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10年前の作品なのに、すでに現代との違いをいろいろ感じてしまい、懐かしささえ覚えた作品。法悦・解脱と馴染みの薄い用語が並ぶタイトルながら、文章がとても軽いので、寺や住職などの話に難解さや堅さがなく、気負わず読めて良かった。
主人公の藍は、怪我と借金で追い込まれ、詐欺に手を出してしまう。今で言う闇バイトのようなものと思うが、ふらっと簡単に手を出したわけでなく、かなり崖っぷちでやるしかない状況。カリカリしており最初の印象はあまり良くない。
瑞生に拾われてからは、すぐに素直な面を見せ、不器用な子供のようになっていく。町の人々の温かさに触れて、更生一直線なのが爽やかで気持ち良い。
瑞生にはちょっとした懐かしさを感じた。頭にゲンコツを振り下ろし、食材の好き嫌いを許さない。昔からよく動物を拾ってきていたらしく、瑞生の習性として藍を助けるのも納得。
できればもう少し事前に坊主の矜持をアピールしといて欲しかったかな。坊主が抱いたから本気だ!とか言われても、あまり説得力を感じなかった。パッションは強く感じたので良かったが。
盛り上がりそうな終盤がちょっとグダってあっさりだったのは残念。藍が微妙に自業自得な展開になって心配したけど、前向きに進んでいく気持ちが変わらなかったのは良かった。セツとの絡みがとても好き。
巻末おまけは瑞生視点。「瑞生はやっぱり女の方が……」と悩む藍とコスプレえろ。瑞生がデロ甘になってて囲ってる感がすごくて笑ってしまった。
不憫主人公でありながら、明るい気分で楽しめた。
2014年刊。
タイトル、あらすじから坊さんが出てくるのは一目瞭然だが、個人的には丸刈りの攻め・受けには興味がないので、瑞生(ずいしょう)の見た目にはこれ幸いとは思った。
彼が一見ヤーさん!?と勘違いされる強面ってだけでなく、元〇〇ですよっ設定がツボだった。
話のほうも、瑞生自身の面倒見の良さだけでなく、田舎の環境下でばーちゃんじいちゃん達の人情味が感じられるところもまた自分の好みに合った。
ツキに見放されたかのような元モデル・藍が詐欺まがいに手を染めざるを得なくなった状況で、たまたま片田舎に住む瑞生の元に行き着いたってのも幸運だよね。
瑞生の元で一時世話になる事で、不運続きで沈んでいた藍の気持ちが浄化されていく様子に、さすが仏さまは見捨ててないよねってほっこりする。
瑞生の元同僚・行徳が余計なお世話で邪魔をするも、紆余曲折度は至って低い。
実は瑞生はパンツフェチだったのか!?ってのも、藍の誤解から生じるいじましさが彼の性癖を刺激するのも、仏さまもその辺りは分かってらっしゃるだろう。
目を瞑ってくれていることは間違いない(笑)
不運が重なり最終的に借金返済のために詐欺に手を染めてしまった元モデルの藍(受け)と、元刑事で現在は寺の住職代理の瑞生(攻め)のラブコメディ。
とっても面白かった!
物語ももちろん良かったし、小山田あみさんの挿絵も素晴らしくて非常に眼福。
読了後は「末長くお幸せに」としか言えない甘さ(笑)
物語としては最初に藍の詐欺(未遂)から始まりますが、すぐに藍の本性は心根の優しいイイコだとわかるし、瑞生の包容力のある男前度の高さに「あぁこれは間違いなく甘くて幸せな話になる!」と安心度100%で読み進めました。
藍が詐欺を働きに行ったのはかなりの田舎。
そうした場所なのでご近所付き合いも色濃く、ご近所から野菜や食事がお寺に届けられたり、おばあちゃんたちがお節介やお喋りで藍を構うシーンも印象に残りました。
こうして周囲の人から気に掛けてもらったり、誰かと一緒にご飯を食べたりするだけで人の気持ちは落ち着いていくものだよなぁ、としみじみ感じました。
ちなみに藍は野菜が苦手なのだけど、藍と瑞生が野菜を巡って食べる食べないの攻防するシーンはいちゃいちゃしているようにしか見えない幸せなひとこま。
もちろんそんなほっこり場面ばかりでなく、肉食住職の瑞生にあれよあれよという間にいただかれちゃうシーンもエロくて甘い!
互いにメロメロ。お幸せに!
表紙から生臭坊主×スレてるホスト崩れっていう組み合わせだと思ってました
実際は攻めは結構真面目で懐が深くて
受けは思いのほかスレてない良い子でした
紹介欄にある詐欺まがいの仕事については元々生業にしていたわけではなく
追い詰められて嫌々やることになったって感じです
それでも悪事は悪事なんですが、罪悪感に苛まれるし
しっかり反省しているので嫌悪感はなかったです
人に優しくされることに飢えていた受けが
見返りもないのに世話をやいて、ときに厳しく叱り、
ときに優しく撫で、落ち込んでいるのを気にかけてくれる男に出会って
くっ付いた後は生涯の伴侶だと親に紹介してくれるような
懐の深い攻めに出会えて良かったです
ところでふやけるまであそこを舐めるって凄くえろくないですか!?
そこもっと詳しく…と思いましたw
とても面白くて、大好きな作品です。「BOY meets 坊主」とは上手いこと言うなぁと笑ってしまいました。
強面僧侶×元モデルのチャラ男というイメージから、ツンデレなチャラ男くんがむっつりスケベな坊主にメロメロにされちゃうお話だと想像していたのですが、良い意味で裏切られました。
藍がとにかく素直で可愛い!都会の若者らしい悪態はつくものの、育ちが良くて頭も良いので、思考がロジカルで破綻していないところがとても好ましかったです。とことん運のない出来事が続いても、完全に誰かのせいにしたり腐ったりしない…本当に良い子です。
藍視点の表題作+瑞生視点の「有頂天ラヴァーズ」が収録されています。藍に負けないぐらい骨抜きな瑞生の様子にニヤニヤしてしまいました。
続編に当たる同人誌は楽しく読みましたが、続編の商業作品もぜひ読みたいなと思います。