お兄さんたちが、僕の運命を狂わせる――悩める青少年のラブ・トラブル!

コミック

  • 僕のお兄さんをとらないで!?

僕のお兄さんをとらないで!?

boku no oniisan wo toranaide

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作僕のお兄さんをとらないで!?

同時収録作品友達が欲しいそれだけ

学校の先生 西脇 /隣の医者 横山 
友達のいない高校生 三上響

同時収録作品優しくしないでくれますか?

芸能人の高校2生 充 17歳
隣の家のお兄さん 伊万里 

同時収録作品ハッピーエンド

不動産業者 広美 34歳
元ヤクザの愛人 伊万里 18歳

同時収録作品幸せってなんだっけ?

大学生 かおる
拾われた男 アキラ

あらすじ

かおるの大好きだった尊敬すべき兄は今や怪しい商売に手を染め、男と付き合うゲイになってしまった。人生って怖い、自分はまともな人生を歩むのだ、と決意するかおるだが、次々に男難が降りかかり……!?

作品情報

作品名
僕のお兄さんをとらないで!?
著者
恋煩シビト 
媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
花丸コミックス・プレミアム
発売日
ISBN
9784592720591
2.9

(36)

(2)

萌々

(8)

(17)

中立

(5)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
5
得点
98
評価数
36
平均
2.9 / 5
神率
5.6%

レビュー投稿数5

脱皮

恋煩作品といえば「ザ・ヤンデレ」だと思うのだが、今回はヤンデレは影を潜めてはいるものの、悩ましい青年達の姿をオムニバスで見せていました。
何となくどれも共通するのは、彼等が大人の階段を上るというか何か一つ覚えて変革を迎える ”脱皮” の姿を描いていたような気がします。
表題を含め、どの作品も人物がゆる~く繋がっています。

【僕のお兄さんをとらないで!?】
大学生のかおると暮らしている18年上の兄の広美がある日男を連れてきた。
伊万里というその男はかおるより2歳年上で、兄の恋人だ。
自分の家なのに居心地の悪さを感じるかおる。
ゲイになった兄を見て、オレはマトモな人生を歩むんだ!と思うかおるだが、ある日、伝社で痴漢を見て、自分も痴漢に遭った日から何故か運命が転がるように”マトモ”じゃなくなっていく。
”マトモ”って一体何?を考えさせれるお話になっていたのかな?
ある意味「世にも奇妙な物語」なのかもしれない(笑)

そして伊万里に誘惑されそうになり濡れ衣を着せられ兄に追い出されたかおるが道で拾った男とのその後を描いた描き下ろし【幸せってなんだっけ?】に繋がる。
拾った男アキラと同居するかおる。
生活能力のないアキラと一カ月1万円の貧乏生活…どうしてこんなめに?
簡単に体を売るというアキラを常識で止めたら好きになったかもしれないと言われ、
好きな人とエッチしたことないと言われ、なし崩しのエッチに…
”マトモ”な生活をして”幸せ”になりたいだけのかおるが転げ転がり得たこの生活は・・・
これも幸せ?
・・・青年よ!これも人生勉強だ!・・・(笑)

このかおるの人生は恋煩流のコメディ作品だと思う。

そしてシリアスが一本。広美と伊万里の出会いを描いた【ハッピーエンド】
父親の後を継ぎ不動産業をしている広美だが、その仕事はヤクザと関係を持っている。
この仕事のやり方で父親に勘当されている広美だが、父親の言う「まっとう」というものに疑問を抱き、「幸せ」ってなんだろうと考えている(弟もかんがえていましたねw)
そこでヤクザから譲り受けたのが愛人の伊万里。
孤独を感じる広美と、孤独を感じ男を喰う伊万里。
相手の幸せが自分の幸せになるというこのカップルの成立は、ちょっと病んでる系の愛情です。

で、同一人物なのか?それともパラレルなのか?伊万里という男が登場するのが【優しくしないでくれますか?】
これは、芸能人をしている高校生充が、自分を遠巻きにする同級生達と仲好くできなくて、小さいころから懐いている隣のお兄さんだけが唯一の心を許せる人という状態であることから始まる話。
この年上のお兄さんが伊万里。
親を亡くし一人で暮らしているその伊万里の年齢は27歳。
表題の時22歳設定だったので、ひょっとしてその後?それとも・・・?
充は本当はミュージシャンになりたいのだが、事務所がなりたかったら枕営業をしろと送りこむのだが、どうしてもその大御所のオヤジとは寝ることができなくて、伊万里の元へ愚痴りに行くのです。そこで「ホモなんて無理」と言ったことで伊万里が充を避けるようになる。
気になった充が伊万里の働く店に行ってみると・・・伊万里を「俺のオンナ」という男がおり、自分は君の嫌いなホモなんだという伊万里が・・・
充は人の事を思いやれる大人になれるのかな?

そして友達のいない充がクラスで友達のいない人物を見つけ「一人ぼっち同士仲良くなろう作戦」をしかけようとした相手が【友達が欲しいそれだけ】の主人公・三上。
彼は学校の教師・西脇と関係があり、家の近所のクリニックの先生とも関係がある。
母子家庭の三上の欲しいぬくもりを与えてくれる大人の男。
その関係だけで友達を作ろうとしなかた三上だが、日直が一緒で席が前後だからか三浦が頻繁に話しかけてくるようになる。
クリニックの先生は母親と関係していた、学校の先生は妻がある。
現実を初めて見て三上は一つ友達という新しい関係を選択することに目覚める。

このどの話にも萌えとかそういうものは自分にはないのだが、何気に自然に男同士が付き合う関係というのが当たり前に存在していて、だからBLなんだとは思う。
そこに発生する感情や心の動き、彼等の人生が変わっていく様が魅せるのだと思うのです。
そこがクセになる部分なのだな~と、再認識するのでした。

5

僕がずっと欲しかったのは

きっと、自分でつかむしかない物。

この本に収録された作品のテーマは、結局どれもこの言葉なのかな。
こののメインの流れがしっかりあって、そこへたどり着くまでの右往左往してる姿を描くって言う全体の構成がしっかりしているから、読みごたえはある。
ただ、その右往左往している部分の描写がね、
担任教師や隣家の医師に都合よく抱かれる(友達が欲しいだけ)とか、
兄の愛人の方から誘惑されてたはずが自分が兄の家を追い出されたり(僕のお兄さんをとらないで)、
他の男をベッドに引っ張り込んでいる現場に行き会わせたり、他の男の痕を見つけたり(ハッピーエンド)とか、
私のお好みとしては、なんか波長が合わない的な違和感がつきまとって、
エチシーンはいっぱいあるけど、あんまり幸せそうなセックスじゃないのも萎えポイントかなぁ。


3

普通に幸せになりたい人達

全部で4CP出てきますが、愛情というか、恋愛感情に限らず誰かから気にかけてもらうことに飢えている人達のお話なのかなーと。

収録話は全てリンクしていて、全部それなりに深くて良い話だったと思うのですが、「優しくしないでくれますか?」と「ハッピーエンド」が少し不完全燃焼というか、別々の話として読めば普通に萌なのにちょっとガッカリというか・・・

表題作と「ハッピーエンド」は「優しくしないでくれますか?」の数年前のお話なのですが、まず「優しくしないでくれますか?」が収録されていて、受けの伊万里は高校生の充とくっついたっぽい感じで終わるのですが、伊万里の過去編「ハッピーエンド」と表題作では伊万里が別の攻め(広美)とくっついて題名通りいい感じのハッピーエンドで終わってます。
ということは「ハッピーエンド」でくっついた2人は結局その後駄目になったということなのか、「優しくしないでくれますか?」で単に充君がからかわれてただけなのか良く分かりませんでした。

「優しくしないでくれますか?」に出てきた伊万里のパトロンっぽいおっさんが「伊万里が若い頃荒れてフラフラしてた所を拾った」様なことを言ってましたが、おっさんは老けた広美(髪型や眼鏡似ているし)で伊万里がやくざの愛人をやってた頃のことを言っているのか、おっさんはただの金持ちのおっさんで、伊万里が「ハッピーエンド」の後広美と別れて荒れていたという意味なのか・・・

前者だと充君が不憫だし、後者でも「ハッピーエンド」が台無しだし・・・何かもう少し説明が欲しかったです。



2

暗くなるわ

表題は何と表現したらいいのでしょうか、このタイトルの意味が解らない。
兄の恋人と三角関係になってしまう方がよっぽど解りやすい、
優しかった兄がゲイだと知り、更に昔とは違ってしまった、
そして自分だけはまともに生きると思っていたのにどこかで歯車がかみ合わず
何故か大学でもゲイだと思われ兄の愛人に誘惑されているところを兄に見られ
追い出されるって言う顛末なのですが、読み終わった後も意味不明。

その後に兄とその愛人の『ハッピーエンド』があり、追い出された弟が結局ゲイに
なってしまう『幸せってなんだっけ?』が収録されているのですが心に響かない。

『友達が欲しいそれだけ』は読みはじめの一発目なのですが、悪い大人が出て来て
酷く気分が悪くなるある意味痛い作品でした。
父親がいない三上は優しくしてくれる教師や隣の医師の身体の関係があるのですが、
この三上君が多分精神的に弱くて幼い、優しくされた相手を信頼し依存する感じ。
でもそれがクラスメイトの三浦との何が無い会話から次第に友情をはぐくみ
年相応の、寂しさで偽りの優しさに惑わされない健全な日常になるような話。

どうもこの作家さんの作品は独特で私にはよく解らない世界感があるし、
共感も心に響く感じも無くてごめんなさいと思う作品。
この作家さんの作品を堪能出来るようになるのはまだまだ先か、それとも無理か
ちょっと決めかねる感じもあります。

6

アンチビッチの方は要回避

別々の話かと思いきや、全部がつながっている短編集でした。

「友達が欲しいそれだけ」(1話目)の三上と「優しくしないでくれますか?」(2話目)の充が同じ学校の同級生。
2話目の伊万里が「僕のお兄さんをとらないで!?」「ハッピーエンド」に出てきます。
表題作に出てくるかおるの話が「幸せってなんだっけ?」でした。

何というか…、なぜこの順番で収録したのでしょうか。巻末にある初出の順番通りとは言え、すごく後味悪いです。
流れ的には2話目で伊万里が27歳、3話目は22歳、4話目は18歳で、過去を紐解くような形になっています。
2話目のラストで「隣の優しいお兄さん」だった伊万里の本当の顔は見えたものの、そこ、別に詳しく知りたくなかったです…、わたしは。
なぜこのキャラを掘り下げてしまったのでしょうか。家族を亡くして自暴自棄からのヤクザの女になって、譲られる形でヤクザと取引のある会社の後継の女になって、バーを持たせてもらって愛人を続けているとか、うーん、全然魅力がわからなかったです。
「男を喰って生きる」という表現がお気に入りのようですが、ただのビッチでした。

何というか魅力的な人物がひとりもいなかったです。

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP