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ふたりがね、恋人になるまでが長かったよー泣
一冊読んでほんとに最後の最後。
「じゃあ帰るね」から別れがたくて何回もキスしたりいちゃいちゃするラブラブな姿が見れたから、
終わりよければすべて良し、なんだけど。
渋川くんが死んでしまった敦志を忘れられなくて、
その敦志の彼氏でマネージャーの司もほっとけなくて、ショータに気持ちが傾いてもそっちを向けなくて。
気持ちはわかるけど、、、
司と関係を続けてるのを見るのが辛かったです涙
でもね!
ハピエンだから!!
幸せなふたりの姿ももっと見たい!!
俳優のショータはモデルの仕事ばかりが増え芝居への想いを燻らせていたところ、深夜ドラマ出演の話が舞い込む。相手役はある問題から活動休止中のミュージシャン渋川で、ショータの憧れの人物!ところが渋川は投げやりな態度でやる気がなく、ショータは2人での自主練を申し込む。
一緒の時間を過ごすうちに明かされていく渋川の抱える過去…。マネージャーとの苦しい関係や、それぞれの持つ悩みと想い。役者とミュージシャンとしてお互いに成長していきながら、惹かれ合う2人が良かった〜。
作者様買いだったけど、1話が描かれたのは2011年との事で読めて嬉しい!
重たいのに何度も読んでしまう。切なくて苦しいのに、嫌いになれない不思議な作品です。真っ暗な海の底に差し込み光のような作品。一ノ瀬先生の作品は重厚感がすごくて息苦しい展開があるのに最後に救われるから止められない中毒性があります。細かな絵からキャラクターの心情や心の移り変わりが響くように伝わってきて読んでいてとても切なくなるし嬉しくなります。それと、余白が多いところがすごく好き。一ノ瀬先生があえて書かなかった言葉がたくさんあると思っていて、それがすごく人間らしくて好きです。言いたいこと全ていえるわけではないし、言うことがいつも正解ではないからこその表現の仕方。それがもどかしくてとても好きです。
この頃はまだ絵が初期作っぽいんですね(giftで少し変わって、神様なんか〜で劇的に変わりましたもんね)
私はどうも業界モノ(バンド、俳優、モデル)があまり得意ではないのですが(かっこいいキャラがかっこつけてこれでもかとかっこよく見えるよう描かれすぎていると小っ恥ずかしくなってしまう)(気まジャガはそれはなくハマりましたが)本作はそんなシーンがほぼなく大丈夫でした。
健志、敦志というキャラ名は某ミュージシャンを思い出してしまいましたが(字は違うけど)翔太もか。
内容としては、大切な人を自分のせいで死なせてしまった(と自分たちが思っている)罪悪感、贖罪による共依存からの救済…という昔ながらのテーマでしたけれども。
なんだか昭和なメロドラマ風に感じてしまいました。きつく言ってしまうと自己憐憫的な。そのターンが長かったし。
各話のサブタイトルがおもしろいですね(gift各巻の副題のようで)
巻末のクレジットも映画のエンドロールのようで、これもgiftに引き継がれているんですね。余韻に浸れるようで好きです。
本作から少し話はそれるんですが、giftも盛大なトラウマ話でしたが、ストーリーもキャラも良く、好きな要素が詰め込まれていたので、私の中で神作品でした。
ただ、超有名少女漫画に通じる部分が多いなぁと思っていたら、先生はその作品の二次創作をされていて、やっぱり!と
確かに某少女漫画は名作ですが、個人的には80.90年代に10代で読んだからハマって、数年前に読み返すと、若い〜という印象しか持てず(汗)(世間的にはアニメが大ヒットしましたが)
何が言いたいかと言うと、先生もリアルタイムで某少女漫画の影響を受けられたんだなと。だけれども、神様なんか〜ではトラウマものからの脱却を図られている。そこがいいなと思ったんです。
それが本作を読んで改めてよくわかりました。
初期作、本作、giftではトラウマを題材にされていて、作品を追うごとに内容がすばらしくなっていった。
giftでトラウマについて徹底して描き尽くされたというか、見事に昇華できたというか、作品としてすばらしかったので、それがあっての、神様なんか〜が生まれたのかな、と感じています。
もっと具体的に根拠を言えればよいのですが、リサーチ不足でして…先生のインタビュー記事など探して読んでみようと思います。
一ノ瀬先生の脚本力の高さに唸らされました。絵もこんなに美麗な上に、ストーリーにもすごく惹き付けられて、もはや言うことありませんね。芝居に本気になれない渋川が、直向きなショータに感化されて変わっていく話かと思いきや、ページを捲るごとに渋川と彼の周りが囚われている過去が見えてきて、彼らの苦しみが胸の中に迫り来るんです。誰も悪くなかった、けれど誰かを責めずには、恨まずにはいられなかった、不毛だと分かっていてもこの寂しさを共犯者達と分かち合わずにはいられなかった。誰に感情移入しても辛い、雁字搦めのような過去でした。
渋川が最初ショータにゲイセックスの手解きをしてあげた時には、手慣れた攻めかぁと思ったんです。でも、実際には彼は恋人を失った城下に抱かれていた。兄と瓜二つの容姿を城下に捧げることで、少しでも罪悪感を減らそうとしていたんですね。最初の印象からは随分変わって、こんなに健気な人だったんだと彼のキャラクターに心を掴まれました。そして、最後の城下の独白も良かった。渋川兄弟2人の心の綺麗さと比べて、いつまでもそこまで出来た人間にはなりきれない自分をありのままに晒け出した彼。きっと敦志はそんな城下でも快く笑って受け入れてくれたでしょうね。誰も悪くなかったから、誰かを悪者にしたままでは終わらせない展開が素晴らしかったです。すべてはショータが渋川と出会い、彼への影響力を持ったところから始まった。ショータといる時の心底幸せそうな渋川の表情がとても印象に残っています。