おまけ付きRenta!限定版
数年前、まず偶然「少年アシベ」の公式高校生バージョンがあると知り、それが「青少年アシベ」というタイトルで、しかも作画がBL作家さんである笑平さんに変わったことを知りました。
著作のうち、まずは魔王・勇者系が大好きなので本作を去年の8月に読破。
すっごく良かった!
人間と人外の恋愛物語で障害になりがちなのは「寿命の違い」ですが、そうきたか!
魔王がセクシーでかっこいいうえに、すっごく優しい。
勇者(?)もアホの子だけど素直でワンコ。脇キャラもみんな愛しくて良い。
間抜作先生なつかしい!w
ギャグのノリが合うかどうかは試し読みでご判断ください。
少年漫画っぽい独特の世界観ですが、例えば同じく少年漫画っぽいハジさんがお好きな方なら受け入れられるかも?
絵柄も、これは一体どなたに影響を受けられたんでしょう?
好き嫌いが分かれる絵柄ですが、私はスガアシ大好きなので全く問題ありませんでした。むしろ好き。
ただ、えrはかなり少ないので、えr重視の方にはオススメできません。
(でも笑平さんのPixivでコミック発売告知のところに未収録えrがほん~の少しだけどあります)
原作をご担当の犬時さんは8年前に他界されたとのこと、残念でなりません。
両先生、素晴らしい作品を生み出してくださって本当にありがとうございます。
ハマる人はハマるんだろうなというのは分かるんですが、自分には終始テンションが合わなかったです。笑平先生のタッチは苦手な部類ではないけれど、線がしっかりしていて少し太めなので、そのタッチで且つキャラの周りの描き込みも字も多く、ずっとボケとツッコミをやっているような会話が繰り広げられるので、読んでいて疲れてしまいました。ごちゃごちゃしていて頭に入ってこないシーンも…。もうちょっと引き算されてると読みやすかったかも。とてもBL面に萌える余裕まで持てなかったです。突き抜けたギャグ作品が読みたい気分の方には合うと思います。
〖DMM電子書籍〗
修正 : -
カバー折り返し : 著者コメント
カバー下 : 2人のプロフィール、あとがき
帯 : なし
裏表紙 : あり
カバーデザイン : YASUHISA KAWATANIさん
電子限定特典 : なし
備考 :
ふた言 : 疾走感がすごいって言ったら伝わるかな?ギャグっぽさをベースにしつつ、胸が締め付けられたり、キュンとしたり、ハテナマーク大量生産されたり、感情の振り幅がえげつなくて、なんか凄いの読んジャッタ‼︎って感じです。
〖紙媒体〗
未読
力強い表紙の一方で、優しさに溢れた作品でした。
優しさだけではないんですけどね…憎悪も描いているからこそ優しさが際立つ。
はちゃめちゃだけど、大筋はしっかりしていて、細かいところはご想像にお任せしますといった感じ。想像しますとも。だってとっても良いところで終わっちゃったから、想像するしかないのよ。
またこの2人を描いて欲しいと言いたいところですが、それはもう叶わない願い。
種族の違う生き物を描いた作品としては、相当救いのある結末でした。種族の違う生き物って書きましたが、描き下ろしを読む限り、魔王ことウィスペドくんと、トゥルーくんは、同じ種族だったということですよね。ウィスペドが願ったからトゥルーはあんな風になったわけでもなさそうな。
巡り巡って2人が出会えて良かったなぁ。性格6の違いで、2人はこんなに違う運命を辿るのか。トゥルーもひょっとして千を軽く超えて生きたら、ウィスペドの如くなるのか?…ならないな。
ウィスペドが作る雪だるまがヒヨコだったのが何とも…勇者がモンスターに見せる悪意はいっぱい出てくるけれど、決して勇者一行を殺さない魔王。千を軽く超える時間、ヒヨコのことを忘れなかったウィスペド…切ない。
パワフルな作画とストーリーで一度見たらきっと心から離れない。
その作画やキャラクター、ストーリー展開にクスリと笑いつつも…命・善悪・差別・と、色々と深いテーマがあるお話だなあと思います。
「魔王」と言う肩書きの元、不老不死の身体で果てしない時間を生きてきたウィスペドさんと、力がものすごく強くて、物事を何も知らない無垢な自称勇者・トゥルー。
「魔王」というだけで年中勇者を名乗る懸賞金狙いの人間に容赦なく攻撃されて殺されては蘇るを繰り返している魔王は、実は仲間思いで王としての秩序ある暮らしと仕事を全うしているだけ…。
自分の宿命を受け入れ、言う事を聞かない愚かな人間を鼻であしらってはいるけど、やっぱり殺されるのはそれなりに痛いと言う。何度も何度も殺される痛みを感じては蘇える…一体魔王はこれまで何度この苦しみに1人で耐えてきたのだろう?
そこへ突如現れた、人間離れした力を持つトゥルー。その人並み外れた力を幼少期から不気味がられ、人々に迫害されて育って来たにも関わらずまるで悪意を抱く様子はなく、ただひたすら前向きに素直に生きている無垢な存在。
実は魔王も、幼い頃その人並み外れた力を人々にバケモノ扱いされ、大切にしたいと思ったものまで傷つけてしまわぬようずっと孤独に生きてきた過去があったので、すぐに彼の孤独を理解しました。自分と似たような環境にいたにもかかわらず、全く人を恨む様子もない素直なトゥルーへ魔王が抱いた感情は愛情か、憧れか…。
生まれた環境で住む環境が分けられ、理不尽な扱いを受ける描写は実際にある差別問題に通じるところがあって考えさせられます。
未読の方は是非読んでみてほしい。
紛れもなく私の心のバイブルのひとつです。こう言ったユーモアの仮面を被った哲学書が大好きです。
残念ながら犬時先生の遺作となってしまいましたが、こんな素晴らしい作品を残してくださった事にただひたすら感謝します。