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殺したいくらい、貴方が憎い――
次々といろいろな出来事が起こります。
主人公の地位についても、恋愛も。
ファンタジーとして、よく作られていて世界観に浸れます。私が好きなのは、不思議な力が万能でないところや、食事や貨幣など社会の細部を描くところなど。
萌評価なのは、セージが青の王に惹かれた理由が分かりにくいから。
それだけです。
個人的には赤の王とのエピソードが好き。
主人公が、自分の思いから勝手にいろいろと動いて失敗するけど馬鹿には見えないところも良いです。
正月休みに大作を読もうと、今更ながら手に取りました。
手元にありつつもなかなか読み始められなかったのは、私、どうもweb小説とはそりが合わないことが多いからなのです。「ある程度の若さがないと読めないのかなぁ……」と思うこともしばしばございまして。
やっぱり先入観というのは人生の敵だね。
なにこれ?滅茶苦茶面白いじゃないですか!
もっと早く読めばよかったと激しく後悔。
非常に気に入ったのは、主人公のセージが『時間軸を飛び越える』力を持っていることなんです。
あと、王様が5人もいること。
それから、セージが『未来を読むことのできる』妹のヒゾクの身代わりで(自分がヒソクであると偽って)王宮に入ったことも。
この3つの条件があるものですからお話は、過去と現在を行ったり来たりするわ、人間関係が複雑でそれぞれの思惑が交錯するため次にどうなるかてんで見当がつかないわ、主人公は翻弄されるわでドキドキハラハラが延々と続きます。
この巻でやられたのは『肉親を失う辛さ』ですよ。
これ、かなり辛かった。
確かに、客観的に見れば(物語の中の登場人物も同じようなことを言うのですが)過ぎ去ったことは変えられないのだから、昨日のことではなく明日のことを考えるべきなのです。
でも、そこに捕らわれてしまって前に進めないのよ。幸せを感じちゃったりすると、そのこと自体に罪悪感を感じてしまうあの感じ……もう痛いほどわかる。
表紙絵が『青の王』ですから、この人が攻めさんなんでしょうけれども、この巻ではあまり印象が良くないのです。とことん『いけず野郎』ですもん(私はどっちかって言えば『包容力のある負け犬』好きなので)。ただし、何か彼にも過去がありそうでそれにも引っ張られました。
途方もなく読み応えがあります。
厚みに怯んで長いこと熟成してましたが、コミカライズを読んだことにより先が気になってしまい貪るように読み始めました。
コミカライズの良さは、小説を読むきっかけというか、とっつきやすくなるという点ですね。
さてさて、複雑きわまりない世界観で何度もページを遡って読み直しを繰り返していたので、正直なところ、この巻はあまり楽しむ余裕はありませんでした。
というのも、甘さがほとんどないので、恋愛を楽しもうにも楽しめるだけの要素がまずありません。
今のところ、主人公の恋の相手がどうなるのかもよくわかりませんので、まるまる分厚い1冊を使ってプロローグを読んだという印象でした。
最後の方まで読んでから、ようやく世界観を理解するというポンコツ脳なので、そのあたりをもう少し分かりやすく表現して貰えたらよかったな、と思います。
作者の書きたいことが溢れていて、余計な情報が多すぎた印象なんですが、勢いがあるので夢中になって読めました。
読み終わる頃には登場人物のことも大体は把握でき、それぞれのキャラに愛着が湧くくらいには魅力的な面々でした。
主人公の性格は好き嫌いが分かれそうですが、私は割と好感が持てましたので、このままの勢いで続巻も楽しく読めそうです。
赤の王と青の王との三角関係かと思いきや、受が緑の王になってしまったことにより、一体どうなってしまうのかとハラハラドキドキ。
夢の中で過去を遡っていったりするのですが、表現が少しわかりにくいというか、場面が突然切り替わるので少し混乱してしまいました。
そのあたりをめりはり付けて書いてくれたら親切だったかなと思います。
とりあえず、この巻ではもう本当に全然桃色な雰囲気がないので、次巻あたりから恋愛に発展することを祈っています。
話題になっていた時にはなんとなく手に取りそびれ
今回コミカライズを読んで、続きが知りたくなり
それでも迷いに迷った挙句
(だって、版が大きくて持ち歩きにくい、お値段が高い×3冊)
ちゃんと挿絵もあるとのことだったので電子版にて購入。
そもそも、巻頭の地図……ってやつに弱いのだ。
ゲド戦記とか?コルセーアとか?
ファンタジーのその世界観を表している地図を見ると
それだけでその世界に引き込まれるのだけれど、
がーん、電子版(Kindleです)1Pずつの表示だから地図が分断……
ぬかりました……(>_<;)
それはともかくとして。
読んでみての第一印象は、ものすごくライトなんだな、ということ。
コミカライズで読んだ以上には、あまり情報が増えない。
逆に言うとコミカライズの出来が非常に良いということだろう。
そのライトさは、個人的にはちょっとがっかりだったのだが
普段あまり小説やファンタジーを読まない読者にとっては、
特に先にコミカライズを読んでから読み出すと、
非常に取っ付き易くてわかりやすいのではないか?と思う。
ストーリーに関しては他の皆様がもうお書きなので割愛しますが
神の血をひく『5人の王』が治める国シェブロンを舞台に
『星見』の力をもつ妹を守るために、身代わりとなって
パーディシャー(中央の王)青の王に身を捧げることになって
怒涛の運命に翻弄されていくまだ10代前半の少年セージの物語。
傲慢で冷酷な青の王アジュールに抱かれながら、
暖かく優しい赤の王ギュールズに惹かれていくセージ。
このセージのキャラクターが好きかどうかで、作品の評価は変わるかも。
一生懸命で情に厚く強気なんだけれど泣き虫で、向こう見ずな理想主義者。
というのは、典型的な少女漫画の(私は苦手系な!)ヒロイン像。
だけれど奴隷の時代に主人との間に性関係があって
案外性的には快楽に弱く、というもの。
一方で青の王も、脇役の(スピンオフでは主役を張りますw)シアンも
赤の王も、取り囲む男達はとても魅力的。
色々と複雑な過去が提示されつつ、セージは物語の中心に躍り出ていき
(これは、2巻の表紙をみていたら容易に想像がついた話ではある)
運命が大きく動き出していく。
コミカライズで惹きつけられた絵歩さんの挿絵はとても素敵。
ということで、2巻に進みます。