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いとしの未来くん

itoshi no miraikun

惹人怜爱的未来

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表題作いとしの未来くん

杉田日平,家が隣の幼馴染で同級生
遠野未来,日平の家に世話になっている高校生

同時収録作品いとしの未来くん

附柴先輩
遠野未来

同時収録作品いとしの未来くん

(仮)鮎美 チカン
(仮)遠野未来

同時収録作品いとしの未来くん

田中太郎
遠野未来

その他の収録作品

  • Let's become a lover.

あらすじ

未来くんは、僕の恋人。


「よく言えば純粋、悪く言えば馬鹿」
親友の日平からそう評され、誰にでも優しく、人を疑うことを知らない未来くん。
そんな彼が、同性から告白され付き合うことに。
心配する日平をよそに、未来くんは恋の甘さと辛さを知っていき……。

"いとしい"ってどんな感情? 心の繊細で柔らかいところに触れる、吉田ゆうこ初の長編作。

作品情報

作品名
いとしの未来くん
著者
吉田ゆうこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
ISBN
9784829685464
3.8

(78)

(36)

萌々

(10)

(18)

中立

(11)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
16
得点
285
評価数
78
平均
3.8 / 5
神率
46.2%

レビュー投稿数16

どこか儚い未来くん

表紙に惹かれて購入しました。未来くんという男の子が男の人から告白され、恋愛を知っていくお話です。
運が悪いことに、未来くんは付き合った全員とあまり良くない別れ方をしています。三番目に付き合った田中さんは初めは未来くんの相談役として仲良くなりますが、後に恋人となります。この人となら上手くやっていけるかもしれないと思った矢先、未来くんは田中さんの住んでいるアパートに行くと、大金が入った封筒だけが残っていました。これをきっかけに未来くんは更に恋に臆病になってしまいます。未来くんは今までの恋人がちゃんと好きだったが、男運が悪いのか辛い恋愛ばかりを経験しました。その思いを受け止め、過去の恋愛から傷ついた未来くんを支えたいと思っている人と結ばれてとても良かったなと思いました。

0

吉田先生の素晴らしさに震える作品

吉田先生コンプリートへ未読作品を少しずつ読み進めているのですが、どの作品も素晴らしい吉田先生ですが今作は特に素敵だと思うのでかなり以前に出版された作品ですがここに記したいと思います。




父子家庭で父親が海外単身赴任のため幼馴染の家生活している未来くん。静かな子だけど人を惹きつけるものを持っていて、ある日先輩の男性に告白される。戸惑う未来くんに相手は自分をして欲しいと言う。誠実でありたいと思っている未来くんは彼の気持ち受け入れてやがて彼を好きになるけど…。
好きという気持ちの不確かさ脆さを虚しさを数人の相手を通して体験する未来くん。
次々に告白されたり側にいてもらった相手を好きになり、少しずつ体も許すようになるんだが、個人的にはビッチには見えなかった。
恋は脆い。
誠実でありたいからこそ相手を疑わず相手をよく見つめ、内包しているだろう寂しさのためか相手の寂しさに反響するのか、相手を好きになる未来くんの好意の変遷が悲しく美しい。

たどり着いた彼とは未来くんにとっては誠実の真逆に始まった関係だろうけど彼の誠実さを受け止めて二人想いを育てていってほしい。
最後ベットで語られるモノローグが本当に素敵。
吉田先生は先生にしか書けないお話といつも思うけどこのお話もそうだった。痛く切なく可愛くて美しい。

0

博愛主義の未来くん

惚れっぽいというか、相手に好きと言われたら好きになってしまうような未来くん
それは、真剣に向き合っていていいとは思いますが、それにしても、行き過ぎてるかなって思ったなぁ、、
幼なじみの日平くんはずっとそんな未来くんのことが好きだったけど、傍観者であるだけ。
ずっと誠実でいたい未来くんに、なかなか口出しすることが出来ず。
ほぼセリフだけのストーリーでサラって読めちゃいます
未来くんが恋をする相手が日平くん以外に4人います、1人目の相手が個人的に好きだったけど、未来くんの中途半端さで傷つけてしまってるし可哀想だな、と、なんていうか、未来くんに魅力を感じれなかった!!!!
フラフラしてて、色んな人を傷つけてしまってるように感じました

ハッピーエンドなので良かったのですが、日平もこうならなかったら、未来くんを手に入れるつもりは無かったのか、手に入れようとする欲を感じなくてなんか感情輸入できたなかったかなぁ、、、

0

やさしい子なんだよなぁ

好きって言われたから好きになる未来くん。悪く言えば流されやすい性質なのだけど、彼は何も悪いところがない。
とても誠実であろうとする未来くん。こんな子に好かれたらきっと幸せだと思うのに、寄ってくる男は駄目駄目で…
好きって何なのでしょう。
彼が経験を経て変わっていくのが切なくて、でもどうしたら彼が救われる?終結になるのか予想できなくて目が離せませんでした。
アンバランスなタッチも深夜の空気のようで雰囲気があるのですが、良い場面での手の描写がゆるくて怖かったです…

0

うーん

表紙に惹かれて購入しました。

1話1話相手が変わるのですが、展開が早すぎた気がします。え、もう終わり....?と思ってしまいました。
どんどんビッチになっていく未来くん.....
最後突然「これがいとしいということか」と繋がるのもよく分かりませんでした。
もやもやが残る....私の趣味ではなかったです(--;)

2

一歩間違えれば…

未来くん。
純粋で真面目でいい子なのに逆にそこにつけこまれてダメンズホイホイになっちゃって。
でも毎回真剣だったのに、相手から去っていって。
毎回悲しむ未来くん。そしてそんな未来くんをずっとそばで見守る同居の幼なじみ日平。

失恋を繰り返して体は快楽を忘れられなくて。

最初は日平が相手かなと思ったら次から次へと変な男に引っ掛かって、日平が最後に残るとは思いませんでした。

田中さんが言ってた博愛主義の行き過ぎに思えましたが、誰も疑うことを知らなかった未来くんがどんどん負の感情を身につけていって。

最後は日平とうまくいって良かったですね。

一歩間違えれば可哀想な子ですが誠実で、そんな未来くんを見てくれてる日平がいて良かった。

0

「好き」が交わる奇跡

 可愛い絵で相変わらず人間の心情を巧みに描くなぁ、というのが第一印象でした。『HEARTY』でも感じたんですが、吉田先生の作品は「好き」という感情について様々な角度から考えさせられます。主人公である未来は、非常に素直で純粋で、誰からも好かれるようなキャラクター。しかし、良からぬ人まで引き寄せやすい性質でもあり。学校の先輩から始まって、特殊な性癖を持つ大学生や、一時の癒しを求める大人など。未来のことが好きな幼馴染の日平は、ただ彼を見守りながら、心配が高じると時折首を突っ込む日々が続きます。

 最初の先輩はともかく、未来の性的な写真を撮ったり彼が痴漢されても興奮してしまったりする大学生や、最初からすぐ別れが来ることを分かっていながら未来を唆す大人は、客観的に見れば酷い人間。でも、彼らと付き合う時、未来は毎回真剣に彼らのことが好きで、彼らもまた未来のことをちゃんと好きなんですよね。きっかけこそ確かに受け身なものの、自分を好きと言ってくれた相手と一緒にいるうちに、自分も好きになっていくことってよくあると思います。未来にとっては本当に1つひとつが大切な恋愛だった。だから、未来のためと言って勝手なことをする日平に怒った彼の気持ちにも共感しました。

 結局未来は日平の方から何か行動を起こされるまでは、彼に恋愛的好意はほとんど見せませんでした。他人との恋愛を見守られているだけの間は、あくまで未来にとって日平はただの大切な幼馴染でしかなかったんんでしょうね。そして、日平が重かった腰を上げることでようやく2人の関係が進展し始めます。自分を好きになってくれた日平のことが気になって、だんだん好きになっていく未来。

 彼はふらふらした人間なんでしょうか? 流されやすい人間なんでしょうか? 私はそういう彼の気持ちも立派な「好き」だと思いました。未来が好きな人にだけ見せる表情の可愛さを見れば、彼がどんなに日平を好きになっていったかが手に取るように伝わりました。一方で、日平も初めて自分から行動して「いとしい」という感情を知ります。「好き」と「いとしい」が交差する瞬間はこんなにも尊いものだったのか。自分の「好き」も他人の「好き」も大事にしたくなる、そんな素敵な作品でした。

1

恋多き未来くん

受けの未来くんが攻め以外の3人の男性と、付き合ったり別れたりします。
未来くんにとってはすべての恋愛が、真剣で誠実な恋だったんだなぁと感じました。
未来くんが誰かと恋をしてる中、日平は日平で悩んだり心配したりしてるんですね。
その二人の関係がいじらしく切なくもありました。
別れて傷つく未来くんが何とも可愛そうで…。
最終的に幸せになれそうでよかったです。
「好きだった」と言って泣く未来くんと、それを静かに受け止める日平も素敵でした。
じんわり幸せな気持ちになれておすすめです。

0

波乱万丈な恋の行く末は

主人公が毎回違った相手と恋をする連作です。
大人しくお人よしな未来がいろんなタイプの人物と次々に恋に落ちる…こういうストーリーを昔少女漫画で読んだ事がありまして、ストーリーそのものは既視感を感じました。しかしこのお話は未来が惚れっぽいわけではなく(十分惚れっぽいのですが)毎回惚れられて、告白されて、お付き合いすることになります。

未来は優しくお人よしと言うか、はためには流されているだけのように見えます。
しかし、幼なじみの日平に言う、「ほんとに好きだった」という言葉には胸を打たれました。恋ってなんなのかを考えてしまうお話です。

自分の今のこの歳で、10代の学生が「初めてお付き合い」をしたり、「初めてキス」している恋愛漫画を読むと初々しいと思いますが、この恋が最後の恋ではないだろうと思います。
惚れっぽいのが学生のときの恋で、手をつないだり、一緒に図書館に居たり、それだけで火照ってこの人が好きなんだと思うのが10代の恋なのではと思います。
未来の「ほんとに好きだった」という台詞にはその10代の恋の全てが集約されている気がしました。

ラストは予想できるように描かれています。未来は何度も失恋して何度も泣きますが、最初からラストにむけての安心感は持てる作品です。
とても未来のある終わり方で、こういうラストが好きだと思えました。

2

愛しいと気づくまで。

惚れっぽいというか、だめな男とかに好意を抱かれる未来。
そんな未来を心配している日平。
未来は気の毒な子ように思いました。
言葉の端々に、認めてほしい、自分いう人間を愛してほしいという
願望が見えたように思います。
最終的に未来は本当に自分のことを思ってくれる人を見つけ、
日平は未来と気持ちが通じ合って報われたんじゃないかなと思います。

ただ読む人を選びそうな作品だと感じました。
未来は幸せなのかな、とか日平は自分の力が及ばなくて未来を守れないと
途中思っていると思うので不憫です。

2

何度でも、未来くんに恋をする。

惚れっぽくて一途で純粋で、付き合う相手に合わせて自分を変えてしまう危うさや軽率さを見せる未来くんに、魅力を感じるかそうでないかで見方の変わってくる作品だなと思います。

作品の中で、未来くんは何度も恋をして失恋をします。未来くんはその都度相手のくれる愛情を欠片も疑わずまっすぐに摂取して、すくすくと恋愛をします。
BLの様式美で、当て馬に迫られた際に(攻めさんとのキスの時と違う…気持ち悪い…)みたいな感じで最終的に結ばれる攻め以外の男を生理的に受け入れられない受けの心情描写がよくありますが、個人的にああいうのがあまりリアルに感じられず好きではないです。
なので、日平くん以外の男性ともその時々でどこまでも真摯に純粋に恋をしてしまう未来くんが、少し可哀想で、とてもかわいいなと思いました。

未来くんの気持ちで何度もまっすぐに恋をして理不尽に失恋して…というやるせなさへの感情移入以外にも、日平くんの気持ちになって、未来くんの危うい恋愛を一番近くで見守りつつ、次々自分では無い誰かを好きになってかわいくきれいになってく未来くんにやきもき切なくなる。それでも何度でも未来くんに恋をする…という読み方もできるのかなと。
ラストは、お互いにお互いが眩しくて愛しくて、ゆっくりもじもじと進んでいく二人が本当にかわいくていとしかったです…

個人的に田中太郎さんのオトナなずるさがすごく好きなので、未来くんの無垢なまなざしが太郎さんに残したもの、みたいなものを太郎さん目線でも感じ取ってみたかったなと思いました。
繊細な筆致の、線の細い登場人物全員に独特の空気感と趣きがあって大好きな作品です。

3

切ない

個人的にとても好きな作風でした。
絵も好みでストーリーの雰囲気によく合ってます。
照れた表情がせつなかわいい。

未来くんが各話違う男の子と出会い
付き合って別れてしまうおはなし。
純粋で疑うことを知らずに相手を受け入れる未来くんが、出会いと別れを経て
最後にほんとうの恋を知る。


一話で出会いと別れがあるので、展開が急です。
でもとにかく雰囲気が好き。
切なくキュンとする場面が多くて。

読み手を選ぶ作品だと思うので評価は神に近い萌萌。

0

男運のない未来くん


第一話
第二話
第三話
で、3人の男性と恋をしては失恋をする健気で馬鹿な未来君が
最終話で幼馴染の日平と……
という話です。
純真無垢な未来くんがだんだんと無意識ビッチになるのが複雑な気分になりますが
最終話のラスト、
日平と未来くんの会話のシーンが本当に素晴らしくて!何度も何度も見返しています。
最後のシーンの日平くんは高校生らしからぬ包容力で未来くんを立ち直らせるわけですが
彼の葛藤や思考は高校生らしい青さもあって、
特に書き下ろしでの日平にはたまらないものがありました。
高校生らしい高校生BLだとおもいます。大好きです。
それにしても未来くんは男運が悪すぎですw

第一話(冬)高校の1つ上の真面目な先輩×未来くん
第二話(春)オタクコミュ障大学生×未来くん
第三話(夏)謎のリーマン×未来くん
最終話(秋)幼馴染と未来くん
書いてて気づきましたが
未来くんは1年で季節ごとに4人の男の人と恋をしてるのですね。
表紙下の書き下ろしイラストで日平とは次の季節を迎えててよかった。



収録作品
「いとしの未来くん」
第一話/Cannna Vol.29(2013/4)
第二話/Cannna Vol.30(2013/6)
第三話/Cannna Vol.31(2013/8)
最終話/Cannna Vol.21(2013/10)
かきおろし/表題作CP番外編「Let's become a lover.」7頁
あとがき/表紙下・描き下ろしモノクロイラスト2枚と作者直筆コメント
カバーデザイン:HIRATANI Misako
 
Cannna Comicsの背表紙の色の部分が柄付なのを初めてみました。
同柄の帯がステキです*^^*
吉田ゆうこ先生の書かれたタイトル文字もすごくいいです。書影がでたときから発売を楽しみにしていました。
書店特典のかきおろしイラストカードは、赤いマントと王冠をかぶってキョトン顔でチクビを出す未来くん・
ピンクのハートクッションをぎゅっとする未来くんで……
田舎住みのわたしは手に入れ損なって涙してます……うぅ……

5

雰囲気はいいけれど、もやもやが残ります。

吉田ゆうこさんの漫画は、カメラワークが映画的で最近気になり出して読んでいます。
初めて読んだ長編ですが、未来くんがふらふらと4人の人と関係を持つ話です。
純粋で悪く云えばおばかな未来くんが、最終的に幼馴染みの元に落ち着く話であれば……まあ、ありですかね。
無意識に貞操観念の薄い子の話は好きですが、この手のネタは短編の方がいいかなあと思いました。
最後があやふやで終わるんでしたら星は二つかも。
あの台詞に頼らない話や映画的なカメラワークは短編の方が生きる気がします。

この雰囲気は好きですし話としては成功していると思うのですが、何とも二人がくっついてハッピーエンドとも違うので、もやもやが残ります。
書き下ろしを見た限り、別に普通にハッピーエンドなんですかね。
まあ、このもやもやも計算されたものなのかなあと思いつつ、控えめな評価で。

0

子どもと恋

子どもが恋を知り、変化していくお話。
この繊細な雰囲気は結構好きです。

でも、評価を迷う。
未来の幼馴染みで今は同じ家に住んでいる日平が、未来と3人の男との交際を見ているうちに、未来への気持ちに気付いて結ばれる。
読後の最終印象は、そんな風に単純でわかりやすいハッピーエンドのようだけど、
未来が付き合った相手が、3人とも気持ち悪いというか、
そんなのと付き合う未来の「生来のものなのか、環境のせいなのか、良く言えば純粋、悪く言えば馬鹿」が気持ち悪いというか、
こういう不穏な感じというか、不快な感じを狙って描かれているのだとは思うけれど、
そして、それはとっても成功していると思うのだけれど、
作品の完成度としては充分優れているとは思うのだけれど、
やっぱり、自分としてはあんまりしゅみじゃなくて、
でも、しゅみじゃないって言い切るには惜しい感じで、
そんなグダグダな感じの、かなり中立よりの萌かな。

3

そして少年は恋を知る

ファーストコミック『悪玉』でちょっぴりしょっぱ痛い作風がとても印象的で好みな作家さんの2冊目は、前回は短編集だったのからまるっと1本のお話。
その内容は、このタイトルに挙げたそのものだったのではないでしょうか?
いくらか前回よりは痛さは軽減されているものの、そのお話には少し棘があるような。
読みながらチクチクと心の奥を刺激してきます。
主人公達の心の成長が、ほのかかすかに自分たちの青春期を想いださせるものがあるからかも?


冒頭、この話の主人公となる未来について幼馴染で親友の日平が分析して簡潔に述べています。
「生来のものなのか、環境のせいなのか、良く言えば純粋、悪く言えば馬鹿」
そこの言葉の裏を考えず、人を疑うことを知らない純粋無垢な未来が、人と出会い好かれ傷つけ、傷つけられ、そうやって「人を好きになる」という意味を階段を上るように覚えていくと同時に人としても悩み苦しみ成長していくお話。
同時に、何かにつけて側にいて未来を助ける日平もそんな未来を見ていることで、未来を意識して「恋」を覚えるという、
互いが未来の体験をとおして成長していくのです。


始まりはずっと未来を見続けてきたという先輩からの告白。
卒業を前にしての告白は「付き合っている人はいますか、じゃあ僕と付き合って下さい」「男だと駄目ですか?とりあえず僕という人間を見て欲しいです」
それでOKしてしまう未来に、自らの選択ではあるけれどそこに「好き」という感情は存在しません。
浮かれているわけでもなく、ただ先輩が希望するならという実に主体性のないお付き合い。
だからもちろん、先輩から別れを切り出されてしまう。
そのきっかけは未来が事故に遭った時真っ先に先輩に連絡してくれなかったから。
しかしそれは高実だと思う。きっと未来の熱を感じてはいなかったからだろう。
彼とはキスまで。

次は道で偶然ぶつかったオタク。
彼はゲームや漫画ばかりで友達がなく、思考がネガティブ。
彼の場合も受け身の付き合いをうけた形。
彼の必死さにほださされそうになるのだが、電車で未来が痴漢にあっているのを凝視して、それを見ていた日平に問い詰められると、こんなゲームのような展開は二度と見られないと言う。
この彼と未来の関係は日平が水を差すのですが、日平の気持ちが動いたことも示します。
このオタクの彼とはBステップまで。

そして最後は公園で偶然出会った会社員です。
彼とはセックスまで行きます。
そして、初めて未来は自分から好きになったようだと言うのですが、その直後会社員はお金を置いていなくなります。

この会社員の男性がいなくなった時、未来は変化を見せるのです。
嘘をつく、人を疑う。
それまで誠実だった彼が、裏切られたことにより成長したともいえるのですが、
3人と付き合う間に日平の介入度合いも変化しており、また日平も悩む。

まさに子供が大人になる階段を上がるような、そんなお話だったと思います。
キュンとか素敵な恋愛とか、そういったものではないけれどとても心に残ります。

7

この作品が収納されている本棚

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