まじめ男と彼女持ち。 2人が半同棲関係になるまでの、 8ヶ月の日記。

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表題作スニップ,スネイル&ドッグテイル

翻訳家 不器用でまじめ 峰大規
バスの運転手 フランクな彼女持ち 安城文栄

その他の収録作品

  • bonus track(描き下ろし)
  • the recipe(描き下ろし)

あらすじ

翻訳家の峰とバス運転手の安城は〝目新しい友人〟同士。
峰は不器用にまじめで、
フランクな安城には彼女がいた。
異質な2人。
だけど彼らは急激に仲良くなり、どうにもおかしな距離感になっていく。

仕事、食事、友人関係など、
恋と共にある〝暮らし〟を細やかに切り取った、日記形式ストーリー。

作品情報

作品名
スニップ,スネイル&ドッグテイル
著者
ヤマシタトモコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
ISBN
9784396783396
3.7

(115)

(42)

萌々

(35)

(16)

中立

(13)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
31
得点
411
評価数
115
平均
3.7 / 5
神率
36.5%

レビュー投稿数31

めっちゃ新鮮だった

作家買いしてます。BLのみですが。

今回は物語が断片的に日常のひとこまを切り取られているような
面白い描き方でした。

日記をそれぞれが書いていたとしたら、それを他人がパラパラと
読ませてもらっているような

描かれているのですが
魅せられているような
しかも、盗み見させてもらっているような、とっても不思議な感覚に陥りました。

ここが、好き嫌い別れる部分かなと思った。
絵柄も含め。

私はとても好きでした。
会話がなくても、登場人物に名前がなくても、成立すらするのではないかとさえ思った。

とてもビビっとなカラーの表紙とモノクロで無機質な本編の絵柄がとても対象的でした。

15

大事件など起こらなくても。

私、今迄ヤマシタさんのBL作品、
どちらかと言うと苦手だったのですが、
この作品は物凄くツボでした…!
なんというか、読みながら、
とても、どきどきしたのです。


皆様がレビューしていらっしゃる通り、
時系列がバラバラな日記を
読んでいるような感覚の作品。
時間軸に沿っていない上、
違う視点や違う場所での同じ日の出来事が
これまた何度も挟み込まれるように出てくるので
すんなりとは読めない。
ですが、その見せ方が
激しく難解というわけでもないのです。
【分からないようで分かる】
ギリギリのライン、と言うか。


私は一読目、
そのまま本の順番通り読んだ時は
行きつ戻りつしながら
「あ、これ同じ日なのか~」とか
「これ、あの日より前のことなのね」とか
ちょいちょい確認しながら進みました。
その確認作業でどきどきが増長。

そして二読目は巻末のもくじ見て
時系列順に読んでみました。
(わざわざ付箋付けて、もくじ何度も見返さなくても
 読みやすくした上でトライ・笑。)

さらにその後三読目、
また本の順番通りに読んでみました。
こんな読み方初めてした。


何度も読んで思ったのは、
描かれている日が、意外にも飛び飛びで
読む人の想像力を静かに煽るなぁということ。
例えば、
告白めいたものを
「なかったことにしない」と言った日から、
次に描かれる日までは10日位間があって、
この間にも色々と想いは廻ったんだろうな、
とか思って。


内容自体には、大きな山と言えるほどの
事件は特にないです。
でもそれでも、恋心っていうのは
生まれちゃうもんなんだなと
思わせてくれるのが私はすごく好きでした。

同性同士の恋愛に「俺はそんなんじゃない」
と抵抗するヤマシタ作品らしい
ぐるぐるネガティブ思考は健在。
今迄私はそれが苦手だったのだけれど、
(先生はそこが萌えポイントなんかな~)
この作品では、悩んでた安城が
峰くんと付き合うことになってからは
カラッとナチュラルに、
好きという気持ちを表に出してく。
それにとってもキュンとしてしまった。
なかなか「好き」とは言葉には出来ない
ツンデレ具合にも悶えた!

それから、安城の恋人だったみちこちゃんは
ふたりの背中を押した…のかな。
描かれてないからもうそこも想像ですが。
谷川俊太郎さんの【黄金の魚】を
峰くんが検索した日の前後の
エピソードの配置に凄く心をつかまれたので。
まさに【黄金の魚】の一節を
ヒシヒシと感じてしまう流れで配置されてて…。
ヤマシタさんらしい心抉る感じが
痛々しくない程度に感じられて
この辺、とても印象に残ってます。


読みにくさがあるのは事実なので、
万人受けする感じではないと思います。
好き・嫌い、というより
すんなり来る・来ないが分かれる感じと言うか…。
言い表しづらいのですが、自分はツボでした。

今も何度もちょっとずつ読み返してます。
一冊まるまるこの話だけ、ってのもすごくよかった。
これで短編混ぜられてたら、さらに混乱しそうだし(笑)。

ちなみに、最初は装丁のインパクトで
気にし始めた作品でした。
秀良子さんの『宇田川町で待っててよ。』
と同じ方の装丁なのですね。

13

小花インコ

私もマネして付箋を付けて読んでみたいと思い付箋を付けている最中にコメントしております。
私も装丁を見て購入するタイプで『宇多川町で待っててよ』
の装丁がとっても好きなので参考になりました。
ありがとうございます♪
とても読み応えのあるコメント大好きです!

最後のピースがはまるまで

ヤマシタ先生の描く男性って、どうしてこんなに素敵なのかしら?
ほんと、すっごく色っぽいなぁ~ε- (´ー`*)

8ヶ月の間のピンポイントの数日。
その一日一日を、さらにエピソード毎に細分化して。
現在、出会った日、少し前、年末、春、などなど、時間は行ったり来たりする。
でもね、これが謎解きパズルのようでとても楽しいのです♪

はじめ、すでにカップルの二人の小さな小競り合い(までいかない)やり取り。
その後わかる、半同棲状態。
何故二人は付き合う事になったのか?
彼女のいるノンケと実はゲイだった二人が?

峰くんと職場上司の仕事外のやり取り。
安城くんとみちこちゃんカップルの会話。
二人が出会うきっかけの人、安城くんの飲み仲間で峰くんの先生の言葉。
峰くんと安城くんの、様々な時間、出来事。
みちこちゃんと峰くん。
小さなピース。
バラバラのピースたち。

徐々に見えてくる、真相心理、変化、言葉の意味。

すっごいなぁ…。
ヤマシタ先生は、やっぱり天才だ!!
最後の二人の足のアップとか、激萌えしました♪
どうしてこんなにも、楽しくて切なくて深い話が描けるのだろう?
このお話を読み終わって、心が震えました。

時間が行ったり来たりして、読みにくさに好きではない人も多いかもしれないけれど。
私はその簡単に解けない難しさが、とてつもなく大好きです♪
ヤマシタ先生ありがとう!!(>▽<)

8

「全然わけが違うから」

彼女持ち、ハーブ好きバスの運転手安城と、帰国子女で何気にロマンティックな翻訳家の峰の話。


物静かな感じですが、結構勢い任せというか正直者?素直?
帰国子女ゆえの疎外感とか、封筒の標本を飾ったりだとか繊細に見えますが開き直ると強いです。キレるシーンは一瞬ビクッとします。
だんだん安城よりフリーダムなやつに見えてきます、なんだか。自分に向いている気持ちにも、自分の気持ちにもそこそこ鈍感そう…。

安城
人付き合いがうまそうでのらりくらりとしている割に、警戒心の強い人です。
ほぼモノローグがないのでこの人の本心がわかりづらいのですが。
あと、みちこちゃんのことはちゃんと好きだったと思います。
峰がバスに乗った日の夜が好きです。

みちこ
みちこちゃんは素敵な女性だと思います。
安城の彼女なのですが、二人を邪魔することも恨むこともない、嫌な人ではありません。
すごく強烈に話に絡んでくるわけではないし華やかでもないのですが彼女の存在なしにはこの話、成立しないと思います。

個人的には最高でした。こういうのが好みだったのか!と。新しい趣味をこじ開けられました。
ただ、合わない人には合わないと思います。構成がわかりづらいですし、言うほど日記ぽくもない。
(その日一番印象的だった出来事を切り取って混ぜた感じですかね)
オレガノ美味しかったです。

6

こういうの大好物だわ!!

個人的にはこういうのすごく好みでした!!
読みずらそう…うぅ…とは思いました。時系列が…って。
でも、読み進めて行くうちに、あ、この日は確か…(ぺらぺら)
あ、そうだった、そうそう…それでそれで!?^^

ってな具合に、前にも先にも頁めくるのがどんどんワクワクしてくるんですよ。
私は多分、この作品のカラクリにまんまと引っかかれたんです。
すんなりと読まされてしまいました^^

こういう作品欲しかった!みたいな…個人的にすごく満足で、何度も読み返したい作品です!
買ってよかったな!って思います^^(私を呼んでくだすったんでしょ?みたいな)
この作品に出会えて本当に幸せです。幸せ者です…^^

2

この作品が収納されている本棚

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