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表題作パブリックスクール-群れを出た小鳥-

エドワード・グラームズ 英国貴族、監督生
中原礼 日英混血、学生

あらすじ

ハーフタームの休暇中、無人の校内で昼夜を問わずエドに抱かれる礼。これは言い付けを破った罰だ──。わかっていても、エドを独占できる喜びと快楽に溺れる日々…。ところが、休暇が明けると、たおやかな美貌の編入生・ジョナスが復学!! エドの恋人らしいとの噂に、礼は不安と嫉妬に駆られ!?閉鎖された檻の中──一瞬の煌めきが彩る少年時代に、生涯ただひとつの恋に堕ちる、奇跡の純愛!!

作品情報

作品名
パブリックスクール-群れを出た小鳥-
著者
樋口美沙緒 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
パブリックスクール-檻の中の王-
発売日
ISBN
9784199008221
4.5

(571)

(452)

萌々

(62)

(22)

中立

(11)

趣味じゃない

(24)

レビュー数
50
得点
2585
評価数
571
平均
4.5 / 5
神率
79.2%

レビュー投稿数50

エドの愛の深さに 鼻血がでそう。

上巻を読み終えた段階では、エドも礼に執着はあるんだろうけども
思いの大きさでは エド → → ← ← ← ← 礼 くらいかと思ってたんです。
しかし!しかしですね!
じつは エド → → → → → ← 礼 なのではないかと。
下巻を読んで思ったわけです。あくまで私の感想です。

予告で下巻にジョナス現る!とあったので、発売されるまで
悶々としましたが、三角関係ってことにはならず(礼は勘違いしてたけど)
ジョナスもいい子で礼の味方でいてくれて一安心でした。

エドの卒業と共にイギリスを離れ、大学も卒業し
大人になった礼は、エドを愛し続けてはいるんですが
エドと今後どうこうなるってことは考えておらず連絡もとりません。
バリバリ仕事をして、ジョナスやギルたちと交流を続けながらも
仕事相手の芸術家などと新たな人間関係を築き、なかなか充実した
毎日を前向きに生きています。(男女に関係なくモテている!ひゅぅ!)

しかしエド!エドはね!
礼を日本に帰したことをすぐ後悔しちゃって!
礼がそばにいないとダメ!って。
礼を自分のそばに置いても誰にも文句を言わせない力を早くつけるために
一生懸命頑張って、大学も飛び級で卒業し、仕事でもどんどん業績を上げて。
父親のせいで経営が悪化している本社の社長になってくれと懇願された時に
「礼を伴侶にしていいなら、社長になってあげてもいいよ?」と。
もうね、全て礼のために生きてたわけです。

パブリックスクール時代は、一度くらい礼に愛の言葉を返してあげてよ!
と思ってたんですが、むしろ あの頃にエドが礼の思いに応えていたら
礼は エドの両親に、グラームズ社に、世間に、潰されボロボロにされ
エドと引き離されていたことでしょう。
そうならないようにエドは礼を守るために自分から引き離し
並々ならぬ努力でもって礼を日本に迎えに行く準備をしていたわけです。

そう思うと、エドの礼への愛は予想以上にとても大きく深いもので
反対に礼のエドへの愛は独りよがりの自己満足のように思えて
その愛を受け入れたくてもそうできなかったエドが可哀想に思えました。

なにはともあれ最終的にはハッピーエンドで大満足です。
下巻ではエドが礼に対して甘々で、特に大人になって日本で再開してからは
あれ?あのエドワード・グラームズさんですよね?と問いたくなるくらい
礼にたいしてさらに優しくなっています。

番外編が掲載されている小説Chara vol.33も読みましたが
そっちもかなりエドがデレデレでした。
久しぶりに礼と過ごせるクリスマスが楽しみすぎて
秘書にも突っ込まれるくらい浮かれてて…。

そのうちエドは礼に尻に敷かれる気がします。

50

樋口先生の愛のこもった作品、大好きです


上巻の方が好みでしたが、やはり神です
こちらで上下巻まとめてレビューしたいと思います。

上巻を読んでいた時、あまりにyoco先生のイラストが物語にぴったりで、ここまで世界観を緻密に作り上げる樋口先生の、ただならぬ愛と熱意を感じました。他の作品ももちろん愛情を込められていると思いますが、もしかしたら、この作品は今まで以上に先生が温め、ずっと大切に練ってきた作品なんじゃないかなと、ずっしりした厚みを感じながら勝手に思ったり。
あとがきにも、以前から構想だけはあったと仰ってたので、あながち間違いではないのかな、なんて!笑


さて実は私、樋口先生の「愛の巣へ落ちろ!」がドツボで、色々近い要素があったので即買いでした。
年上俺様攻め(絶対譲れないので、大好きな樋口先生の作品でも年下攻めは買ってないです…)、ぷるぷる震える可愛い健気受け(激萌え)、不憫でいじめられっ子な受け(受けがひどい目に遭うほど、幸せになった時萌えます)、全寮制男子校、英国、身分差、体格差(重要)

私の好きなもの全て入ってます。思えば虫シリーズもこんな感じのキャラ設定でスタートしてたので、樋口先生もこの設定大好きなのかなーって勝手ながら嬉しくなりました。


ちなみに!読み始めはいとう由貴先生の「たとえこの恋が罪であっても」の展開とすごく似てると思いました。批評してる訳でなく、この作品が好きな方には是非、と感じていただけですが(^-^)


脱線しましたが、感想に戻ります。
受けが不憫な程萌えると書きましたが、礼のそれは中々のもので、どうか幸せになってねと泣けてきました。特にエドに金目当てと勘違いされて、その誤解が解けた時の描写はとても好きでした。
しかし私は受けや攻めに忘れられない存在がいる展開が地雷で、亡くなったとかは更に地雷です。その恋人が生きてたら〜とか思っちゃったりして萎えます…泣
なのでまさかジョナスがエドの忘れられない恋人で、更に死んだりしてたら…と気が気でなかったのですが、エドの「俺の"友達"」という発言や、礼が好きだと告げたときに「お前まで俺を追い詰める〜」という発言から、上巻の時点であくまでエドにとってジョナスの存在は大切な友人、と解釈してました。
この時の私はジョナスが勝手にエドを好きになって、抱いてと迫ったものだと勘違いしてました…それでエドが家族以外にも、ジョナスからも追い詰められたものと…


しかし下巻では、ジョナスは結局エドとの事を軽く言ってましたが、確かに惹かれあったとあるしどうなんだろう、そりゃ痛みを分かり合える存在は人として魅力的ですが、やっぱり関係があったと聞いた時は、遊びじゃなく互いに認め合った上での行為だろうし、エドは最初友達とはいえジョナスの為に泣いてたし…うー残念、となりました。


結局エドの方は礼ぞっこんって感じが上巻の最初から伝わってきてたので、そこまで沈みませんでしたが。
礼の行動を制約したり、お風呂の時間を指定したり、これ絶対裸見せたくないからよね?と、私は上巻の時点で最早エドの愛を確信しました!(笑)

上巻の方が好きな理由は、こんなエドの言うことを健気に聞き、ぷるぷる怯えながらも一所懸命好かれようとする礼がほんっっとうに可愛かったからです!下巻では、礼が強くなりすぎちゃったと少し寂しかったです。
Hシーンも、礼が痛がったから手を解いて膝を立たせたり、泣いたら慰めたりと、萌えっぱなしでした。
やはりHシーンは最初のシーンが1番好きです。

また、個人的にギルがとても好きでした。
礼をずっと見てきた1人として、礼を理解し、背中を押し、礼を愛し、時に礼を変える一言を与えてくれる存在で、当て馬っぽかったですが、エドとジョナスのボート事件では、ギルもっとやったれ!と思っちゃいました…

いじめっ子×いじめられっ子設定も好きなので、是非樋口先生にこんな設定で書いて欲しいなーなんて呑気なことを思ってました。


下巻の後半は、まさかの「パブリックスクール」外のお話で、切なさが抜けませんでした。ここはもう少し若く、大学生とかでも良かったなぁ。あまりに時が経ちすぎていて、切り替えが難しかった…再開したエドがあまりに礼に執着するので、初期の傲慢俺様な面影がそれ程感じられず、ちょっとここでも切なかったです…更に礼もエドを引っ叩くまでに強くなられて…oh

あの時の若く、青春を謳歌していたあの子たちはもういないんだと思うと、「パブリックスクール」の中で終わっても良かったのでは?と思いました。舞台が日本ということもあり、一気に礼やエドが一般人になっちゃった、みたいな意味不明な虚しさがこみ上げてきました。私もイギリスだからこその世界観を楽しんでいたんですね。
しかし成長したエドは一層かっこよくなってましたね。もちろんギルも。ギルのバーでの礼との会話が、凄く好きです。
結局私は樋口先生が書くならちゃっかり萌えてしまうんですね…なんと現金な輩。


また終始一貫して愛について語られていましたが、ここまで深く愛を語れるのは、やはり樋口先生が沢山の愛を知ってる、広い心を持った方だからなんだろうなと思います。作家さんのほとんどは、あとがきで読者と編集者、イラスト担当者に感謝を述べている方が多いと思いますが、樋口先生は必ず、ご友人やご家族など周囲の支えてくれているあらゆる方にも必ず感謝の気持ちを述べられていて、愛に溢れた方なのでしょう。だからこそ、この作品のセリフ一つひとつが優しく、美しいものなのだと感じました。

30

愛を感じる1冊。

受けの礼は攻めのエドが大好きだけど、エドにはその愛が伝わらない……。いや、そんなことなかったですね。

上巻の時もエドの執着っぷりはすごかったけど、愛を素直に伝えられない、貴族って大変だなー。身分差……萌える!!っていう1冊です。

三角関係かっ!!と思っていたりもしたんですがそんなことは無かったですね。

純真で疑うことの知らない礼。
そんな礼をほおっておけないけど思いを伝えることのできない立場のエド。

そして、その友人たち。この友人たちがほんとにいい子たちで!!

とっても心が温まる1冊です。

24

小公女BL版

ああ、前巻あっての二巻目ですが、こちらは本当によかった。
礼とエドがパブリックスクールを出るまでと、その後離れたままの二人が描かれていました。
ジョナスの登場で色々難しい事になりそうと思いきや、ジョナスがとてもいい子で!
礼とオーリーとジョナスが仲良くしてるシーンは本当に穏やかで和みました。
ギルもすっかり丸くなって、あの昔の礼をいじめていた頃とは雲泥の差です。でも、血統やらそういうものに拘る教育を受けていたら仕方ないかもですね。実際住む世界が違う訳ですし。だからって庶民を蔑んでいいものではないですが。
舞台の成功、友達だけのクリスマスパーティー、卒業式、学生時代が輝いて見えるのは期限付きだからでしょうか。

その後、卒業して日本に帰った礼とその8年後に会いに行くエド。
ここらの温度差がたまらないですね。
礼はずっとエドが好きだけれど、エドが礼を想う気持ちの方が何倍も強かったようです。
大人になってもう自分の力で何でも出来るようになってから迎えに来るのも、何ともいじらしいです。

作者さんもあとがきに小公女の話題を出されていましたが、この小説が正に小公女BL版という感じでした。
礼がオーリーと出会うまでは虐めや差別で重苦しいですが、寒い冬の後には暖かい春が来るというとても読後感の良いお話で、パブリックスクール好きには是非読んでいただきたいなあ。

24

パブリックスクールの魔力

この小説の作者さんはイギリスの文化に造詣が深いのだろうか。
パブリックスクールがいかに特別な場所か、卒業後の二人の魅力的な姿を通してうまく描かれていて、そこに深い萌えが湧き上がってきた。
礼の裁断にこだわってオーダーしたスーツ、きちんとした質の良いものを少なく持って大切にすること。大人になったエドの佇まい、二人のパブリックスクール仕込みの滑らかなクイーンズイングリッシュ。
気高く孤独なエドの心を礼は愛し、孤立し周囲の人間から排斥されていながらも他者を愛そうとする礼の心をエドもまた愛している。

ため息が出るような美しい二人の恋路のあちこちに、パブリックスクールで培われた心の基盤が見え隠れする。
前巻から続いて描かれた重苦しい伝統と栄光のパブリックスクールでの日々が、ページをめくるごとに鮮やかにかけがえのない日々として響いてくるのだ。
自分まで薄暗いイギリスの曇り空の下にいたような、そんな気分にさえなってくる。雲を割いて差し込む一瞬の光を受けてきらめくエドの金髪を実際に見たような、甘い気持ちの読後感。
でも本から顔を上げ現実の部屋を見渡すと、やはりパブリックスクールの美しい日々ははるか遠く、切ないのである。

礼の思う愛とエドが理想とする愛は少し違っていて、それが二人を遠ざける。
そんな二人を取り巻く友人たちが、人を愛することの難しさを支えてくれる。前巻での孤独な日々からの展開に胸が熱くなり、恋愛以外の愛もとても大切に描かれているのがこの作品をさらに良いものにしていると思う。

いまこの時代にこんな小説が出てきたことが本当にすごいと思う。
書いてくれた樋口先生にお礼を言いたい。


↓ここからしょうもない個人的な感想

前巻から嫉妬に狂ったエドがおいしくて仕方ない!
特に終盤ギルとやり合う場面ではギルがあまりにいい男になっていて、降参してブラックカードを押し付けて貸しとするエドが最高すぎた。
礼は鈍感すぎだろ! しっかりしろ!
いや、やっぱりしっかりしなくていい。
いつまでもエドに嫉妬させ、たまにお仕置きされてればいいよ。
そんなどうしようもない二人の続編が読みたいよ。。。

24

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