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愛を弄ぶ闘牛士・ユベール×愛に怯える美貌の神父・颯也の禁断愛!!
破滅的な闘牛士×臆病儚げ神父
神父が嫌い×闘牛が嫌いなことを隠して体の関係を…
すれ違い、考え方の違い、お互いの生と性のトラウマ、
死にたがりな2人がヒリヒリ変わってくの良い。
死を看取れって重い!!!(スキ)
2人とも抱えてるものが拗れてて、それゆえなのか皮肉っぽい態度で、
駆け引きめいてるとこにドキドキしました。
ずっと体だけで気持ちを抑えていた分、
ひまわり畑での優しい情事がとてもとても良かった…
死と隣り合わせだからか、特別な高揚感があるからか、
闘牛に魅せられた人の深みがとても素晴らしかったです!!
なんとも言えず蠱惑的な世界観。
スペイン。
死と戯れる闘牛士。
咎を背負って日本から逃れてきた神学生。
光と影。
生と死。
太陽と闇。
それらの激しい対比と呼応するかのように、反発しまた惹き合うねじれた激情。
物語は両視点で進みますが、主に受けとなる日本人神学生・颯也が主人公と言えると思う。
颯也の背負っている過去は実に壮絶で、日本から逃れても、神に仕えつつ男と寝ても、魂はいつも忘れられない罪悪感に塗りつぶされて。
一方傲岸不遜な闘牛士・ユベールは、スペインにおけるフランス人としての侮辱を受け、それらを全て飲み込み攻撃的に生きる。
闘牛士としての栄光の瞬間に死ぬ、そしてフランス人闘牛士がスペインで最高の闘牛士となって称えられる矛盾をスペイン人達に突きつけてやる…
正に冷静と情熱。
もちろん本作はBLであって。
血を恐れる颯也は牛を殺した日に自分を抱くユベールに惹かれ。
死を死とも思わぬユベールは、死んで伝説になるなんてつまらないと涙する颯也を一度は突き放すが。
結局2人の愛は成就し、生の素晴らしさを掴む結末になります。
日本から遠く離れたスペイン。
その旅情、憧れの風景。
情熱的な風土、心を揺さぶるフラメンコの旋律。
太陽に煌めく闘牛士の衣装。荒ぶる牛の角。舞い上がる砂。湧き上がる歓声。
バイクで疾走する美しい東洋の男の、白く香り立つ肌…
とにかくゾクゾクするほど蠱惑的な舞台装置。
だからこそ、あまりにもドラマチックすぎて…
映画を眺めているような気分。
文章はきらびやかで題材はもはや耽美。基本的にこういうのは大好きです。ただただため息が出そうな読後感。「萌x2」で。
闘牛シリーズ2作目は、闘牛士×神父見習いで年下攻め。
攻めのユベールは、頂点に立った瞬間死ぬ、彼を愛した者は命を落とすとの予言を受けたいわくつきの闘牛士。
傲岸不遜ながら、生い立ち故の影ある佇まいにどこか儚さを感じさせる人物です。
受けの颯也は、元は日本で刑務官として働いていた人物。
少年鑑別所で知り合った青年が颯也に依存するあまり目の前で自殺してしまい、それ以来聖職者として禁欲生活を送っています。
こんな二人がスペインの酒場で一夜を共にし、後日再会し互いの正体を知る。
死にたがり同士が互いにぶつかり合いながら次第に「生」に転じていく様がドラマティックに描かれます。
ただ、ユベールの中での颯也への気持ちの変化が独りよがり的である点と、
最後の最後で二人の心が通じ合う展開がかなり急ぎ足になってしまった点が残念。
既に他の方が書いて下さっていますが、助祭の颯也が神父扱いされていることにも違和感でした。
更に、スペイン在住の日本人神学生という設定自体にもあまりピンと来ず。
経緯は一応描かれていますし、外国人×日本人という組み合わせ自体はBLでは珍しいものではありませんが、気候や風土、闘牛といったスペインならではの要素をここまでリアルに描いた作品に、無理に日本人を登場させる必要性は個人的には感じませんでした。
ちなみに本作に登場する闘牛士・ロサリオも、彼がメインとなる『裸のマタドール』では日系人ということになっており、そこはかとない大人の事情を感じさせます(理央も作品自体も大好きですが、初読時は少々戸惑いました)。
全体として、本書単独ではやや物足りなさの残る読後感ですが、同人誌でユベールの父親世代の物語(『3P』参照)を読むと、ユベールに対する見方もやや変わってきます。
自身が知ると知らざるとに関わらず、亡き闘牛士たちの呪いと希望と愛情を一手に背負い闘牛場に立つユベール。
何も知らぬままパブロを側におく現在のユベールを思うと、立派に育ってくれて良かったと大変感慨深い気持ちになります(誰目線?)。
ちなみに、同人誌『生と死』には本作品の元ネタとなる短編が載っており、そちらは同じ年下攻めながら攻めがもっと健気。聖職者受けの未亡人ぶりも色っぽく、こちらの設定で話を膨らませてもそれはそれで良作になっていた気がします。
この作品も前作と同様、『闘牛本・味付けはBL風味で』と言っていい程に、今回も熱い闘牛との死闘の戦いの描かれ方は、他では類をみない程の臨場感・躍動感に溢れています!
マタドールの挿絵って、他社で出ている『神に弄ばれた恋 ~Andalucia~』で朝南かつみさんがあまりに素晴らしく、いったい誰がこの華藤さんの熱い思いが多分に注がれた濃~い闘牛の世界と、ドラマティックに展開していく読ませるストーリーを表現出来るだろうかと一人心配していましたが、挿絵が葛西リカコさんと分かり、実際に読んでみて納得も納得でした!
繊細に表される葛西さんの挿絵が、なんとこの奥深い世界を表現していることか。
挿絵は重要ですよねっ!ということがよく分かりました。
この作品には前作に出ている隻眼闘牛士・サタナスや次の闘牛作品に登場しているロサリオも出ています。
順番に読むとロサリオは周りからこう見られていたのね、とかサタナスとユベールの間にある正闘牛士同士のつながり・絆なんかが垣間見れます。
普通に生きている男性同士の友情とは違う、常に死と隣り合わせに生きている闘牛にすべてを懸けた男たちだからこそ!みたいな会話に私は魅せられてしまいました。
もちろん、ユベールと颯也の切なくも深く絡まり合う恋愛模様も良かったです!
お互いに深い傷のある過去を抱えながら、時には隠し、時には打ち明け、時には突き放し、どんなに辛くともやっぱり譲れない信念があって、自分はその信念に支えられ生きてきた、簡単には変えることができないという葛藤が見事でした!
突き放し突き放され、しかし最後にはやっぱり相手を思う気持ちを理解しようとする過程が闘牛というものを通して描かれ、読ませます。
あ~、もうスペインに旅行に行ってみたくて仕方ない!
熱風で乾いたひまわり畑の脇をドライブし、冷えたサングリアを飲み、闘牛観戦に熱くなる!!
最高じゃないですか!
マタドールシリーズの新作がランクインする中、
まずは第一作からと手にとってみたのだが、
ドラマチックな表紙の美しさにウットリ!
構図も、マタドールの衣装も聖職者の衣装も、素敵。
夜の酒場で出会って身体を繋ぐ、二人。
一人は、自分の過去への贖罪の為にだけ生きている日本人神学生・颯也。
もう一人は、スペイン中を熱狂させている若きマタドール・ユベール。
それぞれ経緯も向け方も違うが、死ぬ為に生きているような二人が
快楽の為に抱き合ううちに、互いに執着し、
いつしか本気になって、やがて生きることに目を向けられるようになるまで。
闘牛シーンは、臨場感があって素晴らしい。
ユベールも颯也もキャラクターは悪くないけれど、
最後の本人達が死から生に転換する下りが、なんだかあっけなくて
物足りなかった。
※読みながら、非常に気になったことを一つ。
途中で、颯也は叙階されて神学生から助祭になるのだが、
カトリック教会では助祭は神父ではない。
そして、告解は司祭(=神父様)のみが聞くことができる。
彼が神父様と呼ばれる事にも、それを否定しない事にも
ものすごく違和感を感じるが、まぁ、なんちゃってだしなぁ……。
このマタドールシリーズ、違うレーベルでもう一冊
「神に弄ばれた恋 ~Andalucia~」というのも出ているようですね。
今作にチラッと出て来た、闘牛士のサタナスが主人公のようです。
出版順ではこちらが一番先のようですので、次はこれを読んでみようかな?