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攻める!!
みなさまの中で「攻め受けの暗黙のルール」ってあると思うんです。
「好きな攻め受けのタイプ」ではなくて、あくまで「暗黙のルール」。
たとえば「美人は受け!」とか、「短髪は攻め!」とか、「体格大きい方が攻め!」とか。
暗黙のルールっていうより、固定概念って言った方がいいかもしれません。
この「固定概念」を打ち破ってくる作品に出会うと、ひとは驚いたあとに「受容」と「拒絶」のどちらかに進むしかないと思うのですが、頭固めなわたしはたいてい「拒絶」の道へ迷いなく進んでしまうことが多いです。
そんなわたしは、『か◯や』ならヒレカツ丼、『ほっとも◯と』なら特のりタル弁みたいな感じで、絶対新メニューは試さない派。
どうせ食べるなら確実に美味しいと分かっているものを、確実に美味しく食べたい。
「わたしも!」という方で、もしこの作品を未読の方がいらっしゃったらぜひ読んでほしい。
ふだん「新しいものを好きになる」体験をあまりしていない分、きっと貴重な1冊になるはず。
前置きが長すぎますが、本編について語らせてくださいませ。
リーマンの柏木が、年に数回見る夢。
それは高校1年生のときの、全く接点のなかった同級生を送って行った記憶。
おとなしいクラスメイトの倉沢に感じた熱が、その後の性志向の原点になっていて…。
という始まりで、偶然の再会から始まる初恋のやり直しの話です。
倉沢が圧倒的美人。
高身長で、女性と見紛う長い髪に美しい顔。
モデル!?と思われそうな外見でございます。
一方の柏木は、後輩が「その気になればすぐ彼女ができる」と太鼓判を押すイケメンな上にキッパリした性格と、趣味でフットサルをやるようなリア充。
完全に攻めタイプであります。
だけどこの2人がいざえろすってなったときに、「あ、そっち!?」という驚きが。
固定概念の観点で見ると、要素が混在してはいます。
体格→倉沢の方が大きい、外見→柏木の方が男っぽい、という面で、美人が攻めるというふつうなら「NO!」な展開が受け入れやすいのかも。
しかもこの美人、なかなかの変態であります。
勤務するバーの床、コスプレ、屋外と、回数を重ねるうちに、柏木が完全に受けにしか見えなくなってきて、「YES!」でしかなくなるという不思議。
わたしと同じような方にはぜひ、この体験をしてほしいなあ。
同時収録は同じクラスの陸上部員と金髪くん。
表題作の攻め受けがわたしの固定概念と違っていたので、この作品を初めて読んだときは相当身構えました。
身構えなくて大丈夫です。イメージそのままです。
それにしても高校生に見えない攻めの色気はなんなんだろう。
陸上部にあるまじきちょい長めのうねらせ系黒髪から溢れる色気がすごいです。
攻め目線→受け目線っていう2話構成も良い。
わたし的にはこの作品のセールスポイントは「固定概念の打破」だと思っていたのですが、読み返してみたら、あんまりそこを気にする方はいないかもと思いつつ…。
自分の意見を残すことに意義がある、はず。
◆無防備、衝動 あるいは初恋(表題作)
再会もののストーリーでしたが、終始穏やかな空気感で進んでいくのが心地良かったです。再会ものって、何かしら拗れたところがあることが多い気がするので。攻め受けも絶妙で、長髪で中性的な美貌の倉沢が、短髪で男らしいリーマンの柏木を抱くのに萌えました。柏木がこのビジュアルでとろんとなるのが可愛くて。特に大きな波乱もなく、落ち着いたBLが読みたい時にオススメです。
◆ラインドライブ
「こいつ俺に気があるんじゃないか?」から始まる学生もの。こちらも王道の展開で先は読めてしまいますが、受けの木下の遠慮がちな一途さが可愛らしかったです。
いやあ面白かったです。絵柄からしてシリアスで初恋を拗らせたような切ない素敵な話で今まで読んだ天禅さんの作品の法則だと単発イケメンによるモノローグから始まる話だと当人は攻めって事が多かったですが、逆なのが良かった。強気短髪男前受け最高です。
そして長髪ヘタレ変態攻めも最高でした。色白で体が弱そうでしおらしい雰囲気だった高校時代の回想シーンと別人じゃないか(笑)こういう自己評価低い気弱なイケメン攻めと男前な性格の受けの話って大好きです。そして気弱なくせにエッチの時は大胆すぎる攻めの倉沢。完全にコスプレ好きの変態です。
皆様仰ってるようにセーラー服攻め×サッカーユニフォーム受け・ノーパン&短パンの糸を切っておく着衣プレイが最高でした。文字で書いてもこっぱずかしい内容が美麗な絵で表現されてるんですよ?BLであんなの読めると思わなかった。屋外での浴衣エッチで受けだけ全裸のやつも良かった。借りた浴衣汚せないから外でも全部脱がすって…ドSか!(笑)
上記の表題作の他、同時収録作品の高校同級生同士の青春ストーリーも面白かったです。寡黙で動じないように見える攻め×見た目だけチャラくて本当は真面目な受けの話。付き合ってみたら攻めもちょっとヘタレな所が良かったです。
受け攻めを確認しずに読んだので新鮮でした。
攻めっぽい男前受けと内気な美人変態絶倫攻め!いいですね。攻めには執着と包容力を求める私ですが、美人で体格が良くてモテモテなのに受け一筋でヘタレっぽいのに、いざエッチとなったらガンガン行く!所構わず行く!可愛い可愛い言いながらコスプレしかもエロい小細工した着衣プレイとか!
そして男前受けがもっと!とか大きい!とかぐずぐずにされちゃって。柏木は元々受けなのかな?
ところでお店に来た知らない男は倉沢の元カレ?結局なんだったのかな?研究室の関係者かな?
お互い初恋で偶然東京で再会して。
倉沢の猛烈アピール?で柏木もその気になって。
俺のこと好きなの?から挿れたい!から店内エッチが早いですね。
実家帰省で家族にはとっくにゲイなのはバレてて歓迎されて。
その後の花火見ながらの流れもまたまた良かったです。
可愛いくてエロも上品?でいいお話でした。
表紙の倉沢がかつらかと思ったら地毛でしたね。
無防備→わかる
衝動→わかる
あるいは初恋→わかる
付け加えるなら、もしくは変態絶倫ですかね。
中編2作からなる作品集です。
どちらの登場人物もみな男前で、それだけでテンション上がりました。
天禅先生の作品は切ないものが多い印象だったのですが、今作はハッピーに溢れた印象です。
ハッピーエンドが少な私としては安心して読め、とても満たされました。
-表題作-
バーテン×リーマン
攻めの長髪・倉沢が、受けの柏木を溺愛しているところが良かったです。
Hは多めで、少し変態入っていました(笑)
同時収録作は、高校生同士の青春という感じで可愛かったです。