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丸木文華先生の既刊作品は拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
エロ 4
不憫 4
執着 3
甘々 2
な感じだと思います。
佐助さん×与六くんのカプです。
貧しい村で生まれた与六くん。しかし不吉な出生と両親に似てない、美しい見た目から「鬼子」と言われ虐げられ、慰み者にまでされていた。更には、悪名高い領主の目に止まり、その身を差し出されることに。飽きられたら殺されてしまう、死を恐れた与六くんは村を逃げ出して…。
受けの与六くんは、産まれる時に母親が「鬼の子」だと産むのを嫌がっておかしくなってしまったり、見た目の美しさから村の男達や父親など、明確な描写ではないですが、身体を弄ばれたりして、とても不憫な扱いを受けています。
村を逃げ出した際に怪我をした与六くんを助けてくれた攻めの佐助さんは、口数少なくも言動から与六くんに対する優しさが垣間見える包容力が素敵です。
そんな佐助さんと想いが通じ合ってからの2人はまさに蜜月に相応しい甘々具合です。
しかし、ある出来事から佐助さんの凄まじ執着心が芽生えたり、2人の仲を引き裂かれそうになったり、様々な波乱が起こります。
不憫な扱いを受けた与六くんが、佐助さんと出会ったことで、喜びや寂しさなど、様々なことを知っていき、佐助さんも独りでは抱けなかった感情が芽生えてきて、2人が唯一無二の存在になっていくのが、シリアスな物語りの中での光なので、是非とも読んでほしいです。
主人公の2人は純愛ですし、心がきれい
佐助の執着には途中、少し引きましたが…
これでもかと濃厚な絡みがあるので、少しエロいのが読みたいと思われてる方は満足されること必至です
レビューで書かれてる方もいるのですが、時代感を出すためか、隠語が現代っぽくないので、そこで萎える方もいらっしゃるかもしれません…
私は本編も好きなのですが、番外編の話にも萌えました
読んだことはないのですが、江戸川乱歩の“屋根裏の散歩者”もこんな感じなのかな?と思いました
文体から滲み出るじめじめ鬱々とした雰囲気が凄い。とても良い。
人と離れて暮らしてきた佐助と疎まれ続けてきた与六が優しさを知ってくところは暖かく、与六を鬼に仕立てさげずむ人の身勝手さが泥臭く。佐助が大事な人を得たことで朴訥な性格に独占欲憎しみと負の感情がついてしまったこともがつーーんときた。ただただ優しかった佐助が嫉妬のあまり与六のことを信じられなくなって自分本意になるとこはツラい…村人の身勝手さも気持ち重くなる…けど、佐助、与六の心の変化、権者との対峙と心の強さ、思い合う気持ちはとてもとてもカッコ良かった!!ミステリー?伏線がいろいろで面白かった!
ツラいとは言いましたが、緊縛でガツガツなHはどエロくて濃密で淫靡な雰囲気たっぷりで、まーーーとにかく凄かったです!!笠井あゆみ先生のイラストも本当にお耽美で…
どうなるかと思ったけど、二人で均衡を保ってるって権者の言葉のとおりでした。
ファンタジーというのか時代物というのか。ジャンルは分からないが、世界観の構築がしっかりしており、序盤から訛りも設定もすんなり入ってきた。文章も余計な修飾が少なく短文が多くなっていて、その雰囲気づくりに一役買っていた気がする。
与六の境遇は悲惨なものだったが、この時代なら仕方ないとも思わされ、与六に同調するように諦めの気持ちで読んでしまった。
与六視点で語られるモノローグは、感情に関する表現はあやふやなのに、肉体的な痛みに関する知識は豊富。笑うこともなく涙が出る意味も知らないのに、落下の衝撃を和らげる術は知っている。そのちぐはぐさが今までの経験からくるものと考えると、切なくて泣ける子供だった。(ここら辺の描写はどこまで計算されて書かれたものなのかな…?)涙が流れる描写も、与六が知らないからか毎回違う表現になっていて、だからこそ感情が伝わりやすくなっている感じがすごく良かった。
佐助と出会ってからの二人は、傷を舐め合う獣のように睦み合う。佐助が与六を「与」と呼ぶのは、六番目の子として名付けられた与六を、元いた場所から解き放つ意味があったんだろうか。与六を通して見る子供のような笑顔の佐助が魅力的で、二人にがっちり心を掴まれてしまった。
当然蜜月は長く続かず敵が妨害しにくるが、験者はまさに馬に蹴られた状態で追い払われる。片方を消すとまずい、では両方いっぺんに、てな判断に至ることはなく、愛の前に改心させられたように去っていった。二人の壮絶な過去の後にくるエピソードなので、これ以上辛いものだと耐えられそうになかったのでほっとした。
ここの与六は素晴らしく、初めて欲しいものを見つけ必死になる様子に泣けた。
続きのSSはすっかり気心の知れたふうふになった二人の小話で、あまりに普通の恋愛をしているところがとても良かった。ただヤキモチを焼くだけでも、そんな感情が芽生えるようになったのか、と勝手に泣けてくる。
モブ視点なのも、今もどこかで二人は幸せに暮らしてますよ感が強く出ていて、幸せな余韻の残る終わり方で良かった。
しかし最後まで与六の村を全壊させた犯人を隠し通した佐助が気になる。与六が知るとまずいような事実なら、佐助視点ではっきりさせて欲しかったと思う。ここがもっと知りたかった、突っ込んで書いて欲しかった等々、もっと読みたいと思う箇所が他にも点在していて、読み終わってもどうにもムズムズが止まらない。自分なりの考察で終わらせるところなのかなあ。単にこの二人の物語をもっと読みたいだけかもしれないが。
挿絵は当然素晴らしかった。この世界観に笠井さんという判断は神だと思う。本文は★4.5、挿絵プラスで神。
2020年、世間では鬼を退治するヒーローが大流行しましたがこちらは退治される鬼さんサイドの言い分といった話でした。
周囲と少し違っているというだけで忌み嫌われ、人間社会から爪弾きにされた2人が互いの孤独を慰め合う姿は鬼というよりも傷ついた小動物のようで哀しくも愛おしい……
むしろ、罪のない与六や佐助を鬼と罵って痛めつける人間たちの方がよっぽど鬼なのではないか?佐助を調伏しにやってきた験者が「鬼と人とは、背中合わせだ」と口にしますが、本当に人は誰しも心に狂気を飼っているのだなとしみじみ思います。
などと難しく考え込んだりもしましたが、そんなこと一瞬で消し飛ぶくらい2人のえっちはエロかったです。まじでどエロかったです。
そんなに強い力で抱きしめたら与六は粉々になってしまうのでは?というくらい佐助の愛が劇重いです。体格差いいぞ〜(合掌)
大事に大事にしすぎて与六を監禁しちゃうところもまたいい!出会った当初は仙人?のようだった佐助が性欲剥き出しで暴走する様子にめっちゃニヤニヤしました。多分新年初笑いです。
あと後日談の「流るる雲」も最高でした。平次郎、その場所変われ。
ラスト3行は人類全員が胸に留めるべき言葉ですね。そして不倫、ダメ、絶対。