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一気読みでした。さすが野原滋さん!とっても面白かったです。
豪徳寺一姫というアイドルを作り上げるために、プロジェクトチームが、一流のプロの大人たちが本気で真面目にやってるのがシュールで。
直樹が親友の貞夫にプロデュースされ、豪徳寺一姫の真似をして納涼大会でステージをしたら東江にスカウトされて。
必死で冷静で色んな表情を見せる東江に、君が必要だと求めてもらえて、つい見捨てられず引き受けた直樹。
それが地獄の始まりで。
お父さんがこいつはバカだから無理だって言ってたのに…。
だけど、段々東江や直樹がお互いの頑張りに惹かれ合って。まさかの一姫の正体と東江の関係にびっくりでしたが。一姫を愛しがる東江に片想いしながらも、彼のために頑張る直樹が切なくて。
一姫になってれば東江が見ていてそばにいてくれるって。
直樹が一姫でいる限り東江は絶対に直樹を見つめ、何かあれば助けてくれる。切なさと安心感に揺れながら頑張る直樹。東江も打ち解けて笑顔をみせてくれるようになって。
そして一番大切なイベントにむけて頑張る一同。
なのに前日になって一姫の兄和也が急に呼び出して。
思わぬ大事件にプロジェクトも中止で、直樹もえらい目にあって。痛そう…。
その後はデリカシーやムードや情緒のない直樹と、そんな直樹を叱りながらやることやる東江が良かったです。
見つめ合う二人が印象的でした。
身代わりものかと思ったら、なんともお嬢様の希望を叶えるために、財力知力かき集めて努力で一姫を演じ作り上げて。何代目までいくんでしょうか。
直樹の才能と素直さとおバカさもとっても良かったです。
スパルタ教育係×トップアイドルの影武者
下町育ちで江戸っ子のおバカ受けが、トップアイドルの影武者になるべく血の滲む猛特訓をするハメに……。
そしてコミカルなお話かと思いきや、途中のシリアス展開。
きたー!って感じ&痛かった……。
私は正直、「一姫プロジェクト」なんてなくなっちまえ!!としか思えなかったです。
本当の一姫はハム子、つまりボンレスハムみたいなんですね。
だからスカウトした人材を自分の理想に仕立ててトップアイドル「一姫」を作り出した。
両親がとんでもない金持ちなことをいいことに莫大な資金と手間と時間をかけてもらい、自分の夢を叶えてもらった。
ただし自分はいっさい努力せず守られた場所でぬくぬくしてるだけ。
とんでもないお嬢だな!としか思えなかったです。
受けがあんな目にあったのに、一姫は改心もせず一姫プロジェクトを見直すこともなく、謝罪もないところが不愉快でモヤモヤ……。
電子書籍で読了。挿絵なし。
結構、あちこちにサプライズが置いてあるお話なのでネタバレは少しだけ。
魚屋の二代目、直樹は自他共に認めるお馬鹿でお調子者。でも、耳が良く、声が良く、ダンスも上手い。高校時代、絶大な人気を誇るトップアイドル一姫の大ファンだった友人、貞夫のプロデュースで物まねライブを行ったらそれが大評判を呼び、一姫が引退した後も町内の盆踊り大会では直樹の『一姫ライブ』がメインイベントになっているほど。今回のライブも大好評で、後は商店街の幼馴染み達とワイワイ打ち上げをするだけとなったところに、一姫のマネージャー東江が、病気の一姫の影武者として直樹をスカウトしに来て……
お馬鹿なんだけど素直でみんなに愛される、考えなしの江戸っ子、直樹がとても可愛いのです。一姫になりきるために受けるマナーや外国語教育に七転八倒する様子などもとてもほほえましい。
ツンツンしている東江が、いつデレるのかを心待ちにしていたら、あれ?途中からお話がドラマチックに展開して、一姫の正体が「ええええええ~っ」という形で明らかになり、それが直樹を傷つけるだけではなく、その正体に端を発する大事件が起き「あああああああーっ」と怒濤の展開に巻き込まれます。
読み終わってから「作品のトーンに、コミカル・シュールとシリアスが並べて書いてあるのはそういう訳だったのかぁ」と膝を打つほどの振れ幅の大きさ!
でも、やはり直樹は、お馬鹿で素直で、そして頑張り屋さん。
ひたすら可愛いのです。
野原さんのストーリーテラーぶりを堪能出来る一冊です。ドラマチック展開がお好きな方は、ご一読を。
アイドルの身代わりになる江戸っ子魚屋の二代目、という設定がシュールで面白そうで読んでみました。
事前の情報通り、受けは健気でお馬鹿な江戸っ子で可愛い。やるとなったらがんばる健気さや負けん気の強さ、褒められたらやる気になる単純さがたまらなく可愛いです。
心底お馬鹿と思われている受けが、実際は丸暗記方面の記憶力が抜群に良いという方向から一気に才能を見せていくあたりが面白かったです。
攻めは冷徹なのかな?とおもいきやとあるキーパーソンとなる女の子にはめろめろに甘い部分があったりとギャップが面白い。
言うことがきつかったり、受けの本人も自覚していなかった恋愛感情についてきついことを言ってしまったりと読んでいる最中に嫌なやつ~と思わせるシーンもあるんですが、それでも最初の真摯に頭を下げるシーンがあったからこそあんまり悪い人とも思えず(とはいえ、それもキーパーソンの女の子のためではあるのだけれども)。
いうことはきついけれども、自分の行ったことを反省できるし、受けに対して次第に努力を認め優しい部分も見せるあたりが好きです。
エッチシーンの色気のなさというか、受けのあまりの江戸っ子っぷりというかお馬鹿っぷりというかに、話で一番笑ってしまいました。これは酷い(良い意味で)。読んでいて爆笑してしまうエッチシーンは初めてでした。
テンション高めでコミカルなスタートと思われた作品が徐々にその色を変え
コミカルから切なさを感じさせる展開になり、後半では主人公の直樹が明るくて
素直でおバカ過ぎるからその身に受けたシリアスな展開に度肝を抜かれ、
展開にアップダウンがあるから余計に直樹の身に降りかかった肉体的な痛さに
思わず止めて~なんて思ってしまう内容で怖かった。
これがきっとPTSDになる出来事なんだろうと思わず真面目に感じてしまう。
内容は親にも友人にも心底バカだと言われている直樹だが、凄い才能があったりする。
それは人のマネが出来ることで声も高音低音なんでもござれでまるで七色の声の持ち主。
そんな直樹が町内の夏祭りで演じるのが、日本で1番有名なアイドル一姫のマネ。
それを見た一姫のマネージャー的存在の東江に病気療養中の一姫の影武者となって
欲しいと言われ、親に反対されながらも東江の必死な様子に心を打たれ
これから待ち受ける困難や苦難をおバカで想像できない直樹は安請け合いしてしまう。
でも半分騙された感じなのですが、やっぱりおバカで心根がピュアなんですよね。
おバカだから全力で頑張るし、手抜きをしない素直さが愛しくなる受けです。
自分の恋愛的な好きの感情も自身では気がつかないおバカぶりなのですが、
本物の一姫の夢を叶える為に一生懸命な東江、その東江への片思いの気持ちに気がつき
それでもその人の為に頑張る直樹。
直樹視点で描かれているので東江の気持ちが解らないから余計に直樹愛しく感じる。
そして後半でやっと傲慢オレ様な東江とおバカな直樹のラブな展開が待っている。
最後までおバカな直樹だけど、だからこそ愛しいときっと東江も思ってるのだろうと
思わず共感してしまうような展開で、もっとこの二人を読んでいたいと思える
お話でとても面白かったですね。