ボタンを押すと即立ち読みできます!
ここまで振り切ってサイコパス攻めを書いて世に出してくださったことに、感謝も込めてこの評価です。書く方も読む方も、さすがにまったく好意を持てない相手にずっといいようにされている話なんて、しんどいし、あまり旨みもないじゃないですか。普通は攻めがどんなに酷いことをしても、受けに元々Mっ気があったり、相手を執着させていることに自分の優位性を感じて密かに満足感があったり、自分も同じくらい相手を独占したいという気持ちがあったりするから、受けも読者もけっして惨めな気持ちばかりにはならないわけですが。
湊は違います。彼はゲイじゃないし、女の子を可愛いと思いセックスもしてみたいと思っていたし、悠馬のことは勉強も運動もできて学校で慕われているすごさは認めつつも、そこに本気の憧れや羨望はなく、むしろ悠馬の怖さをちゃんと知りつつ幼馴染かつ隣人のよしみで一緒にいる、あくまでそれだけです。他の男友達より悠馬と話している方が楽しい、という描写すらありません。それで悠馬の標的が自分になった途端、あまりの耐えがたさに一瞬で悠馬の手に堕ちてしまうのですから、彼のラフな口調に隠された絶望の深さを思うと「悠馬、想いを遂げられてよかったね」なんて喜ぶことはまったくできません。しかし、最後の山崎視点を読んで、他人の目線で2人を見ると湊が悠馬の世界に連れ去られたように見えるんだな、とぞくっとし、最後まで甘い雰囲気に変わることもなく受けに利益のない、怖さを保ったまま終わる作品ってすごく貴重だなと思い、湊には申し訳ないけれど高評価にしました。
作家買いです。
基本は先生のファンですが…
本当に合わなかったです。
執着攻めは大好きなのですが、
愛があるから好きなんだと考えさせられました。
正直、自分が同じ事されたら世界一嫌いになるでしょう。
少しでも勧善懲悪の心があるなら攻めのやったことはとても許せません。恨んでも好きになる事は今後無いです。
(ネタバレ注意)
受けも受けで、のほほんとしたキャラというのを強調してるわりに姉を事故で亡くしている攻めに死ねと言っていたり、攻めのイジメを傍観していたり
何となく好きになれなかったです。
ホラー仕立てにしたかったらしいけど、ホラーかな?
丸木先生は、サイコがお好き、日常に潜む恐怖を書く題材としてピッタリだと思う。面白かった。
電子版には、「たのしい夏まつり」と「その後」が入ってました。
杉浦湊:
「全てが平凡な」一人っ子だと、周囲も本人も思い込んでいる。
実際は、おっとり優しい魅力的な、睫毛の長い色白美少年。高梨家姉弟が取り合うほど、可愛らしい子。
高梨悠馬:頭脳明晰、美貌、高身長の誰もが羨むイケメンは表の顔。実は、情報戦が上手いサイコパス。
愛する湊を独占するために、湊は「凡庸で魅力がない」と周囲にスリコミを行い、敵を潰す。
高梨皐:
二人より一つ年上の悠馬を嫌う実姉。
湊を守るために「将来結婚する」と約束。
その後、川で転んで溺死。 湊はそれ以来、水が怖くなる。
悠馬の二面性;周囲に見せる顔と、実際の素の顔が違うことに湊が気づいたのは、
湊に彼女が出来たとき。「暗殺」の標的にされてしまう。
思い通りにならないと、悠馬は情報戦を仕込んで、自滅に追い込む。
四面楚歌に追い込み、湊が悠馬の元に来るように仕掛ける。
悠馬は平素かから情報戦を仕込んでいる。自分が優位なるよう周囲を洗脳済みなので、
標的が真実を言うほど逆に「嘘吐き」だと周囲は思う。
姉の皐を悠馬が始末した時から、湊の人生の選択権は悠馬のものになっていた、というお話。
カワイイ湊、気の毒。
番外編は、翌年の桜の季節の二人について。
攻めの執着でご飯三杯食べられる私は、丸木先生が大好き。数々の攻めの執着を見せてもらうたび、これこれこれー!とテンションが跳ね上がる。こちらの作品もその執着は凄まじく、ゾワゾワ怖気立つ感じで良かった。
モンスターというより、サイコパスな攻め。
これは好みが分かれるんじゃないかなーというのが読後の感想。(今回再読なんですが、やはり手放しで、誰にでも読んでみて!とは言い難いという感想は変わらず)
攻めの執着があまりにも身勝手である事や、何も悪くない受けが攻めのせいで辛い目にあってしまうところなどが理由。
でも、異常なまでの攻めの執着が作品としてとても面白かったので、執着攻めがお好きな方にはぜひお勧めしたいです。
ここからは、ネタバレというか作品の終わり方について語りたいので作品未読の方はご注意を!
受け攻めの感情の行き着く先にズレがあるところが、個人的に納得のできるエンドで好みです。
本来私は、お互いが最愛の人で終わるストーリーが好きです。
しかしながら本作は「お互いが」最愛ではない。片方だけが、です。
いや、あんな一方的な愛を最愛とよんではいけないかも知れない。笑
攻めは身勝手以外の何者でもないけれど、受けを愛してやまない感情がある。むしろ、その感情しか無いがゆえの異常性なのだろう。
そんな攻めに受けも最後は絆されるのかと思いきや、最後まで受けにあったのは、諦めの感情であり、放棄した感情。
攻めに対し何かしらの愛はあるのでしょうが、攻めと同じ種類の愛だとは、とてもじゃないが思えない。
自分の本来の好みとは違いますが、このエンドで良かった、このエンドだからこそ良かったと思える作品。
散々、不気味なまでの攻めの執着を見せられ(私にとっては、見させてもらって)最後に受けが攻めをすんなり受け入れてしまったのなら、私は拍子抜けしたのではないかと思います。
そして。
受けの一人称で進むお話だったのですが、私は受けのおちゃらけ具合を楽しみ、深刻なシーンも受けの前向きさに救われながら読み進めたんですね。それが終盤になると受けは全く茶化さなくなるし、なんだか、ほんの少し、人が変わったような。
うーん。これはまさに攻めへの迎合?融合?
考えれば考えるほど鳥肌もので、やっぱり丸木先生、大好きだわと( ^∀^)
面白かったです。