心ゆさぶる男と男のドラマティック・ラブストーリー!

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表題作君が僕のすべて(1)

鍋島司
バイトに雇われた高学歴の男
武田剛史
帰国して起業した中卒の社長

その他の収録作品

  • おまけマンガ
  • あとがき

あらすじ

真実の愛を求め、彷徨う鍋島(なべしま)は
カフェで出会った和美という女性に心惹かれる。
しかし、彼女には武田という夫がいた。
最初は粗暴なオレ様男・武田に嫌悪感を抱くが、
彼の会社で雇われることになり
側に居るうちに印象が変わっていき……?

作品情報

作品名
君が僕のすべて(1)
著者
西田ヒガシ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
シリーズ
君が僕のすべて
発売日
ISBN
9784403664076
4.1

(49)

(24)

萌々

(14)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
200
評価数
49
平均
4.1 / 5
神率
49%

レビュー投稿数7

かけがえのない出会いになる予感

 西田先生の描く、傲慢な態度なのに実はコンプレックスを抱えていたり危なっかしい精神状態だったりする男性って、不思議な魅力があるなぁと思います。本作の武田も、一見庶民を見下す何もかも手にした男に見えるのだけど、その実態は中卒から行動力で成り上がったため学歴などにコンプレックスを持ち、現在はEDに悩む、どこかまだ子供のような雰囲気が見え隠れする男。突っ張って生きている感じが、なんだか痛々しいのです。彼の妻狙いで近づいた鍋島が、いつの間にか武田の方に惹かれていくという展開が、突拍子もないはずなのに違和感が少ないのは、やはり武田の魅力に共感するからだと思います。2人が今後どのように距離を縮めていくのか、どんな関係性を築くのか、2巻が楽しみです。

0

出てくる女性はいつもカッコイイ!

喫茶店で偶然出会った人妻に一目惚れし、その亭主、武田の家でハウスキーパーの仕事をすることになった鍋島。
ここ最近の西田さんの作品とは一線を画するような気がするけど、出てる役者さんはおなじみの人といった感じで安心します。
安定の西田劇団!そして相変わらずセリフがなくじっと目で語るシーンのエロスったら!
今回は無垢な子供のような表情も足され、はー、参りました。
まったく正反対の二人が戸惑いながらも、惹かれ合っていく過程が今後ものすごく楽しみです。

3

お姫さまと王子さまは幸せに……

西田東作品では、たとえ女性キャラクターが本筋に絡んでも決して嫌味がなく、ストーリー上で必要不可欠な存在である。今回はそれをしみじみ感じた。
この『君が僕のすべて』もそうであって、むしろ居なければはじまりようがない。
男性と男性のラブストーリーを描くことが前提であり、読み手もそれを期待してページを捲る。西田先生はノンケを描くこともまことストレートでそして自然に成される。けれどもしごく滑らかにボーイズラブへと舵をきる。いつもながら、不思議な塩梅だと思う。
私は和美が結構好きだ。武田と離れようと感じる理由もなんとなく分かる。行動に移すか移さないかの違いだと思うのだ。勇気と決意が要る、それを出来るというのが、和美らしい聡さなのだろう。

それと西田先生の創る、子供っぽい男性というのはなんでこんなにも可愛らしいのかッということ。
顕著なのは武田!
横暴であるし我儘であるし、時に粗暴で時に強引ながらも彼は根っこのところで自らの[不出来]なところを認めている。コンプレックスを抱えてもいる。
するとそれをを満たすために欲望は肥大する。自らを重要な存在に見せようとする。足りていないからこそ欠落のない人間に見せたくなる。おのずと自尊心も大きくなり、教えを[請う]ことが素直に出来なくなる。
そう、素直じゃない! この素直じゃないっぷりがイイ!
彼自身で認めたり、対等な人間が相手でなければ揺るがない。
というか鍋島も思うように、根本は明るく人好きのする性格のはず。ただ[性的不能]という男らしさの欠落が彼自身認められず、絶望し、また大きな[コンプレックス]になっている。素直さが足りない。
けれども[享受]したい気持ちはある。だから、目を丸くさせて、相手の出方を待つ。端的に言えば相手の優しさ頼みのところが、子供っぽい無邪気さが他者の心をくすぐるから良いのだろう。
こーれが、すさまじい愛らしさだと思う。
意図的にするとなれば不自然さが目立つが、無意識だからこその間がある。
はじめこそ訝しく思っても、武田という人となりを理解するとその[待つ]仕草が途方もない可愛らしさを孕んでいることに気が付いてしまう! いやー知らず知らずのうちに人の心を揺らめかせる天才だ!! しかも意図せぬところで恋に落とさせるという!!
武田がかわいい!

……っていうのを、鍋島モノローグの哲学っぽさを真似て考えていました。しこたま武田が可愛い一巻だったのです。
鍋島は哲学的で、ロマンチスト。運命をたどって、愛する人を探している。
かたや武田は比較的現実主義な節があるので、ふたりは正反対に近い。なにより武田は既婚者だし、結ばれようがない、はず。
でも鍋島がロマンチストだからこそ、武田へ興味を抱いたんだろうな。きっと少しの憐憫もあったかもしれない、でもそんなこたもう関係ないでしょう。笑ってほしい、笑顔を見てみたい、その一心だもの。そして自分の心にひどく従順なひとだから、もう武田が好きで仕方ないのをしっかり認めている。潔さが美しいですね。
鍋島の奉仕精神もまたこれ、可愛らしいから読んでいて狂おしくなります。詩織さんに対する懺悔の気持ち半分、本当に愛せる人を求めたい気持ちも半分、まだ鍋島自身も揺れるときかもしれません。

武田は女性に捨てられることに関するコンプレックスもあるのだろうな~とか、
和美とのことをどうするのだろう(武田から離れるとは言えないんじゃなかろうか)とか、
そもそもの性的不能の要因を取り除いて回復することができるのだろうか(たとえ鍋島とそういうことに至って欲情して勃起したとしても、武田は満たされない気がする…)とか、
内面的に様々なことが気にかかります。
本編に漂うなんとも言えないうら寂しさが余韻に残……らなくなるようないつもの四コマが好きです!!(笑)
ラプンツェル?カエルになったお姫様?武田はどうやらファンタジーの人!

西田先生のじんましんがよくなるよう祈りながら、次巻を待っています。

0

シンプルに、愛を求めて

印象的な表紙の雰囲気……
それに惹かれて久々に西田作品を読んでみた。

武田と、彼を静かに見守っている鍋島。
本編の二人の性格や関係を端的に表している絵だ。


恵まれた家に育ち優秀な経歴を持ちながら、無職の鍋島。
とあるきっかけで彼は武田の妻に惹かれ、武田の元に雇われることになる。

アメリカで家事の事業で成功し、権力やお金を持っている武田、
名声を求め人を支配し、闘争心を燃やしながら生きているが、
彼は実はEDで妻には内緒でカウンセリングも通う日々だ。

最初はむしろ反発を感じていた武田に対して、
徐々に恋心を抱いていく鍋島。
彼の視点によって描かれる武田が、どんどん可愛くなっていく。
闘いの鎧の内側に眠る、無垢な武田。

二人の人生の対比、リアリティのある性の扱いなど
西田さん、シンプルに力強く、やはり上手い。

全く反対の価値観を持ち、異なる生き方をしている二人の人生が、
どのように交わっていくのか。
共に欠落を抱え、愛を求める大人の二人の行く末が楽しみだ。


おまけ漫画や、カバー下にも、はははと笑って……
でもこれ、なにげに深遠な話かも?

6

【アレ勃ちぬ】 『勃たねば。』

1巻はスタートラインについたばかりで恋の予感を匂わせるとこでストップ。
アレが勃たない男性(嫁持ち)に恋をしてしまう話なのだが
勃たないとなると…まぁそのぅ…エチの…心配が…
2巻で西田東先生が華麗にゴールを決めてくれるであろう。
秘密めいた家族が何かしら絡んでくるはずなので泥臭い人間ドラマになりそうと期待しつつ、嫁の謎の行動や勃たない原因の解明などなど、どんな展開でくるのか2巻がすごく楽しみ。

あとがきの『完・カタツムリ』で爆笑。
西田東先生、じんましん治ったのかな~。
(私も今左二の腕にじんましん出ててなかなか治らない)

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