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僕はね 君に優しくされるたびに もっとなげやりになってしまうような どうしようもない男なんだよ
1冊で終わる本と思いきや続き物でした~
この1巻だけだと謎が残って、早く続き~~!!となりましたw
花屋敷と呼ばれる、
東京のある庭が見事な屋敷に住む、
その屋敷を所有する30代の会計士(離婚歴ありの受け・表紙右)、
中学2年生の受けの息子(攻めに片思い)、
学生の時からずっと受けに片思いをし続けているエリート官僚(攻め・表紙左)、
この3人の、
それぞれに抱く恋心と秘密、そして日常とを描いたお話でした。
キレイな顔をした穏やかで少々ぼんやりめな受けは、
過保護なお父さんの顔を持ちつつ、
好きでもない男相手とでも寝られる、人を愛せないのに拒むこともできない男。
そんな受けを純朴な学生時代に好きになり身体を繋げた攻めは、
大人びた顔をするクールなエリートに成長。
下宿先だった花屋敷で、その後もずっと受けとその息子と一緒に暮らしている。
受けに気持ちを受け入れてもらえないまま、
心を見せてはもらえないまま、
それでも時々受けを抱き続け、想いを募らせるその姿は切なく胸に響きます。
この攻めの、
クールな顔の下に隠した情熱と一途さとが、自分にとっては一番の萌え所でした。
そして、
ふたりが同じ屋根の下で抱き合っていることなど知らずに、
密かに、でも真っ直ぐに攻めを想う、受けの息子の存在感もよかった。
あ、今のところこの息子は何も知らないので、ドロドロという印象ではないです。
息子の子供っぽさと純粋さ、
それに対比されて際立つ、大人達の狡さもはらんだ言動。
でもそれも、恋の本当の姿で、ある意味とても純粋なのかもしれない……
3人の関係に、
受けの元妻や、自殺したという友人との関わりが断片的に見え隠れし、
謎と期待が深まっていく……という展開でした。
これから季節が移り変わりつつ時間が過ぎ、
そして同時に過去が明らかになって、物語は進んで行くのでしょう、多分…
続きがとても楽しみです。
全員が片想い!
片想いって自分と向き合うことですよね。
表紙に広がる柔らかいピンクの花びらと帯に目を奪われます。
淡いカラーに惹かれ、いそいそと読むと続きもので、痛そうな感じ。
さらに木下さんお得意の無自覚受かと思いきや不埒と切なさが同居する人。
不穏な道行きにワクワクします。
< 登場人物 >
・柏木幸哉…花屋敷主人、会計士
↑片想い
・小鳥遊…元下宿人(現同居人)、官僚
↑片想い
・柏木結人…幸哉の息子、素直
↑片想い(らしい)
・日下部…結人の親友、観察力あり
柏木は『過去』と対話をしているような印象が強いです。
小鳥遊は柏木を昔から好きで、体は委ねても心は委ねてくれない彼に軽く悪態をつきながらも見守っています。
今でこそクールにふるまっている彼ですが根は素直な純朴な子だった描写があります。
なぜ変容したのかは、やはり『過去』が絡んでいる気配です。
恋をしている相手(柏木)は彼に残酷なことを言います。
でも好きだから、離れないために許すしかない小鳥遊。
木下さんの描く攻が一途な片想いって良いですね~。
リクローみたいに不憫期間が長くなるのだろうか(笑)
そんな小鳥遊に幼い頃から懐いている結人。
お年頃の彼は過保護な父親と小鳥遊の関係なぞ夢にも思わず憧れから派生した淡い恋情を小鳥遊に向けているようです。
人の心情に聡い日下部くんにうまくほだされてほしいです。
そして『過去』に捕まったまま途方にくれている柏木。
いい人ではあるけれど誠実ではない。
かといって妥協は拒むという姿勢にもどかしさしか感じないのですが(笑)
自分が小鳥遊を求めるたびに彼がどれほど喜んで直後にどれだけひき裂かれるかも知っています。
でも寄りかからずにはいられない。
彼はしばしば自分のことを淫乱と称している節があるのですが彼の中にあるのは『渇き』だと思います。
その理由も、伏線も次巻以降で詳らかにされていくのが楽しみです!
すでに待ち遠しい~。
思春期を迎える中学生結人とその父親幸哉。
2人の中立地帯となる居候の小鳥遊。
小鳥遊と幸哉の微妙な会話のトゲに気になりながら物語の途中まで軸になる人物がどっちなのか分からず。
小鳥遊の恋心が幸哉に向けられる度砕けてしまう強固な壁。優しさも思いやりも素通りしてしまう程尽くしがいの無さに、ただ言葉を飲み込む姿が印象的です。
静かに投げやりな幸哉が心の奥に何か問題を抱えているのだろうと思われます。
後半その部分はある程度わかるのですが、枝分かれして複雑に絡んでしまい起点まで辿り着けませんでした。
目隠しのようにほのぼのとしたホームドラマが散りばめられ、はぐらかされては突然切り込んでしまう小鳥遊と幸哉の関係が危うく感じられます。
息の仕方さえ忘れてしまうほど動揺するくせに心が空っぽだから考えない。
自分の性癖すら他人事のような幸哉に、体の欲望と小鳥遊に抱かれたいと思う感情がイコールにならない葛藤の辿り着く場所が知りたくなります。
小波が続く山も谷もない押し殺した小鳥遊の気持がちょっとでも報われるのなら、首を長くして待てそうです。
幸哉は自宅で会計事務所を開き、そこで、小鳥遊、結人と暮らしているのですが、実は誰も血縁関係はありません。特に大きなことが起こるわけではないけれど、なぜか最初から切ないなと思ってしまいました。
幸哉はゲイだから、人恋しくなれば、大人として、割り切った付き合いをしています。一方、小鳥遊も幸哉のことが好きで、幸哉の大人の関係を知っています。それ故に、わざと幸哉を追い詰めるようなことをするのかなと思ってしまいました。
中学性の結人が好きなのは小鳥遊なのですが、友人の日下部からそっと諦めるようにと言われます。日下部くんも同じ中学生なのに、なぜか全員の関係を知っているような気がして読んでいてとっても怖かったです。
このお話の中で、幸哉と小鳥遊の関係が、大人として狡くて、痛ましそうなところと、小鳥遊のどきっとする大胆な台詞がとても切なかったです。幸哉の時々見せる繊細そうな表情にもどきっとします。ひとつの家で、みんなが誰かを追いかけている関係がどこに辿りつくのか、どきどきしながら読みました。
お屋敷街にある180坪の邸宅 「月光坂の花屋敷」と呼ばれる家に暮らす三人を描いています。
下宿人で官僚の小鳥遊、お屋敷の主人・会計士の幸哉、そしてその子供、結人。
一見、四季折々の花が咲き誇る風流なお屋敷に住まう穏やかな三人のように見えます。
しかし主人の幸哉はゲイとして割り切った身体の付き合いをする相手がいて、小鳥遊も幸哉を時折抱いている。
小鳥遊は普段は幸哉に対して辛辣な言葉を放っているけど、幸哉に対する執着心が時折顔を覗かせていて出会った頃からずっと好きで…そして中学2年の結人は小鳥遊が好きで…
と、わぁ〜〜!!と言いたくなってしまうような関係がこの風流なお屋敷の中で蠢いているんです。
いつ、その平穏に見える暮らしが壊れてしまうのか、薄氷を踏む思いで読み進めました。
幸哉は小鳥遊の思いを知っている。知っているけど当たり障りのない回答でかわして、だけど、求めれば断らない小鳥遊の気持ちを利用して時折抱かれる。
幸哉は過去に何か辛い過去を抱えた人物である事は匂わせているけど、まだその真実は明かされていません。
長年、幸哉を抱き続けている小鳥遊の「あんたとSEXするたび童貞みたいな気分になる」という台詞が実に切ないです。