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毬田さんの作品を幾つか読ませていただきましたが、今のところ此方が最も好きです!
"子連れ"というキーワードにピンときたことはなかったのですが…いいですね!
出てくる娘の夏美ちゃんがとっても可愛かったこと以上に、しっかりと話のキイになっているのがいいです。
その他にも何気なく様々な要素が絡んであり、短いながらも満腹感のあるお話しでした。
憧れ追い付こうとしていた先輩・西尾のプライベートを知り、時折覗かせる弱さに触れ、心惹かれていく遠藤。
徐々に遠藤が懐の深い男前になっていく過程がぐっとくきます。
西尾はというと離婚した過去、愛する娘・夏美の存在…等の様々なしがらみがあり、遠藤に惹かれていてもなかなか踏み出すことが出来ない。
だから嫌われてもいいとキツイ言葉を放っちゃう遠藤の弱さと優しさやちょっと大人げないところ、どんなに上手くやっていても一筋縄でいかない子育てに悩むところなど親近感持つし可愛いなあーと思ってしまいます。
会社に子供がいることを完全に隠して1人で子育てするのはかなり難しいとは思いますが、そこは上司がわかってくれてるのだろうというのと、営業職だからまだどうにかなるのかな?と勝手に解釈いたしますw
何とか遠藤の頑張りで両思いになれた二人、その後10年の間に一度は転勤故に離れちゃう設定のようですが、また夏美含めて3人で仲良くやってるんだなぁと思うとほんわかします♪
その話もぜひ見たかったなぁ!
あともう一編は、マッサージ師とデザイナーのお話し。
わたわたしながらも、近付いていく二人がこれまた可愛い!
作者さんが楽しんで描かれたことが伝わる、良質な1冊だと思います。
リーマン同士のCPで、片方は子連れ。
もうひとつは、片方がマッサージ師の話。
登場人物には女性っぽさを全く感じないし、やや横幅がひろめの顔の輪郭。
・・・・・・なんだか、
似ているって程では決してないのに、
井上佐藤さんの作品が頭をかすめるのは、きっとわたしだけではないはず。
(どうでしょう??)
毬田ゆずさんの本は初読みですが、結構好きです、この本。
■「二度目のオトコ」「二回目のフタリ」
同じ会社の先輩後輩同士のCP。
後輩のノンケが、仕事の出来るバツイチ子連れの先輩に恋をして、
比較的早めにハッキリ気持ちを伝え、アッサリと断られるものの少しずつ懐に入り込んでいくお話。
ノンケが男を好きになってしまった葛藤とか、
先輩の5歳の娘に対する態度とか、
好きな人が子連れの場合の関わり方とか、
とても自然というか、リアルな普通っぽさを感じました。
絵にあまり力強さや勢いがないのが、
(多分自然と井上佐藤さんと比べてしまっていて)、正直最初は物足りなく感じました。
でも、何度か読み返していくうちに、
この絵が反対にリアルっぽさに貢献しているような気もしてきました。
男を好きになってしまった不安、
子供を育てる不安、
ちゃんと気持ちが通じているのだろうかという不安、
そんな気持ちを抱えているふたりを描くのに、こういう絵はしっくりくるなぁと。
本の最後では、このCPの10年後の姿も見られて嬉しかった♪
■「意気地なしのあなた」「相変わらずなあなた」
消極的な思考のヘタレな男が、あけすけな物言いをしつつも優しいマッサージ師に恋したお話。
蓋を開けてみると、マッサージ師も実はヘタレw
いい大人なのにヘタレ同士で、ダメ出しし合う姿が可愛いです♪
情事の夢をみるくらい―――
この帯の言葉と表紙の絵からイメージしていたよりも、
特に表題作は、身体よりももっと内面重視で進んでいくお話に感じました。
でも、それが反対にいいなぁ~と。
二度目のオトコというより、二度目の(真の、安心できる)パートナーを得た感じ・・・かな?
ちょっと子連れモノにはうるさい自分です(笑)
しかしながら、この作品非常~~~!!によかったデス♪
自分が認める「子連れオオカミ」「イクメン☆アフター」と並ぶ3大子連れ作品に認定します(爆!)
で、どこが違うかって?
もちろん設定の上手さがあって、それの上で織りなされていく人間関係と感情の経過が、実に違和感なくスムーズにストンと入ってくる部分です。
子連れモノですから、もちろん子供との関係も重要ですが、やはりバツイチ男がどうして男に行くのか?そこんところ、この作家さんはとても丁寧に描写して設定を作っているのです。
バツイチで5歳の娘を男手一人で育て、しかも仕事も優秀な成績を残し、後輩・遠藤の目標となっているのは先輩の西尾。
会社のほとんどの人は西尾がバツイチ子持ちであることは知らない。
遠藤はそんな頑張りを見せる西尾を尊敬しつつも、彼の頑張りに心配し、弱音をポロっと漏らした姿に「かわいい」と思ってしまう。
そして思わず告白するのだが、答えは「無理」
どうやって距離をとったらいいのか、二人が模索しながらもその事情を知らない娘が間に入っていることによって、遠藤は彼なりに西尾を好きでいようと思うし
西尾は娘の為に精一杯の虚勢を張る。
ストンと腑に落ちるのは、西尾がバイ設定だということです。
だからこそ結婚に失敗した。それゆえに娘に対して一番の愛情を注ぎたいと思う。
だけど、現実は父・娘だけでは乗り越えられない色々もあって、それはやはり人間であればこそ、
という部分をクローズアップしてうまい具合に接近や、本音を引き出すきっかけに持っていく部分が非常に自然なのです。
普通の軽い子連れモノだと(いや、結構ドラマティック仕立てのものもあるが)ノンケがほだされて転ぶとか、子供置き去り設定とか、逆に子供に後押しとかあるが、
この作品は、3人のバランス配分がとてもいいのです♪
遠藤も西尾も仕事頑張るいい社会人だし、仕事もガッツリなのもいい。
もし、できうれば西尾が時々メガネだと萌えが倍増したかもwww
さておき、非常に良い子連れ作品なのは間違いない!
【意気地なしのあなた】
整体院の整体師に愚痴を聞いてもらううち好きになってしまったデザイナーの患者。
客とプライベートは?と思いつつ、ヘタレな主人公思い切って映画にさそうとなんとOKが!?
ヘタレ全開主人公だけど、口さがない整体師も実は恋には臆病だったという、ヘタレ逆転恋愛は、小気味よい組み合わせでした。
絵柄も誠実、華美な華はないが、越乃絵を丁寧に描いたような、日高ショーコにも似た誠実さのある絵が、物語の誠実さをまた物語っていると思われます。
毬田先生の「ダブルセクション」を読み、作者様の他の作品にも興味を持ち、今読んでいるところです。
この作品は表題作と、あとヘタレカップルの短編+描き下ろしが収録されています。
私は毬田先生の絵(キャラの表情)もツボでして、今回も先ず絵でホクホクし、お話も楽しく読む事ができました。
先輩が仕事では出来る人なのに、恋愛となると結構ダメで・・・そんなギャップがまた良かったです。子持ちで、バツイチというのも、西尾の色気を数割増ししてくれる大事な要素かな・・・と。
短編のヘタレなカップルのお話も、短いながらも面白かったです。
あ、一つすごくひっかかったのが、作者様があとがきで、遠藤と西尾の未来についての想像を描かれていて・・・それがお互い転勤になって、10年ぐらい疎遠になって、また同じ職場になって、結局はずっと一緒にいそう・・・というもので・・・。2人の間に試練はあっても良いけど、10年の別離は長くない?!と、ついつい反応してしまいました・・・。
ジャケ買いした初買い作家さんが当たるとすごく幸せです。
ノンケ後輩(攻)が目標にしていたデキる先輩(受)の仕事以外の顔を見て好きになってしまう…という王道的な話。
攻・受がふたりして戸惑ったり躊躇ったりする過程が細かく丁寧に描かれています。
受の気持ちにストップをかけていたのが娘ちゃんなら進展するキッカケとなったのも娘ちゃんでした。
子育てを含め、ひとりでは気づけないことも不安も頼りになる後輩くんが一緒に抱えてくれる…と寄りかかる流れも受がバイだという設定のおかげか無理なく進みます。
後輩くんがとにかく男前だし!
そろりそろり相手の顔色を窺いながら進む感が痛みを知っている大人同士っぽくて良かったです。
ただ、娘ちゃんが5歳に見えなかったんですよね~(-"-;)
小学校低学年くらいの骨格に見えてしまった。
【意気地なしのあなた】
お客さん×マッサージ師。
ヘタレ攻めかと思いきやヘタレ×ヘタレかーい(笑)
ヘタレゆえ言葉が足りず、ヘタレゆえ言葉を勘違いし、ヘタレゆえ勘違いを確認できず…そんなヘタレ同士が三歩進んで二歩退る的に距離をつめる姿が微笑ましいですw