「月も星もない」「わがまま天国」の名バイプレーヤー、百瀬の恋の話登場!

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表題作恋するソラマメ

百瀬統也
常連の有名芸能人
篠倉翔大
お好み焼き店の従業員,大阪出身

その他の収録作品

  • 恋する太陽
  • あとがき

あらすじ

お好み焼き屋で働く翔大は無口で口ベタ。
なのに常連の人気アーティスト・百瀬に気に入られ戸惑っていた。
それでも自分と話して楽しそうにしている彼に悪い気はしない。
偶然のきっかけから店の外でも会うようになり、
翔大はゆっくりと百瀬に対する好意を育てていった。
そんなある日百瀬に告白され、反射的に頷いたけれど……?

作品情報

作品名
恋するソラマメ
著者
久我有加 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
何でやねん!
発売日
ISBN
9784403523243
3.7

(29)

(5)

萌々

(14)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
109
評価数
29
平均
3.7 / 5
神率
17.2%

レビュー投稿数6

キモは受けの包容力

久我有加先生の「芸人シリーズ」の一編、というよりスピンオフ的な作品。
「月よ笑ってくれ」「わがまま天国」の百瀬の物語です。
百瀬統也は芸人ではなくて、ミュージシャン・俳優・タレントとして大人気のスター。
舞台は東京ですが、百瀬は関西出身で、大阪から東京に進出したお好み焼きチェーンの社員との恋物語ですので久我先生ならではの関西弁BLとなっています。

そのお好み焼き屋さん「まさとら」社員の篠倉翔大が「わがまま天国」の受け篠倉雄大の弟だったり、翔大が買い物に行こうとして道で大スターの百瀬に偶然会ったりなど、ちょっとご都合が目立つなぁという印象はありつつ。
曲作り等スランプに陥っていた百瀬が、立ち寄った「まさとら」でお好み焼きを焼いていた翔大に好意を持ち、段々惹かれていって恋心を抱き、翔大との時間を得てスランプから脱却。一方、ノンケの翔大も百瀬に惹かれて付き合う事を決めるが、百瀬が一般人の翔大が芸能ネタの餌食になったりプライバシーを侵害されたりするかも、と勝手に線引きしてモダモダする、という展開です。
翔大を想うが故の百瀬のヘタレ具合と、マイペースで一度決めたら揺るぎない超男前な翔大のハッピーエンドを見届ける感じかな。
とにかくこの作品においては、翔大のさっぱりして力強くてあったかい、そして初々しくて可愛い魅力が素敵でした。

2

ソラマメは自分

シリーズ未読ですが、支障ありませんでした。
翔大の兄とか、この二人が主役の話があるんだろうな、と思う場面はありますが、もったいぶった書きぶりでなかったのでイラつかなかったです。

中編2作品が収録されています。

「恋するソラマメ」
表題作。翔大(受け)の視点で進みます。恋人同士になるまでです。芸能人の自分と付き合うと迷惑をかけてしまうからと及び腰になる百瀬(攻め)の不安をどんと払拭させて、未経験者なのに大胆に寝室へ誘う翔大の男前ぶりがカッコイイです。

「恋する太陽」
続編。百瀬の視点で進みます。恋人同士のラブっぷりな生活です。嫉妬をする翔大が可愛いです。百瀬がカッコエエ、カワイイとよく言いますが、ほんとに翔大はオトコマエな年下受けです。

主役の二人とも大阪弁(関西弁?)ですが、特にそれがどうと気になる事はありませんでした。

ソラマメを題材にした百瀬の曲が、良い小道具になっていました。ただ、お好み焼きのメニューにソラマメはないなぁ、と翔大方面ではちょっと残念でした。せっかくなんでソラマメもぐもぐして欲しかったです。

金先生のイラストが素敵です。ごはんをよそう翔大を背後から抱きしめる百瀬のイラストとか可愛らしいものがたくさんでした。個人的なツボとしては、表紙イラストの、翔大の指がつかんでいる百瀬の頭の、髪の部分がめちゃくちゃ好きです。

芸能人と一般人ですが、好きになって、恋人同士になって、ラブラブで、という展開をきれいにまとめられている作品です。周囲に反対する者もおらず、気軽に楽しく読めます。重い作品や、ドロドロものに疲れた方にお勧めだと思います。

1

わたし、置いていかれました

久我さんの作品を読むのは三冊目です。
前半は雑誌掲載、後半の『恋する太陽』は書き下ろし。
この、後半部分の方が可愛くて好きでした。


受けの翔大は、無口で人見知りけのあるお好み焼き屋の従業員。
大阪出身で、このたび東京初進出をはかった店舗に転勤させられガックリきています。

攻めは人気芸能人でゲイの百瀬。
大阪出身者で、気さくな人柄。
今や、翔大の勤めるお好み焼き屋の常連とも言える存在です。


百瀬は店へ来ても翔大が担当する席にしかつかず、最初から翔大を狙っていた感がありました。
百瀬とは店の外でも顔をあわせるようになり、メールをやりとりするのが当たり前になった辺りで、翔大は自分の気持ちに気づきます。

が!
翔大、好きになるの早すぎませんか?
「え?もう?」と、こちらが慌ててしまいましたよ。

雑誌掲載作品は、全編書き下ろし作品と違い、ふたりがくっつくまでが早すぎてこちらは置いてけぼりを食らうことがままあり、この作品もそんな感じです。
百瀬が告白したあたりで、みょーに冷めてしまいました。

唯一、可愛いなあと記憶に残っているのは、翔大が「そうなんですか?」と尋ねると「そうなんですよ」と必ず百瀬答えるという辺り。
こういうやりとりは何回か出てきて、なーんか百瀬が翔大を可愛く思っているんだあとニヤニヤしてしまいましたね。

0

振られてた理由がわかったかも?

本当にね、読んでてこの題名の「ソラマメ」のエピソード。
空に向かって実がなる、太陽が恋しいんだね。
このソラマメって受けになる翔大の事かな?なんて思っていたらとんでもない!
攻めである売れっ子のミュージシャンであり俳優でありタレントの百瀬のことだった(笑)
なんてぴったりの素敵な題名なんだろう♪
ちょっぴり臆病になってしまう百瀬をがっつりとリードして男前発揮する、
それがあまりに自然で普通にできてしまうから、なんて男前な翔大なの☆って。
二人の恋愛も、読んでいてすがすがしいほどにとても自然。
片方が売れっ子の芸能人なんて設定でも、そこにある人間自身は等身大の、素直で強さも弱さも持った、ごくごく普通の一般人と変わらない一人の人間としての恋愛がありました。

関西で生まれ育ちそこを出た事がなかった翔大は、お好み焼きを焼くのが好きで、大学バイトからそのまま店の正社員に。
そして東京店が出来る事でそこのスタッフに抜擢された人。
元来口下手なうえ、初めて東京へ出てきて周囲の言葉が標準語なのに気後れして、店と家の往復だけしているという生活。
その彼が勤める店に足繁く通ってきて、翔大の前のカウンターに座るようになったのが売れっ子の芸能人・百瀬でした。
こんな出会いから、二人は好意を互いにもっていることがわかり、お付き合いがはじまるのですが、相手は芸能人。
芸能ゴシップの餌食になるところでしたが、事務所の応援もあり難を乗り切るも百瀬が一般人である翔大を巻き込むのを恐れて身を引こうとしてしまう。
だけど翔大は前へ進むのです。

この翔大のさりげない男前がすごくいいですね。
過去作品で、2回ほど百瀬はアテ馬で登場して失恋してるらしいですが(多分読んでないと思います)
百瀬も悪い人じゃなくていい人なんだけど、肝心のところで引いてしまうのは芸能人であるという理由があるものの、潔過ぎて、あ、なんかこの人振られるの仕方ないかもしれない…とかおもいました(笑)
翔大が普通の人で、欲がないというか普通の生活が嬉しいという、色々をわきまえて小さな幸せを大きな幸せに変えられる人で本当によかったと思うよw

盛んに百瀬が翔大を「かわいい」「かわいい」というのですが、
この「かわいい」は「愛おしい」だと思います。
だって、ほんとうに愛おしい事言う奴っちゃ♪っておもいますもんv
さわやかで、前向きで、読んでてすごく気持ちのよいお話でした。

6

可愛くてカッコ良くて男前な受け

地味で真面目、口下手で一見すると怒って見える程不愛想に見える受けの翔大くん。
そして相手役が人気ミュージシャンで俳優業も司会もこなす才能ある芸能人。
そんな二人の出会いは翔大が働くお好み焼きチェーンの東京支店。
翔大君は、ホントに地に足着いてる感じの青年で大それた夢を描くタイプでもなく、
今ある幸せを大切に出来る、余り他人に振り回されない1本本人の筋が入った人。

大阪本店で仕事をして来た翔大がずっと生まれ育った大阪でお好み焼きを焼いて
今のまま生活していければ幸せと思っていた時に新たに出来た東京支店に勤務になり
口下手でうまく接客も出来ない不安がある中でお客として百瀬が来店。
大阪本店へも通っていたと言われ、それからうまく会話が成り立たないのに、
いつも翔大君の前に座りお好み焼きを食べてくれるようになる。

何か大きな出来事があって恋人になるストーリーでは無く、穏やかにいつの間にか
密かな思いが育っていくような、恋のお話なのです。
それに、二人とも大人でバックで大音響が鳴り響くような恋愛でない落ち着いた感じも
素敵な作品で、それでも相手は芸能人だからちょっとしたトラブルは出てくる。
でもそれを全て鷹揚に受け入れありのままで自分の一部にしてしまうような
翔大君の男前ブリが素敵なのです。
大人だから怖さも臆病さも大きくなり、傷つく前に逃げてしまおうとする百瀬を
翔大君が、追いかける。

そして、ほんの少しの嫉妬と、些細な事を幸せに感じられる二人の話が穏やかで
微笑ましい雰囲気もありとても素敵な作品になっていました。

5

この作品が収納されている本棚

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