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表題作人魚姫のハイヒール

加賀谷広郷
瀬戸の同期で片思いの相手・営業所属
瀬戸友哉
生真面目な帰国子女・経営企画室所属

その他の収録作品

  • 王子様のタキシード
  • あとがき

あらすじ

出来心でした女装を片思い相手の加賀谷に見られてしまった瀬戸。
女装趣味があると勘違いされ、しかも女装に協力的な彼に実は違うと言い出せず?

作品情報

作品名
人魚姫のハイヒール
著者
安西リカ 
イラスト
伊東七つ生 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
人魚姫のハイヒール
発売日
ISBN
9784403524004
3.9

(186)

(87)

萌々

(49)

(28)

中立

(6)

趣味じゃない

(16)

レビュー数
29
得点
721
評価数
186
平均
3.9 / 5
神率
46.8%

レビュー投稿数29

健気で可愛い

安西リカ先生の作品を読み漁っている最中ですが、どれもこれも性格こそ違うものの健気な受けくんが多いなぁという印象です。

今作の瀬戸は特に仕事面でのエリート具合こそ高いですが、性格はおっとりと優しく健気で尽くしてしまう頑張り屋さん。そんな彼には同じ社内で好きになった加賀屋に密かに恋心を抱く隠れゲイでもあります。瀬戸が加賀屋に少しでも近づく為についた嘘が『女装好き』。
そんな嘘いつかはバレるに決まっているのに加賀屋の部屋に入れる…!化粧で触れてもらえる…!可愛いって言ってもらえる…!デートしてもらえる…!!とどんどん欲求も高まっていき、元々のなんでも徹底的に頑張る性格が仇となって女装の研究までしちゃう頑張り屋さん笑
も〜その姿がとんでもなく健気!!

対する加賀屋ですが、こいつ(←)自分のポテンシャルがわかってるタイプのヤリチン!悪い男ですよほんと!誘い方といい、お願いの仕方といい、逃げられない状況を作るのが上手すぎる!!しかもいくら似合うからって毎週化粧して女装させて隣に侍らすか〜??第三者からすると瀬戸をおもちゃにして遊んでいるような感じで見ていて気持ちのいいものではありませんでした。でも、こういうちょっと遊んでそうな悪い男に惹かれちゃう瀬戸の気持ちも分からないでもないんですよねぇ。現に瀬戸は嬉しがっちゃってるし…。
とにかく最初からしばらくずーっと私の中での『クズ』称号が剥がれない存在でした笑
特に自分から仕掛けた癖に瀬戸の「男」な部分を感じて躊躇(したように瀬戸には思えた)する辺りがお前〜!!と殴りたくなりました笑笑笑

最後の女装と決めた瀬戸の誕生日シーンほど感情ジェットコースターになったことはありません!!読者としては、加賀屋の「新しい彼女」は架空の人物できっと瀬戸が本命なんだろ〜(実際そう)と思ったのですが、加賀屋の隣に一緒に来た女の子を見て崩れ落ちましたよね。うわぁぁぁぁ!お前やっぱりクズじゃねぇか〜!!って加賀屋を罵りたい気分でした笑
逃げちゃう受けくんは先生の癖らしいのですが笑笑笑
瀬戸の真実の告白。んんんん!!ここは瀬戸も頑張った!!加賀屋の気持ちも!も〜それならそうと言ってよ〜は物語的にダメなんでしょうけど、ハラハラの連続でした。

後半は美女溢れる中でも際立つ美しさの瀬戸が颯爽と現れるシーンがなんとも気持ちいい!本人内心大丈夫かな〜ってオドオドしてるのも可愛い!!

いや〜読みやすくて面白かったです!!

0

女装子が効果的に

女装男子を女装子(じょそこ)って呼ぶんですね!
ひとつ勉強になりました。
女装ものに特段性癖があるわけではありませんが、
今作では事故的に女装することになっているので
良いアクセントになっていておもしろかったです。
最後のストッキングプレイは必読。
文章で読む卑猥さよ。
瀬戸の"何にでも一生懸命頑張ってしまう性格"が
とても微笑ましかったです。
むき卵、私もぷにぷにしたい♡
あとがきで安西先生が「いかにワンパターンといわれようとも」って仰ってましたが、私も
好きな人のことを思って身を引く受けが大好きです!

0

ツッコミたくなる心理描写が最高

女装もの?同期の片思い相手のために女装するリーマンが主人公のお話。男のために着飾る受けと、自分のために着飾る受けを元カノたちと比べて喜ぶ攻めという、昔懐かしい価値観を見た気がした。後半の攻め視点がうるさくてとても好き。

前半は瀬戸視点。ちょっとしたハプニングから女装して加賀谷と遊ぶことになった瀬戸は、恋心にチクチク刺さる加賀谷の言動に小さく傷つく場面がいっぱい。でもその原因は最初に瀬戸が吐いた嘘にあり、瀬戸自身もそれを分かっていたのが良かった。

加賀谷は瀬戸の恋心なんて知らないし、瀬戸が女装好きだと思っている前提で見れば、喜ばせようといろいろ考えてくれる良い奴。瀬戸視点で恋心重視の描写のみだと、加賀谷に読み手のヘイトが向きそうなところを、瀬戸自身の客観視点でフォローしており読みやすい。

それを言って欲しかった、と思う一文が良いタイミングで入ってくることが続き、どんどんハマっていく。ストーリーに意外性はなくとも、ぐいぐい読まされる。
瀬戸が加賀谷の後ろ姿を見送るシーンの描写が好きすぎた。

後半は加賀谷視点。同じタイプの美人とばかり遊んできた男が、今までとは違う尽くす系に惚れ、結婚一直線パターンを見ているようで面白い。

加賀谷視点で見る瀬戸は、あざとく見える。性格を演技で作っていても加賀谷は自分に都合よく解釈しそう。男はこういうのが好きだ、コイツはこういう考えだ、と自分の察し力を信じすぎているところからもそう思う。

そんな加賀谷と一緒にいるせいなのか、男はやっぱり~なんて発言し始める瀬戸。見た目を加賀谷好みに整えようとしたくらいだし、中身も当然のように加賀谷に染まっていくのかな。
キャラが嫌いなタイプでもキャラ個人を嫌いになることはなく、それどころか楽しく読める。なんかすごい。

最後のレストランシーンはファンタジー。場を静めるほどの美女メイクできたの?
瀬戸は“ゆで卵にちょいちょいと筆で目鼻をつけたような、簡単な顔”とか書かれてたのに。加賀谷視点はこういう愉快な表現が良い。加賀谷うるせえな、とツッコミたくなる心理描写もいっぱいで好き。面白かった。

0

柔らかく読みやすい文章

安西先生の本を読むのは三冊目です。
すっと入り込みやすい文章でサクサク読めます。キャラクターの心理描写もさすがだなあと。

その文章力もあり、今回の話は受けの瀬戸に感情移入して苦しかった…。
女装姿を見られたことがきっかけで距離が縮まる二人。
瀬戸は本当は女装なんて趣味じゃないのに、攻めの加賀谷が喜んでくれるのが嬉しくて、女装した姿でデートを重ねます。
瀬戸がほんとにいじらしくて可愛い人なんです。

ある時、仕事終わりに加賀谷に飲みに誘われて、普通のスーツ姿で飲みに行くチャンスが出来たかと思っていると、悪気なく女装してから来いよと言われて落ち込む瀬戸。
これだからノンケは…!と若干デリカシーのない口ぶりにハラハラさせられました。
加賀谷が女装した瀬戸を「瀬戸子」と呼ぶのも「俺の女」とか言うのも、瀬戸がそれでも良くても見てるこっちは辛い。
ずっと受けの瀬戸視点なので、加賀谷が何を考えてるのか分からなくて心臓に悪かったです…笑

瀬戸が健気で可愛くて、彼を泣かせるストレートの男じゃなくて、スパダリのゲイの彼氏とか出来たらいいんじゃないかと思ってしまいました。
最後の告白のシーンまでは。
優秀な瀬戸に追いつきたくて、瀬戸に似合う男になりたくて、それを原動力に加賀谷が努力していたのを知ると、二人がくっついて良かったのかもと納得できました。

ただ、二人とも女装エッチにはまって、男同士の姿でイチャラブが少なかったのが残念…。
女装しなくても好きだよ、と加賀谷にはもっと伝えてほしかったです。

0

女装が似合うイケメン?

飲み会の出し物で全力女装したゲイの瀬戸と、同期の加賀屋。ホントは女装癖があるわけじゃないのに、ひょんなことから加賀屋に見られてしまった言い訳にしちゃった。

そこから二人のややこしい関係が始まるんですが、女装してとびきりの美人さんになっちゃう人ってのが(しかも本人の面影がない?)イメージ出来ず。だから神にはならなかったんですよね~。

そこを除けば、両片思い状態から思いが通じるところとか、加賀谷が必死で欧州駐在を勝ち取るとか、面白く読めました。
「超長距離恋愛なんて無理!」
ってシーンは良かったなぁ。

駐在が始まってからのお話も良かった。加賀谷の元カノが来て復縁を迫る所へふたたび女装した瀬戸が現れて…誰も気づかなかったのか。
そこはさておき、加賀谷の瀬戸の女装をもっかい見たい!の願望と妄想が叶って良かったよ~。

0

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