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胸ふるわせる、初恋スウィート・ペイン
大好きな月村さんの作品のなかでも特にすきな作品です。
相変わらず心理描写が上手い。
ストーリー展開の運びも自然で、途中は思わず涙しました。
BL初心者の方にもおすすめなピュアなストーリーです。
最近、自分の中で注目の作家さんの一人です。
昔から知ってる作家さんでしたが、以前は切なくて重たい系の話は苦手だったので避けてたんです。でも、違う作品を読んでからハマってます。その作品は、また、レビューさせて頂きますね。
多分、自分自身が歳を重ねてしまったのも大きいかと…。
心情に訴えかけてくる現実味ある作品もいいなあと思える歳になったんだろうなあと(笑)
生まれた時から同じアパートの隣同士に住んでいた2人は、兄弟よりも近い距離にあって、一緒に過ごす時間も長かった。一緒に東京へ上京するくらい親密な間柄だと思っていたのに、お互い大切に思うがゆえ、ある事情から別れてしまうんです。
言葉で伝えあわなくても、いつもテレパシーのようなものでなんとなく分かっていたと思っていたのに、それが落とし穴になってしまうんです。
別離から再会までの二年間で、攻め様は人気俳優として成功し、受け様は喫茶店の主に救われて住み込み店員として働いてます。
ここから紆余屈折しながら、ハッピーエンドまでの過程が、切なくて泣けてきます。
離れていた二年間、お互いに忘れた日がない位好きあっているのに、再会しても気持ちがすれ違ってしまう。不器用な2人なんです。
歯痒くなってくるんですけど、ここは月村先生の心理描写の素晴らしさで、どんどん引き込まれて行くんですよね。
切なくて、胸が締め付けられて、目を潤ませながら読みました。本当に一文一文丁寧に書かれているのが伝ってきます。
流石です。
脇役に喫茶店家族や編み物おばさま、美人女優さんが出てくるんですが、皆優しくて人間味溢れるいい人ばかりなんです。これもポイント大でした。
最後に攻め様視点のお話があるんですけど良かったです。
離れていた二年間の、切り裂かれるような痛い日々を思い返し、永遠に失われたと思っていた幸せが、腕の中に形しとある事を実感します。
そして、これからもずっと幸せな日々を永遠のものにしていけるように変わろうと…。不器用ながらも言葉で色々伝えようとしてくれます。それに対して、ドギマギ反応する受け様。そんな2人のやり取りが、あたたかく、ほのぼの癒されました。
イラストもお話によくあっていて綺麗なのも萌ポイントです。
甘酸っぱい初恋のようなお話が読みたい方にはオススメです。
幼なじみで、一度離れ離れになった二人が再会する再会ものです。
再会ものというより、やり直しものという気がします。
といっても颯と諒矢の二人の主人公は付き合っていたわけではなく、諒矢は二人の間には意思疎通が出来ていると思い込んでいて、それを勝手にテレパシーだと言って気持ちが通じている気でいます。
「好き」とか「付き合おう」とかの言葉も、キスや手をつなぐなどの行為もないまま、自分たちは恋人だと信じ、颯の上京に付いてきてバイトをして彼を支え・・・
けれどある日、颯に「ウザい」「迷惑だ」といわれ、颯のもとを離れて死のうと思っていたところを他の男性に拾われ、2年後に芸能人として成功を収めた颯と再会。設定だけ見れば痛々しい感じです。
諒矢が颯に拒絶され、地元に帰る切符を渡されたにも関わらず途中で降りて見知らぬ街で死のうとする・・・このあたりの件は可愛そうでじんとしました。
私は貧乏な二人が地元を離れてコツコツ支えあう「成功を夢見て同居」みたいなべた設定にすごく弱く…。最初らへんからぐっとお話に引き込まれてしまいました。
最初から、颯が「うざい」と言った本当の気持ちもなんとなく察しはつきます。しかしながら、2年後再会してからの展開がなんとなく軽かったのが少し残念でした。
あんな酷いことを言ったのに会いに来て「また友達にもどりたい」と言った颯も、虚勢をはって「お互い今幸せだし、あれでよかったよね」という諒矢も、そんなスタンスでいいの??という感じでした。
最初のせつない雰囲気がとても胸にズッシリ来てよかったらので、最後まであの雰囲気だったら・・・と思いました。
どちらかというとライトでわりとサラッと読めるお話かもしれません。
長いすれ違いと誤解を解いて二人が結ばれるシーンは心からよかった!という感じでしたが、やっぱり颯がしたことは最後に一言二言「悪かった」で終わらせられるものじゃないような気もします。
もっと最初から話あっていれば二年も離れることも、諒矢が何年も辛い思いをすることもなかったと思うので。下手すれば2年前、諒矢は死んでいたかもしれないし。
しかしそういう意味では諒矢もテレパシーなど信じないできちんと普段から話あっていればよかったのだからお互い様かもしれません。
このテレパシーという設定は素敵だと思いました。
幼なじみやせつないすれ違いがお好きな方におすすめの作品です。
幼なじみ同士の切ないけれど何者にも代えられない恋故の擦れ違いを描いたラブです。
双子のシンパシーみたいな感じなのでしょうか、同い年で同じアパートの隣室で
共に暮らして育ったただ一人の幼なじみ同士の言葉が無くても分かり合える
精神的な深い繋がりが、テレパシーみたいに感じられる絆。
お話は受け様視点がメインで、役者を志して上京した攻め様に無理やり付いて行く
形で共に上京し、半年後に、酷い言葉で切り捨てられた受け様。
言葉にしなくても互いに好き合っている恋人同士だと思っていた受け様は
攻め様のいない世界は考えられなくて、苦しさから死のうとしてしまう。
でも、偶然通りかかった喫茶店のオーナーに拾われ、住み込みで働くようになって2年
傷も癒えて来た頃に、若手で俳優として人気が出てきた攻め様が現れる。
受け様は動揺するのですが、攻め様に2年前の出来事を謝られ、以前のような付き合いを
したいと言われるが、攻め様が自分をただの幼なじみとして見ていると思い込む受け様は
店のマスターが好きで恋人だと嘘をつくことで攻め様への気持ちを悟られないように
攻め様との間に防壁を作り、拒絶するのですが攻め様は諦めず、何度も店に来るように
受け様は、攻め様が過去の出来事を後悔し、昔の汚名を払しょくするために来てると
思い込んで、幼なじみとしての友人関係を再会するように・・・
互いに相手を好き過ぎて、相手の幸せを思うから受け様は攻め様を支えようと
必死でアルバイトをして攻め様の夢を応援するために頑張った2年前、
そして、そんな健気な受け様の幸せを願って、心にもない嘘で受け様を切り捨てる言葉を
告げ、離れなければならなかった攻め様の苦悩と後悔。
幼かった二人の精一杯の思いが感じられて、切なかったです。
再会した二人が臆病になりながらも今でも思い合っている、今度こそ互いだけに
伝わる、恋のテレパシー、切なくて甘くて優しくなれるそんなお話でした。
お互いに気持ちを確認し合ったことはないけれど、お互いを想う気持ちは同じだと信じて、俳優を目指して上京する幼なじみの颯について行った諒矢。
幼なじみの夢を支えたい諒矢は、掛け持ちのアルバイトでやせ細って、帰省した際に母親に心配されても、ちっとも気にならないくらい、幸せだった。
なのに突然、それを「迷惑だ」と言われ、別れてから2年。
新しい暮らしの中で別離の傷も次第に癒え、俳優として活躍しだした颯をテレビで、まだ残る切なさを抱えつつも、見守れるようになった頃、不意に幼なじみが会いに来て――というところから始まる、幼なじみ同士のすれ違い再会ラブです。
手ひどく振られたのに、それでもやっぱり颯が好きで、その気持ちを何とか誤魔化してでも颯に会いたいと思う諒矢も、2年前のことを謝りたいと言って現れたのに、2年前の言葉の真意を自分からは明かさなかった颯も、どちらも不器用で一途な、似たもの同士な幼なじみだなあと思いました。
言わなくても、お互いの気持ちは何となく察せられる。
そういうことは、子供の頃から寄り添うように一緒にいたふたりならきっと当たり前のことで、だからかえって、言葉で伝える方が難しかったりするんでしょうね。
でも、やっぱり一番大事なことは、言葉で!
たとえそれが、相手を思いやるがゆえの行為であっても、言葉で伝えることが大事なんだなと、改めて思いました。
どんなに高感度で通じ合っている2人でも、たまに受信状況がイマイチな時もあるんだから、いざという時はテレパシーだけじゃなく、言葉でも通じ合わないと、ですね!
雑誌掲載の表題作に、その後の書き下ろし「不器用なシンパシー」と「不器用なデイブレイク」が収録されています。
表題作とシンパシーは受けの諒矢視点で描かれていますが、「シンパシー」での、初めての…な翌朝を描いた「デイブレイク」は攻めの颯視点で描かれていて、SSくらいの長さなのですが、それが大変美味しかったです!
颯がどんなふうに諒矢の事を好きだったのかが読めて、嬉しかったです~!
そして最後に、イラストが大好きな高星麻子さんだったのも購入の決め手だったのですが、カラー口絵が!
カラー口絵の芸能人な颯のポスターのアップが大変カッコ良くて、眼福でした……!!
そうか、恋人が芸能人だと、街歩いてて、こんな形で恋人と遭遇したりもするんですね……w