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弓道に熱い高校生の青春とBLと。面白かったが、この作品そのものが序章に感じるラストというか、エンドマークのその先からが彼らの本番なのでは、と思わせる終わり方。希望への意欲は見えるが、方策は見えない曖昧さがなんとも。心配が残る作品だった。
新は幼稚なプライドが高く、青木に嫉妬してブチ切れたりしてるので、前半は読むのがキツい。青木に翻弄され始め、徐々に素直さが見えてくるにつれ、読みやすくなっていく。意地や誇りや隠したいものが分かりやすく、高校生らしい魅力を持っていると思う。
青木は全てを諦めて生きていたのに、新に出会い、ひと夏の思い出を求めてしまったという、とても好みの設定。なりふり構わず脅して関係を持ち、当初の約束通りお別れするのは自己中心的で、新を思いやる気持ちが欠けている。この青さは初めて何かを欲した証左なのかな。
さらっと終わってしまったかと思われた二人の関係は、青木視点に移って再び交わる様子が描かれる。婚約者に言われて新に告白されてやっと、というのが青木らしさなのか、それだけ大変な道なのかは分からないけど。最後に青木が手を伸ばすことができて良かった。
青木の決意を見れて爽やかな気持ちでいっぱいになるし、二人で手を取り合うラストは嬉しい。今後残る障害をどうしていくのか、できれば続きを読みたい。
2014年の作品、あとがきに「青春ものを書きたかった」。
・・高校の弓道部の部員たちがインターハイに向けて修練する中で起きる恋愛騒動物語。
主人公の新は、母似の小柄な体躯。新は、「猿腕」に悩んでいた。
(女性に多い。肩や肘の関節が通常より柔らかいと、腕が反り返る。)
弓道7段の師範だった祖父の弓射に憧れる新は、猿腕矯正に物凄く努力をして、弓道部以外にも弓射を見学する男子生徒がいるくらい、美しい姿で射すまでに上達する。
いちばん最後の章に、青木君視線の新の容姿について説明がやっとある
実は、新は女子より綺麗な美少年。
更に立ち振る舞いと弓射が美しいので、ファンが大勢いる。
でも可愛い新を兄弟がコッソリ守っていたので、新は自分の容姿と魅力に無自覚、自分は、中庸の凡庸だと思っている。
無防備な新に、脅すようにして新と関係を持つ青木。
新に一目ぼれした青木は事情持ち。憧れの先輩・新と青春の思い出を作りたかった。
表紙で損していないかな?
表紙は、夕日を受けている二人で雰囲気は有るけど、新が馬面で美しくない。
電子版は、挿絵無し。面白かったです。
★弓道の解説:https://www.kyudo.jp/
用語解説:https://bit.ly/3lkTTpT
「飛 中 貫」https://bit.ly/3A4r5YR
主人公(受)の性格が好きになれなかったんですけど、だ、駄目でしょうか…?
自分の今までの傾向から鑑みるに、どうもあまりに鈍い人は好きじゃないのかなと。鈍い人って人を傷つけるんですよね。で、人を傷つけておきながら怒って自分が傷ついていたりする。それって自業自得じゃん、って冷めた目で見て終わっちゃうんですよね。それを可愛いとも健気ともこれっぽっちも思えず…。
うーん現実の人物像の好悪とリンクしてしまって、BLファンタジーに入りきれなかっただけかも。丸木さんの描く、相手を手に入れる為なら相手に嫌われても構わないレベルで執着する人物像(攻)は好きなんですけどねw
弓道部を舞台にした高校生同士のお話です。初めての感情を持て余したり、性指向のことで悩んだり、部活に没頭したり家族に励まされたり…と、思春期らしい描写の詰まった爽やかな作品でした。ちょっぴり痛い展開を予感させるあらすじですが、結構さくっと読める一冊だと思います。
五つの章に分かれていて、四章までは新(受)視点+最後の章だけが俊輔(攻)視点でした。この最終章が良かった!主人公の新の人となりが客観的に描かれていて、どうして俊輔が新に惹かれたのかが分かりました。
新と兄弟たちとの関係にも萌えました(笑) 新に彼氏ができたことを知ったらどうなるかな?後日談があれば読んでみたいです。
