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エリート御曹司×絶対服従いとこ
この作品を正しく理解して読めているのかはもう解らないのでおいておくとして、教会で仲良しに見えると評されて嬉しそうに優しく微笑む逸成の顔がとても好きで、途中ちょっと読むのしんどくなった人がいたとしてもそこまで読んで欲しいなと思う
生まれついたときにいた環境、少ない限られた身内だけの関係、水槽の中でその役割をこなしてしまうって結構色んな人が経験していながら成長の中で外での顔を身に付けた後知らんぷりして生きているんだと思っている
姉が絶対でグズな妹だとされている人とか、なんでかお父さんを大好きってことにされてしまっている人とかその中で不適切な関わりを経験している人実際チョイチョイいる
逸成と涼一は会社で約束されていた再会をしたことで水槽と外とを行ったり来たりしている
意地悪をした側の方が捕らわれてしまうものだろうし元からする側の方が執着が強いんだろうとも思うので逸成の方がしんどそうに見える
しかし、逸成が最も力を発揮できるのは涼一がいるところなんじゃないかと思えるので逸成は頑張って欲しい
水槽の居心地が好きな訳じゃないんだけどそこから離れるのが苦しいんだろうって解る
女の子のネクタイを結んでやってキスをするところとか、 夢の中の涼一がすごくカッコいいこととか、フランスの写真見ながら自然にキスする場面など従兄弟なんかに生まれた二人の因果が憎くなるけれど、他人だったら二人の個性はもっと控えめに収まったかも知れなく友達くらいなら…なれたかな?教会でのモノローグの通りだなと、本当に思う
二人が知らんぷりして生きていくのか、誘いあってときどき水槽に帰るのか
どうするんだろう
成長して平気で生きていける図太さを身に付けて子供同士を遊ばせるような関係になってもそれはそれで美しいようにも思う
表紙の背後に逸成がいることに今更気づきました。もう何度か読んでるのに…
「ひとりじゃおちおちくるえもしない」
読むたびに理解が深まる(気に勝手になってくる)この作品。最初、ほんと集中力不足で読んだので、新井先生好きなはずなのにな〜んかよく分かんなかったな〜となり、読み返すたび沼にハマるような好きになる。スルメ系。
逸成が完全にマウント取ってるように見えて全くそんなことないのが面白くて。涼一も逸成の側にいて役割を与えられていなければ或いは…という。"事務の三好さん"のように彼に気づいてしまう人もいるし。
2人の顔が似ているような気がする時があり、一方で全然似ていない時もあり、絶妙だ…新井先生に限って作画の稚拙さなんてあり得ないと思ってるので(信者)コントロールされてるんだろうなと思うと恐ろしい。
社長御曹子の逸成(攻め)と、いとこで幼馴染みの涼一(受け・表紙で口を塞がれている方)。
暗く出来の悪い涼一は、常に逸成の言いなりだった。
しかし社会人となった涼一は
仕事もでき女性にもモテる存在となり
逸成はそれに微かな苛立ちを覚え…。
幼少からの根の深い執着関係を
ときに哲学的に、ときに幻想的に描き出す
シリアスな物語です。
まず、視覚に訴える表現力が凄い。
冒頭、涼しげな面差しのイケメンとして登場する
社会人・涼一ですが
逸成に対しては、彼に盲目的に付き従っていた陰気な子供時代そのままの顔を見せる。
逸成に礼を言われた瞬間の
涼一の笑顔の気味の悪さは何とも言えません。
目を見開き、歯並びの悪い口元で
ニッと笑った顔のアップはどう見てもホラー。
そんな涼一を部屋に残し、一人シャワーを浴びる逸成の、何かに脅えるような横顔も印象的。
直前の、涼一が逸成を押し倒すかに思われたシーンの
緊迫感も含め、余計な台詞がなくとも
絵だけで二人の特殊な関係が伝わってきます。
物語は、社会人の二人の現在編に
子供時代~の回想が挟まれる形で進行します。
光と影、王様と家来のような関係が
大人になって微妙に変わっていく。
現在と過去との対照の描写が秀逸です。
逸成にとって、暗愚で従順な涼一は
もう一人の自分のような存在で
涼一にとっての逸成は
おそらく憧れであり崇拝の対象。
水槽を泳ぐ魚のように離れられない二人の関係は
涼一が自立した大人になったことで
終わりを告げる(と私は解釈しました)。
健全で対等な関係に近づいたという意味では
ハッピーエンドですが、
この先二人が恋人としてやっていくのかは不明。
爽やかさと切なさとを同時に感じさせるラストです。
BLと言うより、モラトリアムからの脱却を描いた成長物語という印象が強く残りました。
エロシーンは学生時代から社会人に至るまで数回ありますが、どれも短く静か。
エロさは控えめですが、表情や構図から伝わってくる切なさや背徳感が何とも言えません。
全体を通して、やはり絵の魅力が大きいです。
小学生のとき割箸に墨をつけて描いたクロッキー画を思い出すような、力強い独特のタッチが印象的。
ちなみに、たまに逸成と涼一の見分けが
つきませんが(私だけかも…)
もみ上げのある方が逸成、ない方が涼一です。
同時発売の『アラウンド』(こちらは楽しい学園物)と
一緒に読むことで、煮干し子さんの引き出しの広さが感じられるのではないかと思います。
作品を読み終わった後、著者あとがきの「暗い話~?任せろ!?…気持ち悪い話~?任せろ!?」を読んで、尚更惚れました。全体を漂う、色彩もお話のトーンもブルーな感じ。開かれたBLではなく、閉ざされたBL。同性愛に理解がある人たちに恵まれた環境で描かれる内輪な世界とか、時代ものやファンタジーなら抵抗ないよねとか、読者層があらかじめ想定されているゆえに、安心してナチュラルにボーイズの恋愛を読んで楽しんでいる自分に喝を入れてくださいました。ただ、帯には萎えましたが。
ずっと昔からこんなことは、あった。だけど誰にも言えなかった。言う必要もなかった。理解者なんていらない。ただ、あのひとだけがいればいい。一心同体なのに別々の身体に閉じ込められてしまったもどかしさ。問わずとも禁忌を冒さざるをえない、暗黙の了解には凄味を感じてしまう。読者すら寄せ付けない、二人だけの濃密な関係はとてもエロティックです。
真剣なことを面白おかしく伝えるのもいいけど、真剣なことを重苦しく伝えるのもまた、いいですよね。
表現豊かで難解な言い回しの多い日本語は、あえて平易な英語に言い換えることで解り易くなることも多々あって、こちらのタイトルなんてまさにそんな感じ。
「因果の魚」と言われてもいまいちなんのこっちゃピンと来ないのだけど、その下に小さく書かれている“fish tied with fate”で、あぁ成る程これはそういうお話なのかと。
ポイントは“tied”ですね。
ぶっちゃけ、帯の「執着系ヤンデレBL」ってなんか違うと思う。
このコピーを見て「共依存モノかな?」となんとなくのアタリを付けて読み始めちゃったんだけど、どちらかと言うと中村明日美子さんの「ダブルミンツ」のような、ベターハーフを題材にした上でそれを作家さんなりにBLに落とし込んでアレンジされたお話とでも言えばいいのか。
だけど「ではこれはベターハーフのお話なのか?」と言えばちょっと違っていて、そこが面白かったです。
とにかくポイントは“tied”です。
難しくはないんだけど、スルッと理解できるかと言えばなんとも難解な作品でした。
オチまで分かるといい感じにニヤリと出来ます。
あとがきで「最近はよく人の出会いの数奇さについて考えます」と書かれていますが、私もそういうことをよく考えるタチで、この出会いは偶然か必然かと考えた際、偶然の出会いを双方が必然と思うのなら偶然=必然になるよなと。
「因果」ってのがそもそもそういうことだと思いますしね。
人が“そう”だと思うからそうなり得る訳ですね。
執着とか病みとかそういう話ではなく、運命の出会いとは?に対する一つのアンサーを描かれた作品かなと思います。
BL的な萌えはあまりないけど、運命共同体のようなカップルが好きな人にはおすすめです。