタジーの要素が含まれるちょっと不思議なお話でした。
この作家さんの作品は今まで単行本を2冊読んだことがあるのですが、ファンタジーのお話は読んだことがなかったので興味深かったです。
表題作よりも同時収録作品の方が好みでした。
ただ、少ないページ数で仕方がないとは思うのですが、どの作品も結構薄味で物足りない感じがしました。
ファンタジー系のお話に関しては、この位の浅さの方がミステリアスな感じがするのかもしれませんが…。
表題作はリーマンのお話なのですが、少女漫画のような恋に夢見ているしのぶの行動が夢見ていることと全くちぐはぐな感じがして、序盤からしのぶに感情移入出来ませんでした。
同じ失敗を何度も繰り返して職場の人達にも心配をかけて社会人としてもダメな彼なのですが、幼馴染の隆二もこんなしのぶのどこがいいのかよく分からない作品でした。
もう少し2人のキャラの魅力が感じられたら良かったかなと思います。