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パブリックスクールシリーズ待望のスピンオフです。
正直礼とエドの続編や番外編でないことを残念に思った方がいらっしゃるのではないでしょうか。実は私もその一人です。
前回が好みすぎたから今回は合わないかも、読んで大丈夫かな、後悔しないかな等考えておりました。
まぁそんな考えは4、5ページ読んで消え去りましたが(笑)
悩んでいるそこの貴方に是非読んで頂きたい!と思ってしまうくらいには面白かったし泣けました。
主人公(受)の桂人は前作主人公の礼に負けず劣らずの不幸っぷり。家庭環境が最悪で、最初は淡々と「可哀想だな…」と読み進めておりましたが、とある一行に綴られた桂人の心情に涙がぼろっぼろ零れました。それが多分序盤と中盤の間ぐらいで、そこから始終泣きっぱなし。文字がぼやけて読むの大変でした!
そしてやっぱり鈍い。おいおい…と心配になるほどです。ここらへんはスタン(攻)に同情しました。鈍い桂人に驚き呆れるスタンは笑ってしまうほど可哀想でした。本当に(笑)
対するスタンですが、不器用な男でしたねぇ。そして勝手(笑)
自分にはこれだけって決めているものがあるのに、桂人のことを諦められない。放っておけない。でもいざ向き合えるとなったら自分に自信がなくて話すこともできない。序盤の嫌な奴が終盤では嘘のようで、「あぁこれがスタンなんだな」と思いました。
あ、、でもスタンは何人かの生徒と関係を持ってます。目的があっての行為でしたのであまり気になりませんでしたが苦手な方はご注意を!スタンが桂人以外との情事シーンが序盤に1回だけですがしっかりあります。
魅力的なのはメイン二人だけじゃなくて、他のキャラもいい味だしてました!
最初はなんだこいつって思っていたキャラもいたのですが、読み終わってみると全員のことを好きになってました。不思議ですね。
何だか愛を捨てて、愛することも愛されることもないと言い切っていた桂人と一緒になって、キャラ(桂人の周りの人間たち)を愛せるようになった感じです。
ただ最初から最後まで嫌な奴はいましたがね。夜は背後に気を付けろ、と言いたい!
そして嬉しかったのはデミアンとエドの登場シーンです!!!これには思わず喜びの声をあげました。
礼はいませんでしたが彼らの会話にしっかりと出ております。
短い登場シーンでわかったことはひとつ。エドは小鳥が好み。
そうか、やっぱり小鳥に弱いのか…と温かい目でその一文を眺めました。
読み終えてまず最初に思ったことは、続編読みたい!!!です。
今回はもちろんハッピーエンドで終わりましたが、スタンと桂人のリーストンでの生活はまだ一年以上あるようです。これから楽しいこと、面白いこと、嫉妬に大忙しの笑いを誘うスタンの姿もまだまだあることでしょう。
それを是非読ませて頂きたいです。学内えっち期待しております!!!
『ムシシリーズ』も面白いですが、やっぱり樋口作品は『パブリックスクールシリーズ』いいです!大好きです!そして今回のスピンオフも期待を裏切らない読みごたえのある作品でした。
なんといってもあの息苦しい程の閉塞感!寄宿舎という狭い世界の中で、まわりの目を気にしながら自分の立ち位置を必死に守りつつ、そんな環境に苦心しながらもどうすることもできずに堂々巡り。この八方塞がり感がたまらなくいいです!
そんなところに、差別の対象のアジアンで貴族の養子で爵位も継ぐわけでもない格好のストレス発散の捌け口になりうる桂人の存在。さらにそれが青みがかった黒髪と黒い瞳をもつ神秘的な美人ときたら、いつ襲われるのかドキドキ?まだか、まだかと待ちわびながら読み進めました(笑)
ストーリーとしては『幸福な王子』を根底に据え、愛情と自己犠牲の有り様を問う形で進められていきます。
家族からの愛情薄く、スラム育ちで、さらに性虐待の過去をもつ桂人に、全てを持っていると思われたスタンには壮絶な過去、凡庸にも関わらず優秀であることを求められ苦しむアルバート。
おのおのが苦しみを抱えながらも相手によかれと思って自らを犠牲にしてしまうことがさらに問題を深めてしまうという、もがけばもがく程がんじがらめになっていくところがさらに作品を重苦しい雰囲気にしています。
ですが、今回はわりと早めに(スタン本人は必死に隠しているつもりでも)湯たんぽ持ってきたり、言いよどみながら小鳥について話したり、挙げ句の果てには専用娼婦になれとか独占欲丸出しで、愛情がただ漏れなので(笑)もどかしくはありますが安心して見守れました。
この先、学校という守られた世界(檻)から解き放たれてさらなる差別が桂人には待ち受け、前途洋々というわけではないと思いますが、スタンに約束を破らせてしまう程の桂人の艶態と、桂人を失神させる程のスタンの精力で(笑)犠牲の上に成り立つのではない幸せを二人は築いてくれると思います。続編、出て欲しいなぁ。
前作の『檻の中の王』から続く三作が好きだったため、本屋さんで見つけたとき、「またあの世界観が読めるのね!」と大興奮しました。
前作と同様にとても面白かったです。
ちなみにお話は一気に読み進めましたが、個人的には一度目よりも二度目と読み返すたびに面白くなっていく作品なのかなと感じました。
パブリックスクールを統率する者の人物像もキャラ達の位置付け(主役2人周り含め)も前作と異なるところがちらほらあり、最初は戸惑う部分もありましたが、最終的にはそこが面白いポイントであり何度も読み返していろいろとじっくり考えたくなるところでもありました。
そして、今回も美しいイラストで感激でした!
しかし、ああ…英国の貴族様!という感じでうっとりとするかたわら、スタンの表紙の雰囲気から受ける雰囲気と本編内との印象に、少しズレを感じました。
(ケイトに関してはあまり感じなかったのですが…。)
そのズレが作品の最後まで続いたこともあり、頭の中で消化するのに少しだけ体力を要してしまいました。
具体的には、表紙のスタンはこの作品の序盤もしくは始まる前のスタンと考えるのが妥当なのか、スタンの内面から出る表情なのか、それとも、これからのスタンとして捉えるのかとても悩みました。
(ちなみに体力を使うとはいえ、それを悩むのもとても楽しかったですが)
自分の頭の中だけとはいえ、「これかな」と断定するには材料が足りず、もっとスタンの色んな姿が見たい!と思いました。
続編が読みたい作品です!
大好きなパブリックスクールのシリーズ4作目。
今回はスピンオフでした。
前3作品の数年後のパブリックスクールが舞台になっており、前シリーズに登場したエドワード達が卒業した後の、つまり彼らの後輩たちの物語です。
直接エドワード達が物語に影響する場面は少ないので、本作だけでも十分楽しめますが、私は全3作品を読破しているので、前作から引き継がれている部分だったりを発見して読み取るのがファンとしてはとてもうれしかったです!
さて、今作もやはり、愛の物語でした。
樋口先生は本当に、色んな愛の形を表現するのがお上手だなと。
今作は前作同様、パブリックスクールを舞台にした貴族のご子息たちのBLでありながらも、「毒親」と、その毒親に翻弄されてしまう子どもたちがとてもリアルに書かれています。
愛されて育てられなかった子は、やはり人を愛することが難しい、という負の連鎖だったり、自分がされて悲しかったことはせずに、自分がされたかったことを人にしてあげようとする愛だったり、感情移入せざるを得ない部分が沢山あって途中で本に顔を伏せて泣いてしまいました。
もはや、BLという枠に収まってしまうのは勿体ないと思ってしまうほど、愛とは、子育てとは、などに気づきを与えてくれる作品でした。
樋口先生のブログで以前、「わたしの人生は母を許したいと思うことから始まり、小説を書くにいたった。」というのを読んだことがあります。
親子関係について、樋口先生ご自身も色んな悩みや葛藤があったんだなあという事を知りましたし、そんな方だからこそ、こんなに感情を揺さぶる物語が書けるのだと思いました。
私自身にも母親を憎んだり責めたりした経験を経て、ようやく許せるようになったので、今作の物語と自分の経験がリンクするものがあり、泣けました。
親の愛を知らずに育ったスタンとケイトの2人が不器用ながらも少しずつ、寄り添っていく過程がとても美しかったです。
素晴らしい作品に出会えたことに感謝しています。
ただ、1点だけ、、1点だけ、ワガママを言わせてもらうと、「受けが他の誰かに襲われちゃうピンチにタイミングよく駆けつける攻め様」という構図が、虫シリーズしかり、パブリックスクールシリーズしかり、樋口作品の定番になってきている気がして、受けがピンチになると「もうすぐ攻め様が助けにくるな~」と先が読めてしまうのが少し残念(笑)
でも、私は健気な受と高圧的なスパダリ攻め様が好きなので、これはこれで楽しめました。
樋口先生の次回作も楽しみです。
手に取る時は迷いました。
如何せん、前作が好きすぎるので…
しかし、樋口美沙緒先生の作品を今まで購入しなかったことはなかった私。当然買いました(≧∇≦)/
前作が好きすぎるのは変わりありませんが、
めちゃくちゃ良かった!泣いた~( p_q)
他の方々の素晴らしいレビュー通り!
後半からスタンに萌えまくり(;//́Д/̀/)ハァハァ
前半あってこその、この萌え。
たまりません(;//́Д/̀/)ハァハァ
言いたいことはたくさんありますが
1番言いたいことは……
樋口美沙緒先生!
どうか続きを!!
スタンの迷いながら、
また愛することについて成長しながら
ケイトをどうやって愛していくかがみたいです!(待望)
スタン視点だったら……
もうたまらんです(;//́Д/̀/)ハァハァ
待ちきれないので、もう1度読んできます(*°∀°)=3