電子限定描き下ろし付き
ゲイデリヘル「いじめられっこクラブ」の客とキャスト4組のストーリーが奏でられるオムニバス形式の作品。
店名の「いじめられっこ」からイメージする通り、マッチョとか男前とか硬派みたいのはいなくて、ショタ系、繊細、健気タイプのお取り寄せ。
「ハッピーエンドも強引なんだね?」
タワマンに住むデイトレーダーはキャストの奏を連続指名して、専属にならない?と上から目線。奏はムカついて地が出て反抗的な態度を取るが、店に帰れなくなるほどsexがうまくて何日も攻められて…
心の本気を金で買う風にしかできなかった不器用な男。奏はいわば玉の輿。
「泣かないで、泣きたくなるから」
これを最後に女性と付き合って普通の結婚をしよう…という客の須藤についたキャストは幸(コウ)。おどおどビクビク、テクも無く会話も続かない。
終わった後、えっちを教えてくださいとすがる幸を見捨てられなくて、その後段々可愛く上手くなっていく幸に別れを告げるが…
「このままふたりで遠くへ行こうか」
自分を抱かないのに指名してくる客の佐藤。佐藤さんは僕が店長と不倫して貢いでいる事を知っている…
晴海は不毛な不倫をやめられそうかな?
「あなたって、運命。」
キャストを辞めて一年。昔の客の高田さんにバッタリ会って。その後もまた偶然会って、ひとには言いづらい過去を共有する2人は、これから何度も会う関係になるのでしょう。
「ドキドキしちゃう」
↑の2人のその後。付き合うようになってから1ヶ月後、Hする。デリヘルでは何度かしてたけど、今の2人は気恥ずかしくて、好き合っている2人のHです。
線の細いキャストと、どこか不器用で優しい客達。
本物のデリヘルよりは多分随分と繊細でエモい関係性のよう。
レビュータイトルは、まるでキャンディのように甘く食べられる子という意味と、金太郎飴のようにどれも似たような子達という意味でもあります。
電子で読みました。
短編で何カップルか出てきますが、それぞれがちょっと切なくて良いお話でした。
デリヘルが舞台なので相手が客で他にも身体を売っているわけですが、不思議と嫌悪感はありませんでした。デリヘル故のピュアさも感じました。
主人公は可愛いし、お相手もカッコいいのがちょっとだけ出来過ぎな感じもしましたがBLはファンタジーなので良しです。
なんとなく吉田先生の絵がちょっと崩れて変わったような気がしました。
吉田先生の作品は痛いのも多いですが、これは安心して読めました。
◆ハッピーエンドも強引なんだね?
冒頭を飾るこの作品が一番お気に入りです。強引なところのある攻め・有平と、顔は可愛いけれど客に対してはっきりものを言う受け・奏という組み合わせがとってもタイプ。奏が休ませてと頼んでも、許してくれない有平のSっぷりは他3作品にはなく、最高でしたね。また、奏の方も有平に簡単に絆されるのではなく、客に騙された他のボーイ達を見てきたからこそ、有平への好意を自覚しながらも最後まで彼を突っぱねたところが良かったです。結局は有平が強引に押し切ってしまうのだけど、奏もここまでされたらもう受け入れようという気持ちだっただろうし、素敵なくっつき方だったと思います。有平は簡単に奏を手放すような男ではないでしょう。
◆あなたって、運命。
いじめられっこクラブを既に辞めている元・ボーイのシュンと、彼の客だった高木さんの話。高木さんの性癖を変態、と一言で片付けてしまうのは簡単だけど、そこに至るまでには事情があって、こういう経緯で性癖が形成されることもあるんだなぁと。それを抵抗なく受け入れられたシュン。彼が好き者だったからではなく、当時から高木さんの真面目さや純情さを心地良く感じていたからこそ、受け入れられていたんだと思います。奥手な高木さんが自分を奮い立たせて、心を決めてシュンに会いに来てくれたシーンは、私も嬉しかったですね。性だけではなく、心が繋がることの喜びを改めて感じさせてくれた作品でした。
吉田ゆう子先生の作品はいつも割と受けの子がかわいそうだったりする印象なんですが、今回はいじめられっこクラブで働く男の子のお話がオムニバスのようになっています。
最初は奏と有平。結構酷い感じに最初抱かれてでも気に入られたのか、毎日呼ばれる奏。おもちゃ使ったり、結構激しめなんだけど、俺のものになってくれないかなんて言われてしまって、10回で俺になびかなかったら諦めるといってなびかなかったけど、有平は諦めきれない様子で、奏がじゃんけんで負けたらアンタと付き合うよと言って、そこでも有平負けちゃうのに勝つまでやるって。奏のこと凄く好きだったんだ。結局奏は負けてあげたので、奏も実は好きだったのねと。
なかなかエッチで良かったです。
ふたつ目の不器用な須藤と幸の話が一番好きでした。
最初はHも下手くそで愛想もない須藤がいろいろ教えてあげてたけど、Hも上手になって笑顔も出るようになった幸をみて、もう自分の役目は終わったし、女性と結婚するといって離れて行った須藤だけど、街で客とぎこちなく分かれる幸を見て思わず駆け寄る須藤。幸は器用になったわけではなくて、須藤にだけ笑顔を見せてたんですよね。本当に健気な子には弱いです。
次は佐藤さんと晴海。佐藤さんはお客だけど、デートをするだけでHしなくて。ずっと口説かれてたけど、何回目かのデートで晴海からホテルに誘います。そして店長よりHが上手かったら少し考えると言われて。
お店を辞めたシュンくんと元お客の高田。
偶然道で会って。少し思い出話とか。高田さんはシュン君がお店を辞めたのが気になってたみたいだけど、学費が貯まったからやめたみたい。そして仕事のこと言えないしちょっとしんどかったと。
でさよならするけどまた偶然会って。実はシュン君のこと好きだったと。
そして高田さんの告白でお付き合いすることに。
どのお話も素敵で、風俗を通して出会った人たちだけどみんなそれぞれ最後は恋してたのが良かったです。
1つ1つが短いので、全部その後の話とか読んでみたくなります。
エッチだけど健気でかわいくて本当おススメです。
タイトルや表紙、レビューを簡単にみた感じ、えっちな部分に重点が置かれてるように受け取れたりもしますが、さすがのゆうこ先生、伝えられない溢れる愛を伝えるためのえっちでした…(つまりえっちなことは間違いないです)
ゆうこ先生の作品は人それぞれの好みが分かれることが度々あるように見受けます。それはさまざまな作風だったり、キャラクターの性格だったり、色んな理由があるとは思うのですが、今作の好みの分かれ目は例に挙げた後者かな、と思ってます。1話目の攻めの有平や3話目の受けの晴海など、感情の動きが読みづらい(というか感情の起因する出来事がわからない)キャラクターに個人的には少し引っ掛かりを覚えました。(そんなに気にならない程度ですが)
とはいえ、他の方もおっしゃってますが、最後にはほっこり、幸せになることを願わずにはいられないような、葛藤を分け合いながら愛に満たされているカップルのお話ばかりです。ゆうこ先生の絵は可愛らしいのにシリアスでがっつりえっち!なので、他の作品を読んで苦手意識を持ってしまった方もいるのかもしれませんが、今作はえっちなの読みたい方も、感情を揺すられる感動系を読みたい方も、ほのぼの系を読みたい方も、おすすめしたい作品でした。買ってよかったです。
