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表題作犬も喰わない

奥園修治,56歳,大学教授
空木宏,32歳,探偵事務所の調査員

同時収録作品写真/告白

正毅,小説家
乙彦,日雇い

同時収録作品#002 中年思春期

(仮)椎名茜,高校生,見習いバイト
(仮)中嶋晶,探偵事務所所長

その他の収録作品

  • 骨(描き下ろし)

あらすじ

空木は探偵事務所に勤める調査員。
大学教授・山代から、彼の妻の身辺調査を依頼される。
すると、夫と同じ大学に勤める教授・奥園修治と浮気していることが判明。
しかし、それは今回が初めてではなく、これまでにも二人は、
「山代の愛した女性を奥園が寝取る」ということを何度も繰り返していた──…。
複雑で歪んだ恋愛関係を続ける知的な男たち。
そんな彼らの関係に、自ら身を投じる若い調査員。
彩景でりこが描く、アダルトな三角関係の結末は…!?

作品情報

作品名
犬も喰わない
著者
彩景でりこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
発売日
ISBN
9784801953819
3.9

(259)

(113)

萌々

(78)

(35)

中立

(15)

趣味じゃない

(18)

レビュー数
34
得点
997
評価数
259
平均
3.9 / 5
神率
43.6%

レビュー投稿数34

ひどく悪趣味…なのに……至極純愛

でりこ先生の作品、読みたいなぁ~っていう周期があります (ღˇ◡ˇ*)♡
今回は久々にこのアクの強い1冊をチョイス‼

構成がちょっと変わっていて決して読み易さがある作品ではないと思うのですが、何度も読めるし、何度も読みたくなる
そして読み返す度に面白さを感じるポイントも変わっていく、アクもクセも強い面白さがあります

長年に渡るある2人の悪趣味で、同時に苦しく切ない恋愛模様を切り取ります
そしてこの2人に巻き込まれる人達とのお話しにゾクッとさせられながら、この歪で、でも唯一無二の関係性に惹き付けられてしまうしかないのです
”追われる男 追う男 追う男を追う男”………犬も喰わない…本当にソレ。。。

作中に溢れる素敵で残酷な言葉が光ります
「でも身勝手で赦されるのが恋だと思います」
「僕もね ずっと恋をしているんだ ずっと汚れて歪んでしまった恋だよ」
「だから僕は あれから逃げ続けなければいけない」
「始まらなければ 終わりもありませんから」
「君が僕の恋そのものだった」←これ、泣く……ほんと…ヤバイ。。。

挙げ出したらキリがない程心が動かされ、そして囚われてしまう言葉の数々
決して感動する、というような言葉ばかりではないのです
狡さも毒もあるのです、、、でも同時に押し寄せる深い情が心を刺激して来て仕方ない 
やっぱりでりこ先生、好き

先生の作品でしか得られない高揚感を「人間を通して」物語として楽しめます
一筋縄ではいかない作品
他では得られぬ作品の個性が際立つBL読書体験をしたい時にはとてもおススメです

複雑な関係ながらちゃんと三者三様、それぞれの起点も視点も分かる秀逸な構成なのも読んで欲しいポイントです

表題作とはカラーの違う合間に挟まれる単話や同時収録作品もまた違ったおもしろさと秀逸な切なさ、そして素敵な言葉が楽しめますので是非…!
「写真」→「骨」の読後の余韻は短編とは思えぬ程琴線に触れます
やるせなさや後悔、人生の悲哀と深い情愛の行方を見守ってください


脇カプの癒しの2人、椎名くん&庄司くんのお話しから好きな言葉(セリフ)を最後に…♡
「……ほんと かわいそうになるぐらいに 変態だな」

ありがとうございます笑

2

罪深いオジサマたち

絵柄が好みだったので特にあらすじを読まずに購入したのですが、えらいものを買ってしまいました。
性癖歪んだ50代のオジサマ達自ら巻き込まれに行った青年のお話です。
寝取り寝取られが大丈夫な方には大変おすすめしたい作品です。
ちなみにこれはハピエンになるのか…なんとも悩ましいです。

0

歪んだ愛情表現が堪らない

彩景先生の三角関係といえば『チョコストロベリーバニラ』が思い浮かんでそちらは未だに分かったような分からないような不思議な余韻に包まれる作品でしたが、こちらはかなり胸にグサグサ刺さりました。

粗野なオヤジは趣味じゃないのですが、本作に出てくるオジサマはインテリで上品っぽくて、しかし歪んだ恋愛感情を内に秘めているところがかなりそそるんです…。
2人の間接的な相思相愛に自ら飛び込んでいく空木も言わば歪んだ執着を持った人物で良かったです。

学生時代の山代と奥園の雰囲気もとても良かったです。
追う者、追われる者。
奪う者、奪わせる者。
始まったら終わりが来るから始まらせはしない…。
この辺りの屈折した愛が堪りませんでした。

間に空木の探偵事務所の可愛らしいオフィスラブ短編が1つと、巻末に3つの短編で構成されたお話が同録されています。
巻末のお話も拗れた長年の三角関係、のような両片思いなのかな…読む人によって印象の変わりそうなお話でした。
死ネタなので、切ないやるせなさが心に残りました。

4

3人それぞれに物語がある

うっかり恋をしてしまうだけでその人の中に壮大な物語が紡ぎ出されるのだと、登場人物3人を見ていて思いました。
皆幸せとも不幸せともとれない表情ばかりしているけど、ようやく過去に区切りを付けられたことが彼らにとっての大きな一歩であり、未来などまだ見られない状態なのだと感じました。

メインの物語の合間に、同じ探偵事務所の別の二人が登場する『中年思春期』が入っていましたが、二人がメインの話をスピンオフとして出したいのかな…?という唐突さだったので、二人の行く末も見届けさせてほしいです。

(2017年1月1日読了)

1

萌え少なめだけど複雑な心理がおもしろい

おじさん二人と若者の変な三角関係。
山代を好きな奥園が、山代の物や恋人や妻を奪っていく。
直接アプローチしない奥園…大概やんと思ったら、実は奥園の気持ちに気付き最初からそう仕向けていた山代も大概でw
奥園に片思いしていた空木は、奥園と山代の関係性を知り、山代と関係を持とうとする。
奥園の気を引くために。
空木よ君もかw

ラストはそんな不毛な?関係に終止符を打ちタイトル回収めでたしめでたし。

もう一編もおじさんの複雑な三角関係話。

チョコストロベリー〜と言いすごい発想だなぁと感心するばかり。

でりこ先生にしてはエロすくなめ。
線や絵やコマが作品ごとに洗練されている気がします。

余談だけど、知命、房事という言葉を初めて知った。
勉強になります☺️

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