SS付、イラスト付
古さを感じない内容だった。
残念なのは、脱字が多い・・それだけ勢いを持って書き上げたってことなんだろうけど、
単行本から文庫化をするときに、直したら良かったのに。
大陸マフィアのトップ、黒帝と紅帝を父に持つ10才の男女の双子、
双子の兄が自ら父を守ってくれたら、生涯一緒に居ると交換条件を出す。
でも、その翌年に父の紅帝は部下に暗殺
息を引き取る間際に父親は「我が宝は双子にあり」と言い遺す。
凛の記憶は父親によって封じられていた。
それから10年後、日本に逃げた母と凛。妹は逃走中に死亡。
凛は自分の戸籍を死亡届で消して、死んだ妹の戸籍を使い女性として生きてきた。
黒帝に再会して、凛が記憶を取り戻すまでの物語。
みずかね先生の挿絵が綺麗。
もう、タイトルそのまま。
チャイニーズマフィアものなのに、最初からずっと甘いんですよ。
ロリとかショタとか、いわゆるそういう性癖持ち疑惑のある嵩原は、受けの凛からしたら、たぶん20歳ぐらい年上の男で、出会いからして不穏な空気を纏っているんですね。
この嵩原、最初は追手から凛を救い、保護します。
優しく世話を焼かれ、徐々に嵩原に惹かれていく凛。
やがて助けられただけでなく、軟禁されていることに凛は気づき始めるのです。
凛は、自分の生い立ちが闇社会と結びつくだけに、救出劇から全て騙されていたのでは、と疑います。
…というストーリーなんですが。
そう、ストーリーとしては、なんだかサスペンスちっく。楽しい。
そしてセリフや背景が、こう言ってはなんなんですが、芝居がかっていて古臭いんですよね。
ン十年前の漫画とか、往年の2時間サスペンスものみたい。
でも、そこが良かった。
嵩原は闇社会のスパダリで、凛は美人な男前というキャラ設定も王道。
そういう懐古臭に存分に浸れる方は、楽しく読めると思います。
浸りきれず、もしくは途中で醒めたらダメかも。
マフィアものとはいえ、あまりハードではないし、しつこいですが、ラブは糖度高め。
年下美人(男)に終始デレッデレなマフィアボスが、ここにいますよ。
あらすじ:
わけあって女性として生きている凛(受け)は、チャイナ・マフィアに追われているところを大富豪の壯一郎(攻め)に保護される。
屋敷で何不自由ない生活を提供される凛だが、やがて自身が軟禁されていることに気付き…
2007年の作品の文庫版。
女装受けで花嫁モノかと思いきや、意外にも受けが男前で好印象。サスペンス風の展開にも惹き込まれました。
凛は「黒の花嫁」として組織に追われる美青年。
名前も性別も偽り女性として生きていますが、本来は男らしく勇敢な性格です。
10年前、凛が9歳のときの事件が発端となり組織に追われているようですが、その過去は中盤まで明らかにならず。
ミスリードも含めなかなか工夫された展開です。
壯一郎は、凛を軟禁し日々陵辱する傲慢攻め、更に凛の父の死にも関わる悪人…かと思いきや、実は義理堅く情深い人物。
陵辱シーンにしても糖度高めで、凛自身も壯一郎に惹かれているため痛さはありません。
壯一郎の正体、そして凛の過去が明らかになる後半の怒涛の展開はなかなか読み応えあり。
ちょっと中2っぽい設定ではありますが、女性として生きてきた凛が本来の自分を取り戻すクライマックスにはカタルシスがあり、傲慢攻めかと思われた壯一郎が凛に跪くシーンにも萌えました。
凛と壯一郎のラブ展開に萌えつつ、裏社会物としての面白さも堪能できるバランスのとれた一冊かと思います☆
みずかね先生の挿絵目当てでGET。
挿絵はキレイなんだけど、なんだろ。ちょっと乗り切れなくて、萌。
美人受けで強くて と普通なら盛大に萌えるタイプなんだけど、
ちょっと仰々しい感じなところがダメだった・・・ちょっとひいてしまった。
受けさん:記憶障害一部あり。父は9歳ごろに暗殺され、
妹は中国から逃げてくるときに体力尽きて死亡、
おととし母亡くしたらしい(病死かな?記載見つけられず)
めっちゃ美人、妹の名前使って女として生きてる。
攻めさん:何して生活してんのかさっぱりわからんかった。
なんしか中国?マフィアのトップだったっぽいけど、
解散して今は潜行中。
小さいころの受けさんに惚れたらしく
(本人否定してるがショタだろ)
記憶がよみがえるらしい受けさんを迎えにきた
後は側近の方が1名出てきますが、その他はほぼその他大勢扱い。
ところどころ ? と思う設定あるので引っ掛かること、
ちょっと読みにくかったところ(時系列が時々入れ込んじゃう)
ちょっと仰々しいものいい(攻めさんが「そなた」とかいっちゃう・・・)
に萌え曲線がやや下向きになってしまった。
いちゃこらシーンは、割合エロティックな方だと思うんですけどね。
最後の書下ろしショートは、かわいかったです。
受けさんが20歳の可愛い男子らしい振る舞いで。
警備犬のドーベルマンが子供産んじゃって、
(ハンドラーまでお抱えでいます・・・)
弱っちい仔一匹いたのを守ってあげる話。
本編が重苦しかったので、最後は軽めでよかったです。
ちるちるデータベースにある通りの裏表紙のあらすじ紹介を読んでみて、一瞬では理解できずに『は!?なんだこりゃ(;´・ω・)』ってなったのは私だけ、なのだろうか?
そんな自分の為に一応あらすじを補足しておくと…
9歳の頃に父親を殺された凛(受け)は母親と逃げ、目立たないようにひっそりと暮らしていた。
その母親も10年後に亡くなり、追っ手を警戒していた矢先に襲われたところを謎の男・嵩原(攻め)に助けられる。
重傷を負ったのもあり暫く匿ってもらったのはいいが、嵩原について得体の知れない怪しさに気が付いた時には既に身動きが取れない状況になっていた…
ってな案配だ。
これ実はチャイニーズマフィアもので、実際に読んでみたらこんなあらすじ紹介になるのも無理はないなと納得せざるを得なかったのだが。
とはいえ、何故凛が追われる身なのか、嵩原の真意は何なのかって真相は読み進めていくうちに掴めるが、凛には肝心の事件当日の記憶がないって演出がまどろっこしかった。
他に、取って付けた感が強かった妹の設定も、何故父親の形見の短刀や『黒皇のは花嫁』に拘るんだ?他諸々細かい事も話が完成するには必要な物だと次第に分かってくるものの、紆余曲折で登場人物に感情移入できるポイントを見いだせないまま読み進めるのはしんどっかった。
まぁ頑張って読了したら、その後は年の差カップルの甘々ぶりが楽しめるのだが…
ちなみに、高原って一体何歳なんだ?
凛が初めて彼に逢ったのは9歳の頃となると、それってショた…(*‘∀‘)…!?
いや別にショタは許容範囲にあるけどさ、上にも書いた通りでそれを楽しむ余地がなかったぞ。