「蛇のような男よの」

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表題作クシュラル

同時収録作品クシュ

スルタンの兵士 ハカン
女装の踊り子

同時収録作品ファーレ

学生 ケマル
道端で稼ぐ男娼 アミル

同時収録作品カルンジャ

カルンジャ
ミマール

同時収録作品1800

カルンジャ
ミマール

その他の収録作品

  • ユラン
  • ファーレ
  • カルンジャ
  • 1800
  • クシュラル bonus track
  • トルコ取材こぼれ話エッセイ

あらすじ

強大な権力を持つ、オスマン帝国の若き皇帝には     
ただ1人、思い通りにならぬ男がいた。小姓の教育係の宦官・ユランである。
女を抱かない皇帝はただひとりユランに恋い焦がれるが、彼は決して皇帝の身に触れようとしなかった。
しかしある日、ユランが小姓を裸に剥いているところを見てしまいーーー!?
中世から現代まで、宦官×皇帝、兵士×踊り子、高校生×男娼、片恋青年×幼なじみ、の4つの恋を描くトルコ恋情作品集。

(出版社より)

作品情報

作品名
クシュラル
著者
えすとえむ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
ISBN
9784396783259
3.5

(36)

(10)

萌々

(8)

(12)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
11
得点
121
評価数
36
平均
3.5 / 5
神率
27.8%

レビュー投稿数11

絵が美しい(お話に合っている

絵が繊細になり更に洗練されましたね。美しい〜。
先生の作品は全てそうですが、本作も全コマの構図がすばらしい。

本作はトルコを舞台にした短編集。
帯にあるように、住む世界がちがう恋、がテーマですかね。

ユラン、クシュ、まさにそんなお話でした。
切ない。

ファーレも全く立場の異なる2人の話。
交わることはなさげだったけど、再会後泣いちゃうアミルがかわいかったです。

カルンジャは、離れ離れになってしまったかと思いきや、次の1800でまだ2人は続いていて、ゆくゆくはドイツで一種になれたらいいなと思えるラストがよかった。

クシュラルは、薄墨のような絵がこれまたステキでした。

あとがきのトルコ取材エッセイも楽しいですね。


完全に好みですが(5☆満点)
すごい ☆☆☆
面白い ☆☆☆
内容が好き ☆☆☆
絵が好き ☆☆☆☆☆
キャラが好き ☆☆
萌える ☆☆☆

0

飛んで

巻末にトルコへの旅エッセイが収録されています。先生はいかにも旅行がお好きそうですよね。絵柄もお話も海外がよく似合う。むしろ日本が似合わないとすら思える。
作品は異国情緒に溢れるえすとえむ先生らしい短編集です。どこもかしこも悲しい未来に辿り着きそうでもあり、希望を残す終わり方をしているとも言え、読み手がどこまでポジティブでいられるかにかかっている…自分は悲観的なんでどれもこれもバッドエンドに見えてしまいます。
先達のレビュー通り萌えて楽しいBL漫画って感じではないですが、先生の作風がお好きなら予想通りかと。他の作品にあるようなコメディ要素は少ない。

萌〜萌2
ハッピーエンドが好きなんだ…

0

異国情緒を堪能

オスマン帝国時代〜現代までのトルコを舞台にした、短編集。
まずは何はともあれ絵が美しい。
ほりが深く目鼻立ちがくっきりと美しい絵柄とトルコという舞台の相性が最高です。
その上で各短編ともままならない恋の切なさを切り取っています。
どれも美しい絵柄と合った雰囲気、情緒をしみじみ味わえる佳品でした。

一応以下簡単なあらすじを。
・ユラン
若きスルタンは年上の宦官に恋しているが、立場上それは受け入れてもらえない恋だった。
狂わんばかりの恋心に耐えきれなくなったスルタンは…。

・クシュ
奴隷としてイスタンブールに連れてこられ、その地で女装して春をひさいでいたが、鳥を愛するセルビア出身の男と出会い…。

・ファーレ
現代物。
お坊ちゃんのケマルは学校の裏手でウリをしている男アミルと出会って関係を持つようになるが、級友たちはアミルのことを見下しており…。

・カルンジャ
ミマールとカルンジャは幼馴染。
ある日ろくでなしのミマールの父親が出所して…。

・1800
「カルンジャ」のその後。
ドイツで暮らしいているカルンジャをミマールは訪問するが…。

・クシュラル
「クシュラル」アフターストーリー。

0

異邦人になった気分

インドからイスラムのちょっと昔の背景
読むと、御香の香りがしてきそうな、なんとなくなつかしいような異文化世界に引き込まれます。
どれもこれも耽美で、結論が無い短編。
不思議な作品でした。

著者のブログ、この世界感なんですね。シルクロード情緒というか。。
http://estemviaje.blog133.fc2.com/blog-entry-38.html

この作品の読後に、福永武彦の『草の花』を思い出しました。

0

イスタンブールの情緒に乗せて

◆ユラン
 私は冒頭を飾るこの作品が一番お気に入り。宦官と皇帝の、身分違いの恋。絶大な権力を手にしても、たった1人の男を手に入れられないもどかしさ。私はあなたのものだと言うくせに、位の高いあなたには触れられないとも言うユラン。彼に殺されるなら本望だとまで潔い愛を見せつけた皇帝が、終始美しかったです。一旦バドエンかと思わせて、ハピエンだったところも憎い演出でした。

◆クシュ
 兵士のハカンと、踊り子の恋。遊郭とか娼館とか、それらを経営する者は娼婦達に客のうわ言には乗るなとよく注意しますよね。もちろん稼ぎ手を手放したくないという気持ちもあれど、半分は本当でもあるのだろうなと思います。一時の熱に浮かされた言葉ほど儚いものはないし、自由な世界と格段に狭い世界との間の溝は深い。それでもやはり、踊り子も読者も、ハカンの誠実さを信じたくなる、これはどうしようもないことなのです。故郷を想い、鳥を愛でるその真心は、わずかの間でも確かに踊り子の心と繋がっていたのだなと感じました。

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